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富士通 LIFEBOOK WU-X/H1の実機レビュー
CPU | Core i5-1335U Core i7-1355U |
---|---|
メモリ | 8GB ~ 32GB |
ストレージ | 最大2TB PCIe SSD |
液晶サイズ | 14.0型 |
液晶種類 | 1920x1200 非光沢 |
質量 | 約689g~ |
バッテリー | 約11.0時間 (25Wh) |
価格[税込] | 17万円台~ |
LIFEBOOK WU-X/H1は、14型ノートパソコンとしては世界最軽量の機種です。「約689g~」しかありません。
ディスプレイも見やすいですし、キーボードも打ちやすいく、作業もしやすいです。
非常に軽いので、頻繁に持ち歩く方におすすめですが、バッテリー駆動時間は短いので、電源を確保できる場所で使用できる方や、ACアダプターを外しての使用時間がそれほど長くない方に適しています。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i7-1355U、32GBメモリ、256GB SSD
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目次
お忙しい方は、「LIFEBOOK WU-X/H1の特徴」のみお読みください。
LIFEBOOK WU-X/H1 の特徴
14型ノートパソコンとしては世界最軽量
LIFEBOOK WU-X/H1は、14型のノートパソコンとしては世界最軽量の機種です。「約689g」しかありません。なお、iPad Pro 12.9インチの質量が約682gなので、これとほぼ同じ重さです。しかもiPad Proより画面が大きく、キーボードも付いています。
ただし、バッテリー容量が25Whしか無いのが欠点です。使い方にもよりますが、ずっとキーボードやマウスを使って作業をしている状態だと3時間程度しか駆動しないと思います。そのため、本製品は、電源が確保できる場所で作業することが多い方や、バッテリー駆動状態では長く使わない方に適しています。
もし、バッテリー駆動状態で長く使うのであれば、64Whのバッテリーを搭載した兄弟機種のLIFEBOOK WU2/H1のほうがおすすめです。
打ちやすいキーボード
LIFEBOOK WU-X/H1は、非常にタイピングしやすい点も特徴です。
いずれのアルファベットキーも同じサイズで、よく使う「半角/全角」、「Bacspace」、「Enter」などのキーが大きく、矢印キーも一段下がっており、模範のような日本語キーボードです。さすが国内を主なターゲットとしている富士通のノートパソコンです。大学生やビジネスパーソンなど、タイピングすることが多い方におすすめです。
画面比16:10の14型液晶を搭載
LIFEBOOK WU-X/H1のディスプレイは、最近ではモバイルノートのスタンダードになりつつある画面比16:10の14型液晶を搭載しています。画面比16:9の液晶よりも縦の情報量が多く、また13型クラスのモバイルノートに比べて画面も大きいです。色域も広めなので画像や映像も綺麗です。
LANポートはあるが、Thunderboltポートは無し
LIFEBOOK WU-X/H1は、これほど軽いのに、ポート類も充実しています。
特にLANポートを搭載している点が珍しく、セキュリティのため無線LANを禁止している企業などでも、有線LANで接続することができます。
USB-Cポートは、Thunderboltには対応していませんが、PowerDeliveryおよび映像出力には対応しています。
兄弟モデルとの比較
LIFEBOOK WU-X/H1を含むLIFEBOOK UHシリーズには複数のモデルがあります。購入時に間違えないよう、ここでは各モデルについて少し解説します。
1番上のWU-X/H1が、今回レビューしている機種です。非常に軽い代わりに、バッテリー容量が25Whと小さいです。
2番目のWU2/H1は、やや重くなる代わりに、64Whバッテリーを選択することができます。WWANに対応していなくても良いなら、こちらが最もおすすめです。
3番目のWU2/H1 5Gは、WWAN(5G)に対応しています。また、CPUもPBP:28WクラスのPシリーズCoreを搭載し処理性能が高めです。キーボードバックライトも搭載し、USB-CもThunderbolt4に対応しています。予算があるなら最もおすすめです。
4番目のWU4/H1は、ITリテラシー高めのユーザーをターゲットとしたモデルです。ボディが上質なオールブラックカラーで、特別感のある製品を所有したい方におすすめです。性能は、5Gに対応していない点以外は、WU2/H1 5Gとほぼ同じです。
5番目のWU3/G2はヒンジが360度回転する2 in 1 PCです。現時点では、第12世代Core搭載となっています。
6番目は、第12世代Coreに13.3型液晶を搭載した旧モデル(アウトレット)です。
1~4番目のモデルについて、主な相違点をまとめたのが下表です。
[最軽量モデル] WU-X/H1 |
[軽量モデル] WU2/H1 |
[5Gモデル] WU2/H1 5G |
[FMV Zero] WU4/H1 |
|
CPU | Core i5-1335U Core i7-1355U |
Core i3-1315U Core i5-1335U Core i7-1355U |
Core i5-1340P Core i7-1360P |
|
USB-C | PowerDelivery対応 DisplayPort出力対応 |
Thunderbolt 4対応 PowerDelivery対応 DisplayPort出力対応 |
||
キーボード | バックライトなし | バックライト付き | ||
5G | ー | ー | 対応 | ー |
質量 | 約689g~ | 25Wh:約758g~ 64Wh:約868g~ |
約928g~ | 約888g~ |
バッテリー | 約11.0時間 (25Wh) |
25Wh:約11.0時間 64Wh:約29.5時間 |
約28.0時間 (64Wh) |
約29.5時間 (64Wh) |
