※当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

Ryzen 7 5700Uのベンチマーク

更新日:2021年5月13日

 

ここでは、AMDの最新モバイル向けプロセッサーとなる Ryzen 5000 Uシリーズの「Ryzen 7 5700U」のベンチマークスコアを掲載します。

 

Ryzen 7 5700Uの仕様

Ryzen 7 5700Uは、コードネーム「Lucienne」と呼ばれるZen 2 + Vega GPUの構成のプロセッサーで、従来のRyzen 7 4700Uと比較すると、SMT(同時マルチスレッディング:Intel CPUで言うところのハイパースレッディング)に対応し、スレッド数が2倍になっている点が大きな特徴です。

その他、最大ブーストクロックも高くなり、GPUコアおよびグラフィックス周波数も増えています。

旧モデルとの比較
  Ryzen 7 5700U Ryzen 7 4700U
アーキテクチャ Zen 2 Zen 2
CPUコア数 8 8
スレッド数 16 8
基本クロック 1.8GHz 2.0GHz
最大ブースト クロック 4.3GHz 4.1GHz
L2キャッシュ 4MB 4MB
L3キャッシュ 8MB 8MB
TDP / cTDP 15W / 10-25W
メモリータイプ 最大DDR4-3200 / LPDDR4-4266
GPUコア数 8 7
グラフィックス周波数 1900MHz 1600 MHz

 

ただし、モバイル向けRyzen 5000シリーズには、Zen 3アーキテクチャを採用した「Cezanne」というプロセッサーも投入されており、Zen 3のRyzen 7 5800Uと比較すると、Ryzen 7 5700Uは、下図のように性能がやや見劣ります。

Ryzen 5000 Uシリーズの仕様比較
  Ryzen 7
5800U
Ryzen 7
5700U
Ryzen 5
5600U
Ryzen 5
5500U
Ryzen 3
5400U
Ryzen 3
5300U
アーキテクチャ Zen 3 Zen 2 Zen 3 Zen 2 Zen 3 Zen 2
CPUコア数 8 6 4
スレッド数 16 12 8
基本クロック 1.9GHz 1.8GHz 2.3GHz 2.1GHz 2.6GHz 2.6GHz
最大ブースト
クロック
4.4GHz 4.3GHz 4.2GHz 4.0GHz 4.0GHz 3.8GHz
L2キャッシュ 4MB 3MB 2MB
L3キャッシュ 16MB 8MB 16MB 8MB 8MB 4MB
TDP / cTDP 15W / 10-25W
メモリータイプ 最大DDR4-3200 / LPDDR4-4266
GPUコア数 8 7 6
グラフィックス
周波数 [MHz]
2000 1900 1800 1800 1600 1500
※Zen 3プロセッサーを緑で表示

 

ベンチマークの計測に利用したノートPC

今回は、以下の2台のPCで検証を行いました。1台は液晶一体型のデスクトップPCですが、ノートPC向けパーツを採用した製品です。ボディが大きいので冷却面では有利で、またメモリ速度もやや速かったので、高めのベンチマークスコアが出ました。

もう1台は、人気のノートPCのInspiron 15 (5515)です。Zen Aio 24と比べると、ややベンチマークスコアは落ちます。 

 

Ryzen 7 5700Uのベンチマークスコア

以下、各種ベンチマークソフトを使ったスコアを掲載します。

CINEBENCH R23

Ryzen 7 5700UのCINEBENCH R23のスコアはご覧の通りです。マルチコアのスコアは非常に高く、インテルのHシリーズのCoreプロセッサーであるCore i7-10750Hを上回るスコアが出ていました。インテルのCore i7-1165G7と比較すると、約1.7倍も高いスコアでした。全コアを使うような処理は非常に速いと思われます。従来のRyzen 7 4700Uと比べても、約1.2~1.3倍もスコアが伸びていました。

一方で、シングルコアについては、Ryzen 7 4700Uをやや上回るものの、Core i7-1165G7よりは低いスコアでした。処理によってはCore i7-1165G7のほうが速いケースもあるでしょう。

