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dynabook PZ/HPの実機レビュー
CPU | Core i5-1135G7 Core i7-1165G7 |
---|---|
メモリ | 8GB / 16GB |
ストレージ | SSD + HDD |
液晶サイズ | 15.6型 |
液晶種類 | FHD 広視野角 非光沢 |
質量 | 約1.94kg |
バッテリー | 約10.0時間 |
価格[税込] | 8万円台~ |
dynabook PZ/HPは、Core プロセッサー、SSD、15.6型FHD液晶といったスタンダードな構成のノートPCです。
富士通、NEC、Dynabook(旧東芝)といった知名度が高い3大メーカーの中では価格が安いです。信頼できるメーカーですし、サポートも安心感があり、PC初心者の方におすすめです。
実際に使ってみると、液晶の色域(色の表現できる範囲)が広く、画面が綺麗で見やすいです。画像編集などの用途にも使えるでしょう。
また、SSDの他にHDDも搭載されているので、動画ファイルなどたくさんのデータを保存する方も安心です。
※一般価格と会員価格が全然異なるため、価格を確認するときは、SHARPのココロメンバーの会員になってから確認するといいでしょう。なお、会員には無料で入会できます。
レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は、次の構成でレビューを行っています。
レビュー機の構成
Core i5-1135G7、8GBメモリ、256GB PCIe SSD +1TB HDD
※一部、Core i7-1165G7搭載モデルで計測したスコアも掲載しています。
目次
お忙しい方は、「dynabook PZ/HPの特徴」のみお読みください。
dynabook PZ/HPの特徴
国内での有名メーカーの中では安い
パソコンを購入するときは、できれば国内のパソコン市場をけん引してきたDynabook(旧東芝)、富士通、NECから購入したいと考える方も少なくないことでしょう。
今回紹介するdynabook PZ/HPは、これらのメーカーの中では価格が安く、おすすめの製品です。安い製品の場合、とんでもなくスペックが低いことがありますが、dynabook PZ/HPは、しっかりと使えるスタンダードなスペックで、快適に作業することができ、長い期間使えると思います。
dynabook PZ/HP | 富士通 LIFEBOOK WA3/E3 |
NEC LAVIE Direct NS |
|
画像 | |||
CPU | Core i5-1135G7 | Core i5-1135G7 | Core i5-8265U |
メモリ | 8GB | ||
ストレージ | 256GB SSD + 1TB HDD | ||
光学ドライブ | なし | あり | あり |
価格 | 7万円台~ | 13万円台~ | 10万円台~ |
レビュー | ― | レビュー | ― |
価格はクーポン適用後
海外メーカーと同等スペックのPCと比較すると、dynabook PZ/HPはさすがにやや高いですが、1TB HDDを搭載している点などを考慮すると、大分健闘していると思います。
dynabook PZ/HP | デル Inspiron 15 5000 (5502) |
HP Pavilion 15 -eg0000 |
|
画像 | |||
CPU | Core i5-1135G7 | ||
メモリ | 8GB | ||
ストレージ | 256GB SSD +1TB HDD |
256GB SSD | 512GB SSD |
価格[税別] | 7万円台~ | 6万円台~ | 6万円台~ |
レビュー | ― | レビュー | ― |
価格はクーポン適用後
冊子のマニュアル類が豊富に入っている
デルやレノボのような海外メーカーの場合、冊子のマニュアルがほとんど入っておらず、Webサイトからダウンロードするような形になっていますが、初心者にはややハードルが高いです。
Dynabook製品であれば、スタートアップマニュアルや、使い方が書かれたマニュアル、サポートへの電話番号が書かれた紙などが入っており、初心者でも安心です。
色鮮やかで見やすいディスプレイ
dynabook PZ/HPは、色鮮やかで画面も見やすいです。価格の安いノートPCは色の表現できる範囲を示すsRGBカバー率が60%台のものが多いですが、本製品は90%台もあります。画像や動画を綺麗に表示することができ、画像編集などをやってみたい方にも最適です。
ただし、違うパネルが搭載される可能性もあるため、ご了承ください。
SSDとハードディスクが両方付いている
dynabook PZ/HPは、SSDとハードディスクの2台が搭載されています。ご年配の方には、長年使ってきたハードディスクからSSDに変えるのは、信頼性と容量の面で不安がある方もいるようですが、本製品ならHDDも搭載しているので、そんな方も安心なのではないかと思います。
実際、速いSSDと、容量の大きいハードディスクの両方を搭載することで、OSやアプリの起動が速く、かつ大きなデータもたくさん保存できるようになって便利です。
アルファベットキー等が見やすい
dynabook PZ/HPは、アルファベットキーが通常よりも大きく表示されており見やすいです。タイピングに慣れていない方は、アルファベットキーを見ることも多いと思うので、初心者に優しいキーボードだと思います。
光学ドライブは無いが、その他のポートは充実
最近は、USB-Cしか搭載していないノートパソコンなどもありますが、本製品はUSB Type-C、HDMI、LAN、SDカードスロットなどインターフェースは充実しています。
光学ドライブはありませんが、最近はネットで動画や音楽などを鑑賞できるので、必要な方は少ないでしょう。たまに光学ドライブを使うという方は、USB接続の外付け光学ドライブを別途購入するといいでしょう。ただし、頻繁に使うという方は、富士通 LIFEBOOK WA3/E3などの別の製品がいいと思います。
Core i3を搭載した低価格モデルもあり
dynabook PZ/HPの兄弟機種として、旧世代のCore i3を搭載したdynabook PZ/LPという製品もあります(メーカーサイトはこちら)。処理性能は落ちますが、価格が6万円台となっています。重たい作業はしないので、できるだけ価格を抑えたいという方は、こちらの製品でもいいでしょう。
