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Resizable BAR有効時のベンチマーク
Resizable BARとは
「Resizable BAR」とは、CPUがGPUのVRAMメモリ全体にフルアクセスすることができ、効率的かつ複数の要求に対する同時転送が可能になり、多くのゲームでパフォーマンスが向上するというものです。AMDでは「Smart Access Memory」と呼称されています。いずれも、GeForce RTX 30シリーズまたは、AMD Radeon RX 6000 シリーズで使える機能です。
「Resizable BAR」に対応しているのは、AMD Ryzen 5000シリーズまたは特定のRyzen 3000シリーズと、マザーボードAMD 500/400チップセット、およびインテル 第10世代Coreプロセッサーと、マザーボードZ490/H470/B460/H410チップセットとなります。第11世代Coreプロセッサーでは全チップセットで利用可能となっています。
GeForce RTX 30シリーズだと、インテル CPU、AMD Ryzen CPUどちらの組み合わせでも利用できますが、Radeonグラフィックスの場合は、AMD Ryzen CPUとの組み合わせのみ利用できます。
「Resizable BAR」を利用するには、GPUドライバーの更新、対応のCPUを搭載したマザーボードのBIOS更新が必要となる場合があります。メーカーによってはベータ版のBIOSしかない場合があるので、更新する際は注意が必要です。なお、更新作業はあくまでも自己責任となります。
Resizable BARを利用するには
「Resizable BAR」を有効にするには、マザーボードの種類によって異なります。インテルCore i9-10900Kプロセッサーを搭載したテスト用PCのマザーボード「ASUS TUF Z490-PLUS(WI-FI)」では、BIOS更新後、上のメニューに「Resizable BAR」という項目が追加されていました。ここをクリックし、ONにすることで「Resizable BAR」の有効化は完了。NVIDIAのシステム情報を確認すると、「Resizable BAR」という欄がYesになっているのがわかります。
AMDの場合は、BIOSメニューから、詳細設定へ進み、下記の画像のように「Above 4G Decoding」と「Re-Size BAR Support」を有効化します。AMDの「Smart Access Memory」についてはこちらをご覧ください。
Resizable BAR有効時のフレームレート比較
Core i9-10900K+GeForce RTX 3060
Core i9-10900K+RTX 3060環境にて、いくつかのゲームのフレームレートを計測し、Resizable BAR有効時と無効時のフレームレートを比較してみました。現時点でResizable BARに対応しているゲームタイトルは以下の8タイトルのみ。今後増える予定ですが、現状ではまだ少ないです。
結果(下表)を見ると、Resizable BARに対応しているタイトル「ウォッチドッグス レギオン」、「レッド・デッド・リデンプション2」、「ボーダーランズ3」ではわずかにフレームレートが上昇している程度でした。また、対応していないタイトルも、念のためベンチマークを実行してみましたが、フレームレートに変化はありませんでした。
Resizable BAR対応ゲーム
重い部類のゲーム
ウォッチドッグス レギオン(DX12)
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重い部類のゲーム
レッド・デッド・リデンプション2(VULKAN)
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重い部類のゲーム
ボーダーランズ3(DX12)
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Resizable BAR非対応ゲーム
重い部類のゲーム
サイバーパンク2077(DX12)
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重い部類のゲーム
Horizon Zero Dawn(DX12)
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重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15(DX11)
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中程度の重さのゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー(DX12)
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Ryzen 7 3700X+Radeon RX 6700XT
Ryzen 7 3700X+Radeon RX 6700XTにて、いくつかのゲームのフレームレートを計測し、Smart Access Memory(Resizable BAR)有効時と無効時のフレームレートを比較してみました。
Smart Access Memory有効時だと、Resizable BARに対応していないタイトルもフレームレートが伸びています。CPU性能やグラフィックスの性能差もありますが、Core i9-10900K+RTX 3060環境よりもフレームレートの伸び幅が大きく、Resizable BARによるパフォーマンスの向上はAMDのSmart Access Memoryの方が高いと思います。
Resizable BAR対応ゲーム
重い部類のゲーム
レッド・デッド・リデンプション2(VULKAN)
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重い部類のゲーム
ボーダーランズ3(DX12)
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Resizable BAR非対応ゲーム
重い部類のゲーム
サイバーパンク2077(DX12)
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重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15(DX11)
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中程度の重さのゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー(DX12)
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三度の飯よりゲームが好き。 面白ければどんなゲームもプレイするが、中でも好きなジャンルは2D格闘ゲーム。2009年からSteamでPCゲーム漁りを始めてからゲーミングPCに興味を持ち、ライター業を経てレビュアーへ。これまで300台以上のゲーミングPCを実機でテストし、レビュー記事を執筆。おじいちゃんになってもPCゲーマーでありたい。
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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