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ThinkPad X9 15 Gen 1 Aura Editionの実機レビュー - 15.3型ノートが約1.4kg~

CPU | Core Ultra 7 vPro 268V Core Ultra 7 258V Core Ultra 5 vPro 238V Core Ultra 5 228V Core Ultra 5 226V |
---|---|
GPU | CPU内蔵 |
メモリ | 16GB / 32GB |
SSD | 256GB ~ 2TB |
画面サイズ | 15.3型 16:10 |
画面種類 | 2880x1800 OLED 2880x1800 OLED タッチ |
質量 | 約 1.4kg~ |
バッテリー | 80Wh |
価格 | 20万円台~ |
ThinkPad X9 15 Gen 1 Aura Editionは、15型クラスの大きめの画面を搭載しつつ、約1.4kgと比較的軽いノートPCです。外出先でも大きな画面で作業をしたい方におすすめです。
Core Ultra 200Vに80Whバッテリーを搭載し、バッテリー駆動時間も長めです。
トラックポイントが無いので、既存のThinkPadユーザーには不満があると思いますが、トラックポイントが必要ない方には、ThinkPad X1シリーズより安いので、逆にいいかもしれません。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core Ultra 7 258V、32GBメモリ、1TB SSD
セール情報
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目次
お忙しい方は、「ThinkPad X9 15 Gen 1 Aura Editionの特徴」のみお読みください。
ThinkPad X9 15 Gen 1 Aura Editionの特徴
15型クラスのノートPCとしては軽い
ThinkPad X9 15 Gen 1 Aura Editionは、15.3型と大きめのディスプレイを搭載している割には、重量が「約1.4kg~」と軽いノートPCです。また、ボディも非常に薄く、スタイリッシュな見た目です。
ThinkPadブランドで、15型クラスのノートPCで軽量なのも珍しいです。
自宅(社内)はもちろん、外出先でも大きな画面で仕事をしたい方におすすめです。


トラックポイントが無いThinkPad
ThinkPad X9 15 Gen 1 Aura Editionは、ThinkPadの代名詞とも言える「赤いポッチ」のトラックポイントがありません。
従来からのThinkPadユーザーは「こんなのThinkPadじゃない」と感じると思います。
ただ、ThinkPadのノートパソコンを使っていても、トラックポイントを使っていない方や、そもそも他メーカーのPCを使っていてトラックポイントを使ったことがない方も多いでしょう。そういった場合、本製品のほうが、扱いやすいかもしれません。

低反射のOLEDディスプレイを搭載
本製品は、有機ELディスプレイを搭載しており、色が鮮やかで、黒の表現力も高く、画像や映像がとても綺麗です。
最近、有機ELを搭載したノートパソコンが非常に増えてきましたが、鮮やかな色を強調するため表面が光沢であることが多いです。その場合、周囲の物が映り込み、作業しにくいという方もいるでしょう。
本製品は低反射加工が施されており、有機ELでありながら反射が抑えられています。仕事でも使いやすいディスプレイです。


オプションのイヤホン
本製品は、オプションでイヤホンも販売されています。
今回、メーカーからイヤホンのみご提供いただいたので、簡単に紹介します。このイヤホンは、他のデバイスでももちろん使えますが、ThinkPad X9と一緒に使う場合のみ、声紋によるマイク・ノイズキャンセリングなど、持っている機能をフルに使うことができます。
あまりイヤホンについては詳しくありませんが、音質はいいと思います。ただ、筆者が普段使っているソニーのWH-1000XM3のヘッドホンと比較すると、重低音がやや強いかなと思います。



