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レノボ Yoga C740 (14) の実機レビュー
CPU | Core i7-10510U Core i5-10210U |
---|---|
メモリ | 8GB / 16GB |
ストレージ | PCIe SSD |
液晶サイズ | 14.0型 |
液晶種類 | FHD IPS タッチ 光沢 |
質量 | 約1.4kg |
バッテリー | 約18.6時間 |
価格[税込] | 8万円台~ |
Yoga C740 (14)は、14型のコンバーチブル型2 in 1 PCです。変形でき、ペンも付属しているので、活躍できる範囲はラップトップ形状のノートPCに勝ります。
sRGBカバー率が98.1%と比較的広く、クリエイターも使えるディスプレイです。それでいて、価格は7万円台(税別)となっており、コスパは高いと思います。
すごく軽いわけではありませんが重いわけではなく、バッテリー駆動時間も長いため、モバイルPCとしても使えるでしょう。
レビュー機は、当サイトの購入品です。以下の構成でレビューします。
レビュー機の構成
Core i5-10210U、8GBメモリ、256GB PCIe SSD
目次
お忙しい方は、「Yoga C740 (14)の特徴」のみお読みください。
Yoga C740 (14) の特徴
マルチに使える上質なコンバーチブル型PC
Yoga C740 (14)は、14型のコンバーチブル型2 in 1 PCです。360度回転するヒンジを備えており、下図のように変形して様々なスタイルで使用できます。
このようなコンバーチブル 2 in 1 PCは他にもたくさんありますが、本製品は、スペック面ではスタンダードな位置づけになると思います。ただし、アルミの上質なボディを搭載し、色域も広く、価格は税別7万円台からとそこまで高いわけでもなく、コスパは高いと思います。
7万円台のPCが、sRGBカバー率98.1%
Yoga C740 (14)のディスプレイの色域は、sRGBカバー率が98.1%と比較的広いです。税別7万円台から買えるPCだと70%前後であることが多いで、本製品の色域の広さは非常に優秀です。外出先で、撮影した写真を確認したり、RAW現像をしたりする場合に適しています。
長めのバッテリー駆動時間
Yoga C740 (14)は、51Whと大きめの容量のバッテリーを搭載しています。
メーカーのカタログ値では、約18.6時間の長時間駆動が可能となっています。実際の使用では、もっと短くなりますが、ライトな作業がメインであれば、丸一日バッテリー駆動で十分使えるレベルだと思います。
アクティブペンが付属
Yoga C740 (14)には、ワコム AES、筆圧検知対応のアクティブペンが付属しています。別途購入する必要なく、2 in 1 PCの特徴を活かしたペン入力ができるのは嬉しいです。
実際使ってみると、真っすぐ書いたつもりがやや曲がってしまったりと、絵を描くのにはあまり向かないかなと思いますが、手書きメモをとったり、簡単な図を描いたりする程度なら問題ありません。
なお、付属のペンは傾き検知に対応していませんでしたが、DELL PN579XやWACOM BamBoo Ink Plusのペンなら傾きを検知しました。
プライバシーシャッター付きカメラ
Yoga C740 (14)のディスプレイ上部のカメラには、プライバシーシャッターと言う、物理的なシャッターが付いています。
シャッターを閉じていれば、Webカメラを悪用して覗き見されるという危険を避けることができます。ビデオチャットなどでカメラを使用する時以外は、常時シャッターを閉じておくといいと思います。
なお、顔認証には対応していません。パームレストの右側に指紋センサーを搭載しているので、Windowsへのログインには、指紋認証を使用するといいでしょう。
Wi-Fi 6対応
Yoga C740 (14)の無線LANは、新規格のWi-Fi 6に対応しています。
新しく発売される機種の多くがWi-Fi 6に対応していますが、ちゃんとその流れに乗っているのは嬉しいです。Wi-Fi 6対応のルーターを使用できる環境であれば、混雑に強く、より高速での通信が可能となります。
ライバル機種機種との比較
レノボには、ideapad C340 (14)という、非常にコスパが高く人気のあるコンバーチブル型2 in 1 PCがあり、今回、Yoga C740 (14)と比較してみました。
ideapad C340 (14)には、Core i3モデルもあるため、ライトユーザーも入手しやすくなっており、価格の安さが最大の魅力となっています。安いのに、CPU、メモリ、ストレージなどはYoga C740 (14)とほぼ同等です。
一方、Yoga C740 (14)は、sRGBカバー率98.1%と色域が広い点がメリットです。また、ideapad C340 (14)よりも軽量で、バッテリー駆動時間も長いです。クリエイターのサブ機としての使用にいいと思います。
[本製品] Yoga C740 (14) |
[ライバル機種] ideapad C340 (14) |
|
画像 | ||
CPU | Core i7-10510U Core i5-10210U |
Core i7-10510U Core i5-10210U Core i3-10110U |
メモリ | 8GB / 16GB | 4GB~16GB |
ストレージ | PCIe SSD | PCIe SSD |
液晶サイズ | 14.0型 | |
液晶種類 | FHD IPS 光沢 | FHD IPS 光沢 |
sRGBカバー率 | 98.1% | 65.2% |
質量 | 約1.4kg | 約1.65kg |
バッテリー | 約18.6時間 | 約13.3時間 |
価格[税別] | 7万円台~ | 5万円台~ |
[本製品] Yoga C740 (14) |
[ライバル機種] ideapad C340 (14) |
