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Core i9-13900KとRyzen 9 7900Xでゲームベンチマークを比較

この記事では、10月に発売されたばかりの第13世代Coreプロセッサーの最上位モデル「Core i9-13900K」と、Ryzen 7000シリーズの上位モデル「Ryzen 9 7900X」プロセッサーにおいて、「GeForce RTX 4090」を接続したときに、どちらのほうがゲームのフレームレートが高いかを検証してみました。
目次
はじめに
ベンチマークスコア
その他
おすすめPC
はじめに
なぜRyzen 9 7900X?
まず、「なぜ、比較対象が最上位のRyzen 9 7950Xではないの?」と思うのではないかと思いますが、各BTOメーカーのモデルを見てみると、Ryzen 9 7950X搭載モデルは、Core i9-13900K搭載モデルよりも5~6万円は価格が高く、むしろRyzen 9 7900X搭載モデルが、Core i9-13900K搭載モデルとほぼ同じ価格帯(下図参照)で、ライバル機種と呼べるためです。
PCパーツではなく、完成品のPCを主に紹介している当サイトとしては、今回は、同価格帯で売られているCore i9-13900KとRyzen 9 7900Xについてゲーミング性能を比較したいと思います。
Core i9-13900KとRyzen 9 7950Xの最上位CPUの比較は、他メディアでたくさん挙げていると思うので、そちらをご覧ください。


今回のテスト環境
次に、「Core i9-13900K」と「Ryzen 9 7900X」でゲームのフレームレートを比較するにあたって、テストに使用したPCの構成を下に掲載します。メモリはどちらもCrucial製のDDR5-4800 64GBとなっています。なお、オーバークロックなどは行わず、デフォルトの状態で計測しました。BIOSは最新状態へアップデートしています。
Core i9-13900K | Ryzen 9 7900X | |
![]() |
![]() |
|
OS | Windows 11(22H2) | |
CPU | Core i9-13900K (PL1:253W) |
Ryzen 9 7900X |
ケース | NZXT H7 White | CoolerMaster Silencio S600 |
マザーボード | ASRock Z790 Pro RS (BIOS 3.12) |
ASRock X670E Steel Legend (BIOS 1.09) |
CPUクーラー | CoolerMaster PL360 FLUX [水冷] | Deepcool GAMMAXX L240 A-R [水冷] |
メモリ | Crucial DDR5-4800 64GB(32GB×2) | Crucial DDR5-4800 64GB(32GB×2) |
ストレージ1 | SSD WD Black SN850X [PCIe Gen4x4 NVMe 1TB] |
SSD WD BLUE SN570 [PCIe Gen3x4 NVMe 1TB] |
電源 | CoolerMaster V1000 [1000W] | Corsair RM1000x [1000W] |
グラフィックカードにはNVIDIAの次世代ハイエンドグラフィックス「GeForce RTX 4090」を使用しています。今回使用したグラフィックカード「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4090 Trinity OC」については、こちらの記事をご覧ください。
CINEBENCH R23
まず、ゲームのフレームレートを計測する前に、CINEBENCH R23のスコアから見ていきます。
こちらについては、マルチコア、シングルコアともに、Core i9-13900Kのほうが、Ryzen 9 7900Xよりもスコアが高いです。
~ CPU性能の評価 ~

