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デル Alienware X17 R1 / R2の実機レビュー

CPU | Core i7-11800H Core i9-11980HK Core i7-12700H Core i9-12900HK |
---|---|
GPU | RTX 3060 / 3070 / 3080 / 3080 Ti |
メモリ | 最大64GB DDR5 |
ストレージ | PCIe NVMe SSD |
液晶サイズ | 17.3インチ |
液晶種類 | FHD 165Hz / 360Hz 4K 120Hz |
質量 | 約2.96~3.2kg |
バッテリー | 87Wh |
価格[税込] | 26万円台~ |
Alienware X17 R1 / R2は、薄型でスタイリッシュなボディと、高い性能が特徴的な、17.3型のゲーミングノートPCです。
デザイン性の高い薄型ボディは、ライティング時に特に人の目を引きます。
このボディに、最大で、第12世代Core i9-12900HK、RTX 3080 Ti、DDR5メモリという最新のハイエンドな構成を搭載できるのは驚きです。
薄型のボディですが、クアッドファン設計などにより、高い性能を十分に引き出すことができています。
価格は安くありませんが、プレミアムなゲーミングノートPCが欲しい方には、満足度の高い機種となりそうです。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i9-11980HK、GeForce RTX 3080 Laptop 16GB、32GBメモリ
目次
お忙しい方は、「Alienware X17 R1 / R2の特徴」のみお読みください。
Alienware X17 R1 / R2の特徴
高性能&スタイリッシュ
Alienware X17 R1 / R2は、最大でCore i9-12900HK + RTX 3080 Tiという、現時点のゲーミングノートPCではハイエンドクラスとなる構成を選択できるゲーミングノートPCです。しかも、このハイスペック構成を、約20.9mmと薄型で、スタイリッシュなボディに搭載できるのが大きな特徴です。
ボディのデザイン性も高く、他のゲーミングノートPCとは一線を画しています。


薄暗い場所でライティングした時の姿は、さらにかっこいいです。電源ボタンや、天板のエイリアンマークが光りますし、キーボードや、背面のリングライティングも自分の好みのカラーに設定することができます。
なお、下の画像ではタッチパッドも光っていますが、ライティングが可能なAlienFXタッチパッドを搭載しているのは、GeForce RTX 3080搭載モデルのみです。


RTX 3080の最大グラフィックスパワーは165W
Alienware X17 R1 / R2には、外部グラフィックスにGeForce RTX 3060~RTX 3080 Tiを搭載したモデルがあります。
今回は、Alienware X17 R1のRTX 3080搭載モデルをチェックしました。RTX 3080の最大グラフィックスパワーは165Wと高い設定になっていました。

最大グラフィックスパワー165Wというのは、RTX 3080の中ではトップクラスの高い設定となります。3DMark Time Spyの結果を確認しても、ゲーミングノートPCとしてはハイクラスのスコアが出ていました。
なお、Alienware X17 R1の搭載するRTX 3070は、最大グラフィックスパワー140Wなので、こちらも高めの設定となっており、ミドルハイクラスのゲーミング性能が期待できそうです。
W(ワット)は最大グラフィックスパワー
クアッドファン設計
Alienware X17 R1 / R2は、最大でCore i9-12900HK + GeForce RTX 3080 Tiというハイエンドな構成を選択できますが、ボディの厚みが20.9mmとスリムなボディで、パフォーマンスを十分発揮するためには、高い冷却性能が必要です。
今回は、Core i9-11980HK + RTX 3080の構成でチェックしましたが、最大グラフィックスパワーが165Wと高く、期待通りの高いゲーミング性能でありながら、ゲーム時のCPU・GPU温度は問題のない範囲に収まっていました。
下の画像のような4つの冷却ファンにより、効果的に冷却できているように思います。これは、特許出願中の技術で、独立制御されたクアッドファン構成となっています。ただ単に、4つのファンで冷やすだけでなく、二重対向ファンを搭載し、シャーシ内の熱い空気を循環させて、効率よく冷却できるようになっています。
さらに、Alienware X17 R1 / R2の、RTX 3070 / 3080 / 3080 Tiを搭載したモデルでは、伝熱素材にガリウムシリコンのエレメント31を採用することで、さらに冷却性能を高めているようです。

