※当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
レノボ IdeaPad Pro 5i Gen 9(インテル)とPro 5 Gen 9(AMD)の比較
ここでは、一般的なノートPCよりも高めの性能と、高解像度で美しい表示のディスプレイを備えつつ、コストパフォーマンスも高い、レノボのIdeaPad Pro 5i Gen 9(インテル)と、IdeaPad Pro 5 Gen 9(AMD)を徹底的に比較します。
仕事や趣味に快適に使うことができて、軽くゲームもでき、収納や移動もしやすい、こんなわがままな14型ノートPCが欲しい方は、IdeaPad Pro 5シリーズを検討してみることをおすすめします。インテルモデルと、AMDモデルのどちらが自分の用途に合っているのかの判断材料にしてください。
公式サイトはこちら
製品スペックの比較
まずは、各製品の簡単なスペックを比較します。
IdeaPad Pro 5i Gen 9 14型(以後、「インテルモデル」と記載)と、IdeaPad Pro 5 Gen 9 14型(以後、「AMDモデル」と記載)の主な違いは、CPU、GPU、ディスプレイの種類となります。この異なる部分を中心として、どちらの機種、または、どの構成が自分の用途に適しているのかを判断するといいでしょう。
なお、AMDモデルは、以前はRyzen 5 8645HSも選択することができましたが、現在は選択できなくなっているので割愛します。
[インテルモデル] IdeaPad Pro 5i Gen 9 14型 (インテル Core Ultra) |
[AMDモデル] IdeaPad Pro 5 Gen 9 14型 (AMD) |
|
CPU | Core Ultra 5 125H Core Ultra 7 155H Core Ultra 9 185H |
Rynze 7 8845HS |
GPU | CPU内蔵 | CPU内蔵 / RTX 3050 |
メモリ | 16GB / 32GB | |
SSD | 512GB / 1TB | |
画面サイズ | 14.0型 16:10 | |
ディスプレイ | 2880x1800 IPS 2880x1800 有機EL |
2880x1800 有機EL |
質量 | 約1.46kg | |
バッテリー | 84Wh | |
価格 | 12万円台~ | 12万円台~ |
CPUの比較
CPUの処理性能を測るベンチマークソフト:CINEBENCH R23のスコアは下のグラフの通りです。
スコアが高い方から並べると、マルチコア、シングルコアのどちらとも、Core Ultra 7 155H、Ryzen 7 8845HS、Core Ultra 5 125Hの順になっています。なお、今回試してはいませんが、インテルモデルでは、Core Ultra 9 185Hも選ぶことができます。順当にいけば、Core Ultra 7 155Hよりも少し高いスコアになるはずです。
Core Ultra 5 125Hでも、Core i7-1360Pの代表的なスコアを軽く超えているため、一般的な用途には十分すぎるほどの性能です。コスパ重視なら、Ryzen 7 8845HSがおすすめです。処理性能重視であれば、インテルモデルのCore Ultra 7 155Hや、Core Ultra 9 185Hを搭載したモデルを選ぶといいでしょう。こちらは、ゲーミングノートPCなどに搭載される、Core i7-13700Hに迫るマルチコアスコアが出ていました。
~ CPU性能の評価 ~
グラフィック性能の比較
次に、グラフィックス性能を比較します。
どのCPUを搭載したモデルでも、CPU内蔵グラフィックスとしては高い性能を備えています。
なお、AMDモデルでは、GeForce RTX 3050搭載を選択することができます。動画編集を行う頻度が高かったり、色々なゲームをカジュアルにプレイすることができる機種が良ければ、こちらを選ぶといいです。ただし、GeForce RTX 3050を選択すると、メモリは16GBになります。また、バッテリー駆動時間も短くなるでしょう。
~ グラフィックス性能の評価 ~
ゲーミング性能の比較
ここでは、ゲーミング性能の比較を行います。
CPU内蔵グラフィックスとしては高めの性能を備えているので、ここに挙げているような軽めのゲームであれば、どのCPUを搭載したモデルでも、画質を調整することで60 fps近くか、それ以上のフレームレートでプレイすることができます。
なお、インテルモデルと、AMDモデルで、ゲームタイトルによって多少の得意・不得意があるようです。また、もう少し重いゲームもプレイしたい方は、AMDモデルでGeForce RTX 3050搭載を選択するといいです。
ファイナルファンタジー 14 暁月のフィナーレ
|
---|
PSO2 ニュージェネシス
|
---|
原神
|
---|
ARK: Survival Evolved
|
---|
VALORANT
|
---|
Apex Legends
|
---|
フォートナイト
|
---|
ドラゴンクエストX
|
---|
AMDモデルはHYPR-RXが使える
AMDモデルは、超解像技術のRSRや、フレーム生成技術のAMFMを含む、「HYPR-RX」が使えます。これはゲーム側が対応していないくても実行できる優れた機能です。
ただし、原神のように、解像度を下げたときにウィンドウモードになってしまうゲームには使えません。また、レイテンシ(遅延)が増大するので、動きの速いFPSゲームなどには向いていません。
また、RSRは、ディスプレイのネイティブ解像度(今回のPCの場合は2880x1800)へアップスケーリングされます。1920x1200などへアップスケーリングすることは出来ません。
