レノボ Yoga 7 2-in-1 Gen 9 14型(AMD)の実機レビュー

更新日:
CPU Ryzen 5 8640HS
Ryzen 7 8840HS
メモリ 8GB / 16GB
ストレージ 512GB / 1TB SSD
液晶サイズ 14型 16:10
液晶種類 1920x1200 IPS 光沢
1920x1200 OLED 光沢
質量 約1.49kg
バッテリー 最大 約18.9時間 (71Wh)
価格[税込] 10万円台~
Ryzen 7 8840HSプロセッサーが優秀

Yoga 7 2-in-1 Gen 9 14型(AMD)は、最新のRyzen 8040 (HS)シリーズプロセッサーを搭載した、14型の2-in-1 PCです。

今回チェックしたRyzen 7 8840HSは、インテルのCore Ultra 7 155Hとほぼ同等の性能でありつつ、HYPR-RXでゲーム時のフレームレートを伸ばすことができるので、非常に優秀なプロセッサーでした。軽いゲームやFHD動画のライトな編集なども行うことができます。

有機ELディスプレイ搭載モデルなら、色鮮やかな表示で写真や動画を見ることができます。ただ、小さな文字がやや見づらく感じるかもしれません。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Ryzen 7 8840HS、16GBメモリ、512GB SSD、1920x1200 有機EL

 

セール情報

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目次

お忙しい方は、「Yoga 7 2-in-1 Gen 9 14型(AMD) の特徴」のみお読みください。

 

Yoga 7 2-in-1 Gen 9 14型(AMD)の特徴

Ryzen 7 8840HSが優秀

Yoga 7 2-in-1 Gen 9 14型(AMD)は、最新のAMD Ryzen 8040 (HS)シリーズであるRyzen 7 8840HSまたはRyzen 5 8640HSを搭載してます。これらのプロセッサーの簡単な仕様は下表の通りです。

本機器で搭載するRyzen 8040(HS)シリーズの仕様
  Ryzen 7 8840HS Ryzen 5 8640HS
コア / スレッド数 8 / 16 6 / 12
アーキテクチャー Zen 4
最大クロック 5.1GHz 4.9GHz
キャッシュ (L2 + L3) 24MB 22MB
デフォルトTDP 28W
cTDP 20-30W
グラフィックス・モデル Radeon 780M Radeon 760M
グラフィックス周波数 2700 MHz 2600 MHz
GPUコア数 12 8
Ryzen AI 対応

 

デフォルトTDPが28Wの一般ノートPC向けのプロセッサーで、高めの処理性能と、グラフィックス性能に加えて、NPUを搭載しているので、アプリ側の対応が進めば生成AIの処理速度もアップするはずです。インテルのCore Ultra Hシリーズと比較されるようなプロセッサーとなっています。

今回は、Ryzen 7 8840HS搭載モデルをチェックしましたが、ベンチマークテストでは、Core Ultra 7 155H搭載機で計測した数値とほぼ同等のスコアが出ていました。

CINEBENCH R23(マルチコア)
Core Ultra 7 155H 14073
Ryzen 7 8840HS 13669 [本機器で計測]

 

グラフィックス性能を測る3DMark Night Raidでも、Core Ultra 7 155Hの代表的なスコアと同じぐらいの数値が出ていました。CPU内蔵グラフィックスとしてはとても高い性能を備えています。

3DMark Night Raid(Graphics score)
Ryzen 7 8840HS 36196 [本機器で計測]
Core Ultra 7 155H
35888

 

また、アップスケーリング機能などを含むHYPR-RXモードにすれば、ゲームによっては大きくフレームレートを伸ばすことができます。

ファイナルファンタジー 14 暁月のフィナーレ
Ryzen 7 8840HS
(1920x1200)
115 fps 「HYPR-RX」モード
Core Ultra 7 155H
(1920x1200)
81 fps
Ryzen 7 8840HS
(1920x1200)
51 fps

