※当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
IdeaPad Slim 5 Gen 10 (14型 AMD)の実機レビュー - コスパ最強のノートPC

CPU | Ryzen 5 8645HS Ryzen 7 8845HS |
---|---|
GPU | CPU内蔵 |
メモリ | 16GB / 32GB |
ストレージ | 512GB / 1TB SSD |
画面サイズ | 14型 16:10 |
画面種類 | 1920x1200 光沢 100% DCI-P3 |
質量 | 約 1.39kg |
バッテリー | 60Wh |
価格[税込] | 9万円台~ |
IdeaPad Slim 5 Gen 10 (14型 AMD)は、性能の高いCPUに、有機ELディスプレイを搭載しつつ、10万円を切るコスパが非常に高いノートPCです。
CPUは、Ryzen 8045HSシリーズで、ゲーミングノートPCに採用されるような高い性能です。
ディスプレイは、引き締まった黒に、色鮮やかな色を表現でき、画像や映像がとても美しいです。
メモリの交換、SSDの増設も可能です。
ディスプレイに関しては気になる点もありますが、そこが気にならない方は、"買い"でしょう。
レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen 5 8645HS、16GBメモリ、512GB SSD
セール情報
以下のページで、レノボのパソコンのセールを実施中です。
目次
お忙しい方は、「IdeaPad Slim 5 Gen 10 (14型 AMD)の特徴」のみお読みください。
IdeaPad Slim 5 Gen 10 (14型 AMD)の特徴
性能の高いプロセッサーを搭載
本製品は、10万円を切る安いノートPCですが、Zen 4世代、Ryzen 8045HSシリーズの性能の高いプロセッサーを搭載しています。
CPU性能だけでなく、グラフィックス性能もCPU内蔵のものとしては高いです。軽いゲームであれば遊ぶことができますし、FHD動画の軽い編集なども行えると思います。
AI処理を専門に行うNPUの性能はそれほど高くありませんが、そもそもNPUは必要ないという方も多いでしょう。

メモリ交換が可能
本製品は、メモリの交換ができるのもメリットです。
長くPCを使っている方は、「メモリをもっと多くしたいな」という経験があるのではないかと思います。そんなときにメモリを増設できると便利です。なお、パーツ交換はメーカー保証対象外となるので、自己責任でお願いします。

SSDの増設が可能
本製品は、搭載されているSSDの他に、空いてるM.2スロットもあります。ここに、自分でType 2280のM.2 SSDを増設することも可能です。
ただし、固定するネジがなかったので、増設の際は、M2ネジを自分で購入する必要があります。

試しに、手持ちのKIOXIAのPCIe Gen4 1TB SSDを増設してみたところ、問題なく認識しました。なお、ネジは所持しているのM2×2mm(ネジ頭5mm)のネジを使用しました。3mmでも大丈夫だと思います。

比較的軽い
本製品は、持ち運び用に特化したモバイルノートPCほどで軽くはありませんが、約1.39kgと持ち運べないこともない重さです。

有機ELディスプレイを搭載
本製品は、有機ELディスプレイを搭載し、黒の表現力が高く、色の表示出来る範囲も広いです。そのため、画像や映像をよく観る方におすすめです。
ただし、ペンタイル方式の有機ELに、1920x1200程度の高くない解像度だと、小さい文字がやや見にくいです(詳細はこちら)。なお、16型ディスプレイを搭載した兄弟機種の「IdeaPad Slim 5 Gen 10(16型 AMD)」であれば、解像度が2880x1800ドットと高いため、そこまで気になりません。
また、光沢ディスプレイなので、周囲の物や照明が、画面に映り込みやすいです。また、ちらつき(フリッカー)もあります。
こういった点が気にならなければ、本製品は非常におすすめです。


高いコストパフォーマンス
Zen4世代のRyzenプロセッサーに、有機ELディスプレイを搭載し、ボディはアルミでありながら、価格は、99,880円(執筆時点)と安く、コスパが非常に高いです。
上で挙げた、ディスプレイ特性が問題なければ、非常におすすめのノートPCです。