このように制限はありますが、HYPR-RXが使えるゲームであれば、下のグラフように、大幅にフレームレートを伸ばすことが出来ます。HYPR-RXが利用できるゲームであれば、AMDモデルがおすすめです。
ファイナルファンタジー 14 暁月のフィナーレ
|
---|
※HYPR-RXのRSRは、1080pから1800pへアップスケーリング
クリエイティブワーク性能の比較
次に、各クリエイターソフトの処理時間を比較します。
こちらも処理によって、得手不得手があります。ただ、そこまで大きな差があるわけではありません。どのCPUでも比較的快適に作業ができると思います。なお、今回計測はしていませんが、動画編集がメインであれば、Ryzen 7 8845HS + GeForce RTX 3050のモデルでもいいでしょう。
インテルモデルが少し速いですが、どのCPUでも大きな差はありません。
処理に時間のかかるニューラルフィルターの処理にかかる時間を比較しました。Ryzen 7 8845HSは、「スーパーズーム(x2)」の処理が速く、Core Ultra 7 155Hは、「JPEGのノイズを削除」の処理が速かったです。
FHD動画の書き出し速度は、Core Ultra 7 155Hが一番速かったですが、他のCPUでもそれほど大きな差はありませんでした。趣味で時々短いFHD動画の編集を行う程度であれば、どのCPUを搭載したモデルでもよさそうです。なお、動画編集を行う頻度が高い方や、解像度が高めの動画の編集も行いたい方などは、AMDモデルのGeForce RTX 3050搭載機を検討するといいと思います。
※ グラフィックスは全てノートPC用
ディスプレイの比較
ディスプレイの比較です。
それぞれのモデルのディスプレイは、以下のようになっています。いずれも2.8Kと解像度が高いです。インテルモデルでは、IPS液晶と、有機ELの2種類から選ぶことができますが、AMDモデルは、有機ELディスプレイの一択です。
インテルモデルで選択できるディスプレイ
(1) 2.8K (2880x1800), IPS, 非光沢, 400nit, 100% sRGB, 120Hz
(2) 2.8K (2880x1800), 有機EL, 光沢, 400nit, 100% DCI-P3, 120Hz
AMDモデルのディスプレイ
(1) 2.8K (2880x1800), 有機EL, 光沢, 400nit, 100% DCI-P3, 120Hz
それぞれのディスプレイをチェックした結果は、下記の通りです。
Officeソフトでの作業など、長時間文字を見ることが多い方には、インテルモデルの2.8K IPS液晶がおすすめです。非光沢で映り込みが抑えられていますし、フリッカーも発生していなかったので、目が疲れにくいです。また、広めの色域なので、ウェブコンテンツの編集作業なども行うことができます。ただし、2.8K IPS液晶を選択することができるのは、Core Ultra 5 125H搭載モデルのみとなっています。
一方、画像・映像を色鮮やかな表示で見たい方は、インテルモデル / AMDモデルの2.8K OLED(有機EL)がおすすめです。DCI-P3カバー率100%と色域が広いので、一層色鮮やかな表示が可能です。
[インテルモデル] IdeaPad Pro 5i |
[AMDモデル] IdeaPad Pro |
|
2.8K IPS | 2.8K OLED | 2.8K OLED |
sRGBカバー率:99% | sRGBカバー率:100% | sRGBカバー率:100% |
DCI-P3カバー率:81% | DCI-P3カバー率:100% | DCI-P3カバー率:100% |
非光沢 | 光沢 | 光沢 |
質量の比較
質量の比較です。
下表の通り、PC本体、ACアダプターともに大きな差はありませんでした。扱いやすく、収納や室内での移動がしやすいです。時々持ち出して使用することも可能だと思います。ただし、日常的に外へ持ち歩くモバイルノートPCとして使うにはやや重いです。
[インテルモデル] IdeaPad Pro 5i |
[AMDモデル] IdeaPad Pro 5 |
|
PC本体 | 1.476kg | 1.487kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 372g | 378g |
バッテリー駆動時間の比較
バッテリー駆動時間の比較です。
どちらのモデルも84Whの大容量バッテリーを搭載しています。
仕様表に掲載されているバッテリー駆動時間と、当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は下表の通りです。
高めの処理性能を備えた機種としては、長めのバッテリー駆動時間です。
(3)の結果を見ると、少し負荷がかかる状況では、インテルモデルのCore Ultra 7搭載機のバッテリー駆動時間が一番長かったです。バッテリー駆動時間を重視する場合は、こちらを選ぶとよさそうです。
[インテルモデル] IdeaPad Pro 5i |
[AMDモデル] IdeaPad Pro 5 |
|||
Core Ultra 5 | Core Ultra 7 | Ryzen 7 | Ryzen 7 RTX 3050 |
|
(1) JEITA3.0(アイドル時) | 約22.7時間 | 約24.9時間 | 約17.3時間 | 約16.3時間 |
(2) JEITA3.0(動画再生時) | 約10.5時間 | 約10.4時間 | 約12.7時間 | 約12.9時間 |
(3) 動画編集時のプレビュー | 5時間33分 | 7時間54分 | 5時間52分 | ー |
