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Core i9-9900Kのベンチマーク
このページでは、2018年11月2日に発表された第9世代Coreプロセッサーの「Coffee Lake Refresh」の最上位モデル、Core i9-9900Kのベンチマークスコアを掲載します。
【結果概要】旧CPUより1.4倍以上速い
お忙しい方のために、結果の概要だけ先に紹介します。
下図は、CPU性能を評価する「CINEBENCH R15」のマルチコアのベンチマークスコアです。
Core i7-9700Kのベンチマーク計測がまだなので、旧世代のCore i7-8700KとCore i7-7700Kとスコアを比較しました(下表参照)。その結果、Core i9-9900Kは、Core i7-8700Kより約1.4倍もスコアが伸びていました。
Core i9-9900Kの仕様
Core i9-9900Kは、開発コードネーム「Coffee Lake Refresh」と呼ばれる第9世代Coreプロセッサーの中でも最上位のモデルになります。
メインストリームのデスクトップPC向けCPUとしては初の、8コア16スレッド駆動となっており、ターボ・ブースト時の最大クロックはなんと5GHzに達し、旧世代CPUよりもマルチタスクでの処理能力と速度が大幅に向上しています。
これほどの高性能だと発熱も心配になりますが、Core i9-9900Kは、インテルCPUでは久々となる、熱伝導性の高いソルダリング仕様に変更されているので、8コア全てがフル稼働したとしても、従来のサーマルグリスよりも発熱はある程度抑えられる仕様となっています。
特に今回の第9世代Coreプロセッサーは、「ゲーム用として最適」とIntel社自身がうたっており、デスクトップPC でのゲームプレイや動画制作において最高のパフォーマンスを発揮すると思われます。
Core i9-9900K | Core i9-9700K | Core i7-8700K | Core i7-7700K | |
開発コード名 | Coffee Lake | Coffee Lake | Coffee Lake | Kaby Lake |
製造プロセス | 14nm++ | 14nm++ | 14nm++ | 14nm+ |
コア / スレッド数 | 8 / 16 | 8 / 8 | 6 / 12 | 4 / 8 |
ベースクロック | 3.6GHz | 3.6GHz | 3.7GHz | 4.2GHz |
ブーストクロック | 5.0GHz | 4.9GHz | 4.7GHz | 4.5GHz |
キャッシュ | 16MB | 12MB | 12MB | 8MB |
内蔵GPU | UHD Graphics 630 | UHD Graphics 630 | UHD Graphics 630 | HD Graphics 630 |
TDP | 95W | 95W | 95W | 91W |
Core i9-9900Kのベンチマークスコア
Core i9-9900Kのベンチマークスコアを掲載します。
計測に用いたPCは、第9世代インテルCoreプロセッサー「Core i9-9900K」とRTX 2080Tiを搭載したドスパラの新ゲーミングPC、GALLERIA ZZでテストしています。ゲームベンチスコアなど、詳しいレビュー記事は以下をご参照ください。
高性能グラフィックスとCPUが選択でき、細かなカスタマイズも可能なミドルタワーのゲーミングPC。注文してから出荷されるまで2日という納期の短さも魅力。
なお、計測に用いたPCはメーカーからの貸出機です。以下に各種ベンチマークスコアを掲載しますが、本製品以外のPCで計測した場合、ベンチマークスコアが大きく異なる可能性もあります。
CINEBENCH R15
まずは、上で掲載したCINEBENCH R15の結果です。Core i9-9900KのCINEBENCHのマルチコアのスコアは「2033」、シングルコアのスコアは「214」でした。Core i7-8700Kの1.4倍以上のスコアです。
PassMark Performance Test 9.0
続いて、Core i9-9900KのPassMark Performance Test 9.0のCPU Markのスコアは「20165」でした。こちらはCore i7-8700Kの1.2倍以上のスコアになります。
TMPGEnc Video Mastering Works 6によるエンコード時間
次は、実際のソフトウェア「TMPGEnc Video Mastering Works 6」を使ってエンコードにかかった時間を掲載します。ここでは、x265エンコーダーを用い、4KのXAVC Sの動画をH.265/HEVCへ変換する処理を実行しています。
旧世代のCore i7-8700Kが10分以上かかっているのに対し、Core i9-9900Kは8分49秒と、約17%ほど速くなっています。
Geekbench 4
続いて、Geekbench 4です。Core i9-9900Kのマルチコアのスコアは「32636」でした。こちらはCore i7-8700Kの1.4倍以上のスコアになります。
グラフィックス関連の性能