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 16:10のディスプレイを搭載し、スペックも問題なく、快適です。 |
---|---|---|
オンライン会議 | ○ | カメラ、マイク、スピーカーが搭載されており、問題なくZoomなどを使用することができます。 |
動画鑑賞 | ◎ | スピーカー音は普通ですが、ディスプレイは色鮮やかで、映像が綺麗です。 |
RAW現像 画像編集 |
○ | 色域は広いので画像編集にも適してはいますが、プロセッサーの処理性能はそこまで高くないので、複数枚を選択して、同期して現像したり、一度に書き出したりすると、遅く感じると思います。1枚1枚現像するなら問題ありません。なお、このような用途で使用する場合は、16GB以上のメモリにしましょう。 |
動画編集 | △~○ | FHD動画の簡易的な動画編集ならできると思いますが、この用途の場合、外部グラフィックスを搭載したノートPCのほうがおすすめです。 |
ゲーム | △ | 軽いゲームならできないこともありませんが、ゲームをするなら、GeForce RTXシリーズなどを搭載したゲーミングノートPCのほうがおすすです。 |
ディスプレイのチェック
LIFEBOOK WU-X/H1のディスプレイのチェックです。
14.0型の1920x1200ドット液晶を搭載しています。品質は高く見やすいディスプレイです。
最大輝度は、当サイトの計測では431cd/m2と高めです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
キーボードおよびタッチパッドのチェック
LIFEBOOK WU-X/H1のキーボードは、「かな表記なし」と「かな表記あり」を選択することができ、今回は前者となります。「かな」が無いので非常にスッキリした見た目です。
キーボードは、前述の通り打ちやすいです。なお、実測で、キーピッチは、横:約19mm、縦:約18mm、キーストロークは約1.5mmでした。
タッチパッドは、やや小さめのサイズです。使いやすさは普通です。クリックボタンはタッチパッドとは独立しており、軽めの力で押すことができます。
パフォーマンスのチェック
LIFEBOOK WU-X/H1のパフォーマンスのチェックです。
Windowsの「設定」→「システム」→「電源とバッテリー」で「電源モード」を変更することができますが、ここでは、デフォルトの「バランス」と、最も高いパフォーマンスが出る「最適なパフォーマンス」で計測を行いました。
CPU
LIFEBOOK WU-X/H1は、プロセッサー・ベース・パワー(PBP)が15Wクラスの第13世代Core (U)を搭載しています。具体的には、Core i5-1335UまたはCore i7-1355Uを選択することができます。
PBPが15Wと言っても、15W以上のCPU電力で動作するノートパソコンが多いですが、本製品は、デフォルトの「バランス」モードではPBP通りの15Wで動作していました。「最適なパフォーマンス」にすると、22W前後までCPU電力が上がり、それに伴いパフォーマンスもアップしていました。
CINBENCH R23のスコアを以下に掲載します。最近のノートパソコンとしてはそこまで高いパフォーマンスは出ていませんでしたが、モバイルノートとしては十分な性能が出ていると思います。メールチェックやチャット、ウェブ閲覧など、一般のユーザーがモバイルノートPCで行うような作業であれば、十分快適に動作します。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
なお、高負荷時のCPU電力、CPUクロック、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
メモリ
LIFEBOOK WU-X/H1は、32GBメモリのモデルがLPDDR5-6000、それ以外がLPDDR5-6400となります。今回は前者ですが、帯域を実測したところ、比較的広かったです。
なお、オンボードですので、メモリの換装はできません。
~メモリ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値です。理論的な最大値ではありません
グラフィックス
グラフィック性能を測る3DMarkの計測結果は次の通りです。
CPU内蔵グラフィックスとしては十分な性能です。一般的な大学生やビジネスパーソンの日常的な作業であれば、十分な性能です。もし、3Dゲームや動画編集などをするのであれば、別のノートPCがいいです。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ストレージ
ストレージには、PCIe SSDを搭載しており、十分な速度が出ています。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
LIFEBOOK WU-X/H1は、microSDカードスロットを搭載しており、アクセス速度は速いです。
クリエイターソフトの処理時間
以下、LIFEBOOK WU-X/H1で計測した各クリエイターソフトの処理時間を掲載します。ここでは、「最適なパフォーマンス」モードで計測しました。
下表のように、100枚を一度に現像した場合は、他のCPUのノートPCと比べて時間がかかっています。ただ、1枚1枚現像して書き出すような場合は、遅さは感じません。なお、この用途で使うなら、メモリは16GB以上にしましょう。
※プロファイル補正、露光量+1、シャドウ+10、自然な彩度+10、ノイズ軽減+10を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
FHD動画の書き出し速度は比較的速かったです。FHDのカット編集くらいなら、特にストレスなくできます。ただし、この用途の場合も、メモリは16GB以上にしましょう。
※ グラフィックスは全てノートPC用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
USB Type-Cポートの動作チェックです。