 

このように、CPU性能およびグラフィック性能がCore Ultra 7 155Hとほぼ同等で、さらにHYPR-RXモードも使え、搭載されているPC自体も比較的安く、非常に優秀なプロセッサーです。

 

軽めのゲームなら結構遊べる

前述したように、CPU内蔵グラフィックスとしては高めの性能を備えていることに加えて、「HYPR-RX」にも対応しているので、原神や、フォートナイトなどの軽めのゲームであれば、設定次第で結構快適に遊ぶことができます。

ゲームのフレームレートに関しては、別のページでまとめているので、こちらをご確認ください。

なお、結構遊べると言っても、息抜きでのライトなプレイです。頻繁にゲームをする方や、競技性の高いタイトルを快適にプレイしたい方は、外部GPUと、ハイリフレッシュレートディスプレイを搭載した、ゲーミングノートPCの方がおすすめです。

軽めのゲームなら結構遊べる

 

付属のペンで手書き入力ができる

Yoga 7 2-in-1 Gen 9 14型(AMD)には、デジタルペンが付属しており、手書きでのメモや簡単なスケッチをとることができます。

実際に試した感じでは、ゆっくり斜めの線を引くとジッター(波うち)が生じるものの、少し摩擦感があり、まずまずの書き心地でした。なお、今後ペンなしのモデルが登場する可能性もあるので、必要な方は、購入時にペンが付属しているかを確認するようにしてください。

ペンでのメモなどができる

 

広色域の有機ELディスプレイ搭載モデルあり

Yoga 7 2-in-1 Gen 9 14型(AMD)では、以下のような2種類のディスプレイを選択することができます。どちらとも、WUXGA(1920x1200ドット)解像度ですが、IPS液晶は色域が狭い(sRGBカバー率65%程度)のに対して、有機ELディスプレイは、100%DCI-P3と広色域です。

ディスプレイの選択肢

 

今回は、有機ELディスプレイ搭載モデルをチェックしましたが、色鮮やかで、メリハリのある美しい表示で、写真や動画を見ることができました。高めの処理性能を生かして、出先でRAW現像や、FHD動画のライトな編集を行うこともできると思います。

広色域の有機ELディスプレイを搭載可能

 

ただし、WUXGA(1920x1200ドット)と解像度があまり高くないことに加えて、サブピクセルがペンタイル配列になっているため、小さな文字がやや見づらく感じることがあります。下図を見ると分かるように、普通の液晶に比べて、文字に赤や青などの色がやや混じって見えるためです。2.8Kなどの高解像度で、文字のサイズを150%などにすれば、ペンタイル配列の有機ELディスプレイでも文字が見づらいということはないのですが、ここが少し残念です。

本製品の有機ELディスプレイ
一般的な液晶ディスプレイ

 

持ち出しもできて、色々な用途に使いやすい

Yoga 7 2-in-1 Gen 9 14型(AMD)は、質量が約1.49kg、ボディの厚みが約16.64mm(最薄部)となっています。モバイルノートPCほどの軽さではありませんが、扱いやすい質量です。宅内での移動がしやすいですし、軽さにこだわらなければ、カバンに入れて外に持ち出すこともできます。

71Whとバッテリーの容量が大きいので、持ち出した先でも、バッテリー駆動で長めの時間作業を行うことができます。

約1.49kgの扱いやすいボディ

 

また、Yoga 7 2-in-1 Gen 9 14型(AMD)は、約360度回転するヒンジを備えた、コンバーチブル型の2-in-1 PCです。下図のように、通常のラップトップ形状だけでなく、テント形状、スタンド形状、タブレット形状などに変形することができるので、色々なシーンで活用しやすいです。

コンバーチブル型の2-in-1 PC

 

テント形状にすれば、ゲームパッドでゲームをするときにやりやすいです。

テント形状にすれば、パッドでゲームもしやすい

 