CINEBENCH R23
Zen AiO 24
Inspiron 15
他のCPUとの比較(マルチコア)
Ryzen 9 5900HX 13382
Ryzen 7 5800H 12604
Core i7-10875H 10369
Core i7-10870H 9592
Ryzen 7 5700U 8445 (Zen AiO 24)
7798 (Inspiron 15)
Core i7-10750H 6839
Ryzen 7 4700U 6499
Core i7-1185G7 6229
Ryzen 5 4500U 4764
Core i7-1165G7 4720
Core i5-1135G7 4000
Core i7-1065G7 3965
Core i3-1115G4 2643
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i7-1185G7 1517
Ryzen 9 5980HX 1466
Core i7-1165G7 1447
Ryzen 7 5800H 1435
Core i7-10875H 1306
Core i5-1135G7 1294
Core i7-10750H 1277
Core i3-1115G4 1275
Ryzen 7 5700U 1265 (Inspiron 15)
1264 (Zen AiO 24)
Ryzen 7 4700U 1214
Core i7-10870H 1176
Ryzen 5 4500U 1142
Core i7-1065G7 1126
 :Ryzen 7 5700Uのスコア
 :今回特に比較したいプロセッサーのスコア

 

PassMark Performance Test 10.0

続いて、圧縮、暗号化、物理シミュレーションなどを含む数学的計算を行うPassMark Performance Test 10.0のスコアを掲載します。こちらもRyzen 7 5700Uは非常に高いスコアで、Core i7-1165G7の約1.4倍ものスコアでした。従来のRyzen 7 4700Uと比較しても、約1.2~1.3倍の高いスコアでした。

PassMark Performance Test 10.0(CPU MARK)
Zen AiO 24
Inspiron 15
他CPUとの比較(CPU MARK)
Ryzen 9 4900HS 20343
Ryzen 7 4800H 19080
Ryzen 7 5700U 18298 (Zen AiO 24)
17071 (Inspiron 15)
Ryzen 7 Pro 4750U 16988
Ryzen 7 4700U 14231
Core i7-10750H 12866
Core i7-1165G7 12552
Core i5-1135G7 12148
Ryzen 5 4500U 11515
Core i7-1065G7 10483
Core i7-10710U 10115
Core i5-1035G4 9484
Ryzen 3 4300U 8004
Ryzen 7 3700U 7431
Core i7-10510U 7235
Ryzen 5 3500U 7179
Core i5-10210U 6514
Core i3-10110U 4213
Ryzen 3 3200U 4166
 :Ryzen 7 5700Uのスコア
 :今回特に比較したいプロセッサーのスコア

 

Geekbench 5

続いて、拡張現実や機械学習などの最先端の処理を取り入れているクロスプラットフォームのベンチマークソフト、Geekbench 5のスコアを掲載します。Geekbench 5については、上の2つのベンチマークほど、Core i7-1165G7との開きはありませんでしたが、それでも、約1.1~1.2倍も高いスコアでした。

Geekbench 5
Zen AiO 24
Inspiron 15
他CPUとの比較(Multi-Core)
Ryzen 9 4900HS 8129
Core i7-10875H 7447
Ryzen 7 5700U 6785 (Zen AiO 24)
6097 (Inspiron 15)
Ryzen 7 Pro 4750U 6272
Core i7-10750H 6030
Core i7-9750H 5784
Ryzen 7 4700U 5696
Core i7-10710U 5602
Core i7-1165G7 5491
Core i5-1135G7 5334
Ryzen 5 4500U 4662
Core i7-1065G7 4019
Core i5-1035G4 3980
Core i5-10210U 3821
Core i5-8265U 3546
Ryzen 3 4300U 3411
 :Ryzen 7 5700Uのスコア
 :今回特に比較したいプロセッサーのスコア

 

リアル作業の快適性の指標となるベンチマーク

上で掲載したベンチマークは、CPUの性能を最大限引き出したときのテストで、CPUの優劣を見るのに最適でした。ただし、日常的に、レンダリングのような大きな負荷のかかる処理を行っているユーザーはあまり多くありません。そこで、次では、一般的なユーザーが利用することの多い作業を処理を実行し、快適度を数値化するベンチマークソフトのスコアを掲載します。