広色域の4K液晶も選択可能
Alienware X17 R1 / R2では、下記のような液晶を選択できます。
Alienware X17 R1で選択できるディスプレイ
・FHD、165Hz、sRGB 100%
・FHD、360Hz、G-SYNC & Advanced Optimus、sRGB 100%
・UHD 4K、120Hz、100% Adobe RGB
Alienware X17 R2で選択できるディスプレイ
・FHD、165Hz、G-SYNC & Advanced Optimus、sRGB 100%
・FHD、360Hz、G-SYNC & Advanced Optimus?(※1)、sRGB 100%
※1 仕様表によっては「なし」と書かれています
eスポーツタイトルのような軽めのゲームを、高いフレームレートでプレイしたい場合は、FHD 360Hz液晶を選択するといいでしょう。

Alienware X17 R1では、UHD 4K液晶も選択できます。100% Adobe RGBクラスと広色域なので、色鮮やかな映像でゲームの世界に没入することができます。さらには、高画質の写真の編集や、動画編集といったクリエイティブな作業にも使用できるでしょう。

デュアルSSD構成が可能
Alienware X17 R1 / R2は、下の画像のように、M.2スロットを2基備えています。
そのため、シングルSSD構成で購入して、後から自分でSSDを増設することもできます。ただし、M.2の空きスロット用の放熱板はついていませんでした。自分でストレージの増設を行う場合は、放熱板をつけるなど、熱対策をした方がいいと思います。なお、これらの作業は自己責任となりますので、ご注意ください。

自分でストレージの増設をするのが不安な場合は、購入時のカスタマイズでデュアルSSD構成を選択しておくといいでしょう。

メモリの換装も可能
Alienware X17 R1 / R2は、メモリスロットを2つ備えています。
兄弟機種のAlienware X15は、オンボードメモリで、メモリの換装ができませんが、Alienware X17 R1 / R2は、購入後もメモリの換装が可能です。
なお、インテルの第12世代Coreを搭載した、Alienware X17 R2では、DDR5-4800メモリを搭載しているのも特徴となっています。

