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IdeaPad Slim 5 Gen 10(16型 AMD)の実機レビュー - 性能高めでも11万円台

CPU | Ryzen 5 8645HS Ryzen 7 8845HS |
---|---|
GPU | CPU内蔵 |
メモリ | 16GB / 32GB |
ストレージ | 512GB / 1TB SSD |
画面サイズ | 16型 16:10 |
画面種類 | 2880x1800 OLED 120Hz |
質量 | 約1.69kg |
バッテリー | 60Wh |
価格[税込] | 11万円台~ |
IdeaPad Slim 5 Gen 10(16型 AMD)は、Ryzen 8040 HSシリーズプロセッサーと、2.8K有機ELディスプレイを搭載し、11万円台からと、コスパの高いノートPCです。
さらに、メモリ交換ができるのも特徴です。数年後にメモリ容量不足に感じても、後から容量を増やすことができます。
また、空いているM.2 スロットもあるので、自己責任となりますが、SSDを増設することも可能です。
レビュー機は、1台は当サイトの購入品、1台はメーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen 5 8645HS、16GBメモリ、512GB SSD
Ryzen 7 8845HS、32GBメモリ、1TB SSD NEW!
セール情報
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目次
お忙しい方は、「IdeaPad Slim 5 Gen 10(16型 AMD)の特徴」のみお読みください。
IdeaPad Slim 5 Gen 10(16型 AMD)の特徴
コストパフォーマンスの高い16型ホームノートPC
IdeaPad Slim 5 Gen 10(16型 AMD)は、コストパフォーマンスの高い、16型のホームノートPCです。
美しい表示の有機ELディスプレイと、性能高めのプロセッサーを搭載し、その他の機能面もバランスよく整っていながら、11万円台から購入することができます。Ryzen 7 8845HS、32GBメモリ、1TB SSDと、ゆとりのある構成の上位モデルでも14万円台です。

16型の2.8K有機ELディスプレイを搭載
本製品は、16型と大きめのディスプレイを搭載しています。しかも、一般的なノートPCよりも質の高い、2.8K(2880x1800ドット)の有機ELディスプレイです。
黒の表現力が高く、100% DCI-P3と色域が広い有機ELディスプレイなので、標準的なディスプレイよりも色鮮やかな表示が可能です。特に、写真や動画を美しい表示で見ることができます。
また、2.8Kと解像度が高く、精細な表示が可能です。100%スケールで表示すると、1画面に多くの情報を表示することができ、効率よく作業を行うことができます。
ただし、光沢ディスプレイなので、周囲の物や照明が、画面に映り込みやすいです。ここは好みの分かれる部分だと思います。


性能の高い「Ryzen 8040 HSシリーズ」搭載
本製品は、性能が高く、ゲーミングノートPCなどにも搭載される「Ryzen 8040 HSシリーズ」のプロセッサーを搭載しています。
CPU性能だけでなく、グラフィックス性能もCPU内蔵のものとしては高いです。軽いゲームであればある程度遊ぶことができますし、FHD動画の軽い編集なども行えると思います。
なお、本機器が搭載する、Ryzen 5 8645HS / Ryzen 7 8845HSは、AI処理用のNPUも内蔵しています。ただし、NPUの性能は最大16 TOPSです。AI性能はそれほど高くありません。

メモリ交換が可能
本製品は、メモリがスロット式となっており、後から交換することが可能です。数年後に「やっぱりメモリ容量が足りないな~」と感じても、後から容量を増やすことができます。
なお、パーツ交換はメーカー保証対象がとなるので、自己責任でお願いします。

SSDの増設が可能
本製品は、搭載されているSSDの他に、空いてるSSD用のスロットもあります。こちらに、自分でType 2280のM.2 SSDを増設することも可能です。
ただし、ネジがなかったので、増設の際は、M2ネジを自分で購入する必要があります。


試しに、手持ちのKIOXIAのPCIe Gen4 1TB SSDを増設してみたところ、問題なく認識しました。なお、ネジは所持しているのM2×2mm(ネジ頭5mm)のネジを使用しました。3mmでも大丈夫だと思います。

ディスプレイのチェック
ディスプレイは、画像や映像を見るにはとても綺麗ですが、光沢でフリッカーがあるので文書作成メインの場合は少し気になるかもしれません。詳細については、以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域・輝度
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
色域は、以下の通りとても広いです。最大輝度は、当サイトの計測では472cd/m2と高いです。
カバー率 | |
sRGBカバー率 | 100% |
---|---|
DCI-P3カバー率 | 100% |
Adobe RGBカバー率 | 93% |

