HP Pavilion g6-1100(AMDモデル) の実機レビュー

新型Fusion APUを搭載し約4万円~
HP Pavilion g6-1100(AMDモデル)は、CPUとGPUを統合したFusion APUを搭載し、価格が約4万円から購入可能な15.6型ノートPCです。
APUは、Radeon HD 6480Gが統合されたA4-3300Mです。こちらのAPUの実力を確認するため、各種ベンチマークを実行させたので、結果を掲載します。
タッチパッドの滑りが悪い点と、LANがギガビットではない点を除けば、特に気になるところはありません。このAPUで満足なら、良いPCだと思います。
目次
1 g6-1100(AMDモデル) の基本スペック | 2 特徴 - Fusion APU A4-3300Mを搭載し約4万円 |
3 液晶ディスプレイのチェック | 4 キーボードとタッチパッドのチェック |
5 総合ベンチマーク | 6 動画のエンコード時間のチェック |
7 バッテリ駆動時間のチェック | 8 静音性のチェック |
9 パーツの温度のチェック | 10 表面温度のチェック |
11 消費電力のチェック | 12 外観のチェック |
13 まとめ |
g6-1100(AMDモデル) の基本スペック
HP Pavilion g6-1100AU スタンダードモデルの基本スペックを紹介します。※「g6-1100AU」以外の型番の製品はスペックが異なりますのでご注意ください。
CPU /APU AMD (デュアルコア) A4-3300Mおよび Radeon HD 6480G を統合したAPUです。 |
グラフィックス CPUと統合しています。左の欄をご覧ください。 |
液晶ディスプレイ 15.6型(1366x768)の光沢液晶ディスプレイです。尚、パネルはLG製のLP156WH2-TLQBでした。 |
メモリ メモリは2GBです。 |
ハードディスク 320GB(5400rpm)です。中身はサムスン製HM321HIでした。 |
SSD SSDは非搭載です。 |
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブを搭載しています。 |
バッテリ駆動時間 メーカーHPの仕様では、6時間15分です。実測値は後述します。 |
特徴 - Fusion APU A4-3300Mを搭載し約4万円
g6-1100(AMDモデル)の特徴は、CPUとGPUを1のチップに統合したAMD Fusion APUの新型A4-3300Mを搭載し、価格が約4万円から購入できる点です。
気になるCPU&GPUの性能ですが、下位モデルのAMD E-350よりは性能が高く、インテル Core i3-2310Mよりはやや性能が悪いといった印象です。
下記は、APU/CPUのスペックの比較表です。AMD A4-3300Mは、高負荷時に周波数を上げるTurbo COREを搭載している点と、DirectX 11に対応したRadeon HD 6480Gのグラフィックスを搭載している点が特徴です。ただしCore i3-2310Mよりもキャッシュがやや少なめです。
仕様 | AMD A4-3300M | 参考 AMD E-350 |
参考 Core i3-2310M |
---|---|---|---|
コア数 | 2 | 2 | 2 |
スレッド数 | 2 | 2 | 4 |
動作周波数 | 1.90GHz | 1.60GHz | 2.10GHz |
Turbo Boost/Turbo CORE時の周波数 | 2.5GHz | - | ― |
キャッシュ | L2:2MB | L1:128KB L2:1MB |
L1:128KB L2:512KB L3:3MB |
消費電力 | 35W | 18W | 35W |
グラフィックス | AMD Radeon HD 6480G |
AMD Radeon HD 6310 |
インテル HD グラフィックス 3000 |
下記は、CPUおよびGPU関連のベンチマークスコアの比較表です。AMD A4-3300Mは、AMD E-350よりはスコアが高いです。Core i3-2130Mと、GPUの性能を比較すると、ベンチマークテストによって、AMD A4-3300Mのほうがスコアが高かったり、Core i3-2130Mのほうがスコアが高かったりしますが、総じて見るとややCore i3-2310Mのほうがスコアが高いように見えます。CPU関連のベンチマークスコアについては、Core i3-2310Mのほうが高いです。
ベンチマークテスト | AMD A4-3300M | 参考 AMD E-350 |
参考 Core i3-2310M |
|
---|---|---|---|---|
CPU関連 スコア |
3DMark 06 CPU スコア | 1571 | 1017 ※1 | 2544 |
PassMark CPU スコア | 2424 | 729 ※2 | 2853 | |
主に GPU関連 スコア |
3DMark 06 SM2.0 スコア | 1219 | ? | 1470 |
3DMark 06 HDR/SM3.0 スコア | 1544 | ? | 1720 | |
Passmark 3D Graphics スコア | 359 ※2 | 201 ※2 | 306 | |
MHF 第二弾(絆)(1280x720) | 1275 | 828 ※3 | 1735 | |
バイオハザード5ベンチ(1280x720) | FPS:19.9 | FPS:14.3 ※3 | FPS:14.8 | |
THE LAST REMNANT(1280x720) | FPS:18.54 | ? | FPS:22.18 | |
デビルメイクライ4(1280x720) | RANK C | ? | RANK C |
※2 PassMark様のサイトからの引用です。尚、スコアは日々更新されています
※3 PCWatch様の記事からの引用です
※赤字は、3つのAPU/CPUの中で最も高いスコアです
液晶ディスプレイのチェック
本機は、15.6型の光沢液晶を搭載しています。解像度は1366x768、パネルはLG製のLP156WH2-TLQBでした(尚、このパネルが必ず搭載されるわけではありません)。ノートPCとして普通の液晶です。

