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MSI GE76 Raider 11Uの実機レビュー
CPU | Core i9-11980HK |
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GPU | RTX 3080 Laptop 16GB RTX 3070 Laptop |
メモリ | 最大 64GB |
ストレージ | 1TB NVMe SSD |
液晶サイズ | 17.3インチ |
液晶種類 | FHD 360Hz 非光沢 / 4K 120Hz 非光沢 |
質量 | 約2.9kg |
バッテリー | 99.9Wh |
価格[税込] | 34万円台~ |
MSI GE76 Raider 11Uは、現時点で最高レベルの性能を備えた、ウルトラハイエンドのゲーミングノートPCです。
最大グラフィックスパワー165WのGeForce RTX 3080を搭載し、CPU内蔵グラフィックスを介さず、直接外部グラフィックスから出力する「ディスクリートグラフィックスモード」にすれば、さらに性能が上がります。
モバイル向けインテル第11世代Coreプロセッサー最上位のCore i9-11980HKを搭載。
液晶も2種類ありますが、360Hz液晶ならゲーマーに、4K液晶ならAdobe RGB 約100%でクリエイターに最適です。
レビュー機は、メーカーからお借りしたサンプル機です。実際に販売されているモデルとは、やや仕様が異なる部分もある可能性があります。
レビュー機の構成
Core i9-11980HK、64GBメモリ、GeForce RTX 3080 16GB、4K 120Hz 液晶
目次
お忙しい方は、「MSI GE76 Raider 11Uの特徴」のみお読みください。
MSI GE76 Raider 11Uの特徴
ノートPC最高峰のグラフィック性能
GeForce RTX 30シリーズ Laptopでは、同じグラフィックスでも機種によってメーカーが設定する最大グラフィックスパワーが異なり、実際のパフォーマンスにも大きな差が出てきます。そのため、搭載する外部GPUだけでなく、最大グラフィックスパワーもチェックすることをおすすめします。
MSI GE76 Raider 11Uで、今回チェックしたGeForce RTX 3080、4K液晶搭載モデルの最大グラフィックパワーは、165Wでした。これまで当サイトでチェックした中では、最も高い値です。
今回計測した3DMark Time Spyの結果は次の通りです。ゲーミングノートPCとして、当サイトでこれまで計測した中では最も高いスコアが出ていました。同じRTX 3080を搭載した機種の中でも高いグラフィックス性能で、ウルトラハイエンドの名にふさわしいゲーミング性能を備えています。
:レビュー機で計測したスコア
W(ワット)は最大グラフィックスパワー
外部GPUから直接出力し、パフォーマンスを上げられる
MSI GE76 Raider 11Uには、GPU Switchという機能を備えています。
通常のノートPCは、負荷状況によって使用するGPUを切り替え、最終的な映像はCPU内蔵グラフィックスを介して行います。いわゆる「Optimus」の技術です。
一方、本製品は、GPU Switchにより、CPU内蔵グラフィックスを介さず、外部グラフィックスから直接出力を行うことができます。
この切り替えは、DRAGON CENTERアプリから行います。
下の画像にあるように、MSHybrid Graphics Modeでは、ディスプレイがCPU内蔵GPUを介して出力されているのに対して、Discrete Graphics Modeを選択すると、ディスプレイがRTX 3080 Laptopを介して出力されているのが分かります。なお、切り替えた後は、この製品の場合、PCを再起動する必要があります。
CPU内蔵グラフィックスを経由しないことで、それによる遅延やオーバーヘッドが発生しないため、フレームレートがアップするというメリットがあります。実際に、今回試した全てのゲームにおいて、ディスクリートグラフィックスモード(Discrete Graphics Mode)時は、フレームレートがアップしていました。一部のゲームでの結果を紹介していますが、ウォッチドッグス レギオンでは8%前後、VALORANTやシャドウオブザトゥームレイダーでは35%~40%以上もフレームレートがアップすることもありました。
軽い部類のゲーム
VALORANT 1920x1080・高設定
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中程度の重さのゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー(DX12) 1920x1080・最高品質
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重い部類のゲーム
ウォッチドッグス レギオン(DX12) 1920x1080・最大品質
