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Core i7-9700Kのベンチマーク
このページでは、2018年11月2日に発表された第9世代Coreプロセッサーの「Coffee Lake Refresh」の1つである、Core i7-9700Kのベンチマークスコアを掲載します。
【結果概要】
お忙しい方のために、結果の概要だけ先に紹介します。
下図は、CPU性能を評価する「CINEBENCH R15」のマルチコアのベンチマークスコアです。
Core i7-9700Kは、Core i7-8700Kより約7%以上スコアが伸びていました。また実際のエンコードソフトを使ったテストでは、約12%も時間が短縮されていました。アプリによりますが、10%前後は高速化していると思います。
Core i7-9700Kの仕様
Core i7-9700Kは、開発コードネーム「Coffee Lake Refresh」と呼ばれる第9世代Coreプロセッサーで、旧CPUのCore i7-8700Kと比べて、コア数は増えていますが、スレッド数は8に減少しています。これはスレッド数16のCore i9-9900Kの登場による、棲み分けでしょう。
また、Core i7-9700Kは、インテルCPUでは久々となる、熱伝導性の高いソルダリング(はんだ付け)仕様に変更されているので、熱伝導率が高くなっています(ただし、今回試した限りでは、それでもCore i7-8700Kに比べてCPU温度は高かったです)。
Core i9-9900K | Core i7-9700K | Core i7-8700K | Core i7-7700K | |
開発コード名 | Coffee Lake | Coffee Lake | Coffee Lake | Kaby Lake |
製造プロセス | 14nm++ | 14nm++ | 14nm++ | 14nm+ |
コア / スレッド数 | 8 / 16 | 8 / 8 | 6 / 12 | 4 / 8 |
ベースクロック | 3.6GHz | 3.6GHz | 3.7GHz | 4.2GHz |
ブーストクロック | 5.0GHz | 4.9GHz | 4.7GHz | 4.5GHz |
キャッシュ | 16MB | 12MB | 12MB | 8MB |
内蔵GPU | UHD 630 | UHD 630 | UHD 630 | HD 630 |
TDP | 95W | 95W | 95W | 91W |
Core i9-9900Kに関しての詳しい内容は下記をご覧ください。
第9世代インテルCoreプロセッサー「Coffee Lake Refresh」のCore i9-9900Kのベンチマークスコアを掲載。
Core i7-9700Kのベンチマークスコア
Core i7-9700Kのベンチマークスコアを掲載します。
計測に用いたPCは、第9世代インテルCoreプロセッサー「Core i7-9700K」とRTX 2080を搭載したドスパラの新ゲーミングPC「GALLERIA ZG」です。
高性能グラフィックスとCPUが選択でき、細かなカスタマイズも可能なミドルタワーのゲーミングPC。注文してから出荷されるまで2日という納期の短さも魅力。
CINEBENCH R15
まずは、CINEBENCH R15の結果です。Core i7-9700KのCINEBENCHのマルチコアのスコアは「1531」、シングルコアのスコアは「214」でした。
マルチコアのスコアに関しては、Core i7-8700Kより約7%向上しています。シングルコアのスコアに関しても、わずかですが上回っており、マルチコアでの処理が苦手なアプリも、Core i7-8700Kに比べて処理速度が落ちることはないと思います。
PassMark Performance Test 9.0
続いて、Core i7-9700KのPassMark Performance Test 9.0のCPU Markのスコアは「17726」でした。こちらはCore i7-8700Kより約8%スコアが向上しています。
TMPGEnc Video Mastering Works 6によるエンコード時間
次は、実際のソフトウェア「TMPGEnc Video Mastering Works 6」を使ってエンコードにかかった時間を掲載します。ここでは、x265エンコーダーを用い、4KのXAVC Sの動画をH.265/HEVCへ変換する処理を実行しています。
旧世代のCore i7-8700Kが10分以上かかっているのに対し、Core i7-9700Kは9分19秒と、約12%も時間が短縮されました。
Geekbench 4
続いて、Geekbench 4です。Core i7-9700Kのマルチコアのスコアは「28864」でした。こちらはCore i7-8700Kの1.2倍以上のスコアになります。
グラフィックス関連の性能
今までは、CPU関連の性能を示すベンチマークを実行してきましたが、次は、インテル UHD グラフィックス 630のグラフィック関連のスコアを掲載します(下表)。
ベンチマークソフトによって、多少優劣が変わりますが、どちらもそれほど変わりません。ほぼ同等です。
Core i7-9700K | Core i7-8700K | |
3DMark 3DMark Sky Diver
(Graphics score) |
5439 | 4953 |
3DMark Cloud Gate (Graphics score) |
11908 | 11808 |
CINEBENCH R15 (OpenGL) |
64.09 fps | 66.93 fps |
ドラゴンクエスト X (1280x720、標準) |
13945 (すごく快適) |
10455 (すごく快適) |
エンコード時間 (QSV) |
2分42秒 | 2分46秒 |
外部グラフィックス搭載時のベンチマーク
続いて、外部グラフィックス「GeForce RTX 2080」を搭載したときのベンチマーク(フレームレート)をチェックします。
コア数が多いと、逆にゲームのフレームレートが落ちることもありますが、6コアのCore i7-8700Kと比べてもそのような感じは見受けられませんでした。ゲーム用途としても最適なCPUであると言えるでしょう。
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15
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1920x1080 | 軽量品質 | 175 fps |
標準品質 | 145 fps | |
高品質 | 109 fps | |
2560x1440 | 軽量品質 | 136 fps |
標準品質 | 101 fps | |
高品質 | 81 fps | |
3840x2160 | 軽量品質 | 77 fps |
