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レノボ Yoga Slim 7 Gen 10(14型 AMD)の実機レビュー - AI PCでも13万円台

CPU | Ryzen AI 5 340 Ryzen AI 7 350 |
---|---|
GPU | CPU内蔵 |
メモリ | 16GB / 32GB |
ストレージ | 512GB / 1TB SSD |
画面サイズ | 14型 16:10 |
画面種類 | 2880x1800 OLED 光沢 タッチ / 非タッチ |
質量 | 約 1.28kg |
バッテリー | 70Wh |
価格[税込] | 13万円台~ |
Yoga Slim 7 Gen 10(14型 AMD)は、高い性能のRyzen AI プロセッサーを搭載したCopilot+ PCです。
ディスプレイには2.8K有機ELを採用し、引き締まった黒に、色鮮やかな色を表現することができます。
また、約1.28kgと持ち運べる重さです。
それでいて、価格は13万円台からと安いです。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen AI 7 350、32GBメモリ、512GB SSD
セール情報
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目次
お忙しい方は、「Yoga Slim 7 Gen 10(14型 AMD)の特徴」のみお読みください。
Yoga Slim 7 Gen 10(14型 AMD)の特徴
最新のRyzen AI 300シリーズ搭載
Lenovo Yoga Slim 7 Gen 10(14型 AMD)は、最新の開発コード名「Krackan Point」のRyzen AI 300シリーズプロセッサーを搭載しています。
「Strix Point」のプロセッサーよりCPU性能、GPU性能はやや劣りますが、普通のプロセッサーよりは大分高い性能です。NPU性能は最大50TOPSと「Strix Point」とほぼ同等の性能で、PCの価格も抑えられているので、コスパの高いプロセッサーです。
NPU性能が高いため、Copilot+ PCにも準拠しています。
インテル Core Ultra 200Vおよび200Hと比較した場合、GPU性能はやや劣りますが、CPU性能およびNPU性能は高くなっています。
2.8K OLED 120Hzディスプレイ
Yoga Slim 7 Gen 10(14型 AMD)は、2.8K(2880x1800ドット)の有機ELディスプレイを搭載しています。
黒の表現力が高く、100% DCI-P3と色域が広い有機ELディスプレイなので、デジタル画像や動画を綺麗に表示させることができます。また、120Hzのハイリフレッシュレートにも対応しています。
なお、タッチパネル対応と非対応の2種類があるので間違えないようにしましょう。タッチパネル非対応のほうが安くなります。
光沢ディスプレイなのは、ユーザーによって好みの分かれる部分だと思います。

13万円台からと高いコストパフォーマンス
Yoga Slim 7 Gen 10(14型 AMD)は、高いCPU・GPU・NPU性能を備えつつ、価格が安くコストパフォーマンスが高いです。
カスタマイズすることができるモデルで、ディスプレイを非タッチパネルへ変更すると、130,790円(執筆時点)で購入することができます。Ryzen AI 5 340、16GBメモリ、512GB SSDの構成でこの価格です。

持ち運べる軽さ
本製品は、約1.28kgと比較的軽い製品なので、外へ持ち運ぶことも可能です。ボディも薄型なので、カバンなどへの収納も楽です。
品質の高いノートPCを持ち運びたい方にいいでしょう。

メモリはオンボード
メモリはオンボードなので交換することができません。
そのため、できれば容量の多い32GBメモリがおすすめですが、32GBメモリのモデルは17万円台からと価格が上がってしまいます。ここは残念です。
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 快適です。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | 映像が綺麗で、スピーカー音もいいです。 |
RAW現像 画像編集 |
○ | 色域が広いので画像編集などの用途にも利用できます。 |
動画編集 | △~○ | FHD動画の簡易的な動画編集ならできます。ただし、本格的な動画編集をするなら、外部GPUを搭載したモデルがいいでしょう。 |
ゲーム | △~○ | 原神クラスの軽いゲームであればプレイ可能ですが、重いゲームは無理です。 |
ディスプレイのチェック
ディスプレイは、光沢なので映り込みがあるものの、色鮮やかで綺麗な発色です。
タッチパネル対応と非対応のディスプレイがありますが、基本的には非タッチパネルでいいと思います。
詳細は、下のタブをクリックしてご覧下さい。
- 色域・輝度
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
下図のとおり、色域は非常に広いです。輝度は、1100 nit (HDRピーク)/500 nit (SDR標準)となっています。
カバー率 | |
sRGBカバー率 | 100% |
---|---|
DCI-P3カバー率 | 99% |
Adobe RGBカバー率 | 92% |