なお、メモリやストレージの速度などによってもスコアが変わってくるため、目安としてご覧いただければと思います。

 

PCMark 10

PCMark 10は、Webページ閲覧、動画視聴といった日常的な操作の快適性の指標となる「Essentials」、文書作成、表計算の使用といった仕事の快適性の指標となる「Productivity」、画像編集、3D CG制作、動画編集といったクリエイティブ作業の快適性の指標となる「Digital Content Creation」の3つについて数値化するベンチマークソフトです。

「Essentials」について、Ryzen 7 5700Uは、Core i7-1165G7やCore i5-1135G7のインテルプロセッサーよりは劣るスコアでした。ただ、十分高いスコアではあるので、日常的な操作は快適に行えるでしょう。

「Productivity」については、Core i7-1165G7よりも高いスコアでした。Officeなどのソフトを頻繁に使う方に最適でしょう。

「Digital Content Creation」については、Ryzen 7 5700Uは非常に高いスコアでした。ただし、後述しますが、Adobeソフトなどは、そこまで速くないケースもあります。

PCMark 10
Zen AiO 24
Inspiron 15
Essentials(アプリ起動、ブラウザ、動画視聴など日常操作の快適性)
Core i7-1165G7 10102
Core i5-1135G7 9579
Ryzen 7 5700U 9443 (Zen AiO 24)
9419 (Inspiron 15)
Ryzen 7 4700U 9229
Ryzen 5 4500U 8924
Core i7-1065G7 8725
Core i5-1035G4 8156
Productivity(文書作成、表計算などの仕事の快適性)
Ryzen 7 5700U 8269 (Zen AiO 24)
8155 (Inspiron 15)
Ryzen 7 4700U 7775
Core i7-1165G7 6890
Ryzen 5 4500U 6553
Core i5-1135G7 6336
Core i7-1065G7 5500
Core i5-1035G4 5219
Digital Content Creation(画像・動画編集などのクリエイティブ作業の快適性)
Ryzen 7 5700U 5821 (Zen AiO 24)
5673 (Inspiron 15)
Ryzen 7 4700U 5269
Core i7-1165G7 4718
Core i5-1135G7 4480
Ryzen 5 4500U 4390
Core i7-1065G7 3727
Core i5-1035G4 3415
 :Ryzen 7 5700Uのスコア
 :今回特に比較したいプロセッサーのスコア

 

WebXPRT 3

WebXPRT 3は、HTML5およびJavaScriptを使って、オンラインで、画像補正、AIを使用した画像の整理、株式ポートフォリオの計算・表示、文書の暗号化とOCR、セールデータのグラフ作成、オンラインホームワークといった処理をブラウザ上で実行します。PCへの負荷は軽めになります。

Ryzen 7 5700Uのスコアは、Core i7-1165G7のスコアより下回っていましたが、Ryzen 7 4700Uよりは高くなっています。

WebXPRT 3
Zen AiO 24
Inspiron 15
他のCPUとの比較
Core i7-1165G7 266
Core i5-1135G7 246
Ryzen 7 5700U 240 (Zen AiO 24)
232 (Inspiron 15)
Ryzen 7 4700U 212
Core i7-1065G7 205
Ryzen 5 4500U 202
Core i5-1035G4 195
 :Ryzen 7 5700Uのスコア
 :今回特に比較したいプロセッサーのスコア
※Chromeブラウザで実行

 

グラフィックス関連のベンチマークスコア

次はグラフィックス関連のベンチマークスコアを掲載します。

3DMark Night Raid

グラフィックス関連のスコアは、メインメモリの速度に大きく左右されます。

DDR4-3200のデュアルチャネルメモリを搭載した機種の中で比較すると、Ryzen 7 5700Uを搭載したZen AiO 24はややメモリ速度が速かったので、Core i7-1165G7を上回るスコアが出ていました。Inspiron 15の場合は、Core i7-1165G7とほぼ同等でした。

