※当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

Always Connected PCのまとめ

更新日:2019年4月24日

いつでもどこでもネットにつながる新カテゴリPC

Always Connected PCは、いつでもネットにつながり、瞬時に起動し、バッテリーも1週間程度持つWindowsパソコンのことで、新たなカテゴリとなるモバイルPCです。

下記に、特徴をまとめました。

CPU ARM系
Intel系
バッテリー 適度な使用で1週間程度
連続動画再生:20時間程度
※製品によって変わります
LTE 対応

 

Always Connected PCの特徴

Always Connected PCとは?

Always Connected PCとは、「瞬時起動」、「常時接続」、「1週間のバッテリー駆動時間」を実現するPCです。

Always Connected PCの3つの特徴
・瞬時に立ち上がり、すぐに使用できる。
・いつでも、どこでもインターネットに常時接続されている。
・スタンバイと適度な使用が繰り返される状況で、1週間程度のバッテリー駆動が可能である。

 

誤解を恐れず分かりやすく言えば、パソコンのボディの中にAndroidスマホの中身が入っているようなイメージです。

 

Always Connected PCを実現するPCは、ARMベースのSoCを採用したPCと、IntelのCPUを採用したPCがあり、それぞれ次のような特徴があります。

 

ARM版のAlways Connected PC

Always Connected PCの構想を実現するために、2018年1月、ARMベースのSoCであるSnapdragon 835を搭載したWindows 10パソコンが発表されました。

 ※ARM・・・主にスマートフォンやタブレットに搭載されているCPUアーキテクチャ
 ※SoC・・・CPUを含めシステムを動かすために必要な部品の集まり
 ※Snapdragon・・・Qualcomm(クアルコム)というメーカーのSoC

ARM系CPUは、主にスマートフォンやタブレットに使用されており、立ち上がりが速く、インターネットの常時接続環境に向いており、今までにないほどの長いバッテリー駆動時間も実現できるため、Always Connected PCの構想に最適です。

なお、今までも、Surface RTのようにARM版Windowsパソコンは存在しましたが、Surface RTはWindows RTが動いており、専用アプリしか使用できませんでした。一方、Always Connected PCは、ARM版Windwos 10を動かすことができ、最適化されたOfficeソフトも使用でき、x86向けの32bitアプリケーションも(エミュレーターで)動かせます。ただし、エミュレーターで動作させるため、パフォーマンスが落ちる点がデメリットとなります。

64bitアプリについては、エミュレーターで動作させることはできませんが、64ビット版SDKを使って、ARM向けのネイティブアプリにコンパイルし直したアプリであれば動作させることが可能です。

参考:Snapdragon 835をエミュレーションで動かしたときの処理性能

Snapdragon 835をx86エミュレーション上で動作させると、Geekbench 4のベンチマークスコアは、約3600になるようです(詳細はこちら[ITmedia様])。x86エミュレーション上で動作させた場合、Android OS上で動作させた場合に比べ、半分近くまでスコアが下がっています。

下図は、Windows OS上のCore iプロセッサーで、Geekbench 4を動かしたときのスコアですが、これらと比べると大分スコアが落ちます。


インテルCoreプロセッサーのスコア

 

追記:2018年6月5日、Snapdragon 850を搭載したPCも発表されました。「Snapdragon X20 LTEモデム」を搭載し、LTEでは最大1.2Gbpsの通信が可能だそうです。

参考:Qualcomm、Windows PC向けの10nmプロセスSoC「Snapdragon 850」(PC Watch様)

 

Intel版のAlways Connected PC

Intelのx86系CPUを搭載したAlways Connected PCも発表されています。

AMR版のWindowsパソコンに比べると、バッテリー駆動時間など不利な面もあると思いますが、エミュレーションで動かす必要がないため、64bitのWindowsアプリが動作し、処理性能も落ちることがありません。

 

今でも、LTEモジュールを内蔵したIntelプロセッサー搭載のノートPCは発売されています。ただし、スタンバイ状態に入ると通信は切断されてしまい、スタンバイから復帰したときは、回線に接続する時間がやや待たされる機種が多いです。また、スマホのようにスリープ中に通知を受け取ったりすることもできません。

一方、Always Connected PCなら、常にインターネット回線に接続しているため、スタンバイ復帰時もすぐにネット使え、アプリが対応すればスリープ中でもSNSなどの通知を受け取ったりすることができます。

なお、これはWindowsのコネクテッド・モダンスタンバイ(スタンバイ中でもネットワークに接続する)機能によって実現されます。そのため、LTE搭載のモバイルパソコンが、コネクテッド・モダンスタンバイに対応していれば、Always Connected PCと呼べるような気もしますが、この辺りの定義は不明です。

 

Always Connected PCのメリット

Always Connected PCには、多くのメリットがあります。

Always Connected PCのメリット
・瞬時に立ち上がるので、起動を待つ必要がなく、シームレスな使用が可能となります。
・常時インターネットに接続することが可能であるため、クラウドサービスが利用しやすくなります。
・パブリックなWi-Fiホットスポットなどを使用する必要がないため、セキュリティの面でも安心できます。
・使用し続けても余裕で1日中使用できるため、ACアダプターや作業場所に縛られることなく、どこでも作業可能です。
・発熱の少ないCPUを搭載するため、ファンレス構造で静音性に優れており、性能も安定しています。

 

Always Connected PCのデメリット

ARM版の場合、処理性能がかなり落ちてしまう点や、64bitアプリを使用できない点がデメリットでしょう。

Intel版にしても、写真や動画編集、本格的な3Dゲームなどの目的に使用するのは、今のところ難しいと思います。

また、Intelは、「x86のエミュレーションは特許侵害だ!」と言っているので、ARM版のAlways connected PCについては今後の動きにも注目です。

 

発売済み製品

2018年6月5日、HPからIntel版Always connected PCのHP ENVY 12 x2が発売されました。

HP ENVY 12 x2

HP社から発売したIntel版のAlways Connected PC
HP ENVY 12 x2のレビュー

 

2019年4月19日、レノボから、Snapdragon 850を搭載したARM版のAlways Connected PCのYOGA 630が発売されたました。購入したので、後日レビューします。

発売予定の製品

ASUS、HP、レノボからSnapdragon搭載の機種が発表されています。いずれも、LTEを内蔵し、常時高速接続が可能であり、20時間を超える長時間のバッテリー駆動が可能となっています。

さらに、多くの製品はストレージにUFSを採用することで、小型化と省電力化に合わせて、高速な読み書きも可能にしているようです。

また、HPからはIntelのCPUを搭載した機種も発表されています。

これらの製品が発売されたら、実機でテストしてみようと思います。

発売予定製品

HP ENVY x2

ASUS NovaGo

レノボ Miix 630

Acer Swift 7(外部リンク

関連ページ

新しい働き方を実現するAlways Connected PCを発表 - マイクロソフト

Windows on Snapdragonのハンズオン - GIZMODE

期待のARM版Windows 10に待った? Intelが特許問題をちらつかせる理由 (1/2) - ITmedia