ただ、こちらは使ったことがないので、CPUだけでなく、液晶の品質なども、PZ/HPより劣っている可能性があります。
やや残念なところ
dynabook PZ/HPの残念なところは、外観が地味な点です。ビジネスモデルのようなデザインです。
また、キーボードの作りがやや安っぽく、底付きの衝撃をやや感じます。そこまで打ちにくいわけではありませんが、キーボードに関しては、ライバル製品の富士通 LIFEBOOK WA3/E3のほうが打ちやすいです。
各用途の快適度
dynabook PZ/HPの各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | スペックは十分で、Web閲覧やOffice作業などしやすいです。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ○ | 性能は十分で、液晶も見やすいです。ただ、スピーカー音がそこまで良くありません。 |
RAW現像 画像編集 |
○ | 当サイトの計測ではsRGBカバー率が96.6%あったので、RAW現像や画像編集用途にも使えるでしょう。ただし、Adobe RGB100%クラスの色域はないため、印刷用途には向いていません。 |
動画編集 | ○ | 第11世代Coreプロセッサーを搭載しているため、FHDの動画編集なら出来ると思います。4K以上になると、ややきついかなと思います。 |
ゲーム | △ | 外部グラフィックスを搭載していないためゲーム向きのPCではありません。ただし、軽めのゲームなら高めのフレームレートが出るゲームもあります。 |
ディスプレイのチェック
ディスプレイのチェックです。パネルは「Sharp LQ156M1JW01」でしたが、他のパネルが搭載される可能性もあります。など、2台のパネルで計測しましたが、どちらも同じパネルでした。※パネルの型番に記載ミスがありました。訂正してお詫びいたします。
前述の通り、色域が比較的広い液晶です。最大輝度は、当サイトの計測で281cd/m2と普通です。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 画素・
ギラつき - 映り込み
- フリッカー
キーボードおよびタッチパッドのチェック
dynabook PZ/HPのキーボードは、普通の打ち心地だと思います。
メーカーサイトには、キーピッチ:18.7mm、キーストローク:1.5mmと書かれています。キートップはほぼフラットです。どのキーもほぼ同じ大きさである点はいいと思います。矢印キーも逆Tの字になっており、見なくても探しやすいです。ただし、キーボードバックライトは搭載されていません。
タッチパッドの操作性は普通です。クリックも普通の力で押せます。
パフォーマンスのチェック
dynabook PZ/HPのパフォーマンスのチェックです。
各CPUの詳細の詳細
まず、各CPUのHWiNFOで確認した情報は次のようになっています。
CPU
CPUには、最新のインテル第11世代Coreプロセッサー(Tiger Lake)を搭載しています。
CINEBENCH R23のスコアはこちらです。マルチコアに関しては、Core i5もCore i7もどちらもかなり高いスコアが出ています。また、Core i5とCore i7では、どちらもそれほどスコアは変わりません。シングルコアに関してはCore i7のほうが高いスコアです。
一般的なユーザーには、Core i5-1135G7で十分だと思います。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
次に、Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPUの電力およびクロックの推移を確認します。処理を開始してからしばらく経って、落ち着いた後のCPU電力を確認すると、Core i5もCore i7も、約28Wとなっています。他のノートPCは、20W前後まで落ちることがほとんどであるため、本製品は高めのCPU電力を維持して動作しているのが分かります。その分、高いパフォーマンスが出ます。
ただし、CPU温度が90℃台後半で張り付いているので、もう少しCPU電力を低めに推移させても良かったかなと思います。
温度が高いので心配になるかもしれませんが、エンコードなどのように高い負荷をかけなければ、ここまでの温度になることはありません。Web閲覧、Officeの使用などの通常の作業では問題ありません。
- CPU電力
- CPUクロック
- CPU温度
メモリ
メモリはDDR4-3200で、4GBx2のデュアルチャネルです。十分な速さです。
~メモリ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア
グラフィックス
第11世代Coreプロセッサーになり、大分グラフィックスは上がったものの、GeForce GTX 1050を超えるほどではありません。ゲームなどをするなら、ゲーミングPCとして売られている製品のほうがおすすめです。また、Core i5-1135G7にしては、やや低めのスコアでした。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ストレージ
ストレージには、PCIe-NVMe SSDとHDDを搭載しています。PCIe-NVMe SSDの速度は、PCIe-NVMe SSDにしてはそこまで速くはありません。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
フルサイズのSDカードスロットを搭載しています。アクセス速度は遅いです。
その他のベンチマーク
他の機種で計測した数値ではありますが、実際のソフトの処理時間、フォートナイトやApexなどのゲームのフレームレートなどについては、下のリンク先をご覧ください。機種によってスコアにバラつきはありますが、傾向は分かると思います。
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
USB Type-Cポートは、Thunderbolt には対応していませんが、Power DeliveryおよびDisplayPort出力には対応しています。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | ○ | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ | × | × | |
PD充電器 ※1 |