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なお、ライトに使用する場合、例えば、メールやウェブ閲覧を行うような場合は、外部グラフィックスを使用する必要がないので、MSHybride Graphics Modeの方が省電力で使用できます。用途に合わせて切り替えて使用するといいでしょう。
GPUオーバークロック可能
MSI GE76 Raider 11Uは、GPU Switchの他に、GPUオーバークロック機能によっても、パフォーマンスを上げることが出来ます。
下の画像のように、GPUのコアクロック、VRAMクロックの設定が可能となっており、GPUをオーバークロックで動作させることが出来ます。
ただし、GPUオーバークロックは製品保証対象外となります。不用意にオーバークロックすると、故障の原因となるので、十分に注意してください。
広色域の4K 120Hz液晶を搭載
MSI GE76 Raider 11UのRTX 3080・4K 120Hz液晶搭載モデルには、色域の広い液晶を搭載しています。当サイトの計測では、Adobe RGBカバー率99.1%でした。Adobe系のクリエイター向けソフトなどを使用するのにも適しており、クリエイターの方の作業用としてもおすすめです。
なお、FHD液晶を搭載したモデルでは、360Hz駆動液晶を搭載しています。こちらは、ノートPCとしては最高レベルのリフレッシュレートを活かして、eスポーツタイトルを本気でプレイするのに適しています。
精悍なデザインと、鮮やかなライティング
MSI GE76 Raider 11Uは、ウルトラハイエンドのゲーミング性能を備えつつ、デザインやライティングにもこだわりが見られます。
コーナーがカットされた天板や、ヒンジ部のデザインには、ステルス機のような精悍(せいかん)さと、機能美を感じます。また、フロント部分全体をカバーするLEDライティングバーも雰囲気がいいです。
ゲーミングノートPCらしい派手さだけでなく、高級感のある、上質なデザインなので、ゲーム以外のクリエイティブな作業を行うハイスペックマシンとしても恥ずかしくないと思います。
Cooler Boost 5
MSI GE76 Raider 11Uは、ウルトラハイエンドの性能を備えているため、非常に高い冷却性能が求められます。さすがに、非常に高い性能をノートPCに搭載しているため、ゲームなどの高負荷時はCPUやGPUの温度が高くなりますが、今回試した範囲では、安定して動作していました。
MSI GE76 Raider 11Uでは、MSIのCooler Boost 5という強力な冷却システムを採用しており、複数のヒートパイプと、2基の冷却ファンを活用して4方向から熱を排出することで、冷却を行っています。また、背面部が少し出っ張っているので、熱を放出しやすいですし、熱がパームレスト部などに伝わりにくくなっています。
99.9Whの大容量バッテリー
MSI GE76 Raider 11Uは、99.9Whの大容量バッテリーを搭載しています。
これは、一般的に飛行機の機内に持ち込めるぎりぎりの容量です。
17.3型と大きく、質量も軽くはありませんが、デスクトップよりも遥かに移動しやすく、大容量バッテリーのおかげで、メールやネットのチェックなど、ちょっとした作業であればバッテリー駆動でも使用することができます。
各用途の快適度
MSI GE76 Raider 11Uの各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 快適に使用できます。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | 4K液晶は色域が広く、画面も17.3型と大きいので、鮮やかな映像に没頭することができます。スピーカー音もとてもよく、快適に動画鑑賞できます。 |
オンライン会議 | ◎ | FHDカメラを搭載し、スピーカー音も良く、スペックも高いです。AIによりマイクとスピーカーのノイズを軽減する機能も搭載し、オンライン会議も快適です。 |
RAW現像 画像編集 |
◎ | CPU性能は十分です。4K液晶は、色域も広く、印刷用の画像の編集にも対応できそうです。RAW現像や画像編集に適した機種です。 |
動画編集 | ◎ | スペック、液晶ともに、動画編集を快適に行うのに十分な性能です。 |
ゲーム | ◎ | ノートPCとしては、トップクラスのゲーミング性能を備えています。レイトレーシングをONにしてのプレイにも適しています。なお、勝ちにこだわるなら、FHD 360Hz液晶搭載モデルがおすすめです。 |
ゲームベンチマーク&フレームレート
MSI Dragon Center
MSI製ノートPCにプリインストールされている「Dragon Center」ソフトの「ユーザーシナリオ」の項目からは、パフォーマンスモードを管理することができます。
パフォーマンスモードは、「究極のパフォーマンス」「バランス」「サイレント」「Super Battery」「ユーザーモード」5つのモードをそれぞれ用途に応じて切り替えることができます。
ここでは、最も高いパフォーマンスが出る「究極のパフォーマンス」のモードで、ゲームの平均フレームレートを掲載します。
eスポーツタイトルのフレームレート
