※当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

Core i7-9700Kのベンチマーク

更新日:2018年11月30日

 

このページでは、2018年11月2日に発表された第9世代Coreプロセッサーの「Coffee Lake Refresh」の1つである、Core i7-9700Kのベンチマークスコアを掲載します。

【結果概要】

お忙しい方のために、結果の概要だけ先に紹介します。

下図は、CPU性能を評価する「CINEBENCH R15」のマルチコアのベンチマークスコアです。

Core i7-9700Kは、Core i7-8700Kより約7%以上スコアが伸びていました。また実際のエンコードソフトを使ったテストでは、約12%も時間が短縮されていました。アプリによりますが、10%前後は高速化していると思います。

CINEBENCH R15(マルチコア)
Core i7-9700K 1531
Core i7-8700K 1432
Core i7-7700K 971
※グレーのバーは他のPCで計測した代表値

 

Core i7-9700Kの仕様

Core i7-9700Kは、開発コードネーム「Coffee Lake Refresh」と呼ばれる第9世代Coreプロセッサーで、旧CPUのCore i7-8700Kと比べて、コア数は増えていますが、スレッド数は8に減少しています。これはスレッド数16のCore i9-9900Kの登場による、棲み分けでしょう。

また、Core i7-9700Kは、インテルCPUでは久々となる、熱伝導性の高いソルダリング(はんだ付け)仕様に変更されているので、熱伝導率が高くなっています(ただし、今回試した限りでは、それでもCore i7-8700Kに比べてCPU温度は高かったです)。

仕様比較
  Core i9-9900K Core i7-9700K Core i7-8700K Core i7-7700K
開発コード名 Coffee Lake Coffee Lake Coffee Lake Kaby Lake
製造プロセス 14nm++ 14nm++ 14nm++ 14nm+
コア / スレッド数 8 / 16 8 / 8 6 / 12 4 / 8
ベースクロック 3.6GHz 3.6GHz 3.7GHz 4.2GHz
ブーストクロック 5.0GHz 4.9GHz 4.7GHz 4.5GHz
キャッシュ 16MB 12MB 12MB 8MB
内蔵GPU UHD 630 UHD 630 UHD 630 HD 630
TDP 95W 95W 95W 91W


Core i9-9900Kに関しての詳しい内容は下記をご覧ください。

Core i7-9700Kのベンチマークスコア

Core i7-9700Kのベンチマークスコアを掲載します。

計測に用いたPCは、第9世代インテルCoreプロセッサー「Core i7-9700K」とRTX 2080を搭載したドスパラの新ゲーミングPC「GALLERIA ZG」です。

 

CINEBENCH R15

まずは、CINEBENCH R15の結果です。Core i7-9700KのCINEBENCHのマルチコアのスコアは「1531」、シングルコアのスコアは「214」でした。

マルチコアのスコアに関しては、Core i7-8700Kより約7%向上しています。シングルコアのスコアに関しても、わずかですが上回っており、マルチコアでの処理が苦手なアプリも、Core i7-8700Kに比べて処理速度が落ちることはないと思います。

CINEBENCH R15
他CPUとの比較(マルチコア)
Core i7-9700K 1531
Core i7-8700K 1432
他CPUとの比較(シングルコア)
Core i7-9700K 214
Core i7-8700K 206

 

PassMark Performance Test 9.0

続いて、Core i7-9700KのPassMark Performance Test 9.0のCPU Markのスコアは「17726」でした。こちらはCore i7-8700Kより約8%スコアが向上しています。

PassMark Performance Test 9.0 CPU MARK
他CPUとの比較
Core i7-9700K 17726
Core i7-8700K 16268

 

TMPGEnc Video Mastering Works 6によるエンコード時間

次は、実際のソフトウェア「TMPGEnc Video Mastering Works 6」を使ってエンコードにかかった時間を掲載します。ここでは、x265エンコーダーを用い、4KのXAVC Sの動画をH.265/HEVCへ変換する処理を実行しています。
旧世代のCore i7-8700Kが10分以上かかっているのに対し、Core i7-9700Kは9分19秒と、約12%も時間が短縮されました。

TMPGEnc Video Mastering Works 6によるエンコード時間 (x265)
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間(x265のエンコーダーを使用)
他CPUとの比較
Core i7-9700K 9分19秒
Core i7-8700K 10分37秒

 

Geekbench 4

続いて、Geekbench 4です。Core i7-9700Kのマルチコアのスコアは「28864」でした。こちらはCore i7-8700Kの1.2倍以上のスコアになります。

Geekbench 4
他CPUとの比較(Multi-Core)
Core i7-9700K 28864
Core i7-8700K 22816

 

グラフィックス関連の性能

今までは、CPU関連の性能を示すベンチマークを実行してきましたが、次は、インテル UHD グラフィックス 630のグラフィック関連のスコアを掲載します(下表)。

ベンチマークソフトによって、多少優劣が変わりますが、どちらもそれほど変わりません。ほぼ同等です。

CPU内蔵グラフィック関連のベンチマークスコア
  Core i7-9700K Core i7-8700K
3DMark 3DMark Sky Diver
(Graphics score)
5439 4953
3DMark Cloud Gate
(Graphics score)
11908 11808
CINEBENCH R15
(OpenGL)
64.09 fps 66.93 fps
ドラゴンクエスト X
(1280x720、標準)
13945
(すごく快適)
10455
(すごく快適)
エンコード時間
(QSV)
2分42秒 2分46秒

