※当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
レノボ IdeaPad 5 2-in-1 Gen 10(14型 AMD)の実機レビュー - AI PCとして最安

CPU | Ryzen AI 5 340 Ryzen AI 7 350 |
---|---|
GPU | CPU内蔵 |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 512GB / 1TB SSD |
画面サイズ | 14型 16:10 |
画面種類 | 1920x1200 光沢 タッチ |
質量 | 約 1.60kg |
バッテリー | 57Wh |
価格[税込] | 10万円台~ |
IdeaPad 5 2-in-1 Gen 10(14型 AMD)は、高い性能のNPUを搭載した、いわゆるAI PCとしては、筆者が調べた限りでは、最安のノートPCです。
安くても、CPUの処理性能は十分あります。
ヒンジが360度回転する2 in 1 PCなので、様々な形状で利用することもできます。
ただし、安い分、デメリットもあります。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen AI 5 340、16GBメモリ、512GB SSD
セール情報
以下のページで、レノボのパソコンのセールを実施中です。
目次
お忙しい方は、「IdeaPad 5 2-in-1 Gen 10(14型 AMD)の特徴」のみお読みください。
IdeaPad 5 2-in-1 Gen 10(14型 AMD)の特徴
AI PCとしてはおそらく最安
Lenovo IdeaPad 5 2-in-1 Gen 10(14型 AMD)は、NPU性能の高いRyzen AI 300シリーズプロセッサーを搭載しているAI PCです。
まだ対応アプリは少ないですが、ローカルPC上(クラウドではなく自分のPC上)でAI処理を実行することができます。
このAI PCと呼ばれるPCの中で、本製品は価格が非常に安いです。筆者が確認した限りでは、最も安かったです。

変形できる2 in 1 PC
本製品は、2 in 1 PCなので、下図のようにタブレット等の形状へ変形して使うことができます。


また、ペンも付属しており、簡単な絵を描いたりすることができます。簡単な絵から、イラストを生成するAIツールを使うときなどに便利でしょう。
ただ、ペン先の摩擦が強すぎて、書き心地はあまりよくありませんでした。AIではなく自分でイラストを描きたい場合には適しません。

残念な点
本製品の残念な点は、まず、ディスプレイの色域(色の表現できる範囲)が狭いです。また、光沢なので周囲の物が映り込みやすいです。
また、質量が約 1.60kgと、持ち運ぶにはそこまで軽くありません。タブレットの形状にして手で持って使うには重いです。
また、ローカルPC上でAI処理を実行する場合、32GBのメモリが必要となるケースがありますが、本製品は16GBメモリしか搭載されていません。オンボードメモリなので交換することもできません。

各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | Web閲覧などの作業は快適です。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ○ | 映像はややくすんで見えます。スピーカー音は普通です。 |
RAW現像 画像編集 |
△ | 色域が狭いので、画像編集などの用途には不向きです。 |
動画編集 | △~○ | FHD動画の簡易的な動画編集ならできます。ただし、本格的な動画編集をするなら、独立GPUを搭載したPCのほうがいいでしょう。なお、動画編集をするなら、Ryzen AI 7 350のCPUがおすすめです。 |
ゲーム | △~○ | 原神クラスの軽いゲームであればプレイ可能ですが、重いゲームは無理です。また、できればRyzen AI 7 350のほうがおすすめです。 |
ディスプレイのチェック
ディスプレイは、色域が狭いので、色がくすんで見えます。画像編集などの用途には不向きです。ただ、資料作成など、そこまで色が重要ではない用途なら問題ないでしょう。
詳細は、下のタブをクリックしてご覧下さい。
- 色域・輝度
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき
当サイトの計測で、sRGBカバー率は63%でした。最大輝度は300nitとそこまで高くはありません。

どの色も補正されておらず、自然な発色であることが分かります。

視野角は広いです。

光沢液晶であるため、周囲の物が画面に映り込みやすいです。ギラつきは感じません。

キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードは普通の打ちやすさです。
キーボードは若干湾曲しており、「半角/全角」キーや「Ctrl」キーが大きいのは良かったです。ただ、「Backspace」キーなどはやや小さいです。
タッチパッドは使いやすかったです。

※画像をクリックすると拡大できます

パフォーマンスのチェック
IdeaPad 5 2-in-1 Gen 10(14型 AMD)のパフォーマンスのチェックです。
デフォルトの「適応パワー・モード」と、高いパフォーマンスが出る「パフォーマンス」で、各種ベンチマークを計測していきます。

CPU
CPUは、Ryzen AI 300シリーズを搭載しています。今回、Ryzen AI 5 340を搭載していますが、割と高いスコアが出ています。

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
グラフィックス
グラフィックス性能は、そこまで高くありません。ただ、低いわけでもないので、普段使い用なら、特に問題ない性能です。
~ グラフィックス性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
次に3DMark Steel Nomad Lightのスコアを掲載します。こちらは、低めのスコアでした。
~ グラフィックス性能の評価 ~

