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レノボ Yoga C630 の実機レビュー
CPU | Snapdragon 850 |
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メモリ | 4GB |
ストレージ | 128GB UFS |
液晶サイズ | 13.3型 |
液晶種類 | FHD IPS タッチ |
質量 | 約1.25kg |
バッテリー | 約18.6時間 |
価格[税込] | 11万円台 |
Yoga C630は、インテルのプロセッサーではなく、QualcommのSnapdragon 850を搭載したAlways Connected PCです。
スリープ中でも常時LTE接続されており、スリープから復帰したときに、すぐにメールチェックやWeb閲覧が可能で、すぐに仕事を始められるノートPCです。
また、バッテリー駆動時間も長く、多くのケースで1日作業ができるでしょう。
液晶が360度回転する2 in 1 PCにもなっており、またペンも付属しています。
レビュー機は、当サイトの購入品です。
レビュー機の構成
Snapdragon 850、4GBメモリ、128GB UFS
目次
お忙しい方は、「Yoga C630の特徴」のみお読みください。
Yoga C630 の特徴
Yoga C630は、プロセッサーにSnapdragon 850を搭載し、Always Connected PC構想に準拠しているノートPCです。具体的には次のようなメリット・デメリットがあります。
常にLTE接続されている
まず便利なのが、PCをスリープ状態にしていても、常にLTEに接続されている点です。一般的なLTE対応ノートPCは、スリープから復帰後、LTEに接続するのに数十秒~1分程度かかり、しばらくWebサイトを見たりメールを受信したりすることができません。一方、Yoga C630は、スリープ復帰後、すぐにWebサイトを見ることができますし、メールもスリープ中に受信しておりすぐに内容を確認できます(ソフトや設定にもよります)。外出先でPCを使うときは、ちょっとした隙間時間に使うことも多いと思いますが、時間のロスなくすぐに仕事がはじめられます。
また、eSIMに対応しており、海外へ出張や旅行に行く方も便利です。
ただし、当サイトで試した限りでは、au回線のMVNO SIMが使えませんでした。詳細は「LTEの通信テスト」をご覧ください。
バッテリー駆動時間が長い
Yoga C630は、スマートフォン向けのプロセッサーをPC向けに最適化したSnapdragon 850を搭載しており、省電力性能に優れ、バッテリー駆動時間が非常に長いのも特徴です。使い方にもよりますが、当サイトのテストでは、一般的なモバイルノートPCよりも、2倍近くバッテリー状態で駆動しました。
使用できないアプリもある
Yoga C630は、ARMネイティブアプリはもちろん、x86(32bit)アプリもエミューレーターで動作します。ただし、x64(64bit)アプリについては、エミュレーターで動作させることができず、ARM向けのネイティブアプリにコンパイルし直したものでなければ動作しません。
Microsoft Storeで提供されているストアアプリの場合、「アーキテクチャ」欄にx86、ARM、ARM64という文字があれば、インストール可能です。x64のみ書かれている場合はインストールできません。
また、x64(64bit)のデスクトップアプリをインストールしたり、実行ファイルを実行しようとしたりすると、エラーが表示されます。
x64(64bit)版のみ提供しているアプリは、オンラインゲームやクリエイター向けアプリが多いですが、本製品のスペックで、そのようなアプリを使う方はあまりいないと思います。そのため、YOGA C630で使えないアプリはあるものの、困ることは少ないと思います。
CPU性能はCeleronくらい?
