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レノボ ThinkPad Edge E525 の実機レビュー

AMD APU搭載で軽めのゲームならOK
ThinkPad Edge E525は、CPUにGPUを統合したAPUを搭載し、軽めのゲームならこなせる15.6型ノートPCです。
キーボードが打ちやすく、静音性にも優れ、製品としての出来は良いと思います。また、ThinkPadシリーズの中では珍しくテンキーを搭載しています。
内蔵地デジチューナーやブルーレイドライブは選択できず、地味な印象を持ってしまうPCですが、そういった事をしないのであれば、おすすめの製品です。
本機を検討している方は、E525にしようかE520にしようか迷っていることかと思います。また、どのAPUにしようかも迷うと思います。ここでは各APU(またはインテルCPU)のベンチマークを測定し、比較掲載しております。参考にしてください。
目次
| 1 ThinkPad Edge E525 の基本スペック | 2 AMD APU 実力チェック | 
| 3 液晶ディスプレイのチェック | 4 キーボードとタッチパッドのチェック | 
| 5 カードリーダー/ライターのチェック | 6 バッテリ駆動時間のチェック | 
| 7 静音性のチェック | 8 パーツの温度のチェック | 
| 9 表面温度のチェック | 10 消費電力のチェック | 
| 11 外観のチェック | 12 まとめ | 
ThinkPad Edge E525 の基本スペック
本機の基本スペックを紹介します。※2011年10月16日現在の情報です。BTOパソコンという特性上、時期が経つと選択できるパーツは異なります。
CPU/APU AMD APU を選択可能です。本機は、A8-3500Mです。  | 
    グラフィックカード APU統合のGPUは、Radeon HD 6620Gです。  | 
  
液晶ディスプレイ 15.6型(1366x768)で、光沢と非光沢のどちらかを選べます。本機は光沢です。尚、本機のパネルはAUO B156XW02 V2でした。  | 
    メモリ PC3-10600のメモリを搭載可能です。本機は6GBです。  | 
  
ハードディスク 320GB、500GBを選択できます。本機は7200rpmの500GBです。中身はSeagate ST950042 0A Sでした。  | 
    SSD 本機はSSDを選択できません。  | 
  
光学ドライブ DVDスーパーマルチを搭載しています。中身はSONY AD-7710Hでした。  | 
    バッテリ駆動時間 6セルまたは9セルバッテリを選択できます。本機は6セルです。実測値は後述します。  | 
  
AMD APU の実力チェック
APUのベンチマーク結果を掲載します。
ThinkPad Edge E525で選択できるAPUは次の3つです。
A8-3500Mのベンチマークは、本機で実行した結果を掲載します。他のAPUのベンチマークに関しては、他のPCで実行した結果を掲載します。また、比較のためにインテルCPUのベンチマーク結果も掲載します。
| ベンチマークを実行したPC | HP g6-1100 | レノボ ThinkPad Edge E425 | レノボ ThinkPad Edge E525 | レノボ ThinkPad L520 | レノボ ThinkPad L420 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| APU/CPU | A4-3300M | A6-3400M | A8-3500M | Core i3-2310M | Core i5-2410M | |
| 統合GPU | Radeon HD 6480G | Radeon HD 6520G | Radeon HD 6620G | インテル HD グラフィックス | インテル HD グラフィックス | |
| ディスクリートGPU(独立GPU) | なし | 無効 | なし | なし | なし | |
| CPU関連 スコア  | 
        3DMark 06 CPU スコア | 1571 | 2111 | 2271 | 2544 | 3268 | 
| Passmark CPU スコア | 2424 | 3354 | 3574 | 2853 | 3624 | |
| 主に GPU関連 スコア  | 
        3DMark 06 SM2.0 スコア | 1219 | 1859 | 2053 | 1470 | 1564 | 
| 3DMark 06 HDR/SM3.0 スコア | 1544 | 2262 | 2536 | 1720 | 1839 | |
| Passmark 3D Graphics スコア | 292 | 491 | 516 | 306 | 335 | |
| MHF 第二弾(絆)(1280x720) | 1275 | 1666 | 1933 | 1735 | 1770 | |
| バイオハザード5(1280x720) | 19.9 fps | 32.3 fps | 34.9 fps | 14.8 fps | 18.2 fps | |
| THE LAST REMNANT(1280x720) | 18.54 fps | 31.32 fps | 33.35 fps | 22.18 fps | 22.47 fps | |
| デビルメイクライ4(1280x720) | RANK C | RANK B | RANK B | RANK C | RANK C | |
| リアル彼女(1280x720、ハイクオリティ) | 未実施 | 14 REAL | 16 REAL | 12 REAL | 14 REAL | |
| カスタムメイド3D(1280x720) | 未実施 | 6174 (59 fps) | 6179 (59 fps) | 4910 (47 fps) | 4717 (46 fps) | |
今回のテスト結果から、CPUを性能の良い順番に並べると、
  Core i5-2410 > A8-3500M >= Core i3-2310M >= A6-3400M > A4-3300M
  となるかなと思います(あくまで今回テスト結果からの判断)。
また、CPUに統合されたGPUを性能の良い順番に並べると、
  Radeon HD 6620G > Radeon HD 6520G > インテル HD グラフィックス > Radeon HD 6480G 
  となるかと思います。
ただし、Radeon HD 6620G(A8-3500M)のGPU性能が高いといっても、軽めのゲームができる程度です。過度な期待はしないほうが良いです。
以上の結果から、レノボ 公式サイトもふまえ、どのAPUにするのかや、ThinkPad E525にするのかE520にするのか(E525はAMDのAPU、E520はインテルのCPUを搭載)を決めていただければと思います。
Windows エクスペリエンスインデックス
最後に、A8-3500Mを搭載した本機のWindows エクスペリエンスインデックスを掲載します。メモリを6GB搭載しているため、メモリのスコアは良かったです。

