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IdeaPad Slim 3 Gen 10 (14型 AMD)の実機レビュー - 安いけど十分使えるノートPC

CPU | Ryzen 5 7533HS Ryzen 7 7735HS |
---|---|
GPU | CPU内蔵 |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 512GB / 1TB SSD |
画面サイズ | 14型 16:10 |
画面種類 | 1920x1200 IPS 非光沢 |
質量 | 約 1.39kg |
バッテリー | 50Wh |
価格[税込] | 8万円台~ |
IdeaPad Slim 3 Gen 10 (14型 AMD)は、8万円という安さのノートPCです。
安くても、十分なスペックを持っており、一般的なユーザーであればストレスなく使えるでしょう。
また、質量も重くないので、部屋を移動したり、持ち出したりするときにも便利です。
ディスプレイの色域(色の表現できる幅)が狭いのが欠点ですが、そこが気にならなければおすすめです。
レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen 5 7533HS、16GBメモリ、512GB SSD
セール情報
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目次
お忙しい方は、「IdeaPad Slim 3 Gen 10 (14型 AMD)の特徴」のみお読みください。
IdeaPad Slim 3 Gen 10 (14型 AMD)の特徴
安いけど十分使えるノートPC
IdeaPad Slim 3 Gen 10 (14型 AMD)は、8万円台という安さのノートPCです。物価が上昇している中、新製品が8万円台というのはかなり安いです。
安くても、Zen3+世代のプロセッサーに、16GBメモリ、1TB SSDを搭載しており、十分なスペックです。Officeを使ったり、Web閲覧をしたり、メールをチェックしたりする程度の用途なら、ストレスなく動くスペックです。

比較的軽い
本製品は、持ち運び用に特化したノートPCではありませんが、約1.39kgと比較的軽いので、持ち運びにも便利です。
モバイル用ノートPCを買う予算は無いけれど、持ち運べる軽いノートPCが欲しいという方にも適しています。

スロット + オンボードメモリ
本製品は、メモリがスロットメモリ8GB+オンボードメモリ8GBという構成になっており、スロットメモリは交換することが可能です。
ただ、もしスロットメモリを16GBへ変更したとすると、スロットメモリの8GB分はデュアルチャネルで動作しないため、やや遅くなります。とはいっても、普段使いであれば特に遅くは感じないでしょう。