標準品質 | 55 fps | |
高品質 | 47 fps |
重い部類のゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー
|
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---|---|---|
1920x1080 | 最低 | 167 fps |
中 | 128 fps | |
最高 | 113 fps | |
2560x1440 | 最低 | 149 fps |
中 | 90 fps | |
最高 | 76 fps | |
3840x2160 | 最低 | 85 fps |
中 | 54 fps | |
最高 | 43 fps |
重い部類のゲーム
ゴーストリコン ワイルドランズ
|
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---|---|---|
1920x1080 | 低 | 186 fps |
高 | 132 fps | |
ウルトラ | 77 fps | |
2560x1440 | 低 | 147 fps |
高 | 102 fps | |
ウルトラ | 62 fps | |
3840x2160 | 低 | 92 fps |
高 | 60 fps | |
ウルトラ | 38 fps |
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 紅蓮のリベレーター
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1920x1080 | 標準(デスク) | 170 fps |
高(デスク) |
141 fps | |
最高品質 | 135 fps | |
2560x1440 | 標準(デスク) | 148 fps |
高(デスク) |
116 fps | |
最高品質 | 109 fps | |
3840x2160 | 標準(デスク) | 116 fps |
高(デスク) |
67 fps | |
最高品質 | 57 fps |
中程度の重さのゲーム
ファークライ 5
|
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---|---|---|
1920x1080 | 低品質 | 153 fps |
高品質 | 132 fps | |
最高品質 | 122 fps | |
2560x1440 | 低品質 | 133 fps |
高品質 | 112 fps | |
最高品質 | 106 fps | |
3840x2160 | 低品質 | 73 fps |
高品質 | 61 fps | |
最高品質 | 58 fps |
軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
|
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1920x1080 | 22743 |
3840x2160 | 22265 |
エンコード時の温度
CPU使用率がほぼ100%になるエンコードを実行し、そのときのCore i7-9700KのCPU温度を計測しました。
熱伝導率の高いソルダリング仕様になっているものの、当サイトにて計測した限りでは、Core i7-9700Kは、Core i7-8700Kよりも高い温度でした。
時間に対するCPU温度の変化は次の通りです。一気に温度が上がるのではなく徐々に温度が上がっています。そのため、1分程度で終わる処理なら70度台~80度台なので、まだ心配いりませんが、3分くらいを超えると、90度台に乗り高めの温度になっています。
CPUクーラーには「虎徹 MarkⅡ」を使っており、悪いクーラーではありませんがこの温度です。水冷式クーラーで冷やすのがいいかもしれません。
なお、温度上昇に伴うCPUのクロックダウン(サーマルスロットリング)は発生していませんでした。
Core i7-9700K搭載のおすすめPC
Core i7-9700Kを選択できるおすすめのゲーミングPCを紹介します。なお、価格はCore i7-9700Kを搭載したときのおおよその価格です。構成によってはもっと安くなったり、高くなったりします。
CPU | ~Core i9-9900K |
---|---|
GPU | GeForce GTX 1050Ti ~ GeForce RTX 2080Ti |
価格 | 16万円台(税別)~ |
今回テストで使用した製品です。
高性能グラフィックスが搭載可能で、拡張性が高く、細かなカスタマイズも可能なミドルタワーのゲーミングPCです。
レビュー記事はこちらCPU | ~Core i9-9900K |
---|---|
GPU | ~GeForce RTX 2080Ti |
価格 | 14万円台(税込)~ |
Core i7-9700KやCore i9-9900Kに水冷ユニットを選択できておすすめです。
パーツの型番まで細かく指定できる玄人向けBTOパソコン。信頼性の高いパーツで組み上げたい方におすすめ。
CPU | ~Core i9-9900K |
---|---|
GPU | GeForce GTX 1060 ~ GeForce RTX 2080Ti |
価格 | 19万円台(税別)~ |
フロントパネルは、光沢感のある強化ガラス素材で、デザイン性と性能に優れたフルタワーのゲーミングPCです。
レビュー記事はこちらCPU | ~Core i9-9900K |
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GPU | GeForce GTX 1030 ~ GeForce RTX 2080Ti |
価格 | 15万円台(税別)~ |
比較的安く、デザインも良く、PCケースの拡張性、メンテナンス性も割と高いバランスのとれたミドルタワーのゲーミングPC。
レビュー記事はこちら
まとめ
Core i7-9700Kはゲーミングに適したプロセッサー
第9世代Coreプロセッサーの「Core i7-9700K」は、旧世代CPUであるCore i7-8700Kよりも、どのベンチマークスコアや実際のソフトにおいて順当に処理速度が向上しています。また、外部グラフィックスを搭載してゲームのベンチマークを計測しても、Core i7-8700Kと比べてフレームレートが落ちることなく動作しており、ゲーム目的にも適しています。
ただし、今回試した限りでは、CPU温度はやや高めでした。この辺りは気になるところです。個人的には水冷式クーラーを搭載するといいと思います。
パソコンの比較TOP
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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