メモリは16GBがおすすめ

Yoga 7 2-in-1 Gen 9 14型(AMD)のメモリはオンボードメモリです。購入後に自分でメモリを交換して容量を増やすことはできません。

搭載しているRyzen 8040(HS)シリーズプロセッサーの性能を生かして、快適に作業を行うためにも、メモリは16GBを強くおすすめします。

メモリのカスタマイズ画面

 

インテルモデルとの比較

Yoga 7 2-in-1 Gen 9 14型(AMD)には、Core Ultra Hシリーズプロセッサーを搭載した、Yoga 7i 2-in-1 Gen 9 14型(Intel Core Ultra)という兄弟機種もあります。ここでは、この2つの機種の簡単な比較を行います。

インテルモデルのYoga 7i 2-in-1 Gen 9 14型(Intel Core Ultra)には、2880x1800ドットの有機ELディスプレイ搭載モデルがあることが大きなポイントです。解像度が高いので、画像や写真を高精細な表示で見ることができますし、本機器のように小さな文字が少し見づらくなるということもありません。ディスプレイにこだわるのであれば、こちらの2.8K有機EL搭載モデルがおすすめです。

一方、Yoga 7 2-in-1 Gen 9 14型(AMD)は、10万円台から購入することができます。例えば、Ryzen 5 8640U、16GBメモリ、512GB SSD、有機ELのモデルでも12万円台(税込)と安いです。インテルCPUにこだわらず、WUXGA解像度のディスプレイでよければ、本機器の方がコストパフォーマンスが高いと思います。

Yoga 7 2-in-1 Gen 9シリーズの比較
  [本機器]
Yoga 7 2-in-1 Gen 9 14型
(AMD)
[兄弟機種]
Yoga 7i 2-in-1 Gen 9 14型
(Intel Core Ultra)
CPU Ryzen 5 8640HS
Ryzen 7 8840HS
Core Ultra 5 125H
Core Ultra 7 155H
メモリ 8GB / 16GB 16GB
ストレージ 512GB / 1TB SSD
液晶 14型
1920x1200 IPS
1920x1200 有機EL
14型
1920x1200 有機EL
2880x1800 有機EL
価格[税込] 10万円台~ 14万円台~

 

各用途の快適度

各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
十分なスペックと、画面比16:10の14型ディスプレイを搭載し、快適に作業を行うことができます。ただし、有機ELモデルは、小さな文字が少し見づらく感じるかもしれません。
動画鑑賞 有機ELディスプレイ搭載モデルであれば、色鮮やかな表示で映像を楽しむことができます。なお、IPS液晶搭載モデルは、色域が狭いです。
RAW現像
画像編集
この用途には、100%DCI-P3と広色域の有機ELディスプレイ搭載モデルがおすすめです。処理性能も高く、画像編集に適しています。
動画編集 △~○ CPU内蔵グラフィックスとしては高い性能を備えており、FHD動画の編集であればある程度快適に行えます。ただし、本格的に動画編集を行いたい方は、GeForce RTXシリーズなどの外部GPUを搭載した機種の方がおすすめです。
ゲーム △~○ CPU内蔵グラフィックスにしては性能が高いので、軽めのゲームであれば、設定次第で比較的快適に遊ぶことができます。ただし、本格的にゲームをしたいのであれば、ゲーミングノートPCの方がおすすめです。

 

ディスプレイのチェック

Yoga 7 2-in-1 Gen 9 14型(AMD)では、以下のような2種類のディスプレイがあります。

Yoga 7 2-in-1 Gen 9 14型(AMD)のディスプレイ

(1) WUXGA (1920x1200), IPS, 光沢, 45%NTSC, 300nit, 60Hz

(2) WUXGA (1920x1200), 有機EL, 光沢, 100%DCI-P3, 400nit, 60Hz

 

