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レノボ ThinkPad T430の実機レビュー

更新日:2012年9月5日

多彩なオプションを装着可能

ThinkPad T430は、ポート・リプリケーターやミニ・ドック、増設バッテリ、HDDベイアダプターなど、多彩なオプション製品を装着できる14型ノートパソコンです。

約2.14kgと軽くはないですが、持ち運べない重量ではないため、モバイルPCとして使用する方もいます。外ではモバイル機として使い、室内ではミニ・ドックへ接続し、3画面表示で作業をするといったことも可能です。

HD+(1600x900)の液晶を選択できる点も珍しいです。ただし、この液晶にはギラつきの多いパネルが搭載される可能性があります。詳細は後述します。

メーカーサイト:レノボ 公式サイト

※レビュー機は当サイトでの購入製品です

目次

ThinkPad T430 の基本スペック

ThinkPad T430の基本スペックを下記に紹介します。※2012年9月5日現在の情報です。BTOという性質上、時期が経つと選択できるパーツは異なってきます。

CPU
第3世代インテルCPUのCore i3~i7まで選択可能です。本機はCore i5-3210Mです。
グラフィックカード
CPU内蔵または専用GPUを選択できます。本機は、NVIDIA NVS 5400M(2G)です。
液晶ディスプレイ
14型ワイドの非光沢液晶です。解像度はHD、HD+の中から選択可能です。本機はHD+(1600x900)です。
メモリ
容量は選択できます。本機は、4GB(シングルチャネル)です。

ハードディスク
容量は選択できます。本機は500GB HDD+mSATA SSDです。

SSD
容量は選択できます。本機は、単体のSSDは未搭載です。ただし、左の通りHDDを高速化するmSATA SSDは搭載しています。
光学ドライブ
DVDスーパーマルチドライブです。ウルトラベイ・エンハンスド(脱着式)対応です。
バッテリ駆動時間
バッテリ駆動時間は、6セルバッテリ搭載時のメーカー公表値で約9.7時間です。

特徴1 - 多彩なオプションを装着可能

ThinkPad T430には、多くのオプション製品が用意されております。

「ThinkPad USB3.0 ミニ・ドック プラス シリーズ 3 - 90W(433815J)」は、USB3.0やVGA、DVI、DisplayPortなどのポートを装備し、パソコンをこのドックに置くだけで、ポートに接続している全ての周辺機器を使用できます。特に、NVIDIA Optimusテクノロジ装備のグラフィックスを搭載すれば、3つのビデオ・ポートの同時使用が可能です(サポートに聞いたところ、本体液晶を含めて3画面表示可能と言われました。以前は4画面表示可能だったと思ったのですが・・・)。

「ThinkPad バッテリー 28++ (9 セル/スライス)」は、標準バッテリを搭載したまま、追加で装着できるバッテリです。重量は約600gほどありますが、バッテリ駆動時間はかなり伸びます。仕様では内蔵9セル・バッテリ+本スライスバッテリで約32.4時間駆動します。

「ThinkPad SATA ハードディスクドライブ・ベイアダプター3」は、光学ドライブ部分に、追加のハードディスクを装着するアダプターです。これにより、内蔵SSDと組み合わせれば、SSD+HDDの構成も可能です。

この他にもたくさんのオプションが用意されており、パソコンの活用の幅が広がります。

ThinkPad T430のオプション例

ThinkPad USB3.0 ミニ・ドック プラス シリーズ 3 - 90W
433815J
※その他、433615W、433715J、433835Jなどもあり

ThinkPad バッテリー 28++ (9 セル/スライス)
0A36304

ThinkPad SATA ハードディスクドライブ・ベイアダプター3
43N3412

Lenovo イージー・リーチ・モニター・スタンド
55Y9258

特徴2 - HD+(1600x900)の液晶を搭載可能

ThinkPad T430は、HD+(1600x900)液晶を選択可能な点も特徴です。

通常のノートPCは、HD(1366x768)の解像度ですが、それよりも解像度が広いため、デスクトップ領域を広く使うことができます。


T430で選択できる解像度

 

ThinkPad T430に搭載されるHD+の液晶パネルの種類は、下の表のとおりです。

LGやSamsungの液晶パネルが搭載されれば良いですが、AUOの液晶パネルが搭載された場合、ギラつきがきついです。長時間の使用には向きません。ただ液晶パネルメーカーは選べないため、運に頼るしかありません。

なお、各パネルの詳細については、ThinkPad T430sのLCDパネルの比較をご覧ください。こちらの機種と搭載される液晶パネルは同じです。

ThinkPad T430で使用されるLCDパネル(2012年9月1日現在)
FRU PN Name 社名 型番 感想 レビュー記事へのリンク
04W3331 LGD 14.0"HD+ A LG LP140WD2-TLD2 普通 ThinkPad T430のレビュー(本機)
不明 ※1
04W3922?
93P5685?
SEC 14.0" HD+ Samsung LTN140KT03401 普通 ThinkPad T430sのレビュー
93P5693 AUO 14.0" HD+ AUO B140RW02 V1 ギラつきあり ThinkPad T420のレビュー
※1 レノボ 公式サイトの情報に差異があり正確には分かりませんが、
04W3922または93P5685またはその両方だと思います。

特徴3 - マイクロ・ハード・ディスクで起動が速い

ThinkPad T430は、「マイクロ・ハード・ディスク」というオプションを選択可能で、ディスクへのアクセスを高速化することができます。具体的には、ハードディスクの他にmSATA SSDを搭載します。そしてExpress Cacheというソフトを使って、mSATA SSDをハードディスクのキャッシュとして使用し、ディスクアクセスを高速化します。

