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Lenovo Yoga Pro 7i Gen 10 Aura Edition(14型 Intel)の実機レビュー

CPU | Core Ultra 7 255H Core Ultra 9 285H |
---|---|
GPU | CPU内蔵 |
メモリ | 32GB |
ストレージ | 1TB SSD |
画面サイズ | 14.5型 16:10 |
画面種類 | 3000x1876 光沢 100% DCI-P3 |
質量 | 約 1.54kg |
バッテリー | 84Wh |
価格[税込] | 18万円台~ |
Lenovo Yoga Pro 7i Gen 10 Aura Edition(14型 Intel)は、高め性能のCPUに、色域の広いディスプレイを搭載したクリエイター向けノートPCです。
インテル Core Ultra 200Hを搭載し、NPU性能は高くありませんが、CPU性能が高く、GPU性能もiGPUとしては高いです。
重量も、約1.54kgと重くありません。
外出先へPCを持ち運び、簡単な動画編集や画像編集などを行うことがあるクリエイターに適しています。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core Ultra 9 285H、32GBメモリ、1TB SSD
セール情報
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目次
お忙しい方は、「Yoga Pro 7i Gen 10の特徴」のみお読みください。
Yoga Pro 7i Gen 10の特徴
外へ持ち運びやすいクリエイター向けノートPC
Yoga Pro 7i Gen 10 Aura Edition(14型 Intel)は、自宅(社内)でも外出先でも、負荷の軽い動画編集や画像編集などのクリエイティブワークを行う方に適したノートPCです。
GeForce RTXシリーズなどの独立GPUは搭載していませんが、その代わり約1.54kgと軽く、バッテリー駆動時間が、独立GPUを搭載したノートPCよりも長くなっており、外で使いやすいです。

Core Utlra 200Hシリーズを搭載
本製品のCPUは、インテル Core Ultra 200Hシリーズです。
今回のレビュー機では、Core Ultra 9 285Hを搭載しています。下のグラフの通り、ライバルとなるRyzen AI 9 HX 370と比較すると、Core Ultra 9 285Hは、CPU性能はやや劣るものの、GPU性能は高くなっています。
NPU性能は低いですが、CPU、GPU、NPUをまとめた「XPU」のAI TOPSは最大 99TOPSと割と高く、そこまでAI処理が苦手なわけでもありません。ただし、Copilot+ PCではないので、Copilot+ PCだけが使える機能は使えません。

3K有機ELディスプレイを搭載
本製品は、3K(3000x1876ドット)の有機ELディスプレイを搭載しています。
解像度が高く、精細な表示が可能ですし、100% DCI-P3と色域も広いです。メリハリがあり色鮮やかな美しい表示で、画像や動画を見ることができるでしょう。また、ファクトリー・カラーキャリブレーションがなされており、delta E < 1と色差が小さく、正確な色表現が可能となっているため、写真や動画の編集といった、コンテンツクリエイトに適しています。

空きのM.2スロットあり
Yoga Pro 7i Gen 10(14型 Intel)は、ストレージ用として、Type 2242 M.2スロットと、Type 2280 M.2スロットの2つのスロットがありました。
実際のストレージとしては、Type 2242 M.2 SSDを搭載しているので、Type 2280 M.2スロットは空きスロットになっています。比較的手軽に、ストレージ容量を増やすことができるのは、クリエイター向けノートPCとしてメリットになると思います。ただし、ストレージの増設は、自己責任となります。

スピーカー
スピーカーは、2W×2 ツイーター、2W×2 ウーファーの構成で、音質はとても良いです。勝手に点数をつけると、ノートPC基準で10点満点で7点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。


各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 光沢ディスプレイなので、画面への映り込みが気になるかもしれませんが、スペックは高く快適に動作します。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | 映像が綺麗で、動画鑑賞も快適です。スピーカー音も良いです。 |
RAW現像 画像編集 |
○ | 色域が広いので画像編集なども可能です。 |
動画編集 | ○ | CPU内蔵のグラフィックス性能が高いので、FHD動画の簡易的な編集なら十分できます。ただ、4K動画の凝った編集など、本格的にするなら、独立グラフィックスを搭載したPCがおすすめです。 |
ゲーム | △~○ | 原神クラスの軽いゲームであればプレイ可能ですが、モンハンワイルズなどの重いゲームは無理です。 |
ディスプレイのチェック
ディスプレイは、前述したように、広色域・高解像度で綺麗です。
詳細は、下のタブをクリックしてご覧下さい。
- 色域・輝度
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
当サイトの計測では、下図のとおり、色域は非常に広いです。メーカー仕様ではHDR時の最大輝度は1000nitです。当サイトによるSDR時の最大輝度は、498cd/m2でした。
カバー率 | |
sRGBカバー率 | 100% |
---|---|
DCI-P3カバー率 | 100% |
Adobe RGBカバー率 | 94% |

