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マウス NEXTGEAR-NOTE i71000 の実機レビュー

更新日:2016年6月30日

中身はデスクトップ

マウス NEXTGEAR-NOTE i71000は、GeForce GTX 980を搭載し、中身はデスクトップな17.3型ゲーミングノートPCです。

デスクトップ用グラフィックスおよびデスクトップ用CPUを搭載することで、Oculus RiftなどのVRも動作させることが可能です。

PCIe-NVMe 接続のM.2 SSDに2.5インチストレージを搭載。Killer LANにも対応し、映像出力ポートもHDMI、DisplayPort x2個と豊富です。

価格は26万円以上しますが、性能はかなり高いです。

メーカー直販サイト:
マウス(NEXTGEAR-NOTE i71000)


※レビュー機はメーカーからの借用品です

目次

NEXTGEAR-NOTE i71000の基本スペック

NEXTGEAR-NOTE i71000の基本スペックをチェックします。特徴的な部分は赤字にしています。※2016年6月30日時点の情報です。時期が経つと選択できるパーツは異なる可能性があります。詳細はメーカーサイトでお確かめ下さい。

CPU
デスクトップ用の第6世代Core i7を搭載しています。本機はCore i7-6700Kです。
グラフィックカード
デスクトップ用GeForce GTX 980(8GB)を搭載しています。
液晶ディスプレイ
17.3型ワイドの非光沢IPS液晶です。解像度はフルHD(1920×1080)です。
メモリ
最大で64GBのメモリを選択できます。本機は16GB(8GB×2)を搭載しています。
M.2 SSD
M.2 SSDを選択可能です。本機は512GB PCIe-NVMe SSDを搭載しています。
2.5インチ HDD/SSD
2.5インチストレージを選択可能です。本機は1TBのHDDを搭載しています。
光学ドライブ
光学ドライブは非搭載です。
 
その他
バッテリー駆動時間は約2時間、重量は約3.9kgです。

特徴1 - デスクトップ用グラフィックス&CPUを搭載

NEXTGEAR-NOTE i71000は、ノートパソコンではありますが、グラフィックスおよびCPUに、デスクトップ用のパーツを用いた超高性能ノートパソコンです。


デスクトップ用のGPU&CPUを搭載

ノートPC(GTX 980M機)とグラフィック性能を比較

グラフィックスには、デスクトップ用のGeForce GTX 980を搭載しています。ここでは、本製品と通常のゲーミングノートPCと、グラフィック性能を比較してみます。比較するのは、ノート用グラフィックの中で最も性能の高いGeForce GTX 980Mを搭載した製品です。下表の通り、ゲームにもよりますが平均して約1.5倍もの性能差がありました。

グラフィック性能の比較
  NEXTGEAR-NOTE i71000 他社製品
GeForce GTX 980 (8GB) GeForce GTX 980M (8GB)
FF XIV 蒼天のイシュガルド(FHD,最高品質) 12221 8996
ドラゴンズドグマオンライン(FHD,最高品質) 12951 7760
ライズ・オブ・トゥームレイダー(FHD,最高品質) 81 fps 55 fps
ファークライ プライマル(FHD,最高品質) 71 fps 44 fps
3DMark - FIRE STRIKE 11232 8152

ノートPC(Core i7-6700HQ機)とCPU性能を比較

CPUは、デスクトップ用のCore i7-6700またはCore i7-6700Kのモデルを選択可能で、本製品はCore i7-6700Kを搭載しています。ここでは、本製品と通常のゲーミングノートPCと、CPU性能を比較してみます。比較するのは、ゲーミングノートPCで最も多く使用され、非常に高性能なCore i7-6700HQです。下表の通り、約1.4倍もの性能差がありました。

CPU性能の比較
  NEXTGEAR-NOTE i71000 他社製品
Core i7-6700K Core i7-6700HQ
Passmark - CPU MARK 11171 8608
TMPGEnc - x265でエンコード 14分35秒 22分10秒

冷却も問題なし

小さなノートパソコンに、デスクトップのパーツを搭載しているとなると、パーツの温度の温度上昇が気になるところです。当サイトで計測した結果では、かなり高い負荷をかけるとパーツ温度はやや高めになりますが、それでも許容範囲内の温度で、ゲームのフレームレートも落ちたりすることもありませんでした。詳細は、レビューページ内の「パーツ温度のチェック」や「ゲームベンチマーク」の項目をご覧ください。