どちらも画面比16:10、WUXGA(1920x1200ドット)のディスプレイです。(1)のディスプレイは、IPS液晶です。色域は狭いですが、(2)のディスプレイよりも文字が見やすいので、Officeソフトでの作業など、一般的な用途に使いやすいと思います。(2)のディスプレイは、広色域の有機ELディスプレイなので、写真や動画を色鮮やかな表示で見ることができます。

今回は、(2)の有機ELディスプレイを搭載したモデルをチェックしています。

有機ELらしくメリハリがあり、広色域で色鮮やかな表示のディスプレイです。ただし、ペンタイル方式の有機ELで、解像度も高くないため、特徴でも紹介したように、IPS液晶と比べると文字が少し見にくく感じるかもしれません。また、光沢ディスプレイなので、映り込みもあり、ちらつき(フリッカー)もあります。長時間文字を見るような作業よりも、美しい表示で画像や映像を見るのに向いているディスプレイだと思います。詳細については、以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域・輝度
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

当サイトで計測した色域は下表の通りで、色域はとても広いです。最大輝度は、当サイトの計測では338cd/m2とやや高めです。

  カバー率
sRGBカバー率 100%
DCI-P3カバー率 100%
Adobe RGBカバー率 98%
ガモット図
※ i1 Display PlusでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、どの色も1:1に近い直線になっており、自然な発色であることが分かります。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

光沢ディスプレイなので、周囲の物や光が画面に映り込みます。ギラつきはほとんど感じませんでした。

画面への映り込み

どの輝度でも、フリッカー(ちらつき)が検出されました。有機EL特有の傾向です。約461Hzと低めの周波数なので、人によっては目が疲れやすくなるなど体への影響を感じるかもしれません。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

Yoga 7 2-in-1 Gen 9 14型(AMD)のキーボードのチェックです。

実測値で、キーピッチは横:約19mm強、縦:約18.5mm、キーストロークは約1.5mmでした。

主要なキーのサイズはほぼ揃っています。「Backspace」キーや、「Enter」キーは、他のキーと同じ枠に配置されていますが、慣れればそれほど気になりません。もう少しキートップが湾曲していれば良かったと感じますが、普通の打ちやすいキーボードだと思います。

タッチパッドの使いやすさは普通です。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

キーボードバックライトを搭載しています。

キーボードバックライト

 

パフォーマンスのチェック

Yoga 7 2-in-1 Gen 9 14型(AMD)のパフォーマンスをチェックします。

本機器では、「Lenovo Vantage」というアプリの「電源モード」で、動作モードを変更することができます。ここでは、デフォルトの「適応パワー・モード(自動)」と、高いパフォーマンスが出る「パフォーマンス」で計測した各種ベンチマークの結果を掲載します。

「電源モード」

 

CPU

Yoga 7 2-in-1 Gen 9 14型(AMD)は、Ryzen 8040(HS)シリーズのプロセッサーを搭載しています。「Zen 4」世代、デフォルトTDP:28Wで、Ryzen AIも搭載した最新のプロセッサーです。本機器では、Ryzen 5 8640HS、またはRyzen 7 8840HSを選択することができます。

今回は、Ryzen 7 8840HS搭載モデルをチェックしており、ベンチマークの結果は以下の通りです。

マルチコアでは、Core Ultra 7 155Hの代表的なスコアに迫る数値が出ています。シングルコアでも、「Zen 3+」世代のRyzen 7 7735HSで計測したスコアを超えており、「Zen 4」世代らしく、シングルコアの性能もアップしています。