Alienware X17 R1 / R2の違い
Alienware X17 R1 / R2は、基本的に同じボディとなり、Alienware X17 R1は第11世代Coreを搭載、Alienware X17 R2は第12世代Coreを搭載しています。
現時点で販売されているモデルでは、下表のような違いがあります。
Alienware X17 R1では、広色域の4K液晶も選択できるので、クリエイター向けソフトも使いたい方は、こちらの方がいいかもしれません。だだし、日本語キーボードが選択できなくなっており、英語キーボードしかありません。RTX 3070搭載モデルでも26万円台なので、価格とゲーミング性能のバランスがいいのは、Alienware X17 R1だと思います。
Alienware X17 R2は、現在FHD液晶しか選択できません。価格は高くなりますが、第12世代Core + DDR5メモリの構成なので、基本的なポテンシャルが高いです。また、最大でRTX 3080 Ti搭載モデルもあるので、ゲーミング性能の上限もこちらが上です。その他、搭載するキーボードを日本語と英語で選択できるのもメリットです。
[従来モデル] Alienware X17 R1 |
[新モデル] Alienware X17 R2 |
|
CPU | Core i7-11800H Core i9-11980HK |
Core i7-12700H Core i9-12900HK |
GPU | RTX 3070 / 3080 | RTX 3060 / 3080 Ti |
メモリ | 最大64GB DDR4 | 最大64GB DDR5 |
液晶種類 | FHD 165Hz FHD 360Hz G-SYNC UHD 4K 120Hz |
FHD 165Hz G-SYNC FHD 360Hz G-SYNC |
キーボード | Alienware AlienFX RGB CHERRY MX メカニカルキーボード (キー単位設定可能)- 英語 |
Alienware X-Series AlienFX RGB 薄型キーボード (キー単位設定可能) – 日本語 / Alienware AlienFX RGB CHERRY MX メカニカルキーボード (キー単位設定可能)- 英語 |
価格[税込] | 26万円台~ | 33万円台~ |
各用途の快適度
Alienware X17 R1 / R2 の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | スペックは十分です。快適に作業できるでしょう。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | 4K液晶は広色域なので、色鮮やかな表示が可能です。スピーカー音も比較的よく、快適に動画鑑賞ができます。 |
オンライン会議 | ○ | 特別な機能はありませんが、カメラ、マイク、スピーカーを備えており、普通にオンライン会議に参加できます。 |
RAW現像 画像編集 |
◎ | インテルCPUを搭載し、Lightroom Classic CCを使用したRAW現像にかかる時間が短いです。搭載する液晶によって色域の広さは異なりますが、4K液晶であればAdobe RGB 100%クラスと広色域なのでDTPにも適しています。 |
動画編集 | ◎ | 高性能のCPU・GPUの性能を十分引き出しており、動画編集や書き出しも快適に行えます。 |
ゲーム | ◎ | ミドルクラスからハイエンドクラスのゲーミング性能を備えています。FHD 360Hz液晶を搭載すると、動きの速いゲームもプレイしやすいです。 |
ゲームベンチマーク&フレームレート
ここでは、ゲームに付属のベンチマーク機能のスコア、または実際にゲームをプレイし、Afterburnerで計測したフレームレートを掲載します。
今回は、Core i9-11980HK、GeForce RTX 3080 Laptopの構成で計測しています。動作モードは、高いパフォーマンスが出る「パフォーマンス」モードで計測しています。
各ゲームの平均フレームレート
いくつかのゲームの平均フレームレートを掲載します。他のグラフィックスとも比較していますが、すべて同じバージョン、同じ状況で計測しているわけではないので、あくまで参考値としてご覧ください。
軽い部類のゲームでは、高画質設定でも120 fps以上出ていました。ゲームによっては200 fps以上出ているものもあるので、動きの速いeスポーツタイトルも快適にプレイできます。また、今回チェックした中では、重めのゲームでも、最高画質で60fps以上のフレームレートで安定してプレイできました。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
W(ワット):最大グラフィックスパワー(max TGP)
![]() 重い部類のゲーム
サイバーパンク2077(DX12)
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | DLSS | 平均fps |
1920 x 1080 |
低 | オフ | 133 fps |
高 | オフ | 93 fps | |
ウルトラ | オフ | 76 fps | |
自動 | 88 fps |
![]() 重い部類のゲーム
ウォッチドッグス レギオン(DX12)
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | DLSS | 平均fps |
1920 x 1080 |
低 | オフ | 105 fps |
高 | オフ | 95 fps | |
最大 | オフ | 79 fps | |
高性能 | 87 fps |
![]() 重い部類のゲーム
