※当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
パソコン工房 ミニタワー Level∞ M-Classの実機レビュー
CPU | Core i3-10400 ~ Core i9-11900 Ryzen 5 3500 ~ Ryzen 7 5800X |
---|---|
dGPU | GeForce GTX 1650 ~ GeForce RTX 3060 |
メモリ | 最大128GB |
電源 | 最大800W |
価格 | 8万円台(税込)~ |
パソコン工房 ミニタワー Level∞ M-Classは、とにかく価格が安いゲーミングPCです。
エントリークラスからミドルクラスまでのグラフィックスを搭載したモデルがあり、同モデル帯なら、ドスパラやマウスよりも安価で購入できます。
筐体自体は少し安っぽさを感じるものの、性能は十分で、コストパフォーマンスは非常に高いです。
レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は売れ筋の次のモデル構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
LEVEL-M056-114-RBXCore i5-11400、GeForce RTX 3060、メモリ16GB、500GB M.2 SSD
目次
お忙しい方は、「Level∞ M-Classの特徴」のみお読みください。
パソコン工房 Level∞ M-Class の特徴
他社のゲーミングPCに比べて安い
パソコン工房のLevel∞ M-Classは、大手BTOメーカーであるドスパラ、マウスコンピューターと比較しても、ミニタワーモデルのゲーミングPCの中では最も価格が安いです。
下表は、6月24日現在確認できた、LEVEL-M056-114-RBXのスペック構成に合わせたモデルを比較していますが、パーツの品質やサポート内容など細かな違いはあるものの、パソコン工房が最も安いです。
パソコン工房 LEVEL-M056-114-RBX |
ドスパラ GALLERIA RM5C-R36 |
マウス G-Tune HM-A |
|
ケースサイズ | ミニタワー | ||
CPU | Core i5-11400 | Ryzen 7 3700X | |
グラフィックス | GeForce RTX 3060 12GB | ||
メモリ | 16GB | ||
SSD | 500 GB NVMe SSD | 512 GB NVMe SSD | |
光学ドライブ | DVDマルチ | 追加オプション | |
価格(税込) | 145,178円~ | 149,980円~ | 175,780円~ |
コンパクトなミニタワー
Level∞ M-Classは、コンパクトなミニタワーPCケースを採用しています。下の写真のようにフルタワーケースと比較すると一回り小さく、デスク上やデスク下、狭い場所にもスペースを取らず、設置することができます。
やや安っぽさを感じるボディ
Level∞ M-Classの外観は、フロントパネルはヘアライン調になっており、赤いラインがアクセントとなっており悪いデザインではありません。ただ、サイドパネルや、底面、背面などは安っぽさを感じます。
内部デザインもややチープ
Level∞ M-Classは、ミニタワーである分、ミドルタワーに比べると拡張ベイの数は少ないですが、一般の方であれば十分な数でしょう。ただ、内部のデザインは安っぽく、裏面配線も出来ずこだわりを感じません。
見た目や、内部デザインも重視するなら、ドスパラ GALLERIA やマウスコンピューター G-TuneのゲーミングPCのほうがいいと思います。
Core i5-11400のPower Limitは65W
出荷段階ではCore i5-11400のPower Limit(PL1)は65Wに制限されています。もし、パフォーマンスが足りないと思った場合は、BIOS画面の[Advanced mode]から、[OC Tweaker]へと進み、[CPU Configuration]にある、[Long Duration Power Limit]の数値を変更してください。初期では65W、最大で100Wまで上げることができました。なお、PL1を上げることにより、消費電力と発熱量は増えるので、ご注意ください。
ゲームベンチマーク
ゲームに付属のベンチマーク機能のスコア、または実際にゲームをプレイし、Afterburnerで計測したフレームレートを掲載します。なお、PL1はデフォルトの65Wで計測しています。
ミドルクラスのRTX 3060なら、フルHD環境だと、そこそこ重いゲームでも60 fps以上で快適にプレイが可能です。サイバーパンク 2077やウォッチドッグスでは、DLSSを有効にすることで、最高設定でも60 fps以上で動作します。レイトレーシング機能はRTX 3060には負荷が重いので、不向きです。
ゲームベンチマークスコア
重い部類のゲーム
サイバーパンク2077(DX12)
|
|||
---|---|---|---|
解像度 | 品質 | DLSS | Core i5-11400 RTX 3060 |
1920x1080 | 低 | オフ | 105 fps |
高 | オフ | 69 fps | |
ウルトラ | オフ | 58 fps | |