ガンマ補正曲線を確認すると、どの色もほぼ補正されておらず、自然な発色になっていることが分かります。

視野角は広いです。

光沢液晶であるため、画面への映り込みがあります。ギラつきは、ほとんど感じません。

PWM調光によるフリッカー(ちらつき)があります。体質によっては眼が疲れやすいかもしれません。

※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードの打ちやすさは普通です。
キートップはやや湾曲しているので、指のフィット感は悪くありません。キーストロークは約1.4mmと普通です。
ただ、気になるのがEnter周りです。Enterキーは、あまりサイズが大きくなく、Backspaceキーもやや小さいです。また、Enterキーとテンキーの間隔があまり空いていないので、EnterやBackspaceキーを押すときに、誤ってテンキーを押しやすいです。
タッチパッドは使いやすかったです。

※画像をクリックすると拡大できます

キーボードバックライトも搭載しています。

パフォーマンスのチェック
IdeaPad Slim 5 Gen 10(16型 AMD)のパフォーマンスのチェックです。
デフォルトの「適応パワー・モード」と、高いパフォーマンスが出る「パフォーマンス」で、各種ベンチマークを計測していきます。

CPU
CPUは、デフォルトTDPが"45W"のRyzen 8040 HSシリーズを搭載しており、CPU性能は高めです。
CINEBENCH 2024のスコアは下のようになりました。
Ryzen 5 8645HSは、インテルのCore Ultra 5 125Hより、少し高めのマルチコア・シングルコア性能が出ていました。
Ryzen 7 8845HSは、インテルのCore Ultra 7 155Hより、少し高いスコアでしえた。
ただ、どちらのCPUも、適応パワー・モードのときは35W前後とやや低めのCPU電力でした。パフォーマンスモードにすれば50W前後と、デフォルトTDPよりやや高いCPU電力が出ていましたが、このときのCPU温度は90℃を大きく超えていました。冷却性能はそこまで高いわけでもありません。


:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
~ CPU性能の評価 ~


なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
メモリ
メモリは DDR5-5600で広い帯域です。スロット式なので交換することも可能です。
グラフィックス
グラフィックスについては、CPU内蔵のものとしては比較的高めの性能です。なお、Ryzen 5 8645HSより、Ryzen 7 8845HSの方が高い性能が出ます。軽いゲームなどをするなら、Ryzen 7 8845HSのほうがおすすめです。
~ グラフィックス性能の評価 ~


:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
NPU
NPU性能は最大 16 TOPSと高くありません。
~ NPU性能の評価 ~
:レビュー機のTOPS
ストレージ
ストレージは比較的高速です。
~ ストレージ性能の評価 ~


:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
micro SDカードスロットを搭載しています。アクセス速度は普通です。
~ SDカードスロット性能 ~


Ryzen 5 8645HSおよびRyzen 7 8845HSのその他のベンチマークスコアについては、こちらのリンク先をご覧ください。動画・画像編集ソフトの処理時間や、FF14、原神などのゲーム時のフレームレートも掲載しています。
質量のチェック
質量は、16型ノートPCとしては比較的軽いです。
ACアダプターも軽いです。
質量 | |
PC本体 | 1.686kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 175g |
バッテリー駆動時間のチェック
IdeaPad Slim 5 Gen 10(16型 AMD)のバッテリー容量は60Whと、比較的大きいです。

ただ、CPUの消費電力が高めなので、バッテリー駆動時間はそこまでもちません。実際に何か作業をした場合は4~5時間程度のバッテリー駆動時間になると思います。
Ryzen 5 | Ryzen 7 | |
(1) JEITA3.0(アイドル時) | 約11.3時間 | |
(2) JEITA3.0(動画再生時) | 約8.0時間 | |
(3) 動画編集ソフトでプレビュー再生 | 4時間19分 | 4時間15分 |
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生させたとき。画面輝度は約120cd/m2
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。なお、搭載しているCPUのデフォルトTDPは45Wです。
「適応パワー・モード」では、CPU電力は初動を除くと35W前後で動作しており、デフォルトTDPよりやや低めです。このときのCPU温度は80°前後なので問題ありません。
「パフォーマンス」モードのときは50W前後で推移しており、やや高めのパフォーマンスが出ています。ただ、このときのCPU温度は100℃近いので、長時間このモードで、エンコードなどの負荷のかかる作業をするのはおすすめしません。
Ryzen 5 8645HS
Ryzen 5 8645HSの場合、「適応パワー・モード」では、CPU電力は初動を除くと35W前後で動作しており、デフォルトTDPよりやや低めです。このときのCPU温度は80°前後なので問題ありません。
「パフォーマンス」モードのときは50W前後で推移しており、やや高めのパフォーマンスが出ています。ただ、このときのCPU温度は100℃近いので、長時間このモードで、エンコードなどの負荷のかかる作業をするのはおすすめしません。
- 適応パワー・モード時
- パフォーマンス時


