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レノボ ThinkPad Edge E425 の実機レビュー

AMD APU + ディスクリートGPU搭載
ThinkPad Edge E425は、CPUにGPUを統合したAPUを搭載し、さらにディスクリートGPUも載せDual Graphicsを構成している14.0型ノートPCです。
価格も安く、頑丈で、静音性に優れており、キーボードの操作性も良いです。
インテルCPUを搭載したThinkPad Edge E420が格安で質も良く人気ですが、こちらの機種と外観は同じで、価格も場合によってはさらに安くなっています。
E425にしようか、それともE420にしようか迷うところだと思うので、各CPUのベンチマークを測定し、比較掲載しております。参考にしてください。
目次
| 1 ThinkPad Edge E420 の基本スペック | 2 APU+ディスクリートGPUの実力チェック |
| 3 液晶ディスプレイのチェック | 4 キーボードとタッチパッドのチェック |
| 5 カードリーダー/ライターのチェック | 6 バッテリ駆動時間のチェック |
| 7 静音性のチェック | 8 パーツの温度のチェック |
| 9 表面温度のチェック | 10 消費電力のチェック |
| 11 外観をチェック | 12 まとめ |
ThinkPad Edge E425 の基本スペック
本機の基本スペックを紹介します。※2011年9月22日現在の情報です。BTOパソコンという特性上、時期が経つと選択できるパーツは異なります。
CPU/APU AMD APU を選択可能です。本機は、A6-3400Mです。 |
グラフィックカード APU統合のGPUがRadeon HD 6520Gで、ディスクリートGPUがRadeon HD 6470Mです。 |
液晶ディスプレイ 14.0型(1366x768)で、光沢と非光沢のどちらかを選べます。本機は非光沢です。尚、本機のパネルはサムスン製でした(型番は不明)。 |
メモリ PC3-10600のメモリを搭載可能です。本機は4GBです。 |
ハードディスク 320、500GBを選択できます。本機は5400rpmの500GBです。中身はWD50 00BPVT-08HXZT1でした。 |
SSD 本機はSSDを選択できません。 |
光学ドライブ DVDスーパーマルチを搭載しています。中身はSONY AD-7710Hでした。 |
バッテリ駆動時間 6セルまたは9セルバッテリを選択できます。本機は6セルです。実測の駆動時間は後述。 |
APU+ディスクリートGPUの実力チェック
ThinkPad Edge E425は、CPUにGPUを統合したAPUを搭載し、さらにディスクリートGPU(独立GPU)も搭載しています。この2つのGPUは、CrossFireXをベースに作られたAMD Dual Graphicsという仕組みによって連携動作します。
AMD Dual Graphicsはデフォルト状態で有効になっています。無効にしたいときは、Control CenterからCrossFireXの設定画面を使って変更可能です。