ゲームベンチマークスコア
次に、各ゲームベンチマーク、または実際にゲームをプレイしAfterburnerで平均フレームレートと最低フレームレートを計測しています。いずれも何度か計測したうち、最も高いフレームレートを掲載しています。
まず、非常に重い「サイバーパンク2077」のフレームレートを掲載します。平均フレームレートは誤差程度の違いでほぼ変わりません。ただ、最低フレームレートは、Core i9-13900Kのほうが若干高い傾向がありました。Ryzen 9 7900Xは、フレームレートの上下が激しい傾向があるように感じました。
![]() 重い部類のゲーム
サイバーパンク2077(DX12)
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CPU | 平均 / 最低 fps | 1920x1080 | 2560x1440 | 3840x2160 |
Core i9-13900K | 平均 fps | 184 fps | 148 fps | 77 fps |
最低 fps | 103 fps | 94 fps | 48 fps | |
Ryzen 9 7900X | 平均 fps | 180 fps | 146 fps | 77 fps |
最低 fps | 93 fps | 87 fps | 46 fps |
「Forza Horizon 5」については、どちらのCPUでもほとんど変わりはありません。
![]() 重い部類のゲーム
Forza Horizon 5(DX12)
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---|---|---|---|---|
CPU | 平均 / 最低 fps | 1920x1080 | 2560x1440 | 3840x2160 |
Core i9-13900K | 平均 fps | 240 fps | 217 fps | 168 fps |
最低 fps | 204 fps | 186 fps | 142 fps | |
Ryzen 9 7900X | 平均 fps | 244 fps | 216 fps | 167 fps |
最低 fps | 202 fps | 186 fps | 147 fps |
Vulkan APIを使った「レッド・デッド・リデンプション2」では、「Ryzen 9 7900X」の方がフレームレートが高く出ていました。このゲームに関しては、Ryzen 9 7900Xのほうがいいかもしれません。
![]() 重い部類のゲーム
レッド・デッド・リデンプション2(VULKAN)
|
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---|---|---|---|---|
CPU | 平均 / 最低 fps | 1920x1080 | 2560x1440 | 3840x2160 |
Core i9-13900K | 平均 fps | 150 fps | 148 fps | 127 fps |
最低 fps | 94 fps | 93 fps | 36 fps | |
Ryzen 9 7900X | 平均 fps | 170 fps | 162 fps | 127 fps |
最低 fps | 101 fps | 99 fps | 44 fps |
「ワンダーランズ ~タイニー・ティナと魔法の世界」は、大きな差はありませんが、Core i9-13900Kのほうがわずかにフレームレートは高い傾向にあります。
![]() 重い部類のゲーム
ワンダーランズ ~タイニー・ティナと魔法の世界(DX12)
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---|---|---|---|---|
CPU | 平均 / 最低 fps | 1920x1080 | 2560x1440 | 3840x2160 |
Core i9-13900K | 平均 fps | 269 fps | 240 fps | 144 fps |
最低 fps | 220 fps | 204 fps | 123 fps | |
Ryzen 9 7900X | 平均 fps | 268 fps | 233 fps | 143 fps |
最低 fps | 206 fps | 198 fps | 121 fps |
「ファイナルファンタジー 15」も同じく、大きな差はありませんが、平均、最低フレームレート共に、Core i9-13900Kのモデルのほうがやや高い傾向があります。
![]() 重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15(DX11)
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CPU | 平均 / 最低 fps | 1920x1080 | 2560x1440 | 3840x2160 |
Core i9-13900K | 平均 fps | 223 fps | 214 fps | 154 fps |
最低 fps | 152 fps | 149 fps | 108 fps | |
Ryzen 9 7900X | 平均 fps | 213 fps | 204 fps | 153 fps |
最低 fps | 148 fps | 143 fps | 97 fps |
「シャドウオブザトゥームレイダー」は、FHD、WQHD解像度では、Core i9-13900Kの方がややフレームレートが高く出ています。ただし、4K解像度では、GPUへの負荷の比重が増してくるので、ほぼ差はありませんでした。
![]() 中程度の重さのゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー(DX12)
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CPU | 平均 / 最低 fps | 1920x1080 | 2560x1440 | 3840x2160 |
Core i9-13900K | 平均 fps | 268 fps | 259 fps | 183 fps |
最低 fps | 187 fps | 181 fps | 156 fps | |
Ryzen 9 7900X | 平均 fps | 258 fps | 248 fps | 183 fps |
最低 fps | 173 fps | 165 fps | 154 fps |
「フォートナイト」は、比較的CPU負荷が高いので、それなりに差が出ており、Core i9-13900Kのほうが高めになっています。
![]() 中程度の重さのゲーム
フォートナイト(DX11)
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---|---|---|---|---|
CPU | 平均 / 最低 fps | 1920x1080 | 2560x1440 | 3840x2160 |
Core i9-13900K | 平均 fps | 236 fps | 200 fps | 124 fps |
最低 fps | 156 fps | 153 fps | 102 fps | |
Ryzen 9 7900X | 平均 fps | 224 fps | 182 fps | 115 fps |
最低 fps | 150 fps | 123 fps | 94 fps |
「Apex」については、どちらのCPUでもほぼ変わりありませんでした。
![]() 軽い部類のゲーム
Apex Legends(DX11)
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CPU | 平均 / 最低 fps | 1920x1080 | 2560x1440 | 3840x2160 |
Core i9-13900K | 平均 fps | 300 fps | 300 fps | 259 fps |
最低 fps | 298 fps | 294 fps | 242 fps | |
Ryzen 9 7900X | 平均 fps | 300 fps | 300 fps | 256 fps |
最低 fps | 298 fps | 297 fps | 237 fps |
「オーバーウォッチ2」については、Ryzen 9 7900Xのほうがややフレームレートが高い傾向があるようでした。
![]() 軽い部類のゲーム
オーバーウォッチ2(DX11)
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CPU | 平均 / 最低 fps | 1920x1080 | 2560x1440 | 3840x2160 |
Core i9-13900K | 平均 fps | 595 fps | 586 fps | 569 fps |
最低 fps | 572 fps | 519 fps | 476 fps | |
Ryzen 9 7900X | 平均 fps | 596 fps | 592 fps | 584 fps |
最低 fps | 583 fps | 552 fps | 515 fps |
レイトレーシング+DLSS有効時のスコア
次にリアルレイトレーシング+DLSSを有効にした時のゲームベンチマークスコアです。負荷が重くなる分、DLSSでフレームレートを底上げしています。
3つのタイトルについて計測してみましたが、Core i9-13900Kのほうがやや高いフレームレートが出る傾向がありました。
![]() 重い部類のゲーム
サイバーパンク2077(DX12)
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CPU | 平均 / 最低 fps | 1920x1080 | 2560x1440 | 3840x2160 |
Core i9-13900K | 平均 fps | 128 fps | 123 fps | 74 fps |
最低 fps | 78 fps | 76 fps | 58 fps | |
Ryzen 9 7900X | 平均 fps | 123 fps | 116 fps | 73 fps |
最低 fps | 70 fps | 63 fps | 57 fps |
![]() 重い部類のゲーム
ウォッチドッグス レギオン(DX12)
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---|---|---|---|---|
CPU | 平均 / 最低 fps | 1920x1080 | 2560x1440 | 3840x2160 |
Core i9-13900K | 平均 fps | 108 fps | 104 fps | 97 fps |
最低 fps | 72 fps | 66 fps | 62 fps | |
Ryzen 9 7900X | 平均 fps | 96 fps | 94 fps | 92 fps |
最低 fps | 66 fps | 63 fps | 54 fps |
![]() 重い部類のゲーム
Bright Memory Infinite Ray Tracing Benchmark
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CPU | 平均 / 最低 fps | 1920x1080 | 2560x1440 | 3840x2160 |
Core i9-13900K | 平均 fps | 215 fps | 150 fps | 79 fps |
最低 fps | 158 fps | 110 fps | 60 fps | |
Ryzen 9 7900X | 平均 fps | 209 fps | 146 fps | 77 fps |
最低 fps | 145 fps | 104 fps | 56 fps |
CPU電力の比較
最後にゲームベンチマーク実行中のCPU電力の比較です。いずれも4K(3840x2160)解像度、グラフィック品質設定を最高にして計測しています。
「Forza Horizon 5」をレイトレーシングも有効になるエクストリーム設定にしたときは、Core i9-13900Kが平均で約120Wで推移しているのに対し、Ryzen 9 7900Xは平均で約100Wで推移していました。
「サイバーパンク2077」をレイトレーシング:ウルトラ設定にしたときは、Core i9-13900Kが約130Wで推移しているのに対し、Ryzen 9 7900Xは約107Wで推移しています。
消費電力に関しては、Ryzen 9 7900Xのほうが低かったです(優れていました)。