Forza Horizon 5(DX12)
|
||
---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低 | 184 fps |
高 | 101 fps | |
エクストリーム | 85 fps |
![]() 重い部類のゲーム
ボーダーランズ3(DX12)
|
||
---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低 | 113 fps |
高 | 94 fps | |
ウルトラ | 93 fps |
![]() 重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15(DX11)
|
||
---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 軽量品質 | 153 fps |
標準品質 | 133 fps | |
高品質 | 104 fps |
![]() 中程度の重さのゲーム
PSO2 ニュージェネシス
|
||
---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低 | 48906 / 173 fps |
高 | 32281 / 134 fps | |
ウルトラ | 22482 / 112 fps |
![]() 中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 暁月のフィナーレ(DX11)
|
||
---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 標準(ノート) | 175 fps |
高(ノート) | 165 fps | |
最高品質 | 149 fps |
![]() 軽い部類のゲーム
Apex Legends(DX11)
|
||
---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低設定 | 281 fps |
高設定 | 216 fps |
![]() 軽い部類のゲーム
VALORANT
|
||
---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低設定 | 284 fps |
高設定 | 261 fps |
![]() 軽い部類のゲーム
PUBG:BATTLEGROUNDS
|
||
---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 非常に低い | 239 fps |
中型 | 218 fps | |
ウルトラ | 212 fps |
![]() 軽い部類のゲーム
フォートナイト
|
||
---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低設定 | 253 fps |
高設定 | 145 fps | |
最高設定 | 120 fps |
![]() 軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
|
||
---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均スコア |
1920x1080 | 最高品質 | 23223(すごく快適) |
レイトレーシング有効時のフレームレート
リアルタイムレイトレーシングおよびDLSSを有効にしたときのフレームレートを下に掲載します。
RTX 3080 Laptop 16GBを搭載し、最大グラフィックスパワーも165Wと高いため、重いゲームでも60 fpsを超える平均フレームレートでプレイできました。レイトレーシングをONにしてのゲームプレイにも適しています。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
W(ワット):最大グラフィックスパワー(max TGP)
![]() 重い部類のゲーム
サイバーパンク2077
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | DLSS | 平均fps |
1920x1080 | レイトレ:中 | パフォーマンス | 87 fps |
レイトレ:ウルトラ | パフォーマンス | 78 fps |
![]() 重い部類のゲーム
ウォッチドッグス レギオン
|
|||
---|---|---|---|
解像度 品質 |
レイトレ | DLSS | 平均fps |
1920x1080 最大 |
最大 | 高性能 | 67 fps |
その他のゲーム
上に掲載していない他のゲームのフレームレートについては、下を参考にしてください。
ディスプレイのチェック
Alienware X17 R1 / R2のディスプレイのチェックです。今回は、UHD 4K 120Hz液晶についてチェックします。
今回搭載されていたパネルは「B173ZAN」でした。
4Kの高解像度で、120Hzのハイリフレッシュレートに対応しています。色域が広いので、クリエイティブな作業にも。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。なお、最大輝度は、当サイトの計測では416cd/m2と高めです。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
当サイトの測定結果は、以下のとおりで、色域は広いです。
カバー率 | |
sRGBカバー率 | 100% |
---|---|
DCI-P3カバー率 | 93.5% |
Adobe RGBカバー率 | 100% |