比較的スリムなボディの2-in-1 PCとしては高い処理性能を備えており、快適に動作するでしょう。

なお、動作モードを変更してもパフォーマンスに大きな変化はなかったので、いつでも「適応パワー・モード」で使用していいと思います。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Ryzen 7 8840HS
他のCPUとの比較(マルチコア)
Ryzen 9 7945HX 33229
Core i9-14900HX 29314
Core i9-13900HX 24314
Core i7-14700HX 21893
Core i7-13700HX 18283
Ryzen 7 7840HS 17922
Core i7-13700H 17622
Ryzen 7 8845HS 16387
Core i5-13500H 15302
Core Ultra 7 155H 14073
Ryzen 7 7735HS 14068
Ryzen 7 8840HS 13669 [パフォーマンス]
13296 [適応パワー・モード]
Core Ultra 5 125H 12239
Ryzen 5 7535HS 10356
Ryzen 7 7735U 10122
Ryzen 7 7730U 10051
Core i7-1360P 9720
Core i5-1340P 9688
Core Ultra 5 125U 9553
Core 5 120U 9317
Ryzen 5 7535U 8757
Ryzen 5 7530U 8403
Core i5-1335U 8249
Ryzen 3 7330U 5141
Core i3-1215U 4969
Core i7-1165G7 4720
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-14900HX 2196
Core i7-14700HX 2113
Core i9-13900HX 1968
Ryzen 9 7945HX 1951
Core i7-13700H 1898
Core 5 120U 1879
Core i7-13700HX 1868
Core i7-1360P 1826
Core Ultra 7 155H 1810
Core i5-13500H 1785
Ryzen 7 7840HS 1764
Core i5-1335U 1723
Core i5-1340P 1722
Core Ultra 5 125H 1712
Ryzen 7 8845HS 1698
Ryzen 7 8840HS 1686 [パフォーマンス]
1678 [適応パワー・モード]
Core i3-1215U 1592
Core Ultra 5 125U 1581
Ryzen 7 7735HS 1538
Ryzen 7 7735U 1476
Ryzen 5 7535U 1471
Ryzen 5 7535HS 1463
Core i7-1165G7 1447
Ryzen 7 7730U 1440
Ryzen 5 7530U 1439
Ryzen 3 7330U 1358
 :本製品で選択できるプロセッサー(Ryzen 5 8640HSは計測したことがないので不明)
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

CINEBENCH 2024
Ryzen 7 8840HS
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i9-14900HX 1748
Core i9-13900HX 1512
Core i7-14700HX 1280
Ryzen 9 8945HS 919
Ryzen 7 8845HS 919
Core i7-13700H 855
Core Ultra 7 155H 825
Ryzen 7 8840HS 785 [パフォーマンス]
762 [適応パワー・モード]
Core i5-13500H 778
Core Ultra 5 125H 669
Core i7-1360P 664
Core i5-1340P 599
Ryzen 7 7730U 575
Core Ultra 5 125U 572
Core 5 120U 558
Ryzen 5 7530U 477
Core i5-1335U 435
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-14900HX 128
Core i7-14700HX 124
Core i9-13900HX 119
Core i7-13700H 114
Core 5 120U 110
Core i5-1335U 109
Ryzen 9 8945HS 106
Core i5-13500H 105
Core Ultra 7 155H 103
Core Ultra 5 125H 101
Ryzen 7 8845HS 101
Ryzen 7 7730U 99
Core i7-1360P 99
Core i5-1340P 99
Ryzen 7 8840HS 98 [パフォーマンス]
97 [適応パワー・モード]
Core Ultra 5 125U 94
Ryzen 5 7530U 84

 

メモリ

メモリはLPDDR5x-6400で、帯域幅は広めでした。なお、オンボードメモリなので増設・換装はできません。

SiSoftware Sandra 2020
~メモリ性能の評価 ~
16GBメモリ
他のメモリとの比較(帯域のベンチマーク)
DDR5-5600
デュアルチャネル
66.34GB/s
LPDDR5-6000
デュアルチャネル
64.52GB/s
DDR5-5200
デュアルチャネル
62.38GB/s
LPDDR5-5200
デュアルチャネル
58.49GB/s
LPDDR5-4800
デュアルチャネル
54GB/s
DDR5-4800
デュアルチャネル
52.25GB/s
LPDDR5x-6400
デュアルチャネル
52.74GB/s
LPDDR4X-4266
デュアルチャネル
51.65GB/s
DDR4-3200
デュアルチャネル
30.66GB/s
 :本製品で選択できるメモリ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値です。理論的な最大値ではありません