ThinkPad Edge E425で搭載可能なAPUとディスクリートGPUは、下記の表のようになっています。尚、APUに統合されたGPUと、ディスクリートGPUの組み合わせによって、型名が定められておりますので、それも表記しておきます。
| 選択肢1 | 選択肢2(本機) | 選択肢3 | |
| APU | A8-3500M | A6-3400M | A4-3300M |
| Radeon HD 6620G | Radeon HD 6520G | Radeon HD 6480G | |
| ディスクリートGPU | Radeon HD 6470M | Radeon HD 6470M | Radeon HD 6470M |
| ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
| APU+dGPUの型名 | Radeon HD 6640G2 | Radeon HD 6640G2 | Radeon HD 6510G2 |
AMD Dual Graphicsの効果を測定
まず、本機のAMD Dual Graphicsの効果を測るために、この機能を有効にしたときと、無効にしたときのベンチマークを測定しました。尚、本機は、A6-3400MのAPUに、Radeon HD 6470MのディスクリートGPUを搭載しています。
結果としては、3DMark 11以外のベンチマークは、AMD Dual Graphicsを有効にしても無効にしても、ほとんど変わりありませんでした。3DMark 11については、約1.5倍スコアになりました。DirectX 11だと効果が出やすいのかと思いましたが、DirectX 11対応のHeaven Benchmark v2.5 Basicやロストプラット 2のベンチマークではほとんど差はありませんでした。
AMD Dual Graphicsの効果が少ないというよりも、ベンチマークのアプリがAMD Dual Graphicsに対応していないのかもしれません。
| Cross Fire の有効/無効 | AMD Dual Graphics 有効 | AMD Dual Graphics 無効 |
|---|---|---|
| APU | A6-3400M | A6-3400M |
| Radeon HD 6520G | Radeon HD 6520G | |
| ディスクリートGPU(独立GPU) | Radeon HD 6470M | 無効 |
| 3DMark 11(Performance) スコア | 1051 | 684 |
| Heaven Benchmark v2.5 Basic(640x360) | 407 (16.2 fps) | 410 (16.3 fps) |
| 3DMark 06 SM2.0 スコア | 1879 | 1859 |
| 3DMark 06 HDR/SM3.0 スコア | 2293 | 2262 |
| Passmark 3D Graphics スコア | 477 | 491 |
| ロストプラネット 2(1280x720) | 6.2 fps | 6.3 fps |
| FF XIV(1280x720、フルスクリーン+リネーム設定) | 1174 | 1132 |
| MHF 第二弾(絆)(1280x720) | 1671 | 1666 |
| バイオハザード5(1280x720) | 32.2 fps | 32.3 fps |
| THE LAST REMNANT(1280x720) | 31.23 fps | 31.32 |
| デビルメイクライ4(1280x720) | RANK B | RANK B |
| リアル彼女(1280x720、ハイクオリティ) | 13 REAL | 14 REAL |
| カスタムメイド3D | 6172 (59 fps) | 6174 (59 fps) |
他のAPU/CPUとの比較
次に、ThinkPad Edge E425で選択できる他のAPUとベンチマークを比較します。また、プロセッサーが異なるだけのThinkPad Edge E420と本機と、どちらが良いか悩むと思うので、Intelの第2世代CPUとも比較してみました。
尚、A6-3400M以外のAPUについては、ThinkPad Edge E425とは異なる機種でのベンチマーク結果となります。ディスクリートGPUは搭載されておらず、(上の結果ではAMD Dual Graphicsの効果はあまり有りませんでしたが)AMD Dual Graphicsも使われていませんので、ご了承ください。
今回のテスト結果から、CPUを性能の良い順番に並べると、
Core i5-2410 > A8-3500M >= Core i3-2310M >= A6-3400M > A4-3300M
となるかなと思います(あくまで今回テスト結果からの判断)。
また、統合GPUを性能の良い順番に並べると、
Radeon HD 6620G > Radeon HD 6520G > インテル HD グラフィックス > Radeon HD 6480G
となるかと思います。
ThinkPad Edge E425で搭載出来るAPU統合のGPUは、インテル HD グラフィックスよりは性能の高いものもありましたが、それほど高い性能ではありません。軽いゲームならギリギリでプレイできますが、過度な期待はしないほうがいいと思います。
CPU性能重視なら、Core i5-2410Mを搭載したThinkPad Edge E420、軽いゲームをする等GPU重視なら、A8-3500M搭載のThinkPad Edge E425が良いのではないかと思います。
| メーカー・機種 | HP g6-1100 | レノボ ThinkPad Edge E425 | レノボ ThinkPad Edge E525 | レノボ ThinkPad L520 | レノボ ThinkPad L420 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| APU/CPU | A4-3300M | A6-3400M | A8-3500M | Core i3-2310M | Core i5-2410M | |
| Radeon HD 6480G | Radeon HD 6520G | Radeon HD 6620G | インテル HD グラフィックス | インテル HD グラフィックス | ||
| ディスクリートGPU(独立GPU) | なし | Radeon HD 6470M |
なし | なし | なし | |
| CPU関連 スコア |
3DMark 06 CPU スコア | 1571 | 2111 | 2271 | 2544 | 3268 |
| Passmark CPU スコア | 2424 | 3354 | 3574 | 2853 | 3624 | |
| 主に GPU関連 スコア |
3DMark 06 SM2.0 スコア | 1219 | 1879 | 2053 | 1470 | 1564 |
| 3DMark 06 HDR/SM3.0 スコア | 1544 | 2293 | 2536 | 1720 | 1839 | |
| Passmark 3D Graphics スコア | 292 | 477 | 516 | 306 | 335 | |
| MHF 第二弾(絆)(1280x720) | 1275 | 1671 | 1933 | 1735 | 1770 | |
| バイオハザード5(1280x720) | 19.9 fps | 32.2 fps | 34.9 fps | 14.8 fps | 18.2 fps | |
| THE LAST REMNANT(1280x720) | 18.54 fps | 31.23 fps | 33.35 fps | 22.18 fps | 22.47 fps | |
| デビルメイクライ4(1280x720) | RANK C | RANK B | RANK B | RANK C | RANK C | |
| リアル彼女(1280x720、ハイクオリティ) | 未実施 | 13 REAL | 16 REAL | 12 REAL | 14 REAL | |
| カスタムメイド3D(1280x720) | 未実施 | 6172 (59 fps) | 6179 (59 fps) | 4910 (47 fps) | 4717 (46 fps) | |
Windows エクスペリエンスインデックス
最後に、本機のWindows エクスペリエンスインデックスを掲載します。

