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デル New Inspiron 13 7000 2-in-1 (7386)の実機レビュー
CPU | Core i5-8265U Core i7-8565U |
---|---|
メモリ | 8GB / 16GB |
ストレージ | PCIe SSD |
液晶サイズ | 13.3型 |
液晶種類 | FHD IPS タッチ UHD IPS タッチ |
質量 | 1.45kg |
バッテリー | 38Wh |
価格 | 9万円台~(税別) |
メイン兼モバイルPCとして使える2 in 1 PC
New Inspiron 13 7000 2-in-1は、最新CPU「Whiskey Lake-U」を搭載した2 in 1 ノートパソコンです。
Whiskey Lake-Uは、主にPCHの改良ではありますが、CPUもターボブーストクロックが上がり、処理性能もやや向上しています。
質量に関しては、最近のモバイルノートと比べるとやや重いですが、極端に重いわけでもないので、外出先へ持ち出す用途にも使えます。メインPCとモバイルPCを兼用したい方に適していると思います。
また、UHD(4K)液晶を選択でき、アクティブペンにも対応しています。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i7-8565U、8GBメモリ、512GB PCIe SSD
このページをご覧の方だけに
目次
お忙しい方は、「Inspiron 13 7000 2-in-1 (7386)の特徴」のみお読みください。
Inspiron 13 7000 2-in-1 (7386)の特徴
Whiskey Lake-Uの最新CPUを搭載
Inspiron 13 7000 2-in-1は、最新のCPU「Whiskey Lake-U」を搭載しています。Whiskey Lake-Uは、PCH(Platform Controller Hub)が強化され、USB 3.1 Gen 2の内蔵、Wi-Fi/Bluetoothのコントローラーの内蔵、オーディオDSPの強化が主な改良点となっています。CPUに関しては大きな変化はないものの、ターボブーストクロックが引き上げられており、短時間で終わる処理に関しては高速になっています。
PassMark社のベンチマークを確認すると、従来のKaby Lake Rよりもスコアが良くなっています。ただ、大きく性能が向上しているわけではなく、その差はわずかです。パソコンによってはベンチマークスコアが逆転することもあります。使える用途が広がるかと言えば、そんなことはありません。
Core i7-8565U | Core i7-8550U | Core i5-8265U | Core i5-8250U | |
開発コード名 | Whiskey Lake-U | Kaby Lake R | Whiskey Lake-U | Kaby Lake R |
コア / スレッド数 | 4 / 8 | 4 / 8 | 4 / 8 | 4 / 8 |
ベースクロック | 1.8 GHz | 1.8 GHz | 1.6 GHz | 1.6 GHz |
ブーストクロック | 4.6 GHz | 4.0 GHz | 3.9 GHz | 3.4 GHz |
キャッシュ | 8MB | 8MB | 6MB | 6MB |
内蔵GPU | UHD 620 | UHD 620 | UHD 620 | UHD 620 |
~ CPU性能の評価 ~
他の2 in 1 PCと比較して、質量はやや重いが、処理性能は高め
Inspiron 13 7000 2-in-1は、タブレットへ変形できる2 in 1 PCですが、他の2 in 1 PCと比べて、どういった特徴があるのでしょう。下表に、下位モデルのInspiron 13 5000 2-in-1および上位モデルのXPS 13 2-in-1と仕様を比較してみました。
質量やバッテリー容量を比べると、XPS 13 2-in-1が最も軽く、バッテリー容量も多く、モバイル用途に最適だと思います。ただし、本製品もInspiron 13 5000 2-in-1に比べると軽くなっています。CPUの処理性能に関しては、本製品は、他の2機種よりも性能が高くなっています。これらのことから、メイン兼モバイルPCとして使うには、Inspiron 13 7000 2-in-1が最も適性があるでしょう。
Inspiron 13 5000 2-in-1 |
[本製品] Inspiron 13 7000 2-in-1 |
XPS 13 2-in-1 |
|
CPU | Core i3-7130U Core i5-7200U |
Core i5-8265U Core i7-8565U |
Core i5-8200Y Core i7-8500Yなど |
液晶サイズ | 13.3型 | 13.3型 | 13.3型 |
液晶種類 | FHD IPS タッチ | FHD IPS タッチ UHD IPS タッチ |
FHD タッチ QHD+ タッチ |
質量 | 1.62kg | 1.45kg | 1.24kg |
バッテリー | 42Wh | 38Wh | 46Wh |
サイズ[mm] | 幅:324 奥行:224.8 高さ:20.4 |
幅:307.7 奥行:212.45 高さ:13.68 |
幅:304 奥行:199 高さ:13.7 |
価格【税別】 | 6万円台~ | 9万円台~ | 11万円台~ |
4K液晶は綺麗
Inspiron 13 7000 2-in-1は、4K液晶を選択できる点も特徴となっています。色域はsRGBをやや下回るくらいで、まずまず広く、デジタル写真の現像、イラスト制作などを行う方でも、満足できる品質ではないかと思います。ただ、Adobe RGBを100%近くカバーしているわけではないので、プロが使うには物足りなさはあります。
アクティブペンに対応