 

グラフィックス

グラフィックス性能のチェックです。

Ryzen 5 8640HS搭載モデルの場合は、AMD Radeon 760M(グラフィックスコア数:8)、Ryzen 7 8840HS搭載モデルの場合は、AMD Radeon 780M(グラフィックスコア数:12)の内蔵グラフィックスとなります。

今回は、Ryzen 7 8840HS搭載モデルをチェックしており、3DMark Night Raidのベンチマークスコアは以下の通りです。インテルのCore Ultra 7 155Hが内蔵するIntel Arc GPUで計測した代表的なスコアと同程度の数値が出ています。外部GPUのGeForce GTX 1650よりも少し低いぐらいのスコアで、CPU内蔵グラフィックスとしてはかなり高い性能を備えています。FHD動画の簡単な編集や、軽めのゲームなどにも対応することができるでしょう。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Ryzen 7 8840HS [AMD Radeon 780M]
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce RTX 3050 52196
GeForce RTX 2050 48410
GeForce GTX 1650 45149
Ryzen 7 8840HS
Radeon 780M
36196 [適応パワー・モード]
35847 [パフォーマンス]
Core Ultra 7 155H
Intel Arc GPU
35888
GeForce MX550 35717
Core Ultra 5 125H
Intel Arc GPU
35271
Ryzen 7 8845HS
Radeon 780M
35241
GeForce MX450 30425
Ryzen 7 6800U
Radeon 680M
30319
Ryzen 7 7735U
メモリLPDDR5-6400
28714
Core i7-1360P
メモリLPDDR5-4800
21897
Core i7-1260P
メモリDDR5-4800
20478
Core i7-1165G7
メモリLPDDR4X-4266
20052
Core 5 120U
メモリLPDDR5X-5200
18333
Core Ultra 5 125U
メモリDDR5-5600
18235
Core i7-1355U
メモリDDR4-3200
18235
Core i5-1340P
メモリLPDDR5-4800
17774
Ryzen 7 7730U
メモリLPDDR4X-4266
17524
Ryzen 5 7530U
メモリLPDDR4X-4266
16389
Core i7-1255U
メモリDDR4-3200
16093
Ryzen 7 5825U
メモリDDR4-3200
15728
Core i7-1165G7
メモリDDR4-3200
14247
Ryzen 3 5300U
メモリDDR4-3200
11321
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ストレージ

ストレージには、PCIe Gen4 SSDを搭載しており、高速です。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
1TB PCIe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7300
5045
 PCIe Gen3 SSD 3500
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

microSDカードスロットを備えています。アクセス速度は普通です。

CrystalDiskMark
~ SDカードスロット性能 ~
最大300MB/sのUHS-Ⅱのカードで測定

 

その他のベンチマーク

Ryzen 7 8840HSのその他のベンチマークスコアについては、こちらのリンク先をご覧ください。FF14黄金、原神などのゲーム時のフレームレートや、クリエイティブソフトの処理時間なども掲載しています。ゲームについては、AFMFを含むHYPR-RXを有効にしたときのスコアも掲載しています。

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

Yoga 7 2-in-1 Gen 9 14型(AMD)は、USB4ポートと、USB3.2 Gen2 Type-Cポートを備えています。なお、どちらのポートもPower Deliveryと、DisplayPortに対応しています。

USB4ポートの動作チェックの結果は下表のとおりで、今回試した機器は全て使用することができました。

PD充電器での充電では、出力が45Wのものでも充電することができました。ただし、出力が低いと充電に時間がかかります。付属のACアダプターと同じ65W前後の出力があるものを選ぶといいと思います。