液晶ディスプレイのチェック
本機は、14.0型(1366x768)の非光沢液晶を搭載しています。本機の場合、パネルはサムスン製でした。「i1」のソフトで確認すると、L_ATLTN140AT20401という型番でしたが、ネットで検索してもヒットしませんでした。
液晶画面は見やすいとは言いませんが、5万円で買えるようなPCにしては十分です。色にこだわる人でなければ、特に問題なく使用できると思います。

正面からの画像
詳細を見ていきます。
まず視野角は広くありません。一般的なノートPC並みです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、青がかなり低めに調整されています(下図)。そのため実際の画面は、やや青みが強いです。また、赤や緑も直線的ではなく波打っています。色再現性は良いとは言えません。ただし、ほとんどのノートPC用液晶は、青みが強く、我々もそれに慣れているので、おそらく気にならないでしょう。
※尚、同じパネルが搭載されるとは限りませんし、パネルによって調整は異なります。

ガンマ補正曲線
※ i1 BASIC PROで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2
※見方の詳細については、miyahan.com様、DOS/V様のページをご確認ください
色域は、やや狭いです。ただし、一般的なノートPCはこんなものです。
画素の拡大図です。画素にピントを合わせた時は、ぼやけすぎていて、画素の形まではわかりませんでした。ノングレア処理面にピントを合わせてみると、比較的なだらかです。ノングレア特有のギラツキを若干感じますが、ほとんど気にならない人が多いでしょう。

画素の拡大図
※マイクロスコープ(FS-SST240 )で撮影
キーボードとタッチパッドのチェック
ThinkPad Edge E420と同じであるため、詳細は、「ThinkPad Edge E420-キーボードとタッチパッドのチェック」をご覧ください。
カードリーダー/ライターのチェック

SDカード挿入後の外観
ThinkPad Edge E425の対応カードの種類や、カードリーダー/ライターのベンチマーク結果です。
スロットは本体の左側面にあります。カード挿入後の出っ張り具合は右図の通りです。カードの挿入/取り出しについては、つっかかりなくスムーズです。
対応しているカードは次の通りです。
| 対応カード | SD(SDHC、SDXC)、MMC |
カードリーダー/ライターのCrystalDiskMarkのベンチマーク結果を次に掲載します。また、参考までに、高速転送可能なカードリーダー/ライターBSCRSDX3によるベンチマーク結果も掲載します(こちらは別PCでのテスト結果です)。
SanDisk Extreme Pro SDHC UHS-Iカードを使ったベンチマーク結果です。本機の内蔵カードリーダー/ライターのシーケンシャルリード&ライトは、BSCRSDX3のそれに近いスコアが出ています。ランダムリード(4K、4K QD32)関しては、BSCRSDX3よりもスコアが高いです。

使用カード:SanDisk Extreme Pro SDHC UHS-I
カードリーダーのベンチマークテスト結果
バッテリ駆動時間のチェック

実測で3時間12分のバッテリ駆動
ThinkPad Edge E425のバッテリ駆動時間を実測した結果、3時間12分でした。
テストでは、ハードディスクに保存した動画(DVD相当の画質)を再生させながらバッテリ駆動させ、スリープになるまでの時間を計測しました。尚、画面の輝度は中間の「7」、電源プランは「Energy Saver」にしています。
静音性のチェック
本機の動作音(静音性)のチェック結果です。もし、動作音が大きいと、気になって作業に集中できなかったり、周りの人に迷惑になったりします。
下記の3つの状態で計測した結果、静かな動作音です。負荷をかけても、ファン音が聞こえにくいです。