各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 快適です。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | ディスプレイの表示が綺麗で、スピーカー音もいいので、動画視聴も快適です。 |
RAW現像 画像編集 |
◎ | 色域が広く、内蔵GPU性能も高いので、画像編集なども快適です。 |
動画編集 | ○ | FHD動画の簡易的な動画編集ならできます。ただ、本格的に動画編集をするなら、GeForce RTXシリーズの独立GPUを搭載した機種がいいと思います。 |
ゲーム | △~○ | 原神クラスの軽いゲームであればプレイ可能です。重いゲームをするなら、ゲーミングノートPCのほうがいいです。 |
ディスプレイのチェック
ディスプレイは、サイズが15.3型、解像度が2880x1800、色域が100% DCI-P3、リフレッシュレートが120Hzです。タッチパッド対応のディスプレイもあります。
詳細については、以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域・輝度
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
当サイトで色域を計測した結果は下の通りで、とても広いです。また、最大輝度は、仕様では500nitとなっています。
カバー率 | |
sRGBカバー率 | 100% |
---|---|
DCI-P3カバー率 | 100% |
Adobe RGBカバー率 | 94% |

ガンマ補正曲線を確認すると、どの色もほぼ補正されておらず、自然な発色になっていることが分かります。

視野角は広いです。

有機ELディスプレイとしては珍しく低反射であるため、画面への映り込みは低減されています。ギラつきはほぼ感じません。

PWM調光によるフリッカー(ちらつき)があります。体質によっては眼が疲れるかもしれません。

※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードは比較的打ちやすいと思います。
実測で、キーピッチは横:19mm、縦:18mmで、キーストロークは約1.5mmです。
キートップはやや湾曲しており、backspaceキーや半角/全角キーなど良く使うキーが大きくなっています。
ただし、enterの左隣の一部のキーはやや小さいです。deleteキーが端にないのもやや気になります。また、他のThinkPadシリーズのように、矢印キーが下がった位置にありません。
backspaceキーの上に電源ボタンがありますが、強めにかつ少し長めに押さないと反応しないので、タイピング中に誤って触れてしまっても、反応することはありません。
タッチパッドは、ハプティックタッチパッドで、面積が大きく使いやすいです。Macbookに似た使用感です。

※画像をクリックすると拡大できます

キーボードバックライトも搭載しています。

パフォーマンスのチェック
ThinkPad X9 15 Gen 1 Aura Editionのパフォーマンスのチェックです。
CPU
CPUは、インテル Core Ultra 200Vのプロセッサーを搭載しています。今回、Core Ultra 7 258Vを搭載しています。マルチコア性能は普通で、シングルコア性能は高めです。一般的な用途で使うなら十分な性能でしょう。

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
グラフィックス
グラフィックスの性能は、CPU内蔵のものとしてはかなり高いです。原神、鳴潮、ドラクエなどの軽いゲームならできる性能です。
~ グラフィックス性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
NPU
NPU性能は最大 47 TOPSと高めです。
~ NPU性能の評価 ~
:レビュー機のTOPS
ストレージ
ストレージも高速です。
~ ストレージ性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
micro SDカードスロットはありません。
質量のチェック
質量は、仕様では「約 1.4kg~」となっており、当サイトでの実測値は以下の通りです。
15型クラスのノートPCとしては軽いです。
ACアダプターも比較的軽いです。
質量 | |
PC本体 | 1.416kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 216g |
バッテリー駆動時間のチェック
ThinkPad X9 15 Gen 1 Aura Editionのバッテリー容量は80Whと大きめです。
バッテリー駆動時間は以下の通りです。
資料作成などの普段使いの負荷を想定した(3)のバッテリー駆動時間は、7時間30分(当サイト計測)でした。ディスプレイサイズが大きいものの、省電力のCore Ultra 200Vを搭載し、80Whの大容量バッテリーを搭載しているので、バッテリー駆動時間は長めです。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA3.0(アイドル時) | 約27.4時間 |
(2) JEITA3.0(動画再生時) | 約24.6時間 |
(3) 動画編集ソフトでプレビュー再生 | 7時間30分 |
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生させたとき。画面輝度は約120cd/m2
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。なお、搭載しているCPUのプロセッサー・ベース・パワー(PBP)は17Wです。
CPU電力は、デフォルトの「バランス」モードだと、PBPより若干低めの16W前後で推移していました。一方、「最適なパフォーマンス」モードにすると25WのCPU電力が出ており、パフォーマンスがアップしているのが分かります。
CPU温度は、デフォルトの「バランス」モードだと、70℃台で推移しており問題ありません。「最適なパフォーマンス」モードにしても80℃前後と、そこまで高いCPU温度ではありません。「最適なパフォーマンス」モードで使っても特に問題ないでしょう。