USB4ポートの動作チェック
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック
PD充電器
※1
140W アドテック PD3.1充電器
100W Anker PowerPort III
65W Lenovo GaN充電器
45W Lenovoウルトラポータブル
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター

 

HDMIの動作チェック

4KモニターへHDMIで接続したときの詳細は下図の通りです。4K、60Hz、10ビット、YCbCr444で表示することができました。なお、仕様を見るとHDMI2.1で、最大4K/60Hzでの表示に対応しています。

4Kモニター(BenQ EX3210U)へ接続したときの詳細

 

質量のチェック

Yoga 7 2-in-1 Gen 9 14型(AMD)の質量は、仕様値で「約1.49kg」となっており、実測値もほぼ同じでした。14型サイズのノートPCとしては、軽い機種ではありませんが、扱いやすい質量です。宅内での移動がしやすいですし、軽さにこだわらなければ外に持ち出すこともできるでしょう。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.487kg
ACアダプター+電源ケーブル 311g

 

バッテリー駆動時間のチェック

バッテリー駆動時間のチェックです。

バッテリー容量は71Whと大容量です。

当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は下表の通りです。

動画再生のような負荷の軽い作業であれば、(2)のように長い時間のバッテリー駆動が可能です。少し負荷がかかる作業を連続して行うと、(4)ぐらいの駆動時間になります。比較的長めのバッテリー駆動時間です。

バッテリー駆動時間
  Ryzen 5 8640HS Ryzen 7 8840HS
(1) JEITA3.0(アイドル時) 約17.3時間 約18.9時間
(2) JEITA3.0(動画再生時) 約11.4時間 約11.8時間
(3) JEITA2.0 約15.8時間 約16.6時間
(4) CPU8%、GPU4%の負荷 5時間57分
(1)~(3) メーカー公表値
(4) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生(リピート)させたとき。画面輝度は約120cd/m2

 

Webカメラ・スピーカーのチェック

Webカメラ

Webカメラには、プライバシーシャッターが付いています。また、IRカメラも付いているので、Windows Helloの顔認証を使用することができます。

Webカメラは、FHD 1080p カメラです。明るめで、自然な映りの画像でした。オンラインミーティングなどにも使いやすいです。やや広角なので、部屋の様子が映ってしまうのが気になるようであれば、バーチャル背景などを使用するといいです。

IR & 1080p FHDカメラ
Webカメラ
本製品のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影
 

スピーカー

スピーカーは、キーボード面の左右に2.0W x2のステレオスピーカーが配置されています。音質はやや良く、ノートPC基準で10点満点で6点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

スピーカー

 

パーツの温度のチェック

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。

「適応パワー・モード」の場合、CPU電力は約31Wで動作しています。デフォルトTDP:28Wのプロセッサーなので、高めのCPU電力を維持し、パフォーマンスをしっかり引き出しているようです。CPU温度は約85℃を超えない程度をキープしており、心配のない温度です。

「パフォーマンス」モードにすると、CPU電力は約34Wぐらいに少しアップし、CPU温度も約88℃ぐらいまでと少し高くなります。

  • 適応パワー・モード時
  • パフォーマンス時
CPU電力&CPUクロック
CPU温度
CPU電力&CPUクロック
CPU温度

 

静音性のチェック

Yoga 7 2-in-1 Gen 9 14型(AMD)の動作音(静音性)のチェック結果です。こちらは、「適応パワー・モード」での計測となります。

アイドル時はほぼ無音です。低負荷時の騒音値はやや高めですが、エンコードのような高負荷時でも、それほど騒音値は変わりません。高負荷時の騒音値は、他のノートPCと比べて低めです。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
※約10分経過後に計測しています
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Premiere Proでプレビュー再生(320pの低画質動画)
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手のひらを置くパームレストの温度変化は重要です。