NPU
NPUの性能は比較的高めです。
~ NPU性能の評価 ~
:レビュー機のTOPS
ストレージ
ストレージは高速です。
~ ストレージ性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
micro SDカードスロットを搭載しており、アクセス速度は普通です。
~ SDカードスロット性能 ~

その他ベンチマーク
Ryzen AI 5 340およびRyzen AI 7 350のその他のベンチマークスコアについては、下のリンク先をご覧ください。これらのページでは、FF14、原神などのゲーム時のフレームレートも掲載しています。ただ、別のPCで計測しているので、結果は多少異なると思います。
質量のチェック
質量は、メーカーの仕様では約 1.60kgで、やや重いです。
ACアダプターは普通です。
質量 | |
PC本体 | 1.631kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 291g |
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー容量は57Whとやや大きめです。

バッテリー駆動時間は以下の通りで、普通です。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA3.0(アイドル時) | 約18.4時間 |
(2) JEITA3.0(動画再生時) | 約13.8時間 |
(3) 動画編集ソフトでプレビュー再生 | 5時間07分 |
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生させたとき。画面輝度は約120cd/m2
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。
CPUのデフォルトTDPは28Wですが、それ以上のCPU電力が出ており、十分なパフォーマンスは出ています。
ただ、CPU温度は、100℃近くまで上がっており、高いです。


静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時はほぼ無音です。その他の状態も、低めの騒音値です。
騒音値 | |
アイドル時 | 約20dB |
---|---|
低負荷時 [YouTube再生] | 約26dB |
中負荷時 [動画編集] | 約28dB |
高負荷時1 [エンコード] | 約37dB |
高負荷時2 [ゲーム] | 約37dB |
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
アイドル時:アイドル時
低負荷時:1080pのYouTube動画再生時
中負荷時:Premiere Proで、編集中の1080pの動画をプレビュー再生した時
高負荷時1:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコード(x265)した時
高負荷時2:FF14のゲームのベンチマーク実行時(標準品質(ノートPC)、1920x1080、ウィンドウ)
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手のひらを置くパームレストの温度変化は重要です。
そこまで温度は上がっておらず、特にパームレスト部分の温度変化はないので、不快感なく使用することができます。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
低めの消費電力です。
消費電力 | |
アイドル時 | 8W |
---|---|
低負荷時 [YouTube再生] | 12W |
中負荷時 [動画編集] | 21W |
高負荷時1 [エンコード] | 35W |
高負荷時2 [ゲーム] | 37W |
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています
外観のチェック
外観のチェックです。
ルナグレーの無難なカラーです。底面は樹脂、天板はアルミ製です。

天板にはLenovoのロゴが入っています。

最薄部は17.5mmとなっており、比較的薄いです。


2W×2のスピーカーを搭載し、音質は普通です。勝手に点数をつけると、ノートPC基準で10点満点で5~6点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

Webカメラは1080pで、画質はまずまずです。IRカメラおよびシャッターも付いています。


※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影
USB-Cは、Thuderbolt4には非対応ですが、PowerDeliveryおよびDisplayPort出力には対応しています。
HDMIはHDMI 1.4bです。ただし、当サイトで試した限りでは、4K/60Hzで出力できました。


ヒンジは360度回転するので、以下のような形状にすることができます。



底面はスッキリとしています。

内部はご覧のようになっており、冷却ファンが1つ、ヒートパイプが2つです。

SSDはType 2242です。空いているM.2スロットはありません。

ACアダプターは65Wです。

まとめ
以上が、IdeaPad 5 2-in-1 Gen 10(14型 AMD)のレビューでした。
AI PCとしては、10万円台からと、価格が非常に安いノートPCです。
普段使いであれば、十分快適にこなせる性能です。
2 in 1 PCなので、色々な形状へ変形することができ、ペンにも対応しています。
ただ、ディスプレイの色域が狭い点、光沢なので映り込みがある点、質量がそこまで軽くない点はデメリットです。ペンの書き心地もあまりよくありませんでした。
また、AI PCは32GBのメモリが必要なケースもありますが、本製品は最大16GBのメモリしか搭載できず、オンボードなので換装することもできません。
Ryzen AIとしてはおそらく最安
IdeaPad 5 2-in-1 Gen 10(14型 AMD)

特徴
- Ryzen AI 300搭載でも10万円台
- 2 in 1 PCなので変形可能
- ペンも付属
こんなあなたに
- 安くAI PCを使って見たい方
- 変形して使いたい方
- 価格10万円台~
- キャンペーンページお得なセール情報

1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
関連ページ

Ryzen 8040 HSシリーズプロセッサーと、2.8K有機ELディスプレイを搭載し、11万円台からと、コスパの高いノートPC。