正面からの画像
詳細を確認していきます。
TNパネルであるため視野角は広くありません。一般的なノート並です。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、青が低めに調整されているため、実際の画面は青みが強めに出ています。ただし、ノートPCの液晶ディスプレイのほとんどは、青が強調されており、我々もそれに慣れているので、気にはなりません。

ガンマ補正曲線
※ i1 BASIC PROで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2
色域もノートパソコンの液晶ディスプレイとしては普通でしょう。黄色の範囲は広いですが、それ以外は狭いです。
キーボードとタッチパッドのチェック
g6-1100(AMDモデル)のキーボードのチェックです。打ちやすさは普通でしょう。
キーピッチは実測で19x19mmと十分あります。キーは薄くシャカシャカして、やや安っぽさを感じます。「delete」、「home」、「pgup」キーなどが右端にあり、「enter」キーや「backspace」キーが端にありません。
キーボード全体図。キーピッチは19x19mm
キートップはフラットで、指のフィット感が足りません。ただし、光沢のキーではないため滑りにくいです。
キートップはフラット
ファンクションキーの使い方が、マルチメディア仕様です。例えば、通常のパソコンはF7を押すと「全角カナ」になると思いますが、本機は「動画の再生/一時停止」になります。「全角カナ」をしたければ、Fnキーを押しながらF7キーを押す必要があります。
動画をよく観る人なら使いやすいかも知れませんが、通常作業時によるファンクションキーを使う方は不便だと思います。そういった方は、BIOSの設定で、通常のファンクションキーの割り当てへ変更できます。パソコンの電源投入時に「ESC」を押した後、F10を選択してBIOSを起動し、「System Configuration」>「Action Keys Mode」を"Disabled"へ変更します。
通常のファンクションキーとは異なる役割
パームレストと一体となったタッチパッドは、点字のようにブツブツはしているものの、汗ばんでいると指の滑りが悪いです。クリックボタンは独立しており、押し心地は普通です。
パームレスト一体型のタッチパッド。クリックボタンは独立
タッチパッドが本体のちょうど中央にあるのが気になります。キーに手を置く位置はやや左側になるため、タッチパッドもやや左へずらして配置するのが普通です。しかし、本機は本当にど真ん中にタッチパッドがあるため、右手がタッチパッドに誤って触れることが多いです。多くの方はマウスを使うと思うので、タッチパッドは無効にしたほうがいいと思います。尚、タッチパッドの左上にある丸い凹みをダブルタップすると、タッチパッドのオン/オフを切り替えられます。
タッチパッドは、ちょうど真ん中に配置
総合ベンチマーク
AMD A4-3300M搭載の本機でのベンチマークスコアの結果を掲載します。
上でも書きましたが、Core i3よりも全体的にやや劣るスコア値です。高い性能ではありませんが、ネットや動画再生程度の使用用途なら、全く問題ありません。
Windows エクスペリエンス インデックス
PassMark Performance Test 7.0
3DMark06(1.2.0 1901)
解像度:1280x768で実施
動画のエンコード時間のチェック
ペガシス TMPGEnc Video Mastering Works 5
ペガシス TMPGEnc Video Mastering Works 5のソフトを用い、動画のエンコード時間を測定した結果は、1時間27分42秒と遅いです。
動画のエンコードを含む、動画編集を行うときは、もっと高性能なCPUのほうが良いです。
エンコード方法 | エンコード時間 |
---|---|
x264でエンコード | 1時間27分42秒 |
iPhone 4で視聴可能なMPEG-4 AVC(解像度:1280x720)へ変換
バッテリ駆動時間のチェック
実測で3時間20分のバッテリ駆動
g6-1100(AMDモデル)のバッテリ駆動時間を実測した結果、3時間20分でした。
テストでは、ハードディスクに保存した動画(DVD相当の画質)を再生させた後、バッテリ駆動状態にし、スリープになるまでの時間を計測しました。尚、画面の輝度は中間の「5」にしています。
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