Yoga C630に搭載されているCPUは、ARMネイティブアプリだとCore i3を下回るくらい、x86(32bit)アプリだとCeleron N4000くらいの性能でした。CPU性能は低めですが、SSDに近い性能のUFSを搭載しているため、Web閲覧、文書作成などの軽めの作業は特にストレスなく動きます。ただし、バックグラウンドで何か処理が流れていたりすると、軽めの処理でもやや重く感じます。また、CPU性能が低めであることに加えてメモリが4GBと少ないため、動画編集・画像編集などの用途には向いていません。あくまで、軽作業のみ行うことを想定したノートPCです。
CPU性能の詳細は「パフォーマンスのチェック」をご覧ください。
Windows 10 Home Sモードを搭載
Yoga C630は、OSにWindows 10 Home Sモードを搭載しています。これは「検証済みのアプリをMicrosoft Store経由でしか導入できない」という制限モードです。ただし、Sモードは、無料でWindows 10 Homeへ切り替えることができます。
2 in 1 PCで、しかもアクティブペンが付属
Yoga C630は、液晶が360度回転し、下のような形状で使用することができる2 in 1 PCとなっています。
また、アクティブペンも付属しており、簡単なスケッチなども行えます。MPP(Microsoft Pen Protocol)対応のペンであれば、他のも使えました。なお、ペンを本体に収納することはできないようなので、ペンの紛失には気を付けましょう。
ライバル機種との比較
ライバル機種との比較を行います。比較するのは、HPのENVY 12 x2で、Always Connected PCという同じジャンルのPCです。
Yoga C630は、モバイルPCとして使いやすい13.3型液晶を備えています。ただし、メモリやストレージの容量がやや少ないです。
ENVY 12 x2は、やや小型の12.3型液晶になりますが、解像度は高いです。また、Yシリーズではあるもののインテル製のCPUなので、x64(64bit)アプリも動作します。さらに、価格もYoga C630より安いです。USキーボードという点が気にならなければ、おすすめです。
[本製品] Yoga C630 |
HP ENVY 12 x2 |
|
画像 | ||
CPU | Snapdragon 850 | Core i5-7Y54 Core m3-7Y30 |
メモリ | 4GB | 4GB / 8GB |
ストレージ | 128GB UFS | 128GB SATA SSD 256GB PCIe SSD |
液晶サイズ | 13.3型 | 12.3型 |
液晶種類 | 1920x1080 IPS タッチ |
1920x1280 IPS タッチ |
インターフェイス | USB3.0 Type-C x2 | USB3.1 Type-C x2 microSD |
LTE | 対応 | |
キーボード | JIS配列 | US配列 |
質量 | 約1.25kg | タブレット:778g タブ+キー:1.24kg |
サイズ[mm] | [幅] 306.8 [奥行] 216.4 [高さ] 12.5~ |
[幅] 293 [奥行] 214 [高さ] 15.5 |
バッテリー | 約18.6時間 | 約17時間 |
[本製品] Yoga C630 |
HP ENVY 12 x2 |
|
CPU | Snapdragon 850 | Core i5-7Y54 |
ストレージ | 128GB | 256GB |
メモリ | 4GB | 8GB |
価格[税別] | 111,072円 | 109,800円 |
液晶ディスプレイのチェック
Yoga C630の液晶のチェックです。
液晶の型番は「NV133FHM-N61」でした。最大輝度は、263cd/m2と普通です。
フリッカーがありますが、色域は広めで、比較的見やすい液晶だと思います。
- 視野角
- RGB
発色特性 - 色域
- 画素・
ギラつき - 映り込み
- フリッカー
キーボードおよびタッチパッドのチェック
YOGA C630のキーボードは打ちやすいです。
実測で、キーピッチは横:約19mm、縦:19mmと十分ありますが、キーストロークは約1mmと浅めです。キートップはわずかに湾曲しているように見えます。底付きの衝撃は軽減されており、普通に打てるキーボードだと思います。ただ、Enterキーの下側がやや狭いので、もう少し広いと良かったです。
バックライト付きのキーボードも選択することができます。 暗所で作業をすることがある方は便利です。
パフォーマンスのチェック
Yoga C630のパフォーマンスのチェックです。
CPU
Yoga C630は、上述したようにインテル系とは異なる、QualcommのSnapdragon 850というSoCを搭載しています。CPU性能を大雑把に言うと、Core i3ほどの性能はなく、ローエンドPCに搭載されるCeleronくらいの性能です。
~ Geekbench 4 ~
Yoga C630で、Geekbenchを起動すると、アーキテクチャに「AArch64」と「32-bit」が表示されます。ここでAArch64とは、AArch64プロセッサー向けにコンパイルされたバイナリのことで、ARM版Windowsのポテンシャルを最大限に計測することができます。ここでは、「AArch64」と「32-bit」の両方について計測した結果を掲載します。