液晶ディスプレイのチェック
本機は、15.6型(1366x768)の光沢液晶を搭載しています。パネルはAUO B156XW02 V2でした(パネルは複数メーカーから調達しているため、異なるパネルが搭載される場合もあります)。
実際に見た液晶画面はやや青みが強いです。また、15.6型という大きさに1366x768という解像であるため、ドットピッチが広くザラツキ感もあります。ただし、安価なノートPCは、どのメーカーもこんなものです。

正面からの画像
詳細を見ていきます。
まず視野角は広くありません。一般的なノートPC並みです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、青がかなり低めに調整されています(下図)。そのため実際の画面は、やや青みが強いです。また、赤や緑も直線的ではなく波打っています。色再現性は良いとは言えません。ただし、ほとんどのノートPC用液晶は、青みが強く、我々もそれに慣れているので、おそらく気にならないでしょう。
  ※尚、同じパネルが搭載されるとは限りませんし、パネルによって調整は異なります。

ガンマ補正曲線
※ i1 BASIC PROで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2
※見方の詳細については、miyahan.com様、DOS/V様のページをご確認ください
色域は、ノートPCとして、普通です。
画素の拡大図です。画素はシンプルな形状をしています。光沢液晶ということもあり、真正面から見ればギラツキは感じません。

画素の拡大図
※マイクロスコープ(FS-SST240 )で撮影
キーボードとタッチパッドのチェック
キーボードは、ThinkPad Edge E520と同じであるため、詳細は、「ThinkPad Edge E520-キーボードとタッチパッドのチェック」をご覧ください。
カードリーダー/ライターのチェック

    SDカード挿入後の外観
ThinkPad Edge E525の対応カードの種類や、CrystalDiskMarkでのベンチマーク結果です。
スロットは本体の左側面にあります。カードの挿入/取り出しについては、つっかかりなくスムーズです。
対応しているカードは次の通りです。
| 対応カード | SD(SDHC、SDXC)、MMC | 
CrystalDiskMarkのベンチマーク結果を掲載します。また、参考までに、高速転送可能なカードリーダー/ライターBSCRSDX3によるベンチマーク結果も掲載します(こちらは別PCでのテスト結果です)。
本機の内蔵カードリーダー/ライターのシーケンシャルリード&ライトは、BSCRSDX3とほぼ同等のスコアが出ています。

  使用カード:SanDisk Extreme Pro SDHC UHS-I
  カードリーダーのベンチマークテスト結果
Panasonic SDHC UHS-Iカードを使ったベンチマークも測定したかったのですが、ThinkPad Edge E525ではカードを認識しなかったので諦めました。
バッテリ駆動時間のチェック

    実測で3時間27分のバッテリ駆動
ThinkPad Edge E525のバッテリ駆動時間を実測した結果、3時間27分でした。
テストでは、ハードディスクに保存した動画(DVD相当の画質)を再生させながらバッテリ駆動させ、スリープ状態になるまでの時間を計測しました。尚、画面の輝度は中間の「7」、電源プランは「Energy Saver」にしています。
静音性のチェック
本機の動作音(静音性)のチェック結果です。もし、動作音が大きいと、気になって作業に集中できなかったり、周りの人に迷惑になったりします。
下記の3つの状態で計測した結果、動作音は静かです。他のPCと比較しても騒音値は低いです。