静音性のチェック
ThinkPad X9 15 Gen 1 Aura Editionの動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時はほぼ無音です。それ以外の状態のときも、比較的静かです。
騒音値 | |
アイドル時 | 約20dB |
---|---|
低負荷時 [YouTube再生] | 約20dB |
中負荷時 [動画編集] | 約31dB |
高負荷時1 [エンコード] | 約36dB |
高負荷時2 [ゲーム] | 約40dB |
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
アイドル時:アイドル時
低負荷時:1080pのYouTube動画再生時
中負荷時:Premiere Proで、編集中の1080pの動画をプレビュー再生した時
高負荷時1:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコード(x265)した時
高負荷時2:FF14のゲームのベンチマーク実行時(標準品質(ノートPC)、1920x1080、ウィンドウ)
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手のひらを置くパームレストの温度変化は重要です。
それほど温度は上がらないので、不快感なく使えると思います。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
全体的に低めのCPU電力です。
消費電力 | |
アイドル時 | 5W |
---|---|
低負荷時 [YouTube再生] | 8W |
中負荷時 [動画編集] | 20W |
高負荷時1 [エンコード] | 28W |
高負荷時2 [ゲーム] | 43W |
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています
外観のチェック
外観のチェックです。
ボディはアルミニウム製で、質感は良いです。サンダーグレーのカラーなので、ブラックのカラーのThinkPadよりも指紋などが目立ちません。

天板には「ThinkPad」のロゴがあります。また、上部のカメラなどが集まっているコミュニケーションバーが出っ張っています。

ボディは薄いです。


スピーカーは側面にあります。音質は比較的良く、ノートPC基準で、10点満点で採点すると6~7点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。

電源ボタンと統合された指紋認証装置もあります。

Webカメラは800 万画素の高解像度で、画質もいいです。IRカメラも内蔵しているので、顔認証によるログインが可能です。ToF センサーも搭載しており、目の前に人がいると感知することができます。これにより離席時にPCを自動でロックしたりすることが可能です。


※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影
ポート類は、エンジンハブと呼ばれる出っ張りに搭載されています。USB4 Type-CはPower DeliveryおよびDisplayPort出力をサポートしています。HDMIは4K/60Hzをサポートしています。


ヒンジは約180度開きます。

底面はご覧の通りです。エンジンハブの部分は、下から見ると、結構出っ張りを感じます。


冷却ファンは2つありますが、サイズは小さいです。メモリはCPUに統合されています。

SSDはType 2242です。

ACアダプターは、65Wです。

まとめ
以上が、ThinkPad X9 15 Gen 1 Aura Editionのレビューでした。
15型クラスのディスプレイを搭載している割には、約1.4kgと比較的軽いノートPCです。自宅(社内)でも、外出先でも大きな画面で作業をしたい方におすすめです。
大きな画面の割には、バッテリー駆動時間も長く、外でも長時間使えることでしょう。
ディスプレイには、色域の広い有機ELを搭載しています。有機ELの場合光沢が多いですが、本製品は表面が低反射だったので見やすかったです。キーボードも、トラックポイントは無いものの、タイピング自体は比較的しやすかったので、作業はしやすいと思います。
ディスプレイは約180度開き、インターフェースも不足はなく、全体的に品質は高いと思います。
ただ、個人的に気になるのは、底面のエンジンハブの出っ張りです。ここはちょっとダサく見えます。
オプションで、ThinkPad X9でのみフル機能が使えるイヤホンも販売されています。こちらも合わせてご検討下さい。
15.3型ノートが約1.4kg~
ThinkPad X9 15 Gen 1 Aura Edition

特徴
- 15.3型ノートでも、約1.4kgと軽量
- トラックポイントの無いThinkPad
- 2.8K、低反射の有機ELディスプレイ
こんなあなたに
- 外出先でも大きな画面で作業をしたい方
- バッテリー駆動時間も長めの製品がいい方
- 価格20万円台~
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1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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