特徴2 - Oculus RiftやHTC Viveも動く

ノートPCに、デスクトップのパーツを詰め込んでいる本製品ですが、そこまでするならデスクトップPCを買えばいいのではないかと感じるのではないかと思います。

ノートPCにデスクトップパーツをわざわざ使用した理由の1つは、持ち運べるVR環境を作りたかったからだと思います。Oculus RiftやHTC Viveの推奨環境として「グラフィックはGeForce GTX 970以上」とありますが、ノートパソコン用グラフィックスの場合、最高性能のGeForce GTX 980Mでもスペックが足りません。そこで、ノートPCにデスクトップ用のGeForce GTX 980のグラフィックスを搭載したのだと思われます。

VR環境を持ち運ぶことについて、個人ではそれほど需要はないかもしれませんが、VRのデモなどをしたい法人には需要があると聞いたことがあります。

VRの動作チェック

Oculus RiftとHTC Vive(SteamVR)の動作チェック結果です(下図)。両方のチェックツールで「OK」という結果が出ました。


Oculus Riftの動作チェックツールの実行結果


HTC Vive(SteamVR)のパフォーマンステスト結果

 

また、Oculus Riftを接続し、いくつか実際にプレイしてみましたが、カクついたりすることなく、問題なく動作しました。


Oculus Riftを実際にプレイ

特徴3 - トリプルストレージを搭載可能

NEXTGEAR-NOTE i71000は、M.2スロットと、2.5インチベイが2つあり、最大で3台のストレージを搭載することが可能です。データ領域やバックアップ領域を別のストレージに分けるなどの運用が可能になります。

ただし、購入画面から選択できるのは2台までで、3台目を搭載する場合は自分で増設する必要があります。


M.2 SSD と 2.5インチストレージを搭載可能

ゲームベンチマーク

上でいくつかベンチマーク結果を掲載しましたが、ここでは詳細なベンチマーク結果を掲載します。

また、似たような構成のデスクトップPCと比べて、ベンチマークスコアが劣ることはないかを確認してみます。なお、グラフィックスは、デスクトップPCは"4GB"メモリのGeForce GTX 980であるのに対し、NEXTGEAR-NOTE i71000は"8GB"メモリのGeForce GTX 980になっておりスペックがやや高くなっています。

結果は下表のとおりです。ノートPCの狭い筐体で動かしているため、熱などの問題でデスクトップPCほどのベンチマークスコアは出ないのではないかと懸念していましたが、杞憂でした。むしろグラフィックスのメモリが多い分、NEXTGEAR-NOTE i71000のほうが高いスコアが出ていました。

各ベンチマークのスコアも高く、1920x1080の解像度なら、ほぼどんなゲームも快適に動くでしょう。

ゲームベンチマーク
製品名 マウス
NEXTGEAR-NOTE i71000
デスクトップPC
基本スペック Core i7-6700K
GTX 980(8GB)
Core i7-6700
GTX 980(4GB)
ファイナルファンタジー XIV 蒼天のイシュガルド (DirectX 11) 標準品質 ★ 20999 (非常に快適) 19538 (非常に快適)
高品質 ★ 14159 (非常に快適) 12975 (非常に快適)
最高品質 12221 (非常に快適) 11646 (非常に快適)
ドラゴンズドグマオンライン
低品質 13449 (とても快適) 9695 (とても快適)
標準品質 13447 (とても快適) 9645 (とても快適)
最高品質 12951 (とても快適) 9257 (とても快適)
ファンタシースターオンライン2 EP4 描画:3 108463 (快適) 65869 (快適)
描画:6 54117 (快適) 33186 (快適)
バイオハザード6 RANK S (18450) RANK S (17598)
モンスターハンターフロンティア 第三弾(大討伐) 27708 28057
ドラゴンクエストX 標準品質 19585 (すごく快適) 18877 (すごく快適)
最高品質 19395 (すごく快適) 18506 (すごく快適)
ライズオブトゥームレイダー 最低品質 160 fps 128 fps
中品質 107 fps 98 fps
最高品質 81 fps 81 fps
ファークライ プライマル 低い 122 fps 105 fps
高い 89 fps 83 fps
最高 71 fps 64 fps
ドラゴンエイジ:インクイジション 低品質 183 fps 164 fps
高品質 98 fps 90 fps
最高品質 65 fps 62 fps
GRID Autosport ウルトラロー 394 fps 337 fps
ミディアム 204 fps 166 fps
ウルトラ 139 fps 121 fps
Metro Last Light Low 161 fps 136 fps
High 137 fps 119 fps
Very High 111 fps 97 fps
スリーピングドッグス 低品質 256 fps 218 fps
高品質 155 fps 136 fps
最高品質 85 fps 75 fps
★デスクトップPCの場合は「標準品質(デスクトップPC)」と「高品質(デスクトップPC)」、ノートPCの場合は「標準品質(ノートPC)」と「高品質(ノートPC)」の設定にしています。
※フレームレート(fps)の掲載値は、平均値です。最小値や最大値ではありません
※CPUやメモリなどの環境によってスコアが変わる点はご了承ください。
※ファイナルファンタジー XIV 蒼天のイシュガルドは、約7700スコアで平均60fps(当サイト調べ)
※ドラゴンズドグマオンラインは、約5800スコアで平均60fps(当サイト調べ)
※ファンタシースターオンライン2 EPISODE4は、約4500スコアで平均60fps(当サイト調べ)
※バイオハザード6は、約9000スコアで平均60fps(当サイト調べ)
※モンスターハンターフロンティア 第三弾(大討伐)は、約6000スコアで平均60fps(当サイト調べ)
※ドラゴンクエストXは、約5500スコアで平均60fps(当サイト調べ)
※通常の液晶ディスプレイは60Hz駆動であるため、ゲームを快適にプレイするには平均60fpsは欲しいです。ただし、平均fpsが60でも最小fpsはもっと小さいため、60fpsを切らないようにプレイするには平均80~100fpsは欲しいです。また、120Hz駆動の液晶ディスプレイを使用している方は、平均120fpsは欲しいです。