国内で人気の高いeスポーツタイトルの平均フレームレートを掲載します。すべて同じバージョン、同じ状況で計測しているわけではないので、あくまで参考値としてご覧ください。
テストした結果としては、フルHD解像度であれば、高いグラフィック設定でも120 fpsを軽く超えています。VALORANTでは、4K解像度でも、120 fps以上出ています。ゲームタイトルによっては、高解像度でも快適にプレイできそうです。
また、「MSHybridグラフィックスモード」から「ディスクリートグラフィックスモード」にすると、フレームレートがさらに上がっています。タイトルによっては、かなりアップするものもありました。
軽い部類のゲーム
Apex Legends(DX11)
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解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低設定 | 298 fps |
高設定 | 214 fps | |
3840×2160 | 高設定 | 96 fps |
軽い部類のゲーム
VALORANT
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---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低設定 | 356 fps |
高設定 | 286 fps | |
3840×2160 | 高設定 | 122 fps |
軽い部類のゲーム
フォートナイト
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解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低設定 | 361 fps |
高設定 | 228 fps | |
最高設定 | 188 fps | |
3840×2160 | 最高設定 | 63 fps |
軽い部類のゲーム
PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS
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解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 非常に低い | 198 fps |
中型 | 192 fps | |
ウルトラ | 196 fps | |
3840×2160 | ウルトラ | 90 fps |
その他のゲームタイトルのフレームレート
その他のゲームのベンチマークスコアを下の表に掲載します。表は、「MSHybrid」で計測した須加尾を計測しています。ただし、グラフには、「ディスクリートグラフィックスモード」での計測結果も反映しています。
サイバーパンク2077や、ウォッチドッグス レギオンなどの重いゲームでも、60 fpsを軽く超えています。また、ディスクリートグラフィックスモードにすると、全てのタイトルで、当サイトで計測したゲーミングノートPCとしては最高のフレームレートが出ていました。まぎれもなく、ウルトラハイエンドのゲーミング性能と言えます。
重い部類のゲーム
サイバーパンク2077(DX12)
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解像度 | 品質 | DLSS | 平均fps |
1920x1080 | 低 | オフ | 123 fps |
高 | オフ | 91 fps | |
ウルトラ | オフ | 79 fps | |
自動 | 100 fps | ||
3840×2160 | ウルトラ | 自動 | 57 fps |
重い部類のゲーム
ウォッチドッグス レギオン(DX12)
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---|---|---|---|
解像度 | 品質 | DLSS | 平均fps |
1920x1080 | 低 | オフ | 86 fps |
高 | オフ | 78 fps | |
最大 | オフ | 72 fps | |
高性能 | 73 fps |
重い部類のゲーム
ボーダーランズ3(DX12)
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---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 低 | 133 fps |
高 | 106 fps | |
ウルトラ | 92 fps | |
3840×2160 | ウルトラ | 44 fps |
重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15(DX11)
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||
---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 軽量品質 | 156 fps |