騒音値の計測結果
左図:アイドル時の騒音値 (何も操作していない状態)
中央図:バイオハザード5ベンチマーク実行時の騒音値(解像度:1280x720、テストAで実行)
右図:TMPGEnc Video Mastering Works 5 でエンコード時の騒音値(x264、解像度1280x720でエンコード)
部屋を極力無音にしたときの騒音値:40.4dB、 測定機器:GS-04
※選択したCPUやGPUが異なると騒音値は変わってきます
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
下記の3つの状態でテストをした結果、ノートパソコンとしては、一般的な数値だと思います。

  各パーツの温度の測定結果
  
   左図:アイドル時(何も操作していない状態)の温度
    中央図:バイオハザード5ベンチマーク実行時の温度(解像度:1280x720、テストAで実行) 
    右図:TMPGEnc Video Mastering Works 5 でエンコード時の温度(x264、解像度1280x720でエンコード)
    測定環境:室内温度 約26℃、 測定ソフト:HWMonitor Pro
    ※選択したCPUやGPUが異なるとパーツの温度は変わってきます
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
下記の3つの状態で計測した結果、全体的に低めの表面温度です。キーボードの左側がやや熱くなりますが、指先の部分なので、それほど気になりません。

  表面温度の計測結果
  
   左図:アイドル時(何も操作していない状態)の表面温度 
    中央図:バイオハザード5ベンチマーク実行時の表面温度(解像度:1280x720、テストAで実行) 
    右図:TMPGEnc Video Mastering Works 5 でエンコード時の表面温度(x264、解像度1280x720でエンコード)
    測定環境:室内温度 約26℃、 測定機器:赤外線温度計TN006
    ※選択したCPUやGPUが異なると表面温度は変わってきます
消費電力のチェック
ThinkPad Edge E525の消費電力のチェック結果です。もし、消費電力が高いと、電気代が高くなるのと、節電に反します。尚、1日平均3時間程度パソコンを使用する場合、消費電力が1W違うと、電気代は1か月あたり約2円違います(電気の契約内容にもよります)。
下記の3つの状態で計測した結果、消費電力は小さいです。

  消費電力の計測結果
  
   左図:アイドル時 (何も操作していない状態)の消費電力
    中央図:バイオハザード5ベンチマーク実行時の消費電力(解像度:1280x720、テストAで実行) 
    右図:TMPGEnc Video Mastering Works 5 でエンコード時の消費電力(x264、解像度1280x720でエンコード)
    測定機器:ワットチェッカー TAP-TST7
    ※選択したCPUやGPUが異なると消費電力は変わってきます
外観のチェック
ThinkPad Edge E525の外観のチェックです。

天板はドーム状になっており加圧に強くなっています。マットな素材で、指紋が付きにくいです。

天板はヒートウェーブ・レッド(光沢なし)のカラーを選択しています。「レッド」といっても、やや黒いものが混じっており、落ち着きのある色になっています。

ポート類に関してはThinkPad Edge E520と同じですので、詳細は「ThinkPad Edge E520 - 外観のチェック」をご覧ください。尚、リンク先のE520はミッドナイト・ブラックの天板です。
まとめ
以上が、ThinkPad Edge E525のレビューでした。
内蔵地デジチューナーやブルーレイドライブ選択できるわけではなく、地味な印象をもってしまうThinkPad Edge E525ですが、キーボードは打ちやすく、静音性も高く、消費電力も少なく、製品の出来は良いと思います。
本機を検討中の方は、ThinkPad Edge E520とE525のどちらにしようか、またはどのAPUにしようか迷うことでしょう。用途や、PCを何年間使おうと思っているのかにもよりますが、万人向けなのは、Core i3またはCore i5を搭載したThinkPad E520かなと思います。動画再生程度ならインテルCPU内蔵のインテルHDグラフィックスでも十分です。また動画エンコードを行う場合、クイックシンクビデオを使えるので、処理時間が短くて済みます。
軽めのゲームをするなら、A8-3500Mを搭載したThinkPad E525が良いでしょう。最もGPU性能が良いです。
ネットやメールが出来れば良い程度なら、最も安価なA4-3300Mでいいと思います。
ただし、このPCを3年以上使おうと思っているなら、CPU/APUは交換しにくいパーツなので、できるだけ高性能なパーツを選択しておいたほうがいいとは思います。
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