 

外部グラフィックス搭載時のベンチマーク

続いて、外部グラフィックス「GeForce RTX 2080」を搭載したときのベンチマーク(フレームレート)をチェックします。

コア数が多いと、逆にゲームのフレームレートが落ちることもありますが、6コアのCore i7-8700Kと比べてもそのような感じは見受けられませんでした。ゲーム用途としても最適なCPUであると言えるでしょう。

重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15
1920x1080 軽量品質 175 fps
標準品質 145 fps
高品質 109 fps
2560x1440 軽量品質 136 fps
標準品質 101 fps
高品質 81 fps
3840x2160 軽量品質 77 fps
標準品質 55 fps
高品質 47 fps
重い部類のゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー
1920x1080 最低 167 fps
128 fps
最高 113 fps
2560x1440 最低 149 fps
90 fps
最高 76 fps
3840x2160 最低 85 fps
54 fps
最高 43 fps
重い部類のゲーム
ゴーストリコン ワイルドランズ
1920x1080 186 fps
132 fps
ウルトラ 77 fps
2560x1440 147 fps
102 fps
ウルトラ 62 fps
3840x2160 92 fps
60 fps
ウルトラ 38 fps
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 紅蓮のリベレーター
1920x1080 標準(デスク) 170 fps
高(デスク)
141 fps
最高品質 135 fps
2560x1440 標準(デスク) 148 fps
高(デスク)
116 fps
最高品質 109 fps
3840x2160 標準(デスク) 116 fps
高(デスク)
67 fps
最高品質 57 fps
中程度の重さのゲーム
ファークライ 5
1920x1080 低品質 153 fps
高品質 132 fps
最高品質 122 fps
2560x1440 低品質 133 fps
高品質 112 fps
最高品質 106 fps
3840x2160 低品質 73 fps
高品質 61 fps
最高品質 58 fps
軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
1920x1080 22743
3840x2160 22265

 

エンコード時の温度

CPU使用率がほぼ100%になるエンコードを実行し、そのときのCore i7-9700KのCPU温度を計測しました。

熱伝導率の高いソルダリング仕様になっているものの、当サイトにて計測した限りでは、Core i7-9700Kは、Core i7-8700Kよりも高い温度でした。

エンコード時のCPU温度
※どちらもドスパラ GALLERIAシリーズで、CPUクーラーも同じ

 

時間に対するCPU温度の変化は次の通りです。一気に温度が上がるのではなく徐々に温度が上がっています。そのため、1分程度で終わる処理なら70度台~80度台なので、まだ心配いりませんが、3分くらいを超えると、90度台に乗り高めの温度になっています。

CPUクーラーには「虎徹 MarkⅡ」を使っており、悪いクーラーではありませんがこの温度です。水冷式クーラーで冷やすのがいいかもしれません。

エンコード時のCPU温度(詳細)

 

なお、温度上昇に伴うCPUのクロックダウン(サーマルスロットリング)は発生していませんでした。

エンコード時のCPUクロック

 

Core i7-9700K搭載のおすすめPC

Core i7-9700Kを選択できるおすすめのゲーミングPCを紹介します。なお、価格はCore i7-9700Kを搭載したときのおおよその価格です。構成によってはもっと安くなったり、高くなったりします。

ドスパラ GALLERIA ZG
CPU ~Core i9-9900K
GPU GeForce GTX 1050Ti ~
GeForce RTX 2080Ti
価格 16万円台(税別)~

今回テストで使用した製品です。

高性能グラフィックスが搭載可能で、拡張性が高く、細かなカスタマイズも可能なミドルタワーのゲーミングPCです。

レビュー記事はこちら
サイコム G-Master Spear
CPU ~Core i9-9900K
GPU ~GeForce RTX 2080Ti
価格 14万円台(税込)~

Core i7-9700KやCore i9-9900Kに水冷ユニットを選択できておすすめです。

パーツの型番まで細かく指定できる玄人向けBTOパソコン。信頼性の高いパーツで組み上げたい方におすすめ。

マウスコンピューター MASTERPIECE
CPU ~Core i9-9900K
GPU GeForce GTX 1060 ~
GeForce RTX 2080Ti
価格 19万円台(税別)~

フロントパネルは、光沢感のある強化ガラス素材で、デザイン性と性能に優れたフルタワーのゲーミングPCです。

レビュー記事はこちら
パソコン工房 Level∞ R-Class
CPU ~Core i9-9900K
GPU GeForce GTX 1030 ~
GeForce RTX 2080Ti
価格 15万円台(税別)~

比較的安く、デザインも良く、PCケースの拡張性、メンテナンス性も割と高いバランスのとれたミドルタワーのゲーミングPC。

レビュー記事はこちら

 

まとめ

Core i7-9700Kはゲーミングに適したプロセッサー

第9世代Coreプロセッサーの「Core i7-9700K」は、旧世代CPUであるCore i7-8700Kよりも、どのベンチマークスコアや実際のソフトにおいて順当に処理速度が向上しています。また、外部グラフィックスを搭載してゲームのベンチマークを計測しても、Core i7-8700Kと比べてフレームレートが落ちることなく動作しており、ゲーム目的にも適しています。

ただし、今回試した限りでは、CPU温度はやや高めでした。この辺りは気になるところです。個人的には水冷式クーラーを搭載するといいと思います。

パソコンの比較TOP

 

関連ページ