レイトレ:中 | 自動 | 57 fps | |
レイトレ:ウルトラ | 自動 | 47 fps |
重い部類のゲーム
ウォッチドッグス レギオン(DX12)
|
||||
---|---|---|---|---|
解像度 | 品質 | レイトレ | DLSS | Core i5-11400 RTX 3060 |
1920x1080 | 低 | ― | ― | 88 fps |
高 | ― | ― | 77 fps | |
最大 | ― | ― | 57 fps | |
最大 | オン | 高性能 | 46 fps |
重い部類のゲーム
ボーダーランズ3(DX12)
|
||
---|---|---|
品質 | 解像度 | Core i5-11400 RTX 3060 |
1920x1080 | 低 | 160 fps |
高 | 89 fps | |
ウルトラ | 72 fps |
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15(DX11)
|
||
---|---|---|
品質 | 解像度 | Core i5-11400 RTX 3060 |
1920x1080 | 軽量品質 | 144 fps |
標準品質 | 116 fps | |
高品質 | 87 fps |
重い部類のゲーム
ファンタシースターオンライン ニュージェネシス
|
||
---|---|---|
解像度 | 品質 | Core i5-11400 RTX 3060 |
1920x1080 | 最低 | 48176(159 fps) |
高 | 25627(108 fps) | |
ウルトラ | 16218(89 fps) |
中程度の重さのゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー(DX12)
|
||
---|---|---|
品質 | 解像度 | Core i5-11400 RTX 3060 |
最高 | 最低 | 139 fps |
中 | 120 fps | |
最高 | 111 fps |
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 漆黒のヴィランズ(DX11)
|
||
---|---|---|
品質 | 解像度 | Core i5-11400 RTX 3060 |
1920x1080 | 標準(デスク) | 192 fps |
高(デスク) | 137 fps | |
最高品質 | 129 fps |
その他のゲームのベンチマーク
上に掲載した以外のゲームのフレームレートについては、下を参考にしてください。
ゲームのパフォーマンスが向上するResizable BAR(Smart Access Memory)の有効化方法とベンチマークの比較はこちらをご覧ください。
Resizable BAR(Smart Access Memory)の有効化方法とベンチマークを比較。
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
CPU
Level∞ M-Classは、最新のインテル第11世代プロセッサーや、AMD Ryzenプロセッサーを選択できます。
今回搭載しているCore i5-11400は、6コア12スレッドなのでマルチコア性能はそれほど高くありませんが、RTX 3060クラスのミドルスペックGPUでゲームをするには十分な性能だと思います。シングルスコア性能はそこそこ高いです。
~ CPU性能の評価 ~
グラフィックス
本製品で選択できる代表的なグラフィックスは次の通りです。エントリークラスからミドルクラスのグラフィックスを搭載しています。
~ グラフィックス性能の評価 ~
::レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ストレージ
ストレージは、NVMe SSD、SATA SSD、HDDなど様々なものを選択できます。
クリエイターソフトの処理時間&ベンチマーク
以下に、Core i5-11400、GeForce RTX 3060の構成で、各クリエイターソフトの処理速度を計測したときの結果を掲載します。PL1はデフォルトの65Wのときと、100Wにしたときの両方を掲載しています。
CPU性能が高いわけではないので、やや時間がかかっていますが、十分ストレスなく動くと思います。ただ、このようなソフトを使うなら、もう少しCPU性能の高いモデルでもいいかもしれません。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※ グラフィックスは全てデスクトップPC用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
以下、パーツの温度、静音性、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。PL1はデフォルトの65Wのときと、100Wにしたときの両方を掲載しています。
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU電力およびCPU温度の推移を確認します。
PL1=65Wの時のCPU温度は65℃と低めの温度で推移していますが、PL1=100Wの時のCPU温度は84℃と高めの温度です。