Inspiron 13 7000 2-in-1 は、アクティブペンにも対応しています。ラフ画を描いたり、図などのメモをとったりするときに活用できます。ペンは+2,000円という安さで追加できます(最初から選択されているモデルもあります)。付属するペンは、PN338Mで、1,024段階の筆圧検知に対応しています。また、Microsoft Pen Protocol(MPP)に対応していれば、他のペンも使えると思います。Surface Pen、Wacom Banboo Inkのペンは使えました。
申し訳ございません。初稿時に、「PN338Mは傾き検知に対応している」と記載してしまいました。イベント時にメーカーさんから聞いた情報ではあったのですが、この情報は間違いでした。実際に試したところ傾き検知はしませんでした。サポートにも確認したところ、傾き検知には対応していないと回答をもらいました。
また、「オプションのPN579Xも傾き検知に対応している」と記載してしまったのですが、こちらも実際に試したところ、MPP対応のInspiron 13 7000 2-in-1では傾き検知はせず、サポートからの回答も傾き検知はしないとのことでした。なお、メーカーのページをみると、PN579Xのペンは、Wacom AES 2.0対応のデル製2-in-1 PCなら、傾き検知に対応しているようです(ただし未検証)。
もし初稿の記事を見て、傾き検知に対応していると思って購入されてしまった方がいましたら、こちらまでご連絡下さい。
狭額ベゼルを採用し、見た目が良くコンパクト
New Inspiron 13 7000 2-in-1は、最近流行りの狭額ベゼルを採用し、見た目が良く、サイズもコンパクトです。
カラーラインナップは2種類
カラーラインナップは、プラチナ シルバーと、アビスブラックの2種類となっています。また、プラチナ シルバーのパームレストのみヘアライン加工が施されています。なお、4K液晶搭載モデルのみ、アビスブラックのカラーとなります。
ライバル機種との比較
13.3型の2 in 1 PCとしては、HP Spectre x360が当サイトでは人気なので、こちらの機種と比較します。
軽さやバッテリー容量などのモバイル性能は、HP Spectre x360のほうが高いですが、CPU性能についてはInspiron 13 7000 2-in-1のほうがやや高いです。また、価格もInspiron 13 7000 2-in-1のほうが安いです。
やはり、Inspiron 13 7000 2-in-1は、毎日外出先へ持ち出して使うような方ではなく、メインPCとしてもバリバリ使いつつ、外出先にも持ち出すような方に合っていると思います。
[本製品] Inspiron 13 7000 2-in-1 |
HP Spectre x360 | |
CPU | Core i5-8265U Core i7-8565U |
Core i5-8250U Core i7-8550U |
液晶サイズ | 13.3型 | 13.3型 |
液晶種類 | FHD IPS タッチ UHD IPS タッチ |
FHD タッチ UHD タッチ |
質量 | 1.45kg | 1.29kg |
バッテリー | 38Wh | 46Wh |
サイズ[mm] | 幅:307.7 奥行:212.45 高さ:13.68 |
幅:307 奥行:218 高さ:13.6 |
価格【税別】 | 9万円台~ | 12万円台~ |
液晶ディスプレイのチェック
液晶ディスプレイのチェックです。
Inspiron 13 7000 2-in-1 (7386)は、フルHD液晶と4K液晶がありますが、今回は4K液晶についての特性を掲載します。
最大輝度は、294cd/m2とやや高めです。
視野角は広いです。
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線です。どの色も1:1の直線に近く、素直な発色であることが分かります。
色域はノートパソコンとしてはやや広いです。当サイトによる計測では、sRGBカバー率が95.2%、sRGB比が98.2%でした。
画素形状です。ギラつきはありません。近くで見ると、斜めの電極線のようなものが見えますが、普通の距離で画面を見たときはそれほど気になりません。
光沢液晶ですので、映り込みがあります。
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
実測で、キーピッチは横:約19mm、縦:約18mm、キーストロークは1mm強です。「Backspaace」や「Enter」のキー幅が狭い点がやや気になりますが、普通に打てる範囲のキーボードです。
ただ、キーを囲む1つの枠に、2つのキーがあるところはやや格好悪いです。
タッチパッドの指の動かしやすさ、クリックボタンの押しやすさは普通です。
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
CPU
CPUは、最新のWhiskey Lake-Uを搭載しています。性能は普通で、一般的な用途なら困ることはありません。
~ CINEBENCH R15 マルチコア ~
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
グラフィックス
外部グラフィックスは搭載していません。そのため、ゲームなどには不向きですが、一般的な用途なら問題なくこなせると思います。
~ 3D Mark Time Spy - Graphics score ~
※[レビュー機で計測]と書かれたグラフィックス以外は、他のPCで計測した代表値です
ストレージ
ストレージは、PCIe SSDを搭載可能です。OSの起動やアプリの起動が高速です。
~ CrystalDiskMark Seq Q32T1 Read [MB/s] ~
※[レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です
レビュー機で計測したベンチマーク
以下、レビュー機で計測したベンチマーク結果を掲載します。ベンチマークスコアは高めですが、処理が長時間かかるエンコードではクロックダウンが起こっていました。
Core i7-8565U Intel UHD 620 |
|
x265でエンコード (※1) | 29分12秒 |
NVENCでエンコード (※2) | ― |