騒音値の計測結果
左図:アイドル時の騒音値 (何も操作していない状態)
中央図:バイオハザード5ベンチマーク実行時の騒音値(解像度:1280x720、テストAで実行)
右図:TMPGEnc Video Mastering Works 5 でエンコード時の騒音値(x264、解像度1280x720でエンコード)
部屋を極力無音にしたときの騒音値:40.4dB、 測定機器:GS-04
※選択したCPUやGPUが異なると騒音値は変わってきます
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
下記の3つの状態で計測した結果、負荷をかけても60℃台で推移しており、ノートPCにしてはやや低めだと思います。

各パーツの温度の測定結果
左図:アイドル時(何も操作していない状態)の温度
中央図:バイオハザード5ベンチマーク実行時の温度(解像度:1280x720、テストAで実行)
右図:TMPGEnc Video Mastering Works 5 でエンコード時の温度(x264、解像度1280x720でエンコード)
測定環境:室内温度 約26℃、 測定ソフト:HWMonitor Pro
※選択したCPUやGPUが異なるとパーツの温度は変わってきます
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
下記の3つの状態で計測した結果、左手側がやや熱くなります。それ以外の部分については、問題ありません。

表面温度の計測結果
左図:アイドル時(何も操作していない状態)の表面温度
中央図:バイオハザード5ベンチマーク実行時の表面温度(解像度:1280x720、テストAで実行)
右図:TMPGEnc Video Mastering Works 5 でエンコード時の表面温度(x264、解像度1280x720でエンコード)
測定環境:室内温度 約26℃、 測定機器:赤外線温度計TN006
※選択したCPUやGPUが異なると表面温度は変わってきます
消費電力のチェック
ThinkPad Edge E425の消費電力のチェック結果です。もし、消費電力が高いと、電気代が高くなるのと、節電に反します。尚、1日平均3時間程度パソコンを使用する場合、消費電力が1W違うと、電気代は1か月あたり約2円違います(電気の契約内容にもよります)。
下記の3つの状態で計測した結果、消費電力は少ないです。AMD Dual Graphicsの割には、バイオハザード5ベンチの消費電力が低いので、ベンチマークソフトがAMD Dual Graphicsに対応していないのかもしれません。

消費電力の計測結果
左図:アイドル時 (何も操作していない状態)の消費電力
中央図:バイオハザード5ベンチマーク実行時の消費電力(解像度:1280x720、テストAで実行)
右図:TMPGEnc Video Mastering Works 5 でエンコード時の消費電力(x264、解像度1280x720でエンコード)
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST7
※選択したCPUやGPUが異なると消費電力は変わってきます
外観のチェック
ThinkPad Edge E425の外観のチェックです。

今回は、ミッドナイト・ブラック(光沢なし)の天板を選択しました。天板はドーム状になっており加圧に強くなっています。マットな素材で、指紋が付きにくく個人的には好きです。

ポート類や、天板の開く角度に関してはThinkPad Edge E420と同じですので、詳細は「ThinkPad Edge E420 - 外観のチェック」をご覧ください。尚、リンク先のE420はヒートウェーブ・レッドの天板です。
まとめ
以上が、ThinkPad Edge E425のレビューでした。
AMD APU と、ディスクリートGPUを搭載し、AMD Dual Graphicsを採用している点が特徴ですが、私が試した限りではAMD Dual Graphicsの効果を実感できるソフトはほとんどありませんでした。
構成によっては5万円を切るノートPCですが、キーボードの打ちやすさ、静音性、内部温度などに不満はなく、安心して使用できるPCだと思います。
インテルCPUを搭載したThinkPad Edge E420にするか、AMD APUを搭載した本機にするかは迷うところですが、本記事の「APU+ディスクリートGPUの実力チェック」の章で性能を比較しつつ、そのときの本体価格も確認しながら、決めていただけると良いと思います。
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