標準品質 | 137 fps | |
高品質 | 108 fps | |
3840×2160 | 高品質 | 53 fps |
重い部類のゲーム
ファンタシースターオンライン ニュージェネシス
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---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps(スコア) |
1920x1080 | 最低 | 174 fps(049086) |
中 | 158fps(042467) | |
高 | 136fps(032575) | |
ウルトラ | 115fps(022547) | |
3840×2160 | ウルトラ | 53fps(004861) |
中程度の重さのゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー(DX12)
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---|---|---|---|
解像度 | 品質 | DLSS | 平均fps |
1920x1080 | 最低 | ― | 95 fps |
中 | ― | 94 fps | |
最高 | ― | 91 fps | |
3840×2160 | 最高 | オン | 68 fps |
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 漆黒のヴィランズ(DX11)
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---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 標準(ノート) | 21465 / 190 fps |
高(ノート) | 20258 / 175 fps | |
最高品質 | 17374 / 144 fps | |
3840×2160 | 最高 | 9812 / 66 fps |
軽い部類のゲーム
ドラゴンクエストX
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---|---|---|
解像度 | 品質 | 平均fps |
1920x1080 | 最高品質 | 23561(すごく快適) |
レイトレーシング&DLSS有効時のフレームレート
リアルタイムレイトレーシングを有効にし、さらにDLSSを有効にしたときのフレームレートを下に掲載します。
サイバーパンク2077では、最高設定でも70 fps以上出ています。また、ウォッチドッグス レギオンでも、最高設定で59 fps出ているので、十分快適にプレイできます。
レイトレーシングをONにしてゲームを楽しみたい方にも、GeForce RTX 3080 Laptop 16GBのグラフィックスを搭載したモデルはおすすめです。
重い部類のゲーム
サイバーパンク2077
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---|---|---|---|
解像度 | 品質 | DLSS | 平均fps |
1920x1080 | レイトレ:中 | パフォーマンス | 75 fps |
レイトレ:ウルトラ | パフォーマンス | 74 fps |
重い部類のゲーム
ウォッチドッグス レギオン
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---|---|---|---|---|
解像度 | 品質 | レイトレ | DLSS | 平均fps |
1920 x 1080 |
最大 | 中 | 高性能 | 62 fps |
最大 | 高性能 | 59 fps |
その他のゲーム
上に掲載していない他のゲームのフレームレートについては、下を参考にしてください。
ディスプレイのチェック
MSI GE76 Raider 11Uのディスプレイのチェックです。
今回チェックしたのは、4K 120Hz駆動液晶です。パネルは、「B173ZAN03.3」でした。
色域が非常に広くて、見やすく、ゲームもクリエイティブな作業もしやすい液晶です。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。なお、最大輝度は、当サイトの計測では403cd/m2と高めです。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
色域は広いです。当サイトの計測結果は、以下の通りです。
sRGBカバー率 | 99.3% |
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DCI-P3カバー率 | 87.1% |
Adobe RGBカバー率 | 99.1% |
遅延
キーを押してから、メモ帳に文字が表示されるまでの時間(表示遅延)をハイスピードカメラで撮影し計測したところ、約62msでした。他の一般的なノートPCで計測したところ80ms前後が多かったので、遅延はやや少ないと思います。なおこれは、液晶だけでなくPC全体の遅延となります。