どの色もほぼ補正されておらず、自然な発色であることが分かります。

視野角は広いです。

光沢液晶であるため、周囲の物が画面に映り込みやすいです。ギラつきは感じません。

フリッカーはあります。

※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードは普通の打ちやすさです。
仕様では、キーストロークは約1.5mmとなっています。キーピッチは十分あります。
BackspaceキーやEnterキーがやや小さいですが、Backspaceキーは大きくキートップが湾曲しており、打鍵感も良かったです。
タッチパッドは使いやすかったです。

※画像をクリックすると拡大できます

パフォーマンスのチェック
Yoga Pro 7i Gen 10 Aura Edition(14型 Intel)のパフォーマンスのチェックです。
Lenovo Vantageからは電源モードが変更できなかったので、今回はWindowsの電源モードから、デフォルトの「バランス」と、高いパフォーマンスが出る「最適なパフォーマンス」で、各種ベンチマークを計測しています。
CPU
CPUは、今回、Core Ultra 9 285Hを搭載しており、マルチコアもシングルコアも高いスコアでした。

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
グラフィックス
3DMark Night Raidのスコアも高く、GeForce RTX 3050に迫るスコアでした。
~ グラフィックス性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ただ、3DMark Steel Nomad Lightのスコアは、GeForce RTX 3050とは差がややあります。それでも、CPU内蔵グラフィックスとしては高いスコアです。
~ グラフィックス性能の評価 ~

NPU
AI処理専用プロセッサーのNPU性能は、最大 13 TOPSと高くありません。ただ、GPU性能が高いので、プロセッサー全体としてのNPU TOPSは割と高めです。
~ NPU性能の評価 ~
:レビュー機のTOPS
ストレージ
ストレージは比較的高速です。
~ ストレージ性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
フルサイズのSDカードスロットを搭載しています。アクセス速度は普通です。
~ SDカードスロット性能 ~

クリエイターソフトの処理時間
次に、クリエイターソフトを使って、重い処理を実行したときにかかった時間を掲載します。

今回、Core Ultra 9 285Hを搭載していますが、速い書き出しでした。Ryzen AI 9 HX 370よりも速かったです。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

AIを使ったニューラルフィルター処理の結果は下の通りです。「スーパーズーム」はGPUも使って処理しますが、RTX 4060搭載PCよりは遅いものの、独立GPUを搭載していないPCとしては非常に速かったです。
「JPEGのノイズを削除」はCPUのみで処理しますが、こちらも速い書き出し速度でした。

FHD動画の書き出し速度もかなり速かったです。こちらもRyzen AI 9 HX 375より短い書き出し時間でした。
※ グラフィックスは全てノートPC用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
質量のチェック
質量は、メーカーの仕様では約1.54kgとなっており、当サイトの計測値もほぼ同じです。持ち出しに特化したモバイルノートPCよりはやや重いですが、高い性能のノートPCとしては、比較的軽いです。
ACアダプターはやや重いですが、USB PD充電に対応しているので、他のPD充電器を使ってもいいでしょう。
質量 | |
PC本体 | 1.541kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 391g |
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー容量は84Whと大きいです。

バッテリー駆動時間は、そこそこあります。なお、(3)は、低画質の動画をプレビューしており、どちらかというと普段使いの負荷になるようにしています。FHD画質の動画編集をした場合は、約3時間のバッテリー駆動時間でした。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA3.0(アイドル時) | 未公開 |
(2) JEITA3.0(動画再生時) | 未公開 |
(3) 動画編集ソフトでプレビュー再生 | 6時間55分 |
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生させたとき。画面輝度は約120cd/m2
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。
なお、Core Ultra 200Hシリーズは、プロセッサー・ベース・パワー(PBP)が28Wのものが多いですが、今回のCore Ultra 9 285Hは45Wです。
「バランス」モードの場合、CPU電力は初動を除くと50W前後で動作しており、やや高めのCPU電力で推移しています。このときのCPU温度は、70°台と問題ありません。
「パフォーマンス」モードの場合もそれほど変わりません。
- バランス時
- 最適なパフォーマンス時