どの色も補正されておらず、自然な発色であることが分かります。

視野角は広いです。

光沢液晶であるため、周囲の物が画面に映り込みやすいです。

輝度が上がったり下がったりを繰り返すフリッカー(ちらつき)があります。人によっては眼が疲れるかもしれません。

※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードは普通の打ちやすさです。
当サイトの計測では、キーピッチは、横:19mm、縦:18.5mm、キーストロークは約1.5mmでした。
キートップが湾曲している点や半角/全角キーが大きいのは良かったです。ただし、BackspaceキーやEnterキーがやや小さいです。
タッチパッドは使いやすかったです。

※画像をクリックすると拡大できます

パフォーマンスのチェック
Yoga Slim 7 Gen 10(14型 AMD)のパフォーマンスのチェックです。
デフォルトの「適応パワー・モード」と、高いパフォーマンスが出る「パフォーマンス」で、各種ベンチマークを計測していきます。

CPU
CPUは「Krackan Point」のRyzenAI 300シリーズプロセッサーです。デフォルトTDPは28Wです。
Ryzen AI 7 350のCINEBENCH 2024のスコアは、下の通り高めです。負荷の高い処理もストレスなくこなせる性能です。
なお、Ryzen AI 5 340のスコアは、他のPCも含めて計測したことがまだないので不明です。

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
グラフィックス
Ryzen 5 8645HSの3DMark Night Raidの結果は以下の通りで、比較的高いスコアです。ただ、Ryzen 8000シリーズのRyzen 7 8845HSより、やや低いスコアです。
~ グラフィックス性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
NPU
NPUの性能は高めです。ただし、GeForce RTX 4050 Laptopのような独立GPUと比較すると、AI TOPSは大きく落ちます。
~ NPU性能の評価 ~
:レビュー機のTOPS
ストレージ
ストレージは比較的高速です。
~ ストレージ性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
その他ベンチマーク
Ryzen AI 7 350のその他のベンチマークスコアについては、こちらのリンク先をご覧ください。別の
PCで計測した結果となりますが、参考になると思います。動画・画像編集ソフトの処理時間や、FF14、原神などのゲーム時のフレームレートも掲載しています。
質量のチェック
質量は、メーカーの仕様では約1.28kgとなっており、当サイトの計測値はそれよりもやや重いですが、持ち運べる重さです。
ACアダプターは軽いです。
質量 | |
PC本体 | 1.300kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 172g |
バッテリー駆動時間のチェック
Yoga Slim 7 Gen 10(14型 AMD)のバッテリー容量は70Whと大きめです。

バッテリー駆動時間は、そこそこあります。ただ、インテル Core Ultra 200Vシリーズほどバッテリー駆動時間は長くありません。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA3.0(アイドル時) | 約18.4時間 |
(2) JEITA3.0(動画再生時) | 約12.5時間 |
(3) 動画編集ソフトでプレビュー再生 | 5時間42分 |
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生させたとき。画面輝度は約120cd/m2
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。なお、搭載しているCPUのデフォルトTDPは28Wです。
CPU電力は、「適応パワー・モード」の場合が42W→35Wくらいで、「パフォーマンス」のモードの場合が45Wくらいで推移しています。デフォルトTDPよりも高いCPU電力が出ています。
CPU温度は、「適応パワー・モード」の場合は、90℃まで達していますが、時間が経つと80℃前後まで下がっており問題ありません。「パフォーマンス」のモードの場合は90℃前後であることが多く、やや高めのCPU温度です。