LPDDR4X-4266のメモリを搭載したパソコンなら、もっとスコアが伸びるでしょう。ただ、昨年の傾向を見ると、LPDDR4X-4266の高速メモリを搭載したRyzen モバイルプロセッサーモデルはほとんどありません。今年も、LPDDR4X-4266を搭載したノートPCの選択肢は少ないのではないかと思います。

3DMark Night Raid
Zen AiO 24
Inspiron 15
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce GTX 1650 45149
GeForce MX450 30425
Core i7-1165G7
メモリLPDDR4X-4266
20052
Core i5-1135G7
メモリLPDDR4X-4266
18718
GeForce MX330 16714
Ryzen 9 4900HS 16322
Ryzen 7 5700U
メモリDDR4-3200
16272 (Zen AiO 24)
14107 (Inspiron 15)
GeForce MX250 15406
Core i7-1165G7
メモリDDR4-3200
14247
Ryzen 7 4700U
メモリDDR4-3200
13861
Core i5-1135G7
メモリDDR4-3200
13316
Ryzen 5 4500U
メモリDDR4-3200
12126
Core i3-1115G4
メモリDDR4-3200
11487
Ryzen 3 4300U 9800
 :Ryzen 7 5700Uのスコア
 :今回特に比較したいプロセッサーのスコア

 

各ゲームのフレームレート

次に、ゲームのフレームレートを計測した結果を掲載します。

なお、ドラクエXとFF14以外は、トレーニングモード等で動かしているときのフレームレートをMSIアフターバーナーで計測しています。まったく同じ状況で再現できるわけではありませんし、シーンが変わればフレームレートは変わってきます。

また、いずれのCPUも、計測した時期が異なります。ゲームのバージョンアップにより、グラフィック品質の設定項目がやや変わっており、完全に同じ条件で計測できていません。

以上のことから、フレームレートについては、参考程度にご覧いただければと思います。

 

スコアが出やすいゲーム、出にくいゲームがありますが、軽めのゲームなら、グラフィック品質設定を下げることで、ゲームは出来なくもありません。ただ、今回掲載していませんが、サイバーパンク2077のような重いゲームをプレイするのは難しいと思います。

Apex Legends
  Zen AiO 24 Inspiron 15
1920x1080 低設定 52 fps 38 fps

Zen AiO 24であれば、LPDDR4X-4266のメモリを搭載したCore i7-1165G7とほぼ同等程度のスコアが出ていました。ただ、フレームレートは60 fpsを切っており、ゲームはできないこともありませんが、たまにカクつくこともあるかと思います。Inspiron 15だと38 fpsまで低下しており、Apexをプレイするにはカクつきが多くなるかなと思います。

他のグラフィックスとの比較(1920×1080、低設定)
GeForce GTX 1650 118 fps
GeForce MX450 99 fps
Core i7-1165G7
メモリLPDDR4X-4266
53 fps
Ryzen 7 5700U
メモリDDR4-3200
52 fps (Zen AiO 24)
Core i5-1135G7
メモリLPDDR4X-4266
50 fps
GeForce MX330 42 fps
Ryzen 7 4700U
メモリDDR4-3200
40 fps
Ryzen 7 5700U
メモリDDR4-3200
38 fps (Inspiron 15)
Ryzen 5 4500U
メモリDDR4-3200
34 fps
※トレーニングモードで計測
VALORANT
  Zen AiO 24 Inspiron 15
1920x1080 低設定 171 fps 146 fps
高設定 61 fps 48 fps

今回の計測では、Ryzen 7 4700Uのスコアを下回っていました。グラフィック品質設定の項目が昔と変わっており、同じ条件でテスト出来ていないということも関係していると思います。