- Core i5-11400(PL1=65W)
- Core i5-11400(PL1=100W)
ゲーム時のGPU温度の詳細
ファイナルファンタジー15のゲームベンチマーク実行中のCPUおよびGPU温度は下図の通りです。ゲーム時ではPL1=65W、100WいずれもCPU温度は最大でも70℃、GPU温度は68℃前後と普通の温度です。
- Core i5-11400(PL1=65W)
- Core i5-11400(PL1=100W)
静音性のチェック
本機の動作音(静音性)のチェックです。もし動作音が大きいと、ゲーム等に集中しづらいです。
いずれも普通の騒音値です。
アイドル時 | エンコード時 | FF15実行時 | |
Core i5-11400(PL1=65W) RTX 3060 |
約40dB | 約43dB | 約45~47dB |
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
※約10分経過後に計測しています
左:アイドル時(何も操作していない状態)
中:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)
右:FF15 ベンチマーク実行(高品質、1920x1080、ウィンドウ)
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。
それほど高い性能のパーツを搭載していないので、ゲーミングPCにしては低めの消費電力です。
アイドル時 | エンコード時 | FF15実行時 | |
Core i5-11400(PL1=65W) RTX 3060 |
約43W | 約110W | 約280W |
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています
外観のチェック
外観のチェックです。
黒いシンプルな筐体に、赤いラインのアクセントが施されています。
天面には何もなくフラットです。
黒いフロントパネルはヘアライン調になっています。
電源ボタンは右サイドに配置されています。
右側面はご覧のようになっており、電源ボタン下にUSB3.0 Type-Aが2ポートあります。
左側面のパネルには吸気口があります。
正面と背面です。
マザーボードのポート類とグラフィックカードの出力端子です。
底面です。空気の通る穴はなく、ゴム足がプラスチックになっているので滑りやすいのが難点です。筐体が軽いと、電源ボタンを押した際に動いてしまいます。
ケース内部のチェック
右側面のケース内部
右側面のケース内部です。裏面配線はされていません。
左側面のケース内部
左側面のケース内部です。裏面配線ができないのでごちゃついていますが、結束バンドで整理されています。通気性も確保されています。
パーツ構成
以下、搭載されていたパーツの画像を掲載しますが、かならずしもこのパーツが搭載されるとは限りません。ご了承ください。また、オプションを追加しない標準構成となっています。B560チップセットのマザーボードです。今回のモデルでは「ASRockのB560M-HDV」が搭載されていました。
標準のCPUクーラー(リテールクラス)にはCooler Master製が搭載されていました。オプションで12cmファンのサイドフローCPUクーラーを選択できます。
500 GB M.2 SSDにはKingston製のものが搭載されていました。
電源にはFSP製の700W電源が搭載されていました。モジュラータイプではありません。
オープンベイとシャドウベイ
3.5インチと2.5インチベイです。3.5インチHDDが2台、2.5インチSSDが1台設置可能です。
フロントにはファンを設置できそうですが、オプションでは追加できません。
グラフィックカード
搭載されていたMSI製のRTX 3060です。当サイトでもレビューした「MSI GeForce RTX 3060 GAMING X 12G」です。補助電源には8ピンコネクタ1本と、6ピンコネクタを1本使用します。
斜めから見た画像
斜めから見たケース内部の画像です。
反対側の斜めから見た画像です。
その他
標準でUSBの日本語フルキーボードと、マウスが付属しているので、パソコンが到着後すぐに使用できるようになっています。
触ってみたところ、軽量でそれほど良い品質ではないので、ゲーム用途の場合はゲーミングキーボードとマウスを用意した方がいいです。
まとめ
以上が、パソコン工房 Level∞ M-Classのレビューです。
エントリークラスからミドルクラスのグラフィックスを搭載できるミニタワーゲーミングPCです。何より価格が他社より安いモデルが多く、コストパフォーマンスは優秀です。
ただし、筐体が安っぽいのは否めないので、見た目や筐体の品質も求める方は、マウスコンピューター G-Tuneや、ドスパラ GALLERIAなどのゲーミングPCをおすすめします。
非常に安いゲーミングPC
パソコン工房 Level∞ M-Class
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
関連ページ
ゲーミングPCの比較ページ。各社のゲーミングデスクトップパソコンについて、カテゴリ、グラフィックス別におすすめの製品を紹介。
パソコンに必須のセキュリティソフトの比較ページ。セキュリティソフトの選び方や、比較一覧表、用途ごとのおすすめ製品などを掲載。