Thunderboltには対応していませんが、PowerDeliveryや映像出力には対応しています。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | ○ | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ | × | × | |
PD充電器 ※1 |
61W RAVPower GaN充電器 | ○ | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | ○ | ― | ― | |
30W RAVPower GaN充電器 | ○ | ― | ― | |
18W cheero充電器 | ○ | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 | ○ | ○ | ― |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
HDMIの動作チェック
4KモニターへHDMIで接続したときの詳細です。4K、60Hz、8ビット、RGBで出力出来ていました。
質量のチェック
LIFEBOOK WU-X/H1の質量は、前述の通り「約689g~」となっており、14型ノートPCとしては世界最軽量となっています。
富士通のノートPCは、仕様値よりも実測値のほうが軽い場合がほとんどで、今回も、「約689g~」より軽い「約684g」しかありませんでした。
質量 | |
PC本体 | 684g |
65W ACアダプター+電源ケーブル | 250g |
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー容量が25Whしかないため、バッテリー駆動時間は、モバイルノートPCとしては短いです。
JEITA2.0計測法では約11時間となっていますが、ずっとタイピングしている場合などは、下表の(3)のように3時間くらいしかもたないと思います。
25Wh | |
(1) JEITA2.0 | 約11.0時間 |
(2) 動画再生時 | 6時間35分 |
(3) CPU約9%、GPU約12%の負荷 | 2時間58分 |
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生(リピート)させたとき
Webカメラ・スピーカーのチェック
Webカメラ
Webカメラは、約207万画素で、画質は綺麗です。
また、プライバシーカメラシャッターが付いています。また、カスタマイズでWindows Hello対応のカメラにすることも可能です。
スピーカー
スピーカーは、底面の手前側に配置されており、音質は普通です。点数を付けると、ノートPC基準で10点満点で5点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です)。
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。
「バランス」モードだと、PBP通りのCPU電力で推移し、CPU温度も問題ありません。「最適なパフォーマンス」モードだと、CPU電力は上がりますが、CPU温度が90℃を超えてきます。基本的にはデフォルトの「バランス」モードで使用したほうがいいと思います。
- バランス時
- 最適なパフォーマンス時
静音性のチェック
LIFEBOOK WU-X/H1の騒音値を計測した結果を下に掲載します。
アイドル時の動作値はほぼ無音です。負荷がかかると騒音値が上がりますが、他のノートPCと比較するとやや低めの騒音値です。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
徐々に負荷をかけながら、表面温度を計測したときの結果を下に掲載します。
熱くなる部分がキーボード上の中央部なので、タイピング時に不快に感じることはありません。
なお、サーモグラフィーを見る限りでは、冷却ファンは1つのようです。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。
Uシリーズの低電圧プロセッサーということもあり、全体的に低めの消費電力です。
外観のチェック
最後に、LIFEBOOK WU-X/H1の外観のチェックです。
無難でどこでも使えるブラックのカラーです。なお、天板はカーボン、キーボード面はマグネシウム合金、底面はマグネシウムリチウム合金となっています。
富士通のロゴが左端にありますが、控えめな印字です。
ボディの高さは15.8~17.3mmと薄いです。
Windows Hello対応指紋センサーが電源ボタンに内蔵されています。
ポートの種類はご覧の通り豊富です。有線LANポートは、カバーを上に開いてから、コネクタを差し込みます。
底面の画像はご覧の通りです。ややネジが目立ちます。
ACアダプターは、普通のサイズで、45Wです。
まとめ
以上が、LIFEBOOK WU-X/H1のレビューです。
14型ノートPCとしては世界最軽量の機種で、片手でも余裕で持てる軽さです。
ディスプレイも見やすく、タイピングもしやすいので、作業がしやすく、仕事や勉強で使う方にも適しています。
軽いのにポート類も省略されておらず、LANやUSB-Aポートもあります。企業で有線LANでしかネットワークに繋げられない環境の場合や、USB-Cに対応していない機器を繋げなければならない場合でも、対応できます。
ただし、バッテリー容量が25Whと少なく、バッテリー駆動時間が短いです。ずっとタイピングしたりマウスを動かして作業をしている場合などは、3時間くらいしかバッテリーはもたないと思います。そのため、電源が確保された場所で使用できる方や、バッテリー駆動状態ではそれほど使用しない方に適していると思います。
バッテリー駆動状態で長時間使う方は、64Whのバッテリーを搭載したLIFEBOOK WU2/H1の方がおすすめです。この大容量バッテリーを搭載しても、わずか約868gという質量です。
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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