ただ、低設定なら高いフレームレートが出ており、少しグラフィック品質設定を上げたとしても十分ゲームを楽しめると思います。

他のグラフィックスとの比較(1920×1080、高設定
GeForce GTX 1650 143 fps
GeForce MX330 95 fps
GeForce MX450 92 fps
Ryzen 7 4700U
メモリDDR4-3200
76 fps
Core i7-1165G7
メモリLPDDR4X-4266
72 fps
Ryzen 5 4500U
メモリDDR4-3200
68 fps
Ryzen 7 5700U
メモリDDR4-3200
61 fps (Zen AiO 24)
Core i5-1135G7
メモリLPDDR4X-4266
58 fps
Ryzen 7 5700U
メモリDDR4-3200
48 fps (Inspiron 15)
※バトルラボ 最大300fpsで計測
フォートナイト
  Zen AiO 24 Inspiron 15
1920x1080 低設定 158 fps 参考:209 fps
中設定 83 fps 参考:85 fps
高設定 29 fps 参考:29 fps

フォートナイトはかなり高いスコアが出ています。モバイル向けプロセッサーの場合、フォートナイトはインテルCoreよりも、AMD Ryzenのほうがフレームレートが出やすい傾向があるようです。中設定でも60 fps以上の平均フレームレートが出ているので、十分ゲームを楽しめると思います。

なお、いつも計測している場所が無くなってしまい、Inspiron 15は別の場所で計測しています。そのため、フレームレートは他と比較できません。参考値としてご覧ください。

他のグラフィックスとの比較(1920×1080、中設定
GeForce GTX 1650 163 fps
GeForce MX450 143 fps
GeForce MX330 85 fps
Ryzen 7 5700U
メモリDDR4-3200
83 fps (Zen AiO 24)
Ryzen 7 4700U
メモリDDR4-3200
74 fps
Ryzen 5 4500U
メモリDDR4-3200
64 fps
Core i5-1135G7
メモリLPDDR4X-4266
50 fps
Core i7-1165G7
メモリLPDDR4X-4266
49 fps
※バトルラボで計測
PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS
  Zen AiO 24 Inspiron 15
1920x1080 非常に低い 57 fps 38 fps
中型 35 fps 24 fps

Zen AiO 24であれば「非常に低い」グラフィック品質設定にすれば、60 fpsに近いフレームレートが出ており、割と快適にプレイできます。ただ、「非常に低い」設定だと、画質が悪いので、個人的にはもう少し上のスペックのPCがいいのではないかと思います。Inspiron 15の場合は「非常に低い」設定でも低いフレームレートでした。

他のグラフィックスとの比較(1920×1080、非常に低い)
GeForce GTX 1650 137 fps
GeForce MX450 99 fps
GeForce MX330 57 fps
Ryzen 7 5700U
メモリDDR4-3200
57 fps (Zen AiO 24)
Ryzen 7 4700U
メモリDDR4-3200
40 fps
Ryzen 7 5700U
メモリDDR4-3200
38 fps (Inspiron 15)
Ryzen 5 4500U
メモリDDR4-3200
38 fps
Core i5-1135G7
メモリLPDDR4X-4266
31 fps
Core i7-1165G7
メモリLPDDR4X-4266
28 fps
※トレーニングモードで計測
ドラゴンクエストX
  Zen AiO 24 Inspiron 15
1920x1080 最高品質 10304(すごく快適) 8625(とても快適) 

ドラクエXは高いスコアが出ており、「すごく快適」の評価でした。快適にゲームができるでしょう。

他のグラフィックスとの比較(解像度:1920×1080、最高品質)
GeForce GTX 1650 19246
GeForce MX450 18714
GeForce MX330 12947
GeForce MX250 11900
Core i7-1165G7
メモリLPDDR4X-4266
11714
Core i5-1135G7
メモリLPDDR4X-4266
11102
Ryzen 7 5700U
メモリDDR4-3200
10394 (Zen AiO 24)
Ryzen 7 4700U
メモリDDR4-3200
9462
Ryzen 7 5700U
メモリDDR4-3200
8625 (Inspiron 15)
Ryzen 5 4500U
メモリDDR4-3200
7695
※約5500で60fps
ファイナルファンタジー 14 漆黒のヴィランズ
  Zen AiO 24 Inspiron 15
1920x1080 標準(ノート) 36 fps 30 fps 