 

GPU-Zで確認したGeForce GTX 980の情報は次の通りです。


GeForce GTX 980のグラフィックカードのスペック

液晶ディスプレイのチェック

液晶ディスプレイのチェックです。

IPSパネルを使用しているため、視野角は良いです。


視野角(斜めから見たときの見やすさ)

 

カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、やや寒色系の画面ですが、ゲームをするならこのくらいの調整でもいいと思います。



※見方の詳細については、miyahan.com様、DOS/V Power Report様のページをご確認ください

 

色域は普通です。


ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

 

画素形状です。ギラつきは特に感じません。見やすいです。


 

非光沢液晶ですので、映り込みも軽減されています。

画面への映り込み

キーボードおよびタッチパッドのチェック

キーボードとタッチパッドのチェックです。

実測でキーピッチは横:約18.5mm、縦:約19mm、キーストロークは約2mmです。キートップは湾曲しており指がフィットしやすく、底つきの衝撃も少なく押しやすいキーボードだと思います。

ただし、「.」や「,」などの一部のキーピッチがやや狭いです。


キーボード全体図


キーの拡大図1


キーの拡大図2

 

タッチパッドのクリックボタンは独立しており、軽い力で押せるためクリックしやすいです。タッチパッドの指の動かしやすさは普通です。


タッチパッド

 

キーボードバックライトも搭載しています。3つのブロックごとに色を変えたり、ウェーブやフラッシュで色を変化させることも可能です。明るさは4段階で調節できます。


キーボードバックライト


FLEXIKEYのソフト(バックライトキーボードの設定)

 

「FLEXIKEY」のソフトを使用すると、複数のキー入力やアプリケーションの起動などのマクロを、好きなキーに設定することができます。


FLEXIKEYのソフト(マクロの設定)

 

「CONTROL CENTER」のソフトを使用すると、左ウィンドウズキーを無効化することも可能です。これによりゲーム中に誤って押してスタートメニューが表示されてしまうことを防ぐことができます。また、このソフトを使用すると、他にもヘッドホンの設定、ファン速度の調整などが可能です。




CONTROL CENTER

パフォーマンスのチェック

パフォーマンスのチェックです。

ノートパソコンの中では、最上級のスペックです。マウスの最上位モデルにはNEXTGEAR-NOTE i71101という機種もありますが、こちらはGeForce GTX 980MのSLI構成となっています。SLIに対応したゲームであればこちらのほうが高いフレームレートが出るはずですが、対応していなければ本製品のほうが高いフレームレートが出ます。

なお、Oculus RiftはSLIに対応していないので、Oculus Riftの購入を検討中であれば、本製品を購入したほうが良いです。また、SLI機は扱いが面倒で、不具合時の原因特定が難しいので、筆者はシングルGPUの本製品のほうがおすすめです。

Core i7-6700K、GeForce GTX 980、16GB メモリ、512GB PCIe-NVMe SSDの構成でのベンチマーク結果は次の通りです。非常に高いスコアです。

PassMark Performance Test 8.0

3DMark v2



PCMark 8

動画のエンコード時間

TMPGEnc Video Mastering Works 6によるエンコード時間
  Core i7-6700K
GeForce GTX 980(8GB)
x265でエンコード (※1) 14分35秒
x264でエンコード (※2) 7分06秒
NVENCでエンコード (※3) 4分23秒
QSVでエンコード (※4)

ストレージのベンチマーク

PCIe-NVMe接続のM.2 SSDを搭載しており非常に高速です。


512GB SAMSUNG SM951-NVMe M.2 SSD (PCI Express x4接続)

SDカードのベンチマーク

UHS-Ⅱのカードにも対応し、高速なアクセスです。


UHS-Ⅱ対応カード

 

 

 


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