61W RAVPower GaN充電器 | ○ | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | ○ | ― | ― | |
30W RAVPower GaN充電器 | ○ | ― | ― | |
18W cheero充電器 | × | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 | ○ | ○ | ― |
Philips 258B6QUEB/11 | ○ | ○ | ○ |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
HDMIの動作チェック
4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4K、60Hz、RGBで出力出来ていました。
質量のチェック
dynabook PZ/HPの仕様を確認すると、質量は約1.94kgとなっていますが、当サイトで実際に計測したところ、1.756kgしかありませんでした。15インチクラスのノートPCとしては比較的軽いと思います。
質量 | |
PC本体 | 1.756kg |
ACアダプター | 253g |
バッテリー駆動時間のチェック
dynabook PZ/HPの内部を確認したところ、バッテリー容量は38.1Whでした。
バッテリー駆動時間は次の通りです。そこまで長くはありません。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0 | 約10.0時間 |
(2) PCMark 10 Modern Office | 7時間52分 |
(3) 動画再生時 | ― |
(4) PCMark 8 Work | 3時間53分 |
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。今回は、Core i5モデルで計測しています。
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
普通の騒音値です。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
温度は100℃近くまで上がっており、非常に高いです。もう少しCPU電力を下げても良かったかなと思います。ただ、Web閲覧やOfficeの使用など、負荷が高くない作業であれば、このような温度になることはないため、ご安心下さい。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
表面温度は低めなので、作業中に不快に感じることはないでしょう。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。
モバイル向けプロセッサーを搭載しているため、消費電力はやや低めです。ただ、エンコード時だけ、Core i5-1135G7搭載PCにしては高めの消費電力です。
外観のチェック
dynabook PZ/HPの外観写真を掲載します。
樹脂製のビジネスノートのような地味なデザインです。
天板には凹凸のあるライン入っており、ホコリが挟まりそうです。
パームレストも凹凸のあるラインが入っています。
スピーカーは底面に配置されています。音質はそれほど良くなく、勝手に点数をつけると、10点満点で4点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
顔認証に対応しています。ただし、指紋認証には対応していません。
液晶が傾く最大の角度です。十分でしょう。
前述しましたが、インターフェースは次の通りで、ポート類の種類は豊富です。
底面です。
底面の小さなカバーを外すと、メモリが換装できるようになっています。ブラウザのタブをたくさん開く方、一度にアプリをたくさん開く方、RAW現像などを行おうと思っている方などは、8GBで足りないと思うので、自分で大容量メモリへ交換するのもいいでしょう。
底面のネジをとったあと、底面カバーとパームレスト側のカバーの間に、オープナーなどを差し込んで一周させ爪を取ると、底面カバーが外れます。
CPU冷却ファンが2つ搭載されています。それでもCPU温度は高めだったので、ヒートパイプを増やして左右にCPU冷却ファンを配置する等すれば、もっと冷えて良かったかなと思います。
M.2 SSDとハードディスクは換装できると思います。今、2.5インチのSSDは、1万前後と安いので、ハードディスクを2.5インチ SSDへ交換しても面白いと思います。ただし、換装は自己責任でお願いします。
ACアダプターは比較的薄型です。容量は65Wです。
まとめ
以上が、dynabook PZ/HPのレビューです。
15インチクラスの一般ユーザー向けノートPCとしては、優れた製品だと思います。
最新の第11世代Coreプロセッサーに、sRGBカバー率が100%近い液晶を搭載している点が大きなメリットです。画面が綺麗なので作業がしやすいですし、画像や動画などを綺麗に表示できます。その他、RAW現像や画像編集など、幅広い用途で使用することができます。
価格が、富士通やNECに比べて比較的安い点も魅力です。
Dynabookは、世界で最初に発売されたノートパソコンのブランドであり、実績・信頼性も高いので、安心して使えます。
デザインは地味ですが、「外に持ち出すわけではないのでデザインは気にしない」という方には問題ないでしょう。
高い負荷をかけた時、CPU電力が28Wを維持し下がらないため、CPU温度が100℃近くで張り付いているのは気になりました。もう少しCPU電力が低めに推移するようにしても良かったかなと思います。ただし、Web閲覧やOfficeの使用程度の負荷なら、そのような温度にはならないため、ご安心下さい。
PC初心者におすすめのノートPC
dynabook PZ/HP
特徴
- 一般ユーザーにちょうどいい構成
- 富士通、NECより価格が安い
- 液晶の色域が比較的広い
こんなあなたに
- PC初心者でスタンダードな構成のPCが欲しい方
- 国内老舗ブランドのノートPCが欲しい方
- 価格8万円台[税込]~
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製品の概要をまとめた動画も作成しました。
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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