最も低い画質では30~40 fpsの平均フレームレートです。バトルロワイアルゲームのように、少しのフレームの表示の遅れが命取りになるようなゲームでもないので、プレイできなくもないと思います。

ただ、FF14は、RyzenプロセッサーよりインテルCoreプロセッサーのほうが高いフレームレートが出る傾向がありそうです。

他のグラフィックスとの比較(1920×1080、標準(ノート))
GeForce GTX 1650 115 fps
GeForce MX450 85 fps
GeForce MX330 61 fps
GeForce MX250 60 fps
Core i7-1165G7
メモリLPDDR4X-4266
49 fps
Core i5-1135G7
メモリLPDDR4X-4266
49 fps
Ryzen 7 5700U
メモリDDR4-3200
36 fps (Zen AiO 24)
Ryzen 7 5700U
メモリDDR4-3200
30 fps (Inspiron 15)
Ryzen 7 4700U
メモリDDR4-3200
30 fps
Ryzen 5 4500U
メモリDDR4-3200
29 fps
[以上のゲームのベンチマークスコアおよびフレームレートについて]
※表示しているのは平均フレームレートです
 :Ryzen 7 5700Uのスコア
 :今回特に比較したいプロセッサーのスコア

 

クリエイターソフトの処理時間

以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間です。PC Mark 10の「Digital Content Creation」の項目でもクリエイティブ作業の快適度は掲載しましたが、PC Mark 10は主にフリーソフトでテストを行っており、実際のクリエイターが使用していないソフトも多いです。

以下は、利用者の多いシェアウェアのAdobeソフトを中心に、クリエイティブ作業時の快適性をテストします。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間

Adobe Lightroom Classic CCの現像時間は、まだアプリが最適化されていないのか、かなり遅かったです。何度かやり直してみましたが、同じようなタイムでした。

特にInspiron 15が遅かったので、同じDDR4-3200でも速度が速いcrucialのメモリへ換装してみましたが、それでもCore i7-1165G7などよりも遅かったです。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間
Core i9-10980HK
32GBメモリ
68秒
Core i7-10875H
16GBメモリ
70秒
Core i7-11370H
16GBメモリ
72秒
Ryzen 9 5900HX
32GBメモリ
76秒
Core i9-9980HK
16GBメモリ
77秒 (MacBook Pro 16)
Core i7-10750H
16GBメモリ
80秒
Apple M1 (Rosetta 2)
16GBメモリ
80秒 (MacBook Pro 13 M1)
Ryzen 9 4900HS
16GBメモリ
87秒
Core i7-1165G7
16GBメモリ
89秒
Ryzen 7 4700U
16GBメモリ
91秒
Ryzen 5 4500U
32GBメモリ
91秒
Ryzen 7 4800H
16GBメモリ
94秒
Core i7-10710U
16GBメモリ
96秒
Ryzen 7 5700U
crucial 16GBメモリへ換装
97秒 (Inspiron 15)
Ryzen 7 5700U
16GBメモリ
100秒 (Zen AiO 24)
Core i7-10510U
16GBメモリ
109秒
Ryzen 7 5700U
16GBメモリ
129秒 (Inspiron 15)
※プロファイル補正を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
 :Ryzen 7 5700Uのスコア
 :今回特に比較したいプロセッサーのスコア

 

Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間

何か月か前までは、モバイル向けRyzenプロセッサー搭載PCで、Premiere Proで4K動画の書き出しを行うと異常に遅い現象がありましたが、最近ではそれが改善されています。ただ、10分の4K動画の書き出しに19分以上の時間がかかっており、ややストレスがたまる時間なので、4K動画編集はあまりおすすめしません。

FHD動画の編集であれば、10分の動画に対して5~6分で書き出せているので待てる範囲です。ワープスタビライザーなど一部のエフェクトを除けば、作業は比較的快適に出来ます。