他のノートPCとの比較
ここでは、レノボの従来モデルの「IdeaPad Slim 3 Gen 8 14型」と、上位モデルの「IdeaPad Slim 5 Gen 10 14型」と、本製品(IdeaPad Slim 3 Gen 10 14型)は何が違うのか比較してみます。
「IdeaPad Slim 3 Gen 8 14型」と比較すると、本製品は、ディスプレイの縦方向の解像度が少し高くなっています。また、前述のように、1枚のメモリだけ換装可能です。CPU性能は、本製品のほうが少しだけ高くなっていますが、大きくは変わりません。
「IdeaPad Slim 5 Gen 10 14型」と比較すると、本製品は、CPU性能、ディスプレイ品質、メモリやSSDの拡張性など、全体的に見劣りします。コスパの面ではSlim 5のほうがいいかもしれません。ただ、光沢ディスプレイが好きではない方や、有機EL(OLED)は、フリッカーなどがあるので苦手という方は、本製品のほうがいいです。
[従来モデル] IdeaPad Slim 3 Gen 8 14型 |
[本製品] IdeaPad Slim 3 Gen 10 14型 |
[上位モデル] IdeaPad Slim 5 Gen 10 14型 |
|
画像 | ![]() |
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CPU | Ryzen 5 7530U Ryzen 7 7730U |
Ryzen 5 7533HS Ryzen 7 7735HS |
Ryzen 5 8645HS Ryzen 7 8845HS |
メモリ | 16GB オンボード |
16GB オンボード+スロット |
16GB / 32GB スロット |
SSD | 512GB | 512GB / 1TB | |
2nd SSD | 空きなし | 空きあり | 空きあり |
画面 | 14型 1920x1080 | 14型 1920x1200 | |
画面種類 | IPS 非光沢 (45% NTSC) |
OLED 光沢 (100% DCI-P3) |
|
キーボード バックライト |
〇 | × | 〇 |
指紋センサー | 〇 | × | × |
顔認証 | × | 〇 | 〇 |
質量 | 約 1.37kg~ | 約 1.39kg | 約 1.39kg |
バッテリー | 47Wh | 50Wh | 60Wh |
価格 | 75,900円~ | 81,840円~ | 99,880円~ |
公式サイト | 製品ページ | 製品ページ | 製品ページ |
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 快適に動作します。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ○ | ディスプレイの色がくすんで見えますが、普通に視聴はできます。スピーカー音も普通です。 |
RAW現像 画像編集 |
△ | 色域が狭いので、画像編集向きではありません。 |
動画編集 | △ | Ryzen 7 7735HSのモデルであれば、FHD動画の簡易的な動画編集ならできなくもありませんが、あまり動画編集向きのPCではありません。 |
ゲーム | △ | Ryzen 7 7735HSのモデルであれば、軽いゲームならできるものもありますが、ゲームをするなら上位モデルのほうがいいと思います。 |
ディスプレイのチェック
ディスプレイは、色域が狭いので、色の表現力が低いですが、非光沢で映り込みが少なく、フリッカーもありません。色の正確性が要求されない文書作成などの作業なら問題ないでしょう。逆に、ちゃんとした色で画像や映像をみたい方や、画像編集などをしたい方は、物足りないディスプレイ品質です。
細かい性能は、下のタブをクリックしてご覧下さい。
- 色域・輝度
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
下図のとおり、色域は狭いです。当サイトの計測で、sRGBカバー率は62%でした。最大輝度は、当サイトの計測では274cd/m2とやや低めです。

色域の狭いディスプレイは、青色だけ強調されていることがありますが、この製品はそんなことはなく、比較的自然な発色です。

視野角は広いです。

非光沢液晶であるため、画面への映り込みは低減されています。

PWM調光によるフリッカー(ちらつき)はありません。

※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードは普通の打ちやすさです。
キートップが湾曲している点は良かったですが、キーストロークは浅めで、キーの材質がザラザラしており、やや安っぽさを感じました。
タッチパッドは普通の使い勝手です。

※画像をクリックすると拡大できます

パフォーマンスのチェック
IdeaPad Slim 3 Gen 10 (14型 AMD)のパフォーマンスのチェックです。
デフォルトの「適応パワー・モード」と、高いパフォーマンスが出る「パフォーマンス」で、各種ベンチマークを計測していきます。

CPU
CPUは、デフォルトTDPが"35~54W"のRyzenプロセッサーを搭載していますが、ここまで高いCPU電力はでませんでした。
CINEBENCH 2024のスコアは以下の通りですが、低めの数値です。ただし、Officeソフトの使用や、Web閲覧程度の負荷なら問題なく動作します。

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
グラフィックス
Ryzen 5 7533HSだと、グラフィックス性能はそこまで高くありません。Ryzen 7 7735HSであれば、もう少し高い性能になると思われます。
~ グラフィックス性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
NPU
NPUは搭載されていません。
ストレージ
ストレージは比較的高速です。
~ ストレージ性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
SDカードスロットを搭載しています。アクセス速度は普通です。
~ SDカードスロット性能 ~


質量のチェック
質量は、比較的軽いです。
ACアダプターは普通の重さです。
質量 | |
PC本体 | 1.384kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 312g |
バッテリー駆動時間のチェック
IdeaPad Slim 3 Gen 10 (14型 AMD)のバッテリー容量は50Whと、普通です。