残像
「UFO Test」のサイトの左から右へ移動するUFOを十分速い1/2000のシャッタースピードで撮影したところ、120Hzのディスプレイで2フレーム前くらいまでの残像がありました。普通のノートPCは、60Hzディスプレイで同じくらいの残像だったので、本製品のディスプレイの残像は少ないと思います。
キーボードおよびタッチパッドのチェック
MSI GE76 Raider 11Uのキーボードとタッチパッドのチェックです。
キーボードとタッチパッドのチェックです。
実測で、キーピッチは横:約18.5mm、縦:約19mm、キーストロークは約2.0mmです。キートップはほぼフラットで、目立って小さいキーもありません。
実際に打ってみると、深めのキーストロークで、しっかりとした打鍵感があり、底付きの衝撃も少なく、比較的打ちやすいキーボードでした。
キーボードにはLEDバックライトも搭載しています。
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。ここでは、いくつかある動作モードのうち、デフォルトの「バランス」と、最も高いパフォーマンスが出る「究極のパフォーマンス」でベンチマークなどを計測しました。
CPU
CPUにはCore i9-11980HKを搭載しています。ノートPC用のインテル第11世代Coreとしては、最高レベルの仕様です。
コア/ スレッド |
Max Boost [GHz] |
Base [GHz] |
Cache | TDP | |
Core i9-11980HK | 8 / 16 | 5.0 | 2.6 - 3.3 | 24MB | 45-65W |
Core i9-11900H | 8 / 16 | 4.9 | 2.1 - 2.5 | 24MB | 35-45W |
Core i7-11800H | 8 / 16 | 4.6 | 1.9 - 2.3 | 24MB | 35-45W |
Core i5-11400H | 6 / 12 | 4.5 | 2.2 - 2.7 | 15MB | 35-45W |
Core i5-11260H | 6 / 12 | 4.4 | 2.1 - 2.6 | 12MB | 35-45W |
Core i7-11370H | 4 / 8 | 4.8 | 3.0 - 3.3 | 12MB | 28-35W |
Core i5-11300H | 4 / 8 | 4.4 | 2.6 - 3.1 | 8MB | 28-35W |
ただし、思ったほどベンチマークスコアは伸びませんでした。それでも、ゲームや、クリエイター向けソフトを使用するのに、十分の処理性能だとは思います。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
グラフィックス
グラフィックスにはRTX 3080 Laptop 16GBを搭載しています。最大グラフィックスパワーが165Wと高いため、ノートPC用のグラフィックスとしては非常に高いスコアが出ています。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
W(ワット):最大グラフィックスパワー
GPU-Zで確認したGeForce RTX 3080 Laptop 16GBの情報は次の通りです。動作モードを変えても、GPUクロックは変化しませんでした。
ストレージ
1TBのNVMe SSDを搭載しています。PCIe Gen4 SSDなので、速度も高速です。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
SDカードスロットを搭載しています。読み込み速度は普通です。
なお、まだカード自体が普及していませんが、カードリーダーはSD-Express対応のようです。
クリエイターソフトの処理時間
各クリエイターソフトの処理時間を掲載します。ここでは、「究極のパフォーマンス」 モードで計測した結果のみ掲載します。なお、グラフィックスモードは、MSHybridモードです。
CPUの性能が高く、64GBと大容量のメモリを搭載しているため、現像にかかる時間はかなり短いです。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
「Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください
比較的重い機能を実行しましたが、いずれも数秒で終わっており、快適に作業できます。ニューラルフィルター(JPEGのノイズを削除)では、1分ほどかかっています。最新バージョンでは、長めの時間がかかる傾向があるので、これでもかなり速い方です。
処理時間 | |
ニューラルフィルター(肌をスムーズに) | 約3秒 |
ニューラルフィルター(JPEGのノイズを削除) | 約1分1秒 |
ニューラルフィルター(スタイルの適用) | 約3秒 |
スーパー解像度 | 約3秒 |
コンテンツに応じた塗りつぶし | 約3秒 |
被写体を選択 | 約2秒 |
ノート最高レベルの性能のグラフィックスなので、書き出し速度はかなり速いです。