ただし、Core i7-1165G7などのインテルCoreプロセッサーのほうが、書き出しは速いです。

Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間
4K動画の書き出し
Core i7-10750H
RTX 2060
4分51秒
Ryzen 9 5900HX
RTX 3080 16GB
4分55秒
Core i7-10870H
RTX 3070
5分15秒
Core i5-10300H
GTX 1650Ti
5分18秒
Core i7-10750H
GTX 1650
6分34秒
Core i9-9980HK
Radeon Pro 5500M
8分15秒 (MacBook Pro 16)
Core i5-10300H
GTX 1650
8分21秒
Apple M1 (Rosetta 2) 11分3秒 (MacBook Pro 13 M1)
Core i7-1165G7 14分12秒
Ryzen 7 5700U 19分21秒 (Zen AiO 24)
Ryzen 7 4700U 19分55秒
Core i5-1135G7 20分00秒
Ryzen 5 4500U 22分53秒
Ryzen 7 5700U 24分40秒 (Inspiron 15)
Core i7-1065G7 27分23秒
※ 4K/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 2160p 4K Ultra HDのプリセットで書き出したときの時間
 :Ryzen 7 5700Uのスコア
 :今回特に比較したいプロセッサーのスコア
FHD動画の書き出し
Core i7-1165G7 4分6秒
Core i5-1135G7 4分41秒
Ryzen 7 4700U 5分5秒
Ryzen 7 5700U 5分18秒 (Zen AiO 24)
Ryzen 5 4500U 5分57秒
Ryzen 7 5700U 6分26秒 (Inspiron 15)
Ryzen 3 4300U 6分44秒
Core i7-1065G7 7分41秒
※ FHD/30p動画(約10分)に対して、上と同様にして書き出したときの時間
 :Ryzen 7 5700Uのスコア
 :今回特に比較したいプロセッサーのスコア

 

TMPGEnc によるエンコード時間

TMPGEnc Video Mastering Works 7によるx265エンコード時間は、Ryzen 7 5700Uは非常に速かったです。このような全コアの使用率が100%近くになるような処理は、Ryzen 7 5700Uは得意です。

TMPGEnc Video Mastering Works 7によるエンコード時間 (x265)
Ryzen 9 4900HS 10分55秒
Ryzen 5 4600H 13分10秒
Ryzen 7 5700U 13分16秒 (Zen AiO 24)
Core i7-10750H 13分29秒
Ryzen 7 5700U 15分05秒 (Inspiron 15)
Ryzen 7 4700U 15分44秒
Core i7-10710U 19分05秒
Ryzen 5 4500U 19分49秒
Core i7-1165G7 25分41秒
Core i5-1135G7 26分03秒
Ryzen 3 4300U 25分22秒
Core i5-1035G4 27分31秒
Core i7-1065G7 28分26秒
Core i3-10110U 42分20秒
Core i3-8130U 45分24秒
※XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間(x265のエンコーダーを使用)
 :Ryzen 7 5700Uのスコア
 :今回特に比較したいプロセッサーのスコア

 

まとめ

今回、AMDの最新プロセッサー、Ryzen 7 5700Uのベンチマークスコアを計測しました。

Ryzen 7 5700Uは、従来のRyzen 7 4700Uと比較すると、CPU性能が約1.2~1.3倍向上、グラフィック性能は搭載メモリにもよりますが約1.1倍向上していました。

Core i7-1165G7と比較した場合だと、マルチコア性能はRyzen 7 5700Uのほうが約1.3~1.8倍ほど高いです。ただし、シングルコ性能はCore i7-1165G7のほうが高かったです。

ゲームについては、タイトルによって、Ryzen 7 5700Uのほうが高かったり、Core i7-1165G7のほうが高かったりしますが、フォートナイトやPUBGは、Core i7-1165G7より高めのスコアが出ていました。軽いゲームなら、グラフィック品質を落とすことで、ゲームもできると思います。

Adobe系のソフトについては、処理にもよると思いますが、今回試した限りでは、Core i7-1165G7のほうが速く処理が終わっていました。

今回、DDR4-3200のメモリを搭載していましたが、もしLPDDR4X-4266を搭載したRyzen 7 5700Uが発売されたら、スコアをこの記事に追記しようと思います。

 

関連ページ