バッテリー駆動時間は、そこまで長くありません。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA3.0(アイドル時) | 約17時間 |
(2) JEITA3.0(動画再生時) | 約9.0時間 |
(3) 動画編集ソフトでプレビュー再生 | 3時間41分 |
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生させたとき。画面輝度は約120cd/m2
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。なお、搭載しているCPUのデフォルトTDPは35~54Wです。
どちらのモードも、CPU電力は初動を除くと20~25W前後で動作しており、デフォルトTDPより低めで推移しています。CPU本来のパフォーマンスは出ていません。ただし、CPU温度に関しては、70℃台と問題ありません。


静音性のチェック
IdeaPad Slim 3 Gen 10 (14型 AMD)の動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時はほぼ無音です。それ以外の状態は、他のノートPCと同等程度です。
アイドル時 | 約20dB |
---|---|
低負荷時 [YouTube再生] | 約25dB |
中負荷時 [動画編集] | 約33dB |
高負荷時1 [エンコード] | 約39dB |
高負荷時2 [ゲーム] | 約42dB |
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
アイドル時:アイドル時
低負荷時:1080pのYouTube動画再生時
中負荷時:Premiere Proで、編集中の1080pの動画をプレビュー再生した時
高負荷時1:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコード(x265)した時
高負荷時2:FF14のゲームのベンチマーク実行時(標準品質(ノートPC)、1920x1080、ウィンドウ)
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手のひらを置くパームレストの温度変化は重要です。
特に不快感なく使うことができます。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
低いCPU電力で動作していたので、消費電力も高くありません。
アイドル時 | 5W |
---|---|
低負荷時 [YouTube再生] | 10W |
中負荷時 [動画編集] | 19W |
高負荷時1 [エンコード] | 29W |
高負荷時2 [ゲーム] | 36W |
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています
外観のチェック
外観のチェックです。
トップカバーはアルミニウム製ですが、底面は樹脂製です。

天板はふくらみがあまりなくフラットです。

高さは普通です。


スピーカーはキーボードの左右にあります。最大音量はやや低めです。音質は普通で、ノートPC基準で、10点満点で採点すると5点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。

Webカメラは1080pで、画質は普通です。IRカメラも内蔵しているので、顔認証によるログインが可能です。ただし、指紋認証装置はありません。


※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影
側面のポート類は下図の通りです。USB-Cは、5GbpsのUSB3.2 Gen 1で、DisplayPortおよびPowerDeliveryに対応しています。HDMIは、HDMI1.4ですが、Compression RGBに対応しているのか、実際に試してみたところ、4K/60Hz/RGBでの表示が可能でした。


ヒンジは180度までは開きませんが、大分開きます。

底面は樹脂製なので、やや安っぽいです。

ファンが1つ、ヒートパイプも1つです。

メモリは1つがオンボードで、1つがスロット式です。

SSDはType 2242です。

空いているType 2242のM.2スロットもあります。

ACアダプターは、65Wで、サイズはやや大きいです。

まとめ
以上が、IdeaPad Slim 3 Gen 10 (14型 AMD)のレビューでした。
8万円台から購入することができる安いノートPCです。
安くても、Zen3+世代のRyzenプロセッサーに、16GBメモリ、512GB SSDを搭載し、普段使いなら十分な性能です。 ただ、CPUは、デフォルトTDPほどのCPU電力にはなっておらず、パフォーマンスはそこまで出ていませんでした。
質量は、約1.39kgと重くないので、外などへ持ち運んで使用してもいいでしょう。
メモリが1つだけ交換できるようになったので、いざというときはメモリを増やすこともできます。
デメリットは、ディスプレイの色域が狭い点です。色がくすんで見えます。あまり色にはこだわらない方に適しています。
その他、キーボードバックライトが無い点、指紋認証装置が無い点も、人によってはデメリットになります。
8万円台と安くても使えるノートPC
IdeaPad Slim 3 Gen 10 (14型 AMD)

特徴
- 8万円台からと安い価格
- 普段使いには十分なスペック
- 持ち運べる重さ
こんなあなたに
- 安くて最新のノートPCが欲しい方
- PCを持って移動することがある方
- 価格8万円台~
- キャンペーンページお得なセール情報

1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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