※ グラフィックスは全てノートPC用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
CPUのみで実行するソフトウェアエンコードはそこそこの速さです。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
USB Type-Cポートを利用して、純正以外の充電器やドックが使えるかを試しました。
USB Type-Cポートは2ポートあります。背面のUSB-Cポートは、Thunderbolt 4、Display Portに対応しています。Power Deliveryには対応していませんが、その他の機能は全て使用できました。
なお、側面のUSB-Cポートは、Thunderbolt、Display Port、Power Deliveryに対応していません。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | × | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | × | ○ | ○ | |
PD充電器 ※1 |
61W RAVPower GaN充電器 | × | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | × | ― | ― | |
30W RAVPower GaN充電器 | × | ― | ― | |
18W cheero充電器 | × | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 | × | ○ | ― |
Philips 258B6QUEB/11 | × | ○ | ○ |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
HDMIの動作チェック
4KテレビへHDMI経由で出力すると、4K、60Hz、RGBで出力できていました。また、GeForce RTX 3080 Laptopからの出力となっています。
質量のチェック
質量のチェックです。
メーカーサイトには「約2.9kg」と記載されています。当サイトで計測した質量はもう少し重めでした。17型のハイスペックゲーミングノートPCなので、重いです。ACアダプターも大きくて重いため、本体と合わせると4kgを超えています。
質量 | |
PC本体 | 3.022kg |
ACアダプター | 1056.1g |
バッテリー駆動時間のチェック
MSI GE76 Raider 11Uのバッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は99.9Whとなっており、ノートPCとしてはかなり大きい容量です。当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は次のようになります。バッテリー駆動時間自体は長くありませんが、ハイエンドのゲーミング性能で、4K液晶を搭載した機種の割りには、バッテリー駆動時間は長めだと思います。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0測定方法 | ー |
(2) PCMark 10 Modern Office | 5時間6分 |
(3) 動画再生時 | ー |
(4) PCMark 10 Gaming | 1時間41分 |
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) PCMark 10 Battery内のゲームを実行。NVIDIAの設定で最大30fpsに制限
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU電力およびCPU温度の推移を確認します。
バランスモードでは、CPU電力が約45W前後で推移しています。Core i9-11980HKのcTDP-downは45W、cTDP-upは65Wなので、低くはないものの、高くもないCPU電力です。CPU温度は95℃前後と高いです。
究極のパフォーマンスでも、CPU電力、CPUクロック、CPU温度全てにおいて、大きな変化はありません。どちらのモードでも、CPU温度は高めです。もう少し冷却性能が高ければ、CPUのパフォーマンスも伸びたのかなという感じます。
- バランス
- 究極のパフォーマンス
ゲーム時のGPU温度の詳細
ファイナルファンタジー15のゲームベンチマーク実行中のCPU温度およびGPU温度は下図の通りです。どちらのモードでも、CPU温度には大きな差はありません。ただ、GPU温度に関しては、バランスモードが87℃近くまで上昇しているのに対して、究極のパフォーマンスモードでは、GPU温度が80℃以下に抑えられています。究極のパフォーマンスの方が、ファンの回転速度が上がるためだと思われます。
ファンの音が気にならなければ、ゲームをプレイ時は、究極のパフォーマンスを選択するとよさそうです。
- バランス
- 究極のパフォーマンス