他のノートPCとの比較
ここでは、レノボの下位モデルの「IdeaPad Slim 3 Gen 10 14型」と、上位モデルの「Yoga Slim 7 Gen 10 14型」と、本製品(IdeaPad Slim 5 Gen 10 14型)との違いを比較してみます。
「IdeaPad Slim 3 Gen 10 14型」と比較すると、CPU性能、ディスプレイ品質、メモリやSSDの拡張性など、本製品のほうが全体的に品質は上です。
「Yoga Slim 7 Gen 10 14型」と比較すると、Yoga Slim 7のほうがディスプレイ解像度が高くなっています。解像度が高くなると、(文字などの大きさを125%などにすることで)小さい文字が見にくい点がだいぶ軽減されます。また、NPU性能もYoga Slim 7のほうが高いです。ただし、CPU性能とGPU性能についてはそれほど変わりません。また、メモリやSSD容量を後から増やすこともできません。
[下位モデル] IdeaPad Slim 3 Gen 10 14型 |
[本製品] IdeaPad Slim 5 Gen 10 14型 |
[上位モデル] Yoga Slim 7 Gen 10 14型 |
|
画像 | ![]() |
![]() |
![]() |
CPU | Ryzen 5 7533HS Ryzen 7 7735HS |
Ryzen 5 8645HS Ryzen 7 8845HS |
Ryzen AI 5 340 Ryzen AI 7 350 |
メモリ | 16GB オンボード+スロット |
16GB / 32GB スロット |
16GB / 32GB オンボード |
SSD | 512GB / 1TB | ||
2nd SSD | 空きなし | 空きあり | 空きなし |
画面 | 14型 1920x1200 | 14型 2880x1800 | |
画面種類 | IPS 非光沢 (45% NTSC) |
OLED 光沢 (100% DCI-P3) |
OLED 光沢 (100% DCI-P3) |
キーボード バックライト |
× | 〇 | 〇 |
質量 | 約 1.39kg | 約 1.39kg | 約 1.28kg |
USB-C | USB3.2 Gen 1 | USB3.2 Gen 2 | USB4 |
バッテリー | 50Wh | 60Wh | 70Wh |
価格 | 81,840円~ | 99,880円~ | 141,790円~ |
レビュー | レビュー記事 |
インテルCPUモデルとどっちがいい?
IdeaPad Slim 5 Gen 10 14型の兄弟機種として、インテルCPUを搭載したモデルもあります。機種名は、IdeaPad Slim 5i Gen 10 (14型 Intel)です。プロセッサーにはCore i5-13420Hまたは Core i7-13620Hを搭載し、CPU性能は高いです。ただし、グラフィックスは「インテル UHD グラフィックス」となり性能が高くありません。
そのため、個人的には、AMD Ryzenを搭載した本製品のほうがおすすめです。
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 光沢ディスプレイなので、画面への映り込みが気になるかもしれませんが、快適に動作します。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | 映像が色鮮やかです。スピーカー音は普通です。ただ、暗いシーンは周囲のものがディスプレイに映り込みやすいです。 |
RAW現像 画像編集 |
○ | 色域が広いので画像編集なども可能です。 |
動画編集 | △~○ | FHD動画の簡易的な動画編集ならできます。ただし、独立GPUが搭載されていないので、本格的な動画編集には不向きです。 |
ゲーム | △~○ | 原神クラスの軽いゲームであればプレイ可能ですが、重いゲームは無理です。 |
ディスプレイのチェック
ディスプレイは、色域は広いですが、前述の通り「小さい文字がやや見にくい」、「映り込みがある」、「フリッカーがある」というデメリットもあります。
詳細は、下のタブをクリックしてご覧下さい。
- 色域・輝度
- RGB
発色特性 - 画素
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
下図のとおり、色域は非常に広いです。当サイトの計測では、DCI-P3カバー率だけでなく、Adobe RGBカバー率も100%でした。最大輝度は、当サイトの計測では371cd/m2とやや高めでした。
カバー率 | |
sRGBカバー率 | 100% |
---|---|
DCI-P3カバー率 | 100% |
Adobe RGBカバー率 | 100% |