なお、レノボ・ショッピングの詳細には、「ISRT」を使うと書かれていますが、実際に使われているのはExpress Cacheです。また、発売直後にThinkPad T430を購入した方は、ディスクを高速化するソフトがインストールされていない可能性があります。下記URLをご覧いただき、該当しないかを確認してください。

レノボ 公式サイト

本機もExpressCacheがインストールされていなかったため、上記手順でソフトをインストールしました。インストール後のPC起動時間などは次の通りです。500MB/s近く出るSSDほど短くはありませんが、それに近い起動時間です。

PC起動時間など
テスト内容 時間
通常停止/起動 PC停止時間 約10秒
PC起動時間 約24秒
スリープ移行/復帰 スリープへの移行時間 約5秒
スリープからの復帰時間 約1.5秒
PC起動時間は、電源ボタンを押してからデスクトップ画面が表示されるまでの時間

液晶ディスプレイのチェック

液晶ディスプレイのチェックです。

本機に搭載されていたパネル「LG製LP140WD2-TLD2」のレビューをします。他のパネルについては、上で書いた表をご覧ください。

感想としては、「普通の液晶」といったところです。


正面からの画像

 

詳細を見ていきます。

視野角は普通のノートPC並みです。IPSパネルのように広い視野角ではありません。


視野角(斜めから見たときの見やすさ)

 

ガンマ補正曲線を確認すると、青みの強い画面であることが確認できます。



※見方の詳細については、miyahan.com様、DOS/V Power Report様のページをご確認ください

 

色域はやや狭いです。


 

ノングレア処理の表面を見ると、凹凸は少なく、ギラつきも感じません。


キーボードとタッチパッドのチェック

キーボードは打ちやすいです。

なお、ThinkPadシリーズのキーボードは統一化されています。感想については、ThinkPad T430s - キーボードのチェックをご覧ください。


キーボード全体図


キーの拡大図


タッチパッド&クリックボタン

総合ベンチマーク

Core i5-3210M、メモリ4GBで構成されたThinkPad T430のベンチマークの結果です。もちろん、構成が異なれば、ベンチマーク結果も異なります。

Windows エクスペリエンス インデックス

PassMark Performance Test 7.0

3DMark06(1.2.0 1901)


1280x720で実行

PCMARK7 v1.0.4

3DMark11(1.0.3)- Performance

動画のエンコード時間のチェック


ペガシス TMPGEnc Video Mastering Works 5

TMPGEnc Video Mastering Works 5 による動画のエンコード時間のチェックです。

Core i5-3210M、メモリ4GBという構成でのエンコード時間は、x264でエンコードしたときが32分29秒、クイック・シンク・ビデオでエンコードしたときが12分50秒でした。

参考までに、本機で選択できる最上位CPUのCore i7-3520Mおよびメモリ8GBの構成の他のThinkPadでエンコードしたときの時間は、x264でエンコードしたときが26分28秒、クイック・シンク・ビデオでエンコードしたときが10分09秒でした。


TMPGEnc Video Mastering Works 5 によるエンコード時間
エンコード方法 Core i5-3210M
メモリ4GB
参考:Core i7-3520M
メモリ8GB
x264でエンコード 32分29秒 26分28秒
クイック・シンク・ビデオでエンコード 12分50秒 10分09秒

ゲームベンチマークのチェック

本機はNVIDIA NVS 5400M(2G)を搭載しています。ゲーム向けのグラフィックスではないですが、ゲームベンチマークも計測してみました(下表参照)。軽めの3Dゲームであれば動作可能です。

なお、NVIDIA NVS 5400M(2G)は、ポート・リプリケーターやミニ・ドックなどを使って、複数画面に表示したいときに適したグラフィックスです。それ以外の用途では「帯に短しタスキに長し」で、性能が中途半端です。ゲームをしたいなら、別のグラフィックスを搭載したPCのほうが良いですし、複数画面表示せずネットやオフィス程度で使うなら、CPU内蔵(インテル HD グラフィックス 4000)でも十分です。

ゲームベンチマーク
製品名 ThinkPad T430
基本スペック Core i5-3210M
NVIDIA NVS 5400M(2G)
重めの
ゲーム
ロストプラネット 2(テストB) 1280x720 RANK D(14.0fps)
ファイナルファンタジー XIV 1280x720 2045(やや思い)
中程度の
重さの
ゲーム
ファンタシースターオンライン2 1280x720 909(重い)
バイオハザード5(テストB) 1280x720 RANK A(60.4fps)
モンスターハンターフロンテ ィア 第三弾(大討伐) 1280x720 4090
軽めの
ゲーム
デビルメイクライ4 1280x720 RANK S
リアル彼女(ハイクオリティ) 1280x720 RANK A(24 REAL)

バッテリ駆動時間のチェック


動画再生時のバッテリ駆動時間は3時間52分

バッテリ駆動時間のチェックです。

ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生させてバッテリ駆動状態にし、休止状態へ入るまでの時間を計測しました。輝度は中間値の「7」にしています。

テストの結果、バッテリ駆動時間は、3時間52分でした。

カードリーダー/ライターのチェック

内蔵カードリーダー/ライターのチェックです。

対応しているカードは次の通りです。

対応カード SD(SDHC、SDXC含む)、MMC

CrystalDiskMarkのベンチマーク結果は次の通りです。高速なカードリーダー/ライターを搭載していると思います。


 

 

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