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時は、ほぼ無音です。バランスモードであれば、ゲーム時でも低めの騒音値ですが、究極のパフォーマンスモードでは、ファンの回転速度がアップするので、うるさく感じるかもしれません。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。
ゲーム中はキーボードの温度はそれなりに熱くなります。ただ、手のひらが触れるパームレストの温度はほとんど上がらないので、不快に感じることはなさそうです。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。確認できた最も高い数値を掲載していますが、数値は変動するため参考程度にご確認下さい。
4K液晶を搭載し、搭載しているパーツの性能も高いので、高負荷時には、ゲーミングノートPCの中では高い消費電力となります。
外観のチェック
MSI GE76 Raider 11Uの外観のチェックです。
ボディカラーは、チタニウムブルーです。
天板には、ドラゴンのMSIロゴマークがあります。印刷ではなく、立体感のあるエンブレムでかっこいいです。
閉じた時の画像です。厚さは25.9mmと普通です。
スピーカーは、キーボード面の左右と、側面の左右に、ステレオスピーカー2基、ウーファー2基を備えています。音質は結構いいです。ノートPC基準で、10点満点で採点すると7点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。
Webカメラは、207万画素のフルHDカメラです。HDカメラよりも精細な映像・画像が撮れます。なお、顔認証には対応していません。
ポート類です。USB3.2 x3、USB-C x2(背面のポートはThunderbolt 4、Display Port、Power Deliveryに対応)、HDMI、Mini DisplayPort、LANポート、SDカードリーダーを備えており、種類も数も十分です。電源、LAN、外部ディスプレとの接続ポートが背面に配置されているので、接続時も邪魔になりません。
液晶が開く最大の角度です。
底面です。2基の冷却ファンが見えます。
ネジの1つに「FACTORY SEAL」が貼られています。このシールを剥がすと、保証対象外となるためご注意下さい。
ACアダプターは、280W(20.0V、14A)と大容量です。分厚くて、重いです。
まとめ
以上が、MSI GE76 Raider 11Uのレビューです。
最大グラフィックスパワーが高く、今回試したモデルは、RTX 3080 Laptop 16GBを最大165Wで駆動する設定となっていました。また、GPU Switchの機能を備えており、ディスクリートグラフィックスモードにすることで、ゲーム時のフレームレートがアップしていました。ゲームタイトルによりますが、30%以上フレームレートがアップするゲームもありました。
今回試した液晶は、4K 120Hz液晶でしたが、ゲームを高画質でプレイできるだけでなく、色域が広く、本格的なクリエイティブ作業にも使用出来るレベルでした。画像編集、動画編集、3DCGといった幅広いジャンルに対応できる、プロクリエイター用のPCとしてもおすすめです。一方、eスポーツタイトルなどを本気でプレイする方は、FHD 360Hz液晶を搭載したモデルが適しています。
その他、機能的でデザイン性の高いボディ、大容量バッテリー、優れたサウンドのスピーカー、最大2.5Gbps対応のLANなど、全体的に一つ上の機能を備えています。
どこにも妥協したくない、プロユーザーに適した機種です。
ウルトラハイエンドの性能と機能を備えた17.3型ゲーミングノート
MSI GE76 Raider 11U
特徴
- RTX 3080を最大グラフィックスパワー165Wで駆動
- 17.3型の4K 120Hz / FHD 360Hz 液晶を搭載
- ディスクリートモードでゲーミング性能がさらにアップ
こんなあなたに
- 最高性能のゲーミングノートPCが欲しい方
- 高負荷のクリエイティブ作業に使用したい方
- 価格34万円台[税込]~
カスタマイズするならArk
メモリやストレージをカスタマイズするなら、MSI認定のショップのパソコンSHOPアーク(Ark)がおすすめです。
4KディプレイモデルはMSIストアでのみ販売
4Kディスプレイ、GeForce RTX 3080のモデルは、MSIストアでのみ販売されています。
購入はこちら(MSIストア)
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
関連ページ
MSIのゲーミングノートパソコンの一覧ページ。各モデルの簡単なスペックとコメントを掲載。
ハイエンドのRyzen 9 5900HXと、ノートPCとしては最高峰の性能のRTX 3080 Laptop 16GBを搭載したゲーミングノートPC。17.3型液晶は300Hzの超高リフレッシュレートに対応。
ゲーミングノートパソコンの比較ページ。ALIENWAREやGALLERIA、NEXTGEAR-NOTE、OMENといったゲームブランドノートPCの比較。
パソコンに必須のセキュリティソフトの比較ページ。セキュリティソフトの選び方や、比較一覧表、用途ごとのおすすめ製品などを掲載。