ガンマ補正曲線を確認すると、赤がわずかに強く発色していますが、各色ほぼ揃って1:1の直線となっているので、自然な発色であることが分かります。

視野角は広いです。

非光沢液晶なので、画面への映り込みは抑えられています。ややギラつきがありますが、それほど気にならないレベルです。

PWM調光によるフリッカー(ちらつき)の有無の確認結果です。輝度をいくつにしても、フリッカーは検出されませんでした。

※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測
遅延
キーを押してから、メモ帳に文字が表示されるまでの時間(表示遅延)をハイスピードカメラで撮影し計測したところ、約39msでした。他の一般的なノートPCで計測したところ80ms前後が多かったので、遅延は少ないです。なおこれは、液晶だけでなくキーボードなどを含めたPC全体の遅延となります。
残像
「UFO Test」のサイトの左から右へ移動するUFOを十分速い1/2000のシャッタースピードで撮影したところ、1秒間に120回フレームを表示するディスプレイで、1~2フレーム前くらいまでしか残像がありませんでした。普通のノートPCは、1秒間に60回フレームを更新するディスプレイで2フレーム前くらいまでの残像だったので、本製品のディスプレイ残像は少なめだと思います。

キーボードおよびタッチパッドのチェック
Alienware X17のキーボードとタッチパッドのチェックです。
今回搭載しているのは、日本語配列のAlienFXキーボードです。
実測で、キーピッチは、横:約19mm、縦:約19mm、キーストロークは、約1.5mmでした。
主要キーのサイズは揃っています。矢印キーも大きいので、ゲームで矢印キーを使いやすいです。その代わり、右Shiftキーは通常のキーと同じサイズで、Enterキーの真下ではなく、左にずれて配置されています。
また、Enterキーの右側に、マイクやスピーカーのコントロールなどに使用するキーがもう一列配置されています。端になくても、Enterキーは大きいので打ち間違えることは少ないですが、Backspaceキーは打ち間違えることがあるかもしれません。
通常のタイピングにおいては、普通の打ちやすさのキーボードです。
なお、現時点では、Alienware X17 R1では、CHERRY MXメカニカルキーボード-英語のみとなっており、キー配置が異なります。Alienware X17 R2では、AlienFX RGB薄型キーボード-日本語がデフォルトとなっており、オプションでCHERRY MXメカニカルキーボード-英語を選択することもできます。
タッチパッドは、サイズは大きくありませんが、操作性は普通です。

※クリックすると拡大できます

バックライトも付いています。
Alienware X17 R1のRTX 3080搭載モデルは、AlienFX タッチパッドを備えており、タッチパッドのライティングも可能でした。

バックライトは、キー単位での設定が可能なRGB LEDライトなので、好みのライティングに設定することができます。

パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
Alienware X17 R1 / R2では、Alienware Command Centerを使用して動作モードを変更することができます。また、FN+F1で、動作モードを切り替えることも可能です。
ここでは、いくつかある動作モードのうち、デフォルトの「バランス」、高いパフォーマンスが出る「パフォーマンス」の2つのモードで、ベンチマーク計測を行いました。

CPU
今回は、CPUにCore i9-11980HKを搭載しており、ベンチマークの結果は以下の通りです。
マルチコア、シングルコアともに十分高いスコアが出ていますが、最新の第12世代CoreであるCore i7-12700Hの方が性能が高いです。
ゲーム時に著しくフレームレートがアップすることはありませんが、CPU性能を重視するのであれば、第12世代Coreを搭載した、Alienware X17 R2を選ぶといいと思います。
~ CPU性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
メモリ
メモリの仕様は、DDR4-3200で、十分な速度が出ています。スロットメモリなので、メモリの換装が可能です。なお、Alienware X17 R2なら、DDR5 4800のメモリとなります。
~メモリ性能の評価 ~


:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値で、理論的な最大値ではありません
グラフィックス
今回は、外部グラフィックスにGeForce RTX 3080 Laptop 16GBを搭載しており、ベンチマークのスコアは以下の通りです。
最大グラフィックスパワーが165Wと高めなので、高いスコアが出ています。なお、動作モードを変更しても、グラフィックス性能にはほとんど差がありませんでした。
~ グラフィックス性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
W(ワット):最大グラフィックスパワー
GPU-Zで確認したGeForce RTX 3080 Laptopの情報は次の通りです。動作モードを変えても、GPUクロックには変化はありませんでした。

ストレージ
今回は512GBのPCIe Gen4 NVMe SSDを搭載しています。読み・書きともに高速です。
~ ストレージ性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
microSDカードスロットを搭載しています。アクセス速度は速いです。
~ SDカードスロット性能 ~


クリエイターソフトの処理時間
以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間です。いずれのソフトも、負荷の高い処理でも高速でした。

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
「Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください

※ グラフィックスは全てノートPC用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

※ MacBook以外(Windowsノート)は、エンコーダーに、QSV、NVIDIA、AMD等を選択




USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
USB Type-Cポートの動作チェックです。
2つのUSB-Cポートを備えています。1つはDisplayPort、Power Delivery対応、もう一方はThunderbolt 4、DisplayPort、Power Delivery対応です。Thunderbolt 4対応のUSB-Cポートをチェックした結果は、以下の通りです。
USB-Cアダプターでも、ある程度の出力があれば給電できていますが、ゲーム時は付属のACアダプターの使用が必須です。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | ○ | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ | ○ | ○ | |
PD充電器 ※1 |
61W RAVPower GaN充電器 | ○ | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | ○ | ― | ― | |
30W RAVPower GaN充電器 | × | ― | ― | |
18W cheero充電器 | × | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 | ○ | ○ | ― |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
HDMIの動作チェック
4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4K、60Hz、RGBで表示されています。