QSVでエンコード (※3) | 3分17秒 |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
約26分後に、クロックダウンが発生しています。このくらい時間のかかる処理を流すことはマレだとは思いますが、留意して下さい。
カードリーダー/ライターのチェック
内蔵カードリーダー/ライターのチェックです。
micro SDカードに対応しています。挿入後はわずかに出っ張りますが、カバンの中に入れて押されて出てくる確率は低いかと思います。
SDカードリーダー/ライターの速度はやや遅いです。
USB Type-C 充電器 / ドックの動作テスト
USB Type-Cポートを利用して、他の充電器やドックが使えるかを試しました。
充電や、USB Type-Cドックの使用は可能でした。ただし、Thunderbolt 3には対応していないようです。
充電できるか? | 外部モニター / LANの拡張 | |
ThinkPad USB Type-C ドック | 〇 | 〇 |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | 〇 | × |
ZHOULX 充電器(65W) | 〇 | ― |
外部ディスプレイへの映像出力 | ― | 〇 |
質量のチェック
Inspiron 13 7000 2-in-1 (7386)の質量のチェックです。
最近のモバイルノートPCとしては、やや重いです。
質量 | |
PC本体 | 1.406kg |
ACアダプター | 268g |
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
今回、4K液晶を搭載しているため、バッテリー駆動時間は短くなっています。フルHD液晶なら、もっと長くバッテリー駆動できると思います。
駆動時間 | |
PCMark 8 Home テスト ※1 | 1時間35分 |
PCMark 8 Work テスト ※2 | 1時間51分 |
動画再生時 ※3 | 3時間38分 |
※1 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、画像編集、ビデオチャット、軽いゲームなどを実行
※2 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
※3 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
普通の動作音です。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
全体的に、やや高めの温度です。あまり高い負荷はかけないほうがいいと思います。
エンコード時の温度の詳細
下図は、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時のCPU温度の詳細です。80℃以上で推移しており、やや高めの温度です。さらに、約26分後にはクロックダウンが発生し、それと共に温度が下がっています。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
2 in 1 PCということで、ボディが薄く出来ているため、全体的に表面温度は高めです。高めの負荷をかけると、手のひらがやや熱く感じます。また、膝の上に置いて作業をするときもご注意下さい。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。
今回、4K液晶を搭載しているため、13.3型のモバイルノートPCとしては、やや高めの消費電力です。
外観のチェック
外観のチェックです。
狭額縁を採用し、ボディはアルミ製で、高級感のある外観です。
液晶は360度回転し、下図のように変形することが可能です。
天板です。
スピーカーは底面に配置されています。音質は、一般的なノートPCと比べて、普通かなと思います。勝手に点数をつけると、10点満点で5点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
排気口は背面にありますが、やや小さめです。
指紋認証装置も搭載しています。シールは外せます。
インタフェースは、HDMI、USB Type-C、micro SDカードスロット、ヘッドフォン/マイク、USBとなっています。
USB Type-Cは、PDや映像出力には対応していましたが、Thunderbolt 3には対応していないようです。
底面です。
ACアダプターは小型ですが、電源ケーブルはやや太めです。
まとめ
以上が、New Inspiron 13 7000 2-in-1 (7386)のレビューです。
タブレットなどの形状に変形できる2 in 1 PCで、タッチパネルやアクティブペンにも対応し、多くのことができるオールマイティーなノートパソコンです。
Whiskey Lake-Uを搭載し、CPU性能も高い 2 in 1 PCだと思います。
4K液晶も選択することが可能で、色域も割と広く、デジタル写真の編集などをする方でも満足できる品質ではないかと思います。
ただ、万能の製品である反面、何かに特化している部分がなく、やや中途半端な面もあります。質量はそれほど軽くなく、色域もAdobe RGBをカバーするほど広くはなく、ペン性能も優れているわけでもありません。より専門的な分野で使う場合は、XPS13 2-in-1や、XPS 15などのほうがいいと思います。
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1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
関連ページ
DELLのパソコンの一覧ページ。各シリーズの違いや、おすすめ製品の紹介。各製品のレビュー記事もあり。
タブレットへ変形することができる2 in 1 PCの比較ページ。YOGAシリーズ、Surfaceシリーズなどの名機や、コスパの高い製品などを紹介。
モバイルノートパソコンの比較ページ。ThinkPadやレッツノートなどの人気の製品や、液晶サイズ別に製品を掲載しています。