今までは、CPU関連の性能を示すベンチマークを実行してきましたが、次は、インテル UHD グラフィックス 630のグラフィック関連のスコアを掲載します。下表にまとめていますが、Core i7-8700KとCore i9-9900Kはほぼ同等です。大きな差はありません。
Core i9-9900K | Core i7-8700K | |
3DMark 3DMark Sky Diver
(Graphics score) |
4871 | 4953 |
3DMark Cloud Gate (Graphics score) |
11805 | 11808 |
CINEBENCH R15 (OpenGL) |
64.57 fps | 66.93 fps |
ドラゴンクエスト X (1280x720、標準) |
14402 (すごく快適) |
10455 (すごく快適) |
エンコード時間 (QSV) |
2分41秒 | 2分46秒 |
外部グラフィックス搭載時のベンチマーク
続いて、外部グラフィックス「GeForceRTX 2080Ti」を搭載したときのベンチマークスコアです。
Core i9-9900K搭載PCは、現在主流のCore i7-8700K搭載PCと比べてスコアがどう変わるのか確認しました。
ただ、計測したPCは、それぞれ別のPCで、CPU以外の環境(パーツメーカーやメインメモリ容量)も異なるため、正確な比較にはなりません。参考程度にご覧ください。
下表の結果を見ると、Core i9-9900K搭載PCは、Core i7-8700K搭載PCと比較したとき、フルHDなどの低解像度、低グラフィック品質の場合に、より高いフレームレートが出ている傾向がありました。一方、4Kなどの高解像度、高グラフィック品質のときはフレームレートはほぼ変わりませんでした。
このことから、高リフレッシュレートのフルHD液晶を使っているとき(フルHD液晶で高いフレームレートを出したいとき)に、Core i9-9900Kはおすすめかなと思いました。
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15
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解像度 | 品質 | GALLERIA ZZ | サイコム G-Master | |
Core i9-9900K 16GBメモリ RTX 2080Ti |
Core i7-8700K 8GBメモリ RTX 2080Ti |
||
1920 x 1080 |
軽量品質 | 199 fps | 171 fps |
標準品質 | 168 fps | 152 fps | |
高品質 | 131 fps | 120 fps | |
2560 x 1440 |
軽量品質 | 163 fps | 153 fps |
標準品質 | 126 fps | 124 fps | |
高品質 | 100 fps | 100 fps | |
3840 x 2160 |
軽量品質 | 98 fps | 97 fps |
標準品質 | 70 fps | 69 fps | |
高品質 | 59 fps | 58 fps |
重い部類のゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー
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---|---|---|---|
解像度 | 品質 | GALLERIA ZZ | サイコム G-Master | |
Core i9-9900K 16GBメモリ RTX 2080Ti |
Core i7-8700K 8GBメモリ RTX 2080Ti |
||
1920 x 1080 |
最低 | 174 fps | 148 fps |
中 | 142 fps | 133 fps | |
最高 | 128 fps | 120 fps | |
2560 x 1440 |
最低 | 168 fps | 149 fps |
中 | 110 fps | 111 fps | |
最高 | 94 fps | 97 fps | |
3840 x 2160 |
最低 | 105 fps | 110 fps |
中 | 68 fps | 71 fps | |
最高 | 55 fps | 56 fps |
重い部類のゲーム
ゴーストリコン ワイルドランズ
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---|---|---|---|
解像度 | 品質 | GALLERIA ZZ | サイコム G-Master | |
Core i9-9900K 16GBメモリ RTX 2080Ti |
Core i7-8700K 8GBメモリ RTX 2080Ti |
||
1920 x 1080 |
低 | 196 fps | 171 fps |
高 | 151 fps | 135 fps | |
ウルトラ | 89 fps | 87 fps | |
2560 x 1440 |
低 | 172 fps | 164 fps |
高 | 120 fps | 120 fps | |
ウルトラ | 73 fps | 73 fps | |
3840 x 2160 |
低 | 113 fps | 109 fps |
高 | 73 fps | 74 fps | |
ウルトラ | 47 fps | 47 fps |