[本製品] Yoga C740 (14) |
[ライバル機種] ideapad C340 (14) |
|
CPU | Core i5-10210U | Core i7-10510U | ||
メモリ | 8GB | 16GB | 16GB | |
ストレージ | 256GB SSD | 512GB SSD | 1TB SSD | |
価格[税別] | 78,764円 (71,763円) |
60,000円 | 99,750円 (92,750円) |
88,000円 |
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 十分なスペックで、快適に動きます。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | ディスプレイの表示が綺麗で、比較的スピーカー音もいいので、動画鑑賞は快適です。 |
RAW現像 画像編集 |
〇 | CPU性能はそこまで高くはないものの、色域がsRGBカバー率 98.1%と比較的広いので、RAW現像や画像編集にも使えるでしょう。 |
動画編集 | △ | 簡易的な動画編集ならできますが、外部グラフィックスを搭載していないため、本格的な動画編集は難しいです。 |
ゲーム | △ | 外部グラフィックスを搭載していないため、ゲーム向きではありません。ただし、「Intel UHD 630でどこまでゲームができるか?」で記載したような軽いゲームなら、グラフィック品質などを下げることで出来るものもあります。 |
ディスプレイのチェック
Yoga C740 (14)のディスプレイのチェックです。
前述の通り、色域は広めです。最大輝度は、当サイトの計測では256cd/m2と普通です。それ以外の特性は以下のタブをご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 画素・
ギラつき - 映り込み
- フリッカー
キーボードおよびタッチパッドのチェック
Yoga C740 (14)のキーボードのチェックです。
実測で、横:19mm、縦18mmと十分なキーピッチです。キーストロークは約1.3mmで、最近のモバイルPCとしては標準的なキーストロークです。普通のタイピングのしやすさだと思います。
キー配列は普通ですが、バックスペースキー、エンターキー、右シフトキー、スペースキーは、一つのキーフレームに複数のキーが入っており、やや格好悪いです。
タッチパッドのサイズは大きめで、操作はしやすいです。クリックボタンも押しやすいです。
バックライトもついており、暗い場所でもキー入力がしやすいです。
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
CPU
ノートPCとしては標準的なCPUを搭載しています。
~ CINEBENCH R20 ~
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
ストレージ
ストレージは、PCIe SSDを搭載しており高速です。
~ CrystalDiskMark ~
※[レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です
実際のソフトで計測した処理時間
次に、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間を掲載します。
Core i5-10210U | |
x265でエンコード (※1) | 32分27秒 |
QSVでエンコード (※2) | 3分5秒 |
NVENCでエンコード (※3) | ― |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
※3 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
USB Type-C 充電器 / ドックの動作テスト
USB Type-Cポートを利用して、純正以外の充電器やドックが使えるかを試しました。
5V充電器には対応していませんでしたが、18W以上のPD充電器は使用できました。ただ、18W出力の TNTOR TN-10PDのモバイルバッテリーは充電できるときとできないときがあり、動作が不安定でした。Ankerなど有名なメーカー製のものがおすすめです。
ただし、これらはちょっと試しただけなので、細かいチェックはしていません。長期間使ったりすると不具合があるかもしれません。また、純正品以外の充電器で充電し、故障しても当サイトでは責任をとれません。ご了承下さい。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | 〇 | 〇 | 〇 |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ | × | × | |
PD充電器 ※1 |
65W ZHOULX充電器 | 〇 | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | 〇 | ― | ― | |
30W RAVPower充電器 | 〇 | ― | ― | |
18W cheero充電器 | 〇 | ― | ― | |
5V充電器 ※2 | 5V/2.4A ANKER充電器 | × | ― | ― |
5V/2.4A AUKEY充電器 | × | ― | ― | |
モバイル バッテリー |
18W Anker 10000 PD | 〇 | ― | ― |
18W TNTOR TN-10PD | △ | ― | ― | |
5V/2A TNTOR WT-H340 | × | ― | ― | |
モニター ※3 |
EIZO ColorEdge CS2740 | 〇 | 〇 | ― |
Philips 258B6QUEB/11 | 〇 | 〇 | 〇 |
※2 スマホやタブレット向けの5Vの充電器