質量のチェック
質量のチェックです。
メーカーサイトには、Alienware X17 R1は「最小重量:3.02kg | 最大重量:3.2kg」、Alienware X17 R2は「最小重量:2.96kg | 最大重量:3.2kg」と記載されています。当サイトで計測した質量は次の通りです。17型のハイクラスゲーミングノートPCなので、ACアダプターも含めると、約4.7kgと重いです。
なお、RTX 3060 / 3070搭載モデルは、ここまで大きくない240WのスモールフォームACアダプターが同梱されています。
質量 | |
PC本体 | 3.109kg |
ACアダプター | 1.596kg |
バッテリー駆動時間のチェック
Alienware X17 R1 / R2のバッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は87Whと、大容量です。

当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は次のようになります。高性能のCPUとGPUを搭載しているため、大容量バッテリーを搭載していても、駆動時間は短いです。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0測定方法 | ー |
(2) PCMark 10 Modern Office | 3時間7分 |
(3) 動画再生時 | ー |
(4) PCMark 10 Gaming | 1時間2分 |
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) PCMark 10 Battery内のゲームを実行。NVIDIAの設定で最大30fpsに制限
Webカメラ・スピーカーのチェック
Webカメラ
Webカメラには、物理シャッターは付いていません。なお、IRカメラを搭載しており、Windows Helloの顔認証を使用できます。

Webカメラは、標準的なHDカメラ(1280x720)です。比較的明るめの画像で、やや暖色よりの色でした。ノートパソコンに搭載されるWebカメラとしては、一般的な性能だと思います。

※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows 10標準のカメラアプリで撮影

※クリックすると拡大できます。
※撮影方法は上と同じ
スピーカー
スピーカーは、底面の左右に4W x2のステレオスピーカーを搭載しています。下の画像のようなスピーカーで、底面と手前側の2方向から音が出るようになっています。音質はややよく、ノートPC基準で10点満点で6~7点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
なお、Alienware X17 R2では、ステレオツイーター 2W x2、ステレオウーファー 2W x2と表記されていました。構成が多少異なる可能性はありますが、出力は合計8Wと同じです。こちらも、ノートPCとしては大きめの出力で、比較的いいサウンドが期待できると思います。



パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU電力およびCPU温度の推移を確認します。
今回、「バランス」モードと「パフォーマンス」モードで計測してみましたが、どちらのモードも、CPU電力は110W前後と高い電力で推移しています。そのため、CPU温度は100℃近くと高いです。
どちらのモードでも、CPUのみに大きな負荷をかけた場合には、温度が高くなります。
- バランス
- パフォーマンス


ゲーム時のCPU温度、GPU温度
ファイナルファンタジー15のゲームベンチマーク実行中のCPU温度およびGPU温度は下図の通りです。
バランスモードでは、CPU温度のピーク値は100℃近くまで上がっていますが、80℃以下ぐらいの温度に抑えられている時間が長いです。また、GPU温度は70℃前後と心配のない温度です。
パフォーマンスモードでは、ファンの回転数がアップするため、CPU温度のピーク値は95℃ぐらいとやや下がり、80℃を超える時間も少なくなっています。後半は、ほぼ60℃台と低めで推移しています。また、GPU温度も70℃台前半までで抑えられているので、問題ない温度だと思います。
ゲーム時、どちらのモードでも安定したプレイが可能だと思います。
- バランス
- パフォーマンス


静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
バランスモードでは、アイドル時は、ほぼ無音です。FF15のような高い負荷がかかると、どちらのモードでも騒音値が上がり、ややうるさくなります。