静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時はほぼ無音です。YouTube動画の再生のような低い負荷のときも、ほぼ音は聞こえませんでした。他の状態も比較的静かです。
騒音値 | |
アイドル時 | 約20dB |
---|---|
低負荷時 [YouTube再生] | 約20dB |
中負荷時 [動画編集] | 約29dB |
高負荷時1 [エンコード] | 約33dB |
高負荷時2 [ゲーム] | 約41dB |
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
アイドル時:アイドル時
低負荷時:1080pのYouTube動画再生時
中負荷時:Premiere Proで、編集中の1080pの動画をプレビュー再生した時
高負荷時1:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコード(x265)した時
高負荷時2:FF14のゲームのベンチマーク実行時(標準品質(ノートPC)、1920x1080、ウィンドウ)
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手のひらを置くパームレストの温度変化は重要です。
負荷が高くないときは、それほど温度は上がらないので快適に使うことができます。ただ、ゲームのような高い負荷をかけると左パームレストが熱くなってきて、やや気になります。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
低めの消費電力です。
消費電力 | |
アイドル時 | 6W |
---|---|
低負荷時 [YouTube再生] | 13W |
中負荷時 [動画編集] | 24W |
高負荷時1 [エンコード] | 32W |
高負荷時2 [ゲーム] | 57W |
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています
外観のチェック
外観のチェックです。
タイダルティールというカラーで、アルミのユニボディです。高級があり素敵な外観です。

天板はフラットで今風ですが、Lenovoのロゴはもう少し控え目でも良かったかなと思います。

高さは13.9mmと非常に薄いです。


スピーカーは、2W×2 ツイーター、2W×2 ウーファーの構成で、音質はとても良いです。勝手に点数をつけると、ノートPC基準で10点満点で7点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。


Webカメラは1080pで、画質は普通です。IRカメラも内蔵しており、顔認証にも対応しています。


※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影
側面のポート類は下図の通りです。USB-Cは、40GbpsのUSB4で、映像出力およびPowerDeliveryに対応しています。HDMIは、HDMI2.1で4K/60Hzをサポートしています。


ヒンジは、約180度までは開きます。

底面はスッキリとしています。

内部はご覧のようになっており、冷却ファンが2つ、ヒートパイプが2つです。普通のノートPCよりは高めの冷却性能です。

SSDはType 2242です。空いているM.2スロットはありません。

ACアダプターは65Wで、サイズは小さいです。

まとめ
以上が、Yoga Slim 7 Gen 10(14型 AMD)のレビューでした。
Ryzen AI 300プロセッサーに、2.8K有機ELディスプレイを搭載し、13万円台から購入することができるコスパの高いノートPCです。
Ryzen AI 300シリーズは、CPU性能およびGPU性能だけでなく、さらにNPU性能も高いので、Copilot+ PCに準拠しています。
ただし、Ryzen 7 8845HSと比べると、本機搭載のRyzen AI 7 350は、NPU性能は高いですが、CPU性能およびGPU性能は若干劣ります。そのため、NPU性能を重要視していない方は、価格が安いならRyzen 7 8845HS搭載PCでもいいとは思います。
ディスプレイは、有機ELなので、画像が色鮮やかです。タッチパネルと、非タッチパネルのディスプレイがありますが、2 in 1 PCでもないのにタッチすることはあまりないと思うので、非タッチパネルのディスプレイで十分だと思います。ただ、どちらにしろ、光沢なので映り込みがあり、フリッカー(ちらつき)もあります。
ボディが軽いので、持ち運びにも便利です。高めの性能のノートPCを持ち歩きたい方にもおすすめです。
Ryzen AIに2.8有機EL搭載で13万円台
Yoga Slim 7 Gen 10(14型 AMD)

特徴
- Ryzen AI 300搭載でも13万円台
- 有機EL(OLED)ディスプレイを搭載
- 持ち運べる軽さ
こんなあなたに
- 高い性能のノートPCを持ち歩きたい方
- 安くて性能高めのノートPCが欲しい方
- 価格13万円台~
- キャンペーンページお得なセール情報

1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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