どの色も補正されておらず、比較的自然な発色であることが分かります。

視野角は広いです。

光沢液晶であるため、周囲の物が画面に映り込みやすいです。

輝度が上がったり下がったりを繰り返すフリッカー(ちらつき)があります。人によっては眼が疲れるかもしれません。

※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測
ペンタイル配列の有機ELであるため、下図のように文字が小さいと、文字の中に赤や青の色が混じってみえたり、輪郭がザラついて見えたりします。ただ、気にならない方も多いです。


キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードは普通の打ちやすさです。
当サイトの計測では、キーピッチは、横:19mm、縦:18.5mm、キーストロークは約1.4mmでした。
キートップが湾曲している点は良かったですが、BackspaceキーやEnterキーがやや小さいです。
タッチパッドは使いやすかったです。

※画像をクリックすると拡大できます

パフォーマンスのチェック
IdeaPad Slim 5 Gen 10 (14型 AMD)のパフォーマンスのチェックです。
デフォルトの「適応パワー・モード」と、高いパフォーマンスが出る「パフォーマンス」で、各種ベンチマークを計測していきます。

CPU
CPUは、Zen4世代で、デフォルトTDPが45WのRyzenプロセッサーを搭載しており、高い性能です。
CINEBENCH 2024のスコアはご覧の通りで、Ryzen 5 8645HSでも高めのスコアです。Ryzen 7 8845HSであれば、もっと高いスコアが出るでしょう。やや負荷のかかる作業も快適に行える性能です。

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
グラフィックス
Ryzen 5 8645HSの3DMark Night Raidの結果は以下の通りで、比較的高いスコアです。Ryzen 7 8845HSであればさらに高くなります。動画編集やゲームをするなら、Ryzen 7 8845HSのほうがいいでしょう。ただし、動画編集もゲームも、本格的にやるなら、GeForce RTX シリーズなどを搭載したノートPCがおすすめです。
~ グラフィックス性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
NPU
AI処理専用プロセッサーのNPU性能は、最大 16 TOPSと高くありません。なお、生成AIをローカルで行いたいなら、NPUよりも、GeForce RTX シリーズのグラフィックスを搭載したノートPCがおすすめです。
~ NPU性能の評価 ~
:レビュー機のTOPS
ストレージ
ストレージは比較的高速です。
~ ストレージ性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
micro SDカードスロットを搭載しています。アクセス速度は普通です。
~ SDカードスロット性能 ~

質量のチェック
質量は、メーカーの仕様では約 1.39kgとなっており、当サイトの計測値はそれよりもやや重いですが、大きくは変わりません。
ACアダプターは軽いです。
質量 | |
PC本体 | 1.406kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 175g |
バッテリー駆動時間のチェック
IdeaPad Slim 5 Gen 10 (14型 AMD)のバッテリー容量は60Whと大きめです。

バッテリー駆動時間は、そこそこあります。
Ryzen 5 8645HS モデル | |
(1) JEITA3.0(アイドル時) | 約19.8時間 |
(2) JEITA3.0(動画再生時) | 約11.2時間 |
(3) 動画編集ソフトでプレビュー再生 | 5時間00分 |
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生させたとき。画面輝度は約120cd/m2
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。なお、搭載しているCPUのデフォルトTDPは45Wです。
「適応パワー・モード」の場合、CPU電力は初動を除くと35W前後で動作しており、デフォルトTDPよりやや低めです。ただし、このときのCPU温度は80°前後なので問題ない範囲です。
「パフォーマンス」モードの場合、CPU電力50W前後で推移しており、やや高めのパフォーマンスが出ています。ただ、このときのCPU温度は100℃近いので、このモードで、エンコードなどの負荷のかかる作業を長時間するのはおすすめしません。
- 適応パワー・モード時
- パフォーマンス時