静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時はほぼ無音です。YouTube動画の再生のような低い負荷のときも、ほぼ音は聞こえませんでした。高い負荷をかけたときは、それなりの騒音値にはなります。
騒音値 | |
アイドル時 | 約20dB |
---|---|
低負荷時 [YouTube再生] | 約21dB |
中負荷時 [動画編集] | 約25dB |
高負荷時1 [エンコード] | 約42dB |
高負荷時2 [ゲーム] | 約43dB |
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
アイドル時:アイドル時
低負荷時:1080pのYouTube動画再生時
中負荷時:Premiere Proで、編集中の1080pの動画をプレビュー再生した時
高負荷時1:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコード(x265)した時
高負荷時2:FF14のゲームのベンチマーク実行時(標準品質(ノートPC)、1920x1080、ウィンドウ)
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手のひらを置くパームレストの温度変化は重要です。
高い負荷をかけても、キーボード中央部がやや熱くなるだけなので、タイピングしていても、ほとんど気になりません。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
低負荷維持は低めの消費電力です。高負荷時は、独立GPUを搭載していないノートPCとしては、高めの消費電力ですが、独立GPUを搭載したノートPCよりは低い消費電力です。
消費電力 | |
アイドル時 | 7W |
---|---|
低負荷時 [YouTube再生] | 15W |
中負荷時 [動画編集] | 18W |
高負荷時1 [エンコード] | 72W |
高負荷時2 [ゲーム] | 89W |
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています
外観のチェック
外観のチェックです。
ボディはアルミ製で、エッジは丸みを帯びており、質感はいいです。

天板上部には、カメラなどがあるコミュニケーションバー(出っ張り)があります。「Lenovo」のロゴはもう少し控え目であれば良かったです。

ボディは薄いです。


Webカメラは500万画素と非常に高い解像度です。画質も良かったです。IRカメラも内蔵しており、顔認証に対応していますが、指紋認証には非対応です。


※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影
側面のポート類は下図の通りです。フルサイズのSDカードスロットが搭載されているのが嬉しいです。画像や動画を撮影して取り込むときに便利です。
また、Thunderbolt4のポートが2つ搭載されており、PowerDeliveryおよび映像出力に対応しています。PowerDeliveryは65Wの充電器だと警告がでましたが、100Wの充電器なら警告が出ませんでした。
HDMIはHDMI2.1です。


ヒンジはほぼ180度まで開きます。

底面はスッキリとしています。

内部はご覧のようになっており、冷却ファンが2つ、ヒートパイプが2つです。独立GPUを搭載していないノートPCとしては、高めの冷却性能です。

SSDは、Type 2242です。

空いているSSDスロットもあります。

ACアダプターは100Wと大容量です。

まとめ
以上が、Yoga Pro 7i Gen 10 Aura Edition(14型 Intel)のレビューでした。
CPU性能が比較的高く、GPU性能も内蔵グラフィックスとしては高いプロセッサーを搭載し、負荷が軽めのクリエイティブ作業であれば、割と快適に使えるノートPCです。
ディスプレイの色域が広く、解像度も高いので、映像や画像を扱うクリエイターに適しています。
さらに、約1.57kgとそれほど重くないので、持ち出しにも便利です。
独立GPUを搭載していないことで、負荷の重いクリエイティブ作業をするのは難しいですが、その代わり消費電力は低くなります。低めの負荷であれば、バッテリー駆動状態でもそこそこ使えるでしょう。
NPU性能は低いですが、CPU、GPUも含めた全体の最大AI TOPSはそこまで低くないですし、NPUを使って処理するソフトがあまりないので、そこまで問題はないでしょう。
フラグシップの「Yoga Pro」シリーズだけあって、ボディの質感もいいですし、スピーカー音も良く、ポート構成も充実しています。
価格は18万円台からとなっており、決して安くはありませんが、このスペックを考えると安い方だと思います。
外でも使いやすいライトクリエイター向けPC
Yoga Pro 7i Gen 10 Aura Edition(14型 Intel)

特徴
- 高い性能のCore Ultra 200H搭載
- 3K有機EL(OLED)ディスプレイ
- 全体的に高い品質
こんなあなたに
- 外でもPCを使うライトクリエイター
- 高い品質のノートPCが欲しい方
- 価格18万円台~
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1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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