Ryzen 7 8845HS
Ryzen 7 8845HSの場合もほぼ同様の傾向です。
- 適応パワー・モード時
- パフォーマンス時


静音性のチェック
IdeaPad Slim 5 Gen 10(16型 AMD)の動作音(静音性)のチェック結果です。今回は、Ryzen 5 8645HSで計測した結果を掲載します。
アイドル時はほぼ無音です。それ以外の状態は、他のノートPCと同等程度です。
アイドル時 | 低負荷時 [YouTube再生] |
中負荷時 [動画編集] |
約20dB | 約26dB | 約28dB |
高負荷時1 [エンコード] |
高負荷時2 [ゲーム] |
|
約35dB | 約45dB |
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
アイドル時:アイドル時
低負荷時:1080pのYouTube動画再生時
中負荷時:Premiere Proで、編集中の1080pの動画をプレビュー再生した時
高負荷時1:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコード(x265)した時
高負荷時2:FF14のゲームのベンチマーク実行時(標準品質(ノートPC)、1920x1080、ウィンドウ)
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手のひらを置くパームレストの温度変化は重要です。
負荷が高くないときは、それほど温度は上がらないので快適に使うことができます。ただ、ゲームのような高い負荷をかけると左パームレストが熱くなってきて、やや気になります。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
大きな画面および高い解像度のディスプレイに、高性能CPUを搭載していることもあり、普通のノートPCよりは若干高めの消費電力です。ただし、ゲーミングノートPCほどではありません。
アイドル時 | 低負荷時 [YouTube再生] |
中負荷時 [動画編集] |
約8W | 約13W | 約23W |
高負荷時1 [エンコード] |
高負荷時2 [ゲーム] |
|
約41W | 約58W |
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています
外観のチェック
外観のチェックです。
ボディはアルミニウム製で、質感は良いです。また、ルナグレーというカラーで、指紋などが目立ちません。

天板はふくらみがあまりなくフラットです。

高さは16.9mmと比較的薄いです。


スピーカーはキーボード上部にあります。最大音量はやや低めです。音質は普通で、ノートPC基準で、10点満点で採点すると5点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。

Webカメラは1080pで、画質は普通です。IRカメラも内蔵しているので、顔認証によるログインが可能です。ただし、指紋認証装置はありません。


※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影
側面のポート類です。USB-Cは、Thunderbolt4には非対応ですが、DisplayPortおよびPowerDeliveryには対応しています。HDMIは、HDMI2.1となっており、4K/60Hzでの出力をサポートしています。


ヒンジは以下の角度まで開きます。

底面のゴム足はやや高めです。

ヒートパイプは2本ですが、冷却ファンは1つです。

メモリはスロット式です。

搭載されているM.2はType 2242です。

空いているM.2スロットもあります。ただし、ネジが無いので自分で購入する必要があります。

ACアダプターは、65Wで、サイズは小さいです。

まとめ
以上が、IdeaPad Slim 5 Gen 10(16型 AMD)のレビューでした。
Ryzen 8040 HSシリーズの高性能プロセッサーを搭載しています。ファンが1つなので、IdeaPad Pro 5 Gen 9 14型 (AMD)ほどのパフォーマンスは出ていませんが、普通のノートPCよりは高い性能です。グラフィックス性能も高いので、軽いゲームや動画編集もできる性能です。
ディスプレイも、2.8K有機ELを搭載し、画像や映像が綺麗です。ただし、光沢なので周囲の物が映り込みやすく、フリッカーもあります。
メモリ交換や、SSDの増設ができる点はメリットです。
高めの性能のCPUに、2.8有機ELを搭載して、価格は11万円台からなのでコストパフォーマンスは非常に高いです。
性能高めでも11万円台と高コスパ
IdeaPad Slim 5 Gen 10(16型 AMD)

特徴
- Ryzen 8040 HSシリーズプロセッサー搭載
- 2.8K有機ELディスプレイ
- メモリ交換、SSD増設が可能
こんなあなたに
- 性能が高めのノートPCを安く購入したい方
- メモリ交換やSSDの増設がしたい方
- 価格11万円台~
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1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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