※3Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
質量のチェック
当サイトの計測値は下表の通りです。
コンバーチブル型PCは、ヒンジ周りなどのしっかりした構造が必要になるため、通常のクラムシェル型PCよりも質量がやや重くなる傾向があります。その中において、Yoga C740 (14)は、約1.4kgと同サイズのコンバーチブル型PCの中では軽量です。14型のコンバーチブル型2 in 1 PCのフラグシップ機となるThinkPad X1 Yoga 2019と比べても、大きな差がありません。
超軽量モバイルノートPCとまではいきませんが、持ち運び可能なモバイルPCとしても十分使用できます。
当サイトによる実測値は以下の通りで、仕様値よりもやや軽かったです。ACアダプターについてはやや重いので、持ち運びするときは他社製のPowerDelivery対応充電器を使うのがいいと思います。
質量 | |
PC本体 | 1.375kg |
ACアダプター | 349g |
バッテリー駆動時間のチェック
搭載するバッテリーは51Whです。
当サイトの計測値は下表の通りです。軽めの作業であれば、バッテリー駆動でも1日中使用可能なようです。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0 | 約18.6時間 |
(2) PCMark 10 Modern Office | 11時間58分 |
(3) 動画再生時 | 10時間58分 |
(4) PCMark 8 Work | 5時間01分 |
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時はほぼ無音です。高い負荷がかかっても、比較的低めの騒音値です。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
パーツの温度のチェック
ここでは、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時の温度のみを掲載します。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
60℃台で推移しており、問題ない温度です。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
やや低めの温度です。パームレスト部分の温度には、ほとんど変化がないので、作業中でも不快に感じることはありません。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。
似たような構成の他機種と比べても、やや低めの消費電力です。
外観のチェック
Yoga C740 (14)の外観のチェックです。
ボディは、サンドブラスト加工が施されたアルミ製ボディで、高級感があります。色はアイアングレーです。シンプルなデザインながら、重厚感があります。プライベートだけでなく、ビジネス用としても活用できそうです。
フラット形状であれ、対面する相手に画面を見せながら、キーボードやタッチパッドを使用して操作することもできます。
天板です。
スピーカーはキーボード面の左右に配置されています。ラップトップ形状であれば、対面スピーカーとなるので、サウンドがダイレクトに届きます。勝手に点数をつけると、10点満点で6点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。ただし、使用するスタイルによっては、スピーカーが後ろ向きや下向きになってしまいます。
エッジ部分は丸みを帯びています。継ぎ目部分も目立たず、質感が高いです。
インターフェイスは、USB3.0ポート、USB3.0 Type-C x2(USB PD対応、DC-in機能、Display出力機能付き)と少ないです。PCへの給電や、外部ディスプレイとの接続には、USB Type-Cポートを利用します。SDカードリーダーは搭載していません。
底面です。
底面カバーを外したときの画像です。カバーを開けるときは、T5トルクスドライバーが必要です。
2.5インチベイはありません。メモリはオンボードとなっており、メモリの交換や増設はできません。
M.2 SSDは換装できると思います。
ACアダプターの容量は65Wです。電源ケーブルも太く、重さもあるので、持ち運ぶ場合はもう少し小さなPD充電器がいいかもしれません。なお、純正機器以外の充電器は自己責任でご使用ください。
外観は、下の動画にもまとめています。
まとめ
Yoga C740 (14)は、マルチに使える14型のコンバーチブル型2 in 1 PCです。
7万円(税別)で買える比較的安い製品ですが、ディスプレイのsRGBカバー率が98.1%と比較的高く、一般ユーザーのみならず、クリエイターも使える液晶です。
基本性能は十分で、アクティブペンを同梱しており、アルミボディには高級感もあります。大きな欠点が見当たらないので、満足度の高いPCになるのではないかと思います。1台のPCをいろいろな用途に最大限活用したい方におすすめです。
なお、15型の液晶を搭載した、Yoga C740 (15)も販売されています。宅内のみでの使用や、メインPCとしての利用を考えているのであれば、こちらも検討してみるといいと思います。Yoga C740 (15)は後日レビューします。
7万円台でsRGBカバー率が98.1%
Yoga C740 (14)
特徴
- sRGBカバー率が98.1%の液晶を搭載
- アクティブペンも同梱
- 上質感のあるボディ
こんなあなたに
- マルチに使えるPCが欲しい方
- サブ機を探しているクリエイター
- 価格8万円台[税込]~
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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