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生(リピート)させたとき。画面輝度は約120cd/m2
パーツの温度の比較
次に、パーツ温度の比較を行います。
インテルモデルにおいては、Core Ultra 7 155Hと、Core Ultra 5 125Hで似たような結果だったので、Core Ultra 5 125Hの結果のみを掲載しています。
インテルモデル、AMDモデルのどちらとも、85℃前後のCPUに落ち着いており、問題のない温度です。
[インテルモデル] IdeaPad Pro 5i |
[AMDモデル] IdeaPad Pro 5 |
静音性の比較
こちらは、静音性の比較です。
どちらのモデルも、ほぼ同程度の騒音値でした。高めの性能を備えた機種ですが、他のノートPCと比べても高負荷時の騒音値は低めです。
[インテルモデル] IdeaPad Pro 5i |
[AMDモデル] IdeaPad Pro 5 |
|
アイドル時 | 約20dB | 約20dB |
---|---|---|
中負荷時 | 約29dB | 約30dB |
高負荷時 | 約36dB | 約35dB |
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
アイドル時:アイドル時
中負荷時:Premiere Proで、編集中の1080pの動画をプレビュー再生した時
高負荷時:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコード(x265)した時
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度の比較
本体の表面温度も比較してみました。
どちらのモデルもパームレスト部の温度は低く保たれています。高負荷時でも、不快感なくタイピングすることができます。
底面の温度も低めに抑えられています。ただし、動画編集やゲームなど負荷の高い作業を行う場合は、机の上など放熱しやすい状況で使用した方がいいです。
その他
その他の項目をまとめて比較します。
まず、外観は全く同じです。
その他の仕様に関しては、2つあるUSB-Cポートのうち1ポートが、インテルモデルはThunderbolt 4、AMDモデルはUSB4となっていますが、実質的にはほとんど同じと考えていいでしょう。その他のポート類や、機能も基本的に差異はありません。
[インテルモデル] IdeaPad Pro 5i |
[AMDモデル] IdeaPad Pro 5 |
|
メモリ | オンボード (増設・換装:不可) |
|
空きM.2スロット | あり Type 2280 M.2 SSD増設可 |
なし |
USB-C | Thunderbolt 4 (1ポート) USB3.2 Gen2 (1ポート) PowerDelivery対応 映像出力対応 |
USB4 (1ポート) USB3.2 Gen2 (1ポート) PowerDelivery対応 映像出力対応 |
USB-A | USB3.2 Gen1 (2ポート) | |
HDMI | HDMI2.1 4K@60Hz対応 |
|
LAN | × | |
キーボード バックライト |
〇 | |
SDカード | フルサイズSD対応 | |
指紋認証 | × | |
顔認証 | 〇 | |
Wi-Fi | Wi-Fi 6E対応 | |
横幅×奥行き | 約312x221 mm | |
高さ | 約15.99 mm | |
Webカメラ | FHD 1080p | |
スピーカー | 2.0W x2 |
ただし、一点重要な違いがあります。インテルモデルの内部には、空きのM.2スロットがあります。自己責任でのセルフカスタマイズにはなりますが、裏蓋を開けて、Type 2280 M.2 SSDを増設することができ、比較的簡単にストレージ容量を増やすことが可能です。一方、AMDモデルには、空きのM.2スロットがないので、SSDを増設することはできません。
まとめ
以上が、「IdeaPad Pro 5i Gen 9 14型(インテルモデル)」と、「IdeaPad Pro 5 Gen 9 14型(AMDモデル)」の詳細な比較でした。
どちらも、高めの性能と、2.8Kの綺麗なディスプレイを搭載しながら、12万円台から購入することができる、コストパフォーマンスの高い機種です。14型サイズなので、収納やちょっとした移動がしやすいのも嬉しいポイントです。
「IdeaPad Pro 5i Gen 9 14型(インテルモデル)」は、非光沢ディスプレイが選べる点や、M.2 SSDを増設することができる点がメリットです。ただ、Core Ultra 5モデルは12万円台ですが、Core Ultra 7モデルは、16万円台からとなります。
「IdeaPad Pro 5 Gen 9 14型(AMDモデル)」は、Ryzen 7を搭載して、12万円台で購入することができる点がメリットです。また、RTX 3050モデルも選択可能である点もメリットです。ただ、光沢ディスプレイしか選べないので、非光沢のほうが好きな方はご注意下さい。
公式サイトはこちら
パソコンやガジェット好きが高じて、パソコンメーカーや家電量販店などのパソコン訪問サポートを行うようになる。最近では、飼っているハムスターやカナヘビに癒されたり、ベランダで作っているトマトやヘチマの成長を見て喜んだりしている。子どもとマイクラをすると、画面酔いするようになり、年を感じる今日この頃。
2018年頃から、the比較の記事執筆に参加。
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
関連ページ