レノボ Lenovo V15 Gen 4 AMDの実機レビュー

更新日:
APU Ryzen 3 7320U
Ryzen 5 7520U
メモリ 8GB LPDDR5-5500
ストレージ 256GB PCIe SSD
液晶サイズ 15.6インチ
液晶種類 FHD IPS 非光沢
質量 約1.65kg
バッテリー 38Wh
価格[税込] 5万円台~
5万円台でも意外と使えるノートPC

Lenovo V15 Gen 4 AMDは、5万円台(税込)からと安くても、意外と使えて、コスパが高い15.6型ノートPCです。

Ryzen 3、8GBメモリ、256GB SSDの構成に、視野角が広くて、比較的見やすいIPS液晶を搭載して、5万円台から購入することができます。セール時期によってはRyzen 5モデルでも、5万円台で販売されることがあります。

「Zen 2」世代のCPUなので、処理性能は「Zen 3」ほど高くはありませんが、それでも、一般的なユーザーが使うアプリであれば、快適に動作します。

コストダウンのために削られている部分を理解した上であれば、限られた予算で購入できる機種として、とてもおすすめです。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は以下の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Ryzen 3 7320U、8GBメモリ、256GB PCIe SSD

 

セール情報

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目次

お忙しい方は、「Lenovo V15 Gen 4 AMD の特徴」のみお読みください。

 

Lenovo V15 Gen 4 AMDの特徴

意外と使えて5万円台(税込)~と安い!

Lenovo V15 Gen 4 AMDは、5万円台(税込)から購入できる、安さが魅力的な機種です。

レノボのIdeaPad Slim 170シリーズや、デルのInspiron 3000シリーズほど知られてはいないものの、格安機種なのに意外と使いやすいのが大きなポイントです。

この後の部分でも紹介していますが、特に、視野角の広いIPSパネルを採用した液晶を搭載しているのは、大きなメリットです。

できるだけ安く、でも、できるだけ使いやすいノートPCが欲しいという方に、おすすめの機種です。

5万円台から購入できる

 

比較的見やすいIPS液晶を搭載

Lenovo V15 Gen 4 AMDのような格安機種では、価格を抑えるために、視野角が狭いTNパネルの液晶を搭載していることが多いです。実際に、旧モデルのLenovo V15 Gen 3 AMDまでは、TNパネル液晶を搭載していました。

しかし、新モデルのLenovo V15 Gen 4 AMDでは、視野角の広いIPS液晶が搭載されるようになりました。少し角度が付いた場所から見ても、画面が暗くなったり、白っぽくなったりせず、見やすいです。しかも、当サイトのチェックではフリッカーも発生していませんでした。長時間の作業にも使いやすい液晶です。長時間使う事務機や、目が発達途中の子どもが使うのにもいいと思います。

レノボのIdeaPad Slim 170 15.6型 (AMD)や、デルのInspiron 15 (3535)といった、同じように価格の安い機種と比べても、液晶の見やすさでは勝っています。

視野角の広いIPS液晶を搭載

 

Ryzen 7000シリーズだけど「Zen 2」世代

Lenovo V15 Gen 4 AMDでは、最新のRyzen 7000シリーズのプロセッサーを搭載しています。

Ryzen 7000シリーズということで、高い処理性能を備えているように思うかもしれませんが、ここは注意が必要です。

最新のRyzen 7000シリーズ搭載だけど・・

 

Ryzen 7000シリーズは、下表のように主に5つのシリーズに分類されます。Lenovo V15 Gen 4 AMDが搭載するのは、Ryzen 7020シリーズです。これは、「Zen 2」世代のプロセッサーで、Ryzen 5000シリーズの先発のプロセッサーと似たような仕様となっています。

AMD Ryzen 7000シリーズプロセッサー
  CPU世代 開発コードネーム 製造プロセス 末尾 デフォルトTDP
Ryzen 7045シリーズ Zen 4 Dragon Range 5nm HX 55W
Ryzen 7040シリーズ Zen 4 Phoenix 4nm HS 35-54W
Ryzen 7035シリーズ Zen 3+ Rembrandt-R 6nm HS/U 35-54W/28W
Ryzen 7030シリーズ Zen 3 Barcelo-R 7nm U 15W
Ryzen 7020シリーズ Zen 2 Mendocino 6nm U 15W
※デフォルトTDPの値についてはAMDのサイトを参照していますが、他のメディア記事によっては数値が異なる場合もあります。

 

今回は、Ryzen 3 7320U搭載モデルをチェックしましたが、ベンチマークのスコアは下のグラフのような結果でした。型番だけ見ると、Ryzen 3 5425Uの方が性能が低いように思うかもしれませんが、こちらは「Zen 3」世代なので、実際のスコアもRyzen 3 5425Uの方が高いです。

Ryzen 5 7520Uを搭載するモデルでも、同じようにRyzen 5 5625Uを搭載した機種よりも処理性能は低いはずです。

ただし、もう一点、間違えないで欲しいのは、処理性能が高くはないものの、マルチコアでは第11世代Core i7-1165G7と同程度のスコアが出ているので、処理性能が極端に低いというわけでもありません。一般的ユーザーが使うようなアプリであれば、快適に使えると思います。

過度な期待はできませんが、日常的な軽めの用途であればある程度快適に使えて、