AArch64を選択して実行すると、32-bitを選択して実行したときより、約2倍のベンチマークスコアが出ました。ARMネイティブアプリは、エミュレーションで動かすよりも、大分速そうです。
他のCPUのベンチマークスコアと比較すると、AArch64で実行したときでも、最新のCore i3よりもスコアが劣りました。ただ、CeleronN4100よりは高いスコアでした。32bitを選択して実行すると、Celeron N4000と同等程度のスコアでした。
~ PassMark Performance Test 9.0 ~
続いて、Passmarkのスコアです。こちらはARMネイティブアプリではないので、エミュレーションで実行されます。結果はGeekbenchに近く、Celeron N4000よりわずかに高い程度のスコアでした。
グラフィックス
Yoga C630は、グラフィックスにAdreno 630 GPUを搭載しています。ドラクエXのベンチマークスコアを見ると、Adreno 630 GPUは、Intel UHD 620 グラフィックスの3分の1程度のスコアです。ただ、YouTubeやNETFLIXなどの動画鑑賞程度なら問題なくできました。YouTubeで1080pの動画を再生したところ、GPU使用率は約50%とやや高めではありました。
~ ドラゴンクエスト X ~
※低品質、1920x1080、フルスクリーンで実行
ストレージ
ストレージは、ノートPCとしては珍しくUFSを搭載しています。eMMCのような低消費電力でありながら、SSD並みの高速読み書きが可能なストレージです。スマートフォンやタブレットのストレージとして使用されることが多いです。
速度としては、シーケンシャルリードはSATA SSDよりも高速ですが、それ以外はSATA SSDよりもやや劣るような結果でした。PCの起動やアプリの起動は高速で、SATA SSDと比べても遜色ない体感速度です。
LTEの通信テスト
対応バンド
Yoga C630の対応バンドは下表の通りです。ドコモ、au、ソフトバンクの重要なバンドに対応しています。
LTE接続できるかのテスト
今回、BIGLOBE、IIJmio(どちらもドコモ回線)、mineo、UQ mobile(どちらもau回線)の合計4つのMVNO SIMでテストしたところ、ThinkPad T490で試したときと同様に、au回線のMVNO SIMではLTEに接続できませんでした。たまに接続できるときもありますが、2分ぐらいすると切断されてしまいます。
スリープ復帰後、LTE接続するまでの時間
Yoga C630は、スリープ状態にしても、LTE接続は切れません。そのため、スリープ復帰後、すぐにWeb閲覧などが行えます。
時間 | |
IIJmio(ドコモ回線) | 0秒 |
BIGLOBE(ドコモ回線) | 0秒 |
UQ mobile(au回線) | ― |
mineo(au回線) | ― |
再起動後にLTE接続できるかのテスト
ドコモ回線のMVNO SIMにて、再起動しても正常にLTE接続できるか確認しましたが、10回試して全てできました。
eSIMにも対応
Yoga C630は、eSIM(機器に組み込まれているSIM)が搭載されており、SIMカードを挿入しなくても、データ通信可能です。価格は高めですが、海外へ旅行や出張へ行く方は便利でしょう。
USB Type-C 充電器 / ドックの動作テスト
USB Type-Cポートの仕様を確認すると、USB Power Deliveryには対応しており、DisplayPort出力にも対応(1ポートのみ)しています。Thunderbolt 3への対応は特に書かれていませんが、試した限りでは対応していないようでした。
純正品以外の充電器やドックが使えるか試した結果を、下表に掲載します。5V充電器は使えませんでしたが、18W充電器は使用できました。ただし、故障しても責任は負えませんのでご了承ください。
また、仕様ではDisplayPort出力にも対応していると記載されていましたが、今回試した限りでは、相性が悪かったのか出力できませんでした。
充電できるか? | 外部モニター / 有線LANの拡張 |
||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | 〇 | LANのみOK |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | 〇 | × | |
PD充電器 ※1 |
ZHOULX 充電器(65W) | 〇 | ― |
AUKEY 充電器(46W) | 〇 | ― | |
cheero 充電器(18W) | 〇 | ― | |
5V充電器 ※2 |
ANKER 充電器(5V/2.4A) | × | ― |
AUKEY 充電器(5V/2.4A) | × | ― | |
その他 | DP-HDMIケーブルで外部モニター接続 | ― | × |
※2 スマホやタブレット向けの5Vの充電器
質量のチェック
Yoga C630の質量を他の13.3型コンバーチブル型2-in-1 PCと比較します。