負荷がかかると、キーボード部の左側の温度が少し上がりますが、低めの負荷であれば気になりません。ただ、エンコードやゲームといった高い負荷がかかった時は、パームレスト部の左側も少し温かくなり、やや不快感があります。

底面の温度もそれなりにあるので、ラップトップ形状でひざの上に置いて使う場合は、低温やけどに気を付けましょう。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。

消費電力は低めです。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST8
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

Yoga 7 2-in-1 Gen 9 14型(AMD)の外観をチェックします。

画面比16:10の有機ELを搭載した、今どきのノートPCらしいデザインです。ボディには、全体的にアルミ素材が使用されており、触った時の質感もいいです。

ボディカラーは、ストームグレーです。仕事にも使いやすい、無難な色です。

 

天板です。「YOGA」と、「Lenovo」の文字が小さく入っています。

 

コンバーチブル型の2-in-1 PCなので、下図のように、場所や用途に合わせて変形して使うことができます。

 

本体の高さは、約16.64mm(最薄部)と薄いです。

 

側面のインターフェースはご覧の通りです。USB3.2 Gen1 Type-A、USB4、USB3.2 Gen2 Type-C、HDMI、microSDカードスロットを備えています。なお、USB-Cタイプの2つのポートは、Power Deliveryと、DisplayPortに対応しています。

ポート類が揃っているので、不足を感じることは少ないでしょう。

なお、指紋センサーありの場合は、パームレスト部に指紋センサーが配置され、Windows Helloの指紋認証を使用することができます。

 

底面です。

 

標準のACアダプターは65Wです。コンセント側のケーブルが太いので、持ち出しにはあまり向いていません。持ち出す場合は、もっと小さなPD充電器を用意するといいでしょう。

 

まとめ

以上が、Yoga 7 2-in-1 Gen 9 14型(AMD)のレビューです。

最新のAMD Ryzen 8040(HS)シリーズプロセッサーを搭載し、高めの性能を備えつつ、コストパフォーマンスが高い、14型の2-in-1 PCです。

選択することができるプロセッサーは、Ryzen 5 8640HSまたはRyzen 7 8840HSです。今回チェックしたRyzen 7 8840HSは、インテルのCore Ultra 7 155Hと同等のCPU性能とグラフィックス性能でした。

また、HYPR-RXのモードにすれば、フレームレートを伸ばすことができます。軽めのゲームなら遊ぶこともできるでしょう。

ディスプレイは、画面比16:10、1920x1200ドットの14型サイズで、IPS液晶と有機ELの2種類があります。有機ELディスプレイは、100%DCI-P3と色域がとても広いので、画像や映像を美しい表示で見ることができました。ただし、高解像度ではなく、ペンタイル配列なので、小さな文字がやや見づらく感じるかもしれません。文字を読むことが多い場合は、IPS液晶のモデルが見やすいと思います(ただし、IPS液晶は色域が狭いです)。

Ryzen 5、16GBメモリ、512GB SSD、有機ELの構成にペンが付属して、12万円台(税込)から購入することができるので、物価上昇&円安が進む中では安く、コスパがいいと思います。

なお、2.8Kの有機ELディスプレイを選択することができるインテルモデルのYoga 7i 2-in-1 Gen 9 14型(Intel Core Ultra)もあります。高解像度ディスプレイが良ければ、こちらを検討してもいいでしょう。

 

Ryzen 7 8840HSプロセッサーが優秀

レノボ Yoga 7 2-in-1 Gen 9 14型(AMD)

特徴

  • 最新のAMD Ryzen 8040 (HS)シリーズを搭載
  • 広色域の有機ELディスプレイを選択可能
  • 高いコストパフォーマンス

こんなあなたに

  • 写真や動画を色鮮やかな表示で見たい方
  • 軽いゲームや、FHD動画の編集などもやってみたい方
公式サイトはこちら

 

 

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