まとめ
今回、BTOパソコンだと価格帯が同じCore i9-13900KおよびRyzen 9 7900Xを搭載したPCにて、GeForce RTX 4090のグラボでゲームのフレームレートを計測しました。
レッド・デッド・リデンプション2やオーバーウォッチなどのゲームタイトルはRyzen 9 7900Xのほうが高いフレームレートが出ましたが、概ねCore i9-13900Kを搭載したときのほうが高いフレームレートが出ることが多い結果となりました。特に最低フレームレートはCore i9-13900Kのほうが高いことが多く、より安定したフレームレートが出せると思います。
ただ、消費電力に関しては、Ryzen 9 7900Xのほうが低くなっており、長期的に見れば、Ryzen 9 7900Xのほうが省エネかもしれません。また、Core i9-13900Kのほうがフレームレートが高い傾向があるといっても、誤差程度の差のときも多いので、Ryzen 9 7900Xモデルが安く売られていたり、AMDが好きであったりするならば、Ryzen 9 7900X搭載パソコンでも問題ないと思います。
おすすめPC
最後に、現在「Core i9-13900K」と「Ryzen 9 7900X」が搭載できるおすすめのBTOパソコンを紹介します。


PCケースから、マザーボード、電源など、メーカーを指定してカスタマイズすることができます。
細かくパーツをカスタマイズして購入したい方におすすめです。

三度の飯よりゲームが好き。 面白ければどんなゲームもプレイするが、中でも好きなジャンルは2D格闘ゲーム。2009年からSteamでPCゲーム漁りを始めてからゲーミングPCに興味を持ち、ライター業を経てレビュアーへ。これまで300台以上のゲーミングPCを実機でテストし、レビュー記事を執筆。おじいちゃんになってもPCゲーマーでありたい。

1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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