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 紅蓮のリベレーター
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---|---|---|---|
解像度 | 品質 | GALLERIA ZZ | サイコム G-Master | |
Core i9-9900K 16GBメモリ RTX 2080Ti |
Core i7-8700K 8GBメモリ RTX 2080 |
||
1920 x 1080 |
標準(デスク) | 182 fps | 155 fps |
高(デスク) |
158 fps | 143 fps | |
最高品質 | 152 fps | 140 fps | |
2560 x 1440 |
標準(デスク) | 172 fps | 153 fps |
高(デスク) |
132 fps | 124 fps | |
最高品質 | 125 fps | 119 fps | |
3840 x 2160 |
標準(デスク) | 132 fps | 124 fps |
高(デスク) |
84 fps | 84 fps | |
最高品質 | 73 fps | 74 fps |
中程度の重さのゲーム
ファークライ 5
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---|---|---|---|
解像度 | 品質 | GALLERIA ZZ | サイコム G-Master | |
Core i9-9900K 16GBメモリ RTX 2080Ti |
Core i7-8700K 8GBメモリ RTX 2080 |
||
1920 x 1080 |
低品質 | 163 fps | 142 fps |
高品質 | 143 fps | 125 fps | |
最高品質 | 133 fps | 117 fps | |
2560 x 1440 |
低品質 | 152 fps | 139 fps |
高品質 | 130 fps | 120 fps | |
最高品質 | 124 fps | 112 fps | |
3840 x 2160 |
低品質 | 92 fps | 92 fps |
高品質 | 77 fps | 76 fps | |
最高品質 | 83 fps | 73 fps |
Core i9-9900K搭載のおすすめPC
2018年11月11日の執筆時点で、Core i9-9900Kを含む「Coffee Lake Refresh」を搭載したゲーミングPCを紹介します。
CPU | Core i9-9900K |
---|---|
GPU | GeForce RTX 2080Ti |
価格 | 33万円台(税別)~ |
高性能グラフィックスが搭載可能で、拡張性が高く、細かなカスタマイズも可能なミドルタワーのゲーミングPC。
レビュー記事はこちらCPU | Core i7-9700K ~ Core i9-9900K |
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GPU | GeForce GTX 1060 ~ GeForce RTX 2080Ti |
価格 | 19万円台(税別)~ |
フロントパネルは、光沢感のある強化ガラス素材で、デザイン性と性能に優れたフルタワーのゲーミングPCです。
レビュー記事はこちらCPU | Core i7-9700K ~ Core i9-9900K |
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GPU | GeForce GTX 1060 ~ GeForce RTX 2080Ti |
価格 | 15万円台(税別)~ |
比較的安く、デザインも良く、PCケースの拡張性、メンテナンス性も割と高いバランスのとれたミドルタワーのゲーミングPC。
レビュー記事はこちらCPU | Core i5-9600K ~ Core i9-9900K |
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GPU | GeForce GTX 1050 ~ GeForce RTX 2080Ti 他 |
価格 | 17万円台(税込)~ |
パーツの型番まで細かく指定できる玄人向けBTOパソコン。信頼性の高いパーツで組み上げたい方におすすめ。
レビュー記事はこちら
まとめ
Core i9-9900Kはゲーミングに適したプロセッサー
第9世代Coreプロセッサーの「Coffee Lake Refresh」の最上位モデル「Core i9-9900K」は、デスクトップPC向けCPUとしては初の8コア16スレッド、ターボ・ブースト時の最大クロックは5GHzというゲーミングに適したCPUです。
同じグラフィックカードを搭載して、同じゲームをプレイしていても、プロセッサーが「Core i9-9900K」というだけでフレームレートが向上するというなら、ゲーミングPCにおいて最適解のCPUだと思います。
パソコンの比較TOP
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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