普通の質量だと思います。
当サイトの計測値は下表の通りで、仕様よりもやや軽かったです。ただし、付属ACアダプターは普通の質量でした。
質量 | |
PC本体 | 1.201kg |
ACアダプター | 280g |
バッテリー駆動時間のチェック
Yoga C630のバッテリー容量を、他の13.3型コンバーチブル型2-in-1 PCと比較します。
バッテリー容量は60Whと、トップクラスです。
当サイトで計測したバッテリー駆動時間は下表のようになっています。いつもは動画再生時のバッテリー駆動時間を計測するときに「Windows Media Player」のアプリを使用していますが、このアプリを使用すると途中で落ちて計測できなかったため、今回はストアアプリの「映画&テレビ」を使用しました。このアプリはWindows Media Playerよりも負荷が低いため、いつもよりも動画再生時のバッテリー駆動時間が長くなっています。もし、「Windows Media Player」を使った場合は、13時間くらいの駆動時間になっていたと思われます。
いずれにしても、一般的なモバイルノートパソコンよりも、長いバッテリー駆動時間です。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0測定方法 ※1 | 約18.6時間 |
(2) 動画再生時「映画&テレビアプリ」 ※2 | 20時間01分 |
(3) PCMark 8 Work テスト ※3 | 10時間24分 |
※1 メーカー公表値
※2 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
※3 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
充電時間はそれほど速くなく、1時間で34%の充電量でした。
※PCの充電残量が10%から充電を開始し、1時間でどのくらい充電残量が増えたかを計測
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
なお、今回、CPUが低性能であるため、負荷のかかる作業はしていません。
ファンレスであるためほぼ無音です。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
パーツの温度のチェック
パーツの温度については、今回、ソフトを使って表示することができなかったため、割愛します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
低めの温度です。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。
低めの消費電力です。
外観のチェック
Yoga C630のボディカラーは、アイアングレーです。アルミニウム天板なので、見た目もクールです。
天板です。
スピーカーはキーボードの横に配置されています。音質は普通です。勝手に点数をつけると、10点満点で5点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
ポート類は、2つのUSB Type-Cポートのみです。他には電源ボタン、マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック、SIMカードスロットがあります。
底面です。
付属のペンは、電池式です。
底面カバーを外したときの画像です。ほぼバッテリーで占められており、衝撃でした。
メモリおよびストレージの換装はできません。
ACアダプターは45Wです。電源ケーブルが太いです。消費電力の低いPCなので、もっと小型のACアダプターでも良かったかなと思います。
まとめ
Yoga C630は、スマートフォンのようにいつでもどこでもネットにつながっている、Always Connected PCです。
スリープ中でも、常にLTEに接続されており、スリープ復帰後、すぐにネットに接続できます。実際に使ってみても、パソコンを開けば、外出先でもメールチェックやWeb閲覧をすることができ、隙間時間でもすぐに仕事をすることができて便利です。
また、バッテリー駆動時間も長く、1日の出張なら、ACアダプターは持ち歩かなくてもほぼ大丈夫です。
ただし、x64(64bit)のアプリはARM向けのネイティブアプリにコンパイルし直したものでなければ動作しません。また、CPU性能はそれほど高くなく、メモリ容量も少ないです。
外出先で、軽めの作業のみ行う方に適した製品です。
隙間時間にすぐに仕事ができるAlways Connected PC
Yoga C630
特徴
- いつでもどこでもネットにつながる
- ロングバッテリー駆動
- 2 in 1 PCかつアクティブペンも同梱
- 使用したいアプリが使えるか要チェック!
こんなあなたに
- 外出先で軽めの作業をすることが多い方
- 価格11万円台[税込]~
- 一言使用したいアプリが
使えるか要チェック!
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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