静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時はほぼ無音です。YouTube動画の再生のような低い負荷のときも、ほぼ音は聞こえませんでした。他の状態も比較的静かです。
アイドル時 | 約20dB |
---|---|
低負荷時 [YouTube再生] | 約21dB |
中負荷時 [動画編集] | 約29dB |
高負荷時1 [エンコード] | 約33dB |
高負荷時2 [ゲーム] | 約43dB |
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
アイドル時:アイドル時
低負荷時:1080pのYouTube動画再生時
中負荷時:Premiere Proで、編集中の1080pの動画をプレビュー再生した時
高負荷時1:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコード(x265)した時
高負荷時2:FF14のゲームのベンチマーク実行時(標準品質(ノートPC)、1920x1080、ウィンドウ)
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手のひらを置くパームレストの温度変化は重要です。
負荷が高くないときは、それほど温度は上がらないので快適に使うことができます。ただ、ゲームのような高い負荷をかけると左パームレストが熱くなってきて、やや気になります。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
低めの消費電力です。
アイドル時 | 6W |
---|---|
低負荷時 [YouTube再生] | 11W |
中負荷時 [動画編集] | 20W |
高負荷時1 [エンコード] | 41W |
高負荷時2 [ゲーム] | 62W |
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています
外観のチェック
外観のチェックです。
ボディはアルミ製で、とても質感はいいです。

天板はフラットで今風ですが、Lenovoのロゴはもう少し控え目でも良かったかなと思います。

高さは16.9mmと薄いです。


スピーカーはキーボードの左右にあります。最大音量はやや低めです。音質は普通で、ノートPC基準で、10点満点で採点すると5点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。

Webカメラは1080pで、画質は普通です。IRカメラも内蔵しており、顔認証に対応していますが、指紋認証には非対応です。


※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影
側面のポート類は下図の通りです。USB-Cは、10GbpsのUSB3.2 Gen 2で、映像出力およびPowerDeliveryに対応しています。HDMIは、HDMI2.1で4K/60Hzに対応しています。


ヒンジは180度までは開きませんが、大分開きます。

底面はスッキリとしています。

内部はご覧のようになっており、冷却ファンが1つ、ヒートパイプが2つです。普通の冷却性能です。

メモリはスロット式なので、交換可能です。


SSDはType 2242です。

空いているType 2280のM.2スロットがあるので、ここにM.2 SSDを増設することができます。ただし、パーツの交換・増設は自己責任でお願いします。

ACアダプターは65Wで、サイズは小さいです。

まとめ
以上が、IdeaPad Slim 5 Gen 10 (14型 AMD)のレビューでした。
高い性能のプロセッサーに、有機ELディスプレイを搭載し、10万円を切る価格で、コストパフォーマンスが非常い高い製品です。
プロセッサーは、デフォルトTDPが45WのRyzen 8045HSシリーズで、負荷が高めの作業も快適に行えるでしょう。内蔵グラフィックス性能も高めです。NPU性能は低いですが、ローカルで生成AIをしない限り、特に問題ないでしょう。
ディスプレイは、有機ELなので、画像が色鮮やかです。ただし、光沢なので映り込みがある点と、フリッカー(ちらつき)がある点、ペンタイル配列なので小さい文字が見にくい点はやや気になります。
このディスプレイの表示が気にならなければ、コスパが高くとてもおすすめのノートPCです。
なお、16型ディスプレイを搭載した兄弟機種の「IdeaPad Slim 5 Gen 10(16型 AMD)」であれば、解像度が2880x1800ドットと高いため、(スケーリングを125%などと高くすることで)文字が見にくい点は大分気にならなくなります。
コスパ最強のノートPC
IdeaPad Slim 5 Gen 10 (14型 AMD)

特徴
- 高い性能のZen4世代のRyzenプロセッサー
- 有機EL(OLED)ディスプレイ
- 10万円を切る安さ
こんなあなたに
- コスパの高いノートPCが欲しい方
- ちょっといい品質のノートPCが欲しい方
- 価格9万円台~
- キャンペーンページお得なセール情報

1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
関連ページ

Ryzen 8040 HSシリーズプロセッサーと、2.8K有機ELディスプレイを搭載し、11万円台からと、コスパの高いノートPC。