部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
左から1番目:アイドル時
左から2~3番目:FF15 ベンチマーク実行(高品質、1920x1080、ウィンドウ)
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。
ゲーム中は、キーボード面の表面温度が上がるため、パームレスト部分の温度も上がり、特に右手側が少し熱く感じました。ただ、右手はマウスを持っていることが多いので、それほど気にはならないと思います。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。確認できた最も高い数値を掲載していますが、数値は変動するため参考程度にご確認下さい。
高性能なパーツを搭載しているため、一般的なノートPCよりはかなり高い消費電力です。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています
外観のチェック
Alienware X17 R1 / R2の外観のチェックです。
スタイリッシュで、ゲーミングノートPCらしさを感じる、かっこいいデザインです。
ボディカラーは、ルナライト(シルバーホワイト)です。

天板には、「Alienware」のマークと、17をデザインした模様が配置されています。背面から見ると、SF映画に出てくるスターシップのような印象を受けます。

天板を閉じた状態です。厚みは約20.9mmと、ハイクラスのゲーミングノートPCとは思えない薄さです。

効率よく排熱できるように、側面には、DC-inと、ヘッドセット/マイク(兼用)ジャックのみが配置されています。
インターフェイスは背面にまとめられており、USB3.2 x2、USB-C(Thunderbolt 4、DisplayPort、Power Delivery対応)、USB-C(DisplayPort、Power Delivery対応)、HDMI、Mini DisplayPort、LAN (2.5Gbps)、microSDカードリーダーを備えています。



液晶が開く最大の角度はご覧の通りです。通常の使用であれば、問題ない角度まで開きます。

底面です。ハニカムデザインの吸気口があります。

内部の画像です。4つの冷却ファンを搭載した、特許出願中のクワッドファン設計が特徴的です。ヒートパイプは反対側に配置されているようで、底面側からは見えません。

2つのメモリスロットがあり、メモリの換装が可能です。

ストレージには、Type 2280 M.2 SSDを搭載していました。もう一つM.2スロットがあるので、SSDを増設して、デュアルストレージ構成にすることも可能です。

ACアダプターは、330Wと大容量です。そのため、ACアダプターのサイズも大きく、重さもあります。ただし、RTX 3060 / 3070搭載モデルは、240WのACアダプターが付属しており、もう少し小型です。



まとめ
以上が、Alienware X17 R1 / R2のレビューです。
薄型でスタイリッシュなボディに、ミドル~ハイエンドクラスのゲーミング性能を備えていることが大きな特徴です。ボディのデザイン性が高く、特にライティング時の姿はとてもかっこいいです。性能だけでなく、デザイン性の高さも求める方に適しています。
薄型のボディで、高い性能を十分に発揮するために、クアッドファンシステムを採用しています。今回チェックした中では、高負荷のかかるゲーム時でも、CPU・GPUともに高すぎない温度にコントロールされていました。高いパフォーマンスを長時間、安定して維持することができ、快適にゲームをプレイできると思います。
液晶には、最大360Hzのハイリフレッシュレート液晶や、4K・120Hz液晶も選択できます。4K液晶は、100% Adobe RGBクラスと広色域なので、クリエイター向けソフトの使用にも適しています。
なお、ボディはほぼ同じですが、Alienware X17 R1は第11世代Core搭載、Alienware X17 R2は第12世代Core搭載となっており、その他にも選択できる構成などが多少異なっています。
第12世代Core + DDR5メモリの最新構成を希望する場合は、Alienware X17 R2がおすすめです。一方、ゲーミング性能と価格のバランスがいいのは、Alienware X17 R1です。その他、選択できる液晶やキーボードなども考慮に入れて、機種選びをするといいでしょう。
価格は安くありませんが、満足度の高い機種となりそうです。
宇宙最強ゲーミングノート
Alienware X17 R1 / R2

特徴
- 最大Core i9-12900HK+RTX 3080 Tiの高スペック
- 薄くて、スタイリッシュなボディ
- 広色域の4K液晶も選択可能
こんなあなたに
- デザイン性も性能も高いゲーミングノートが欲しい方
- クリエィティブな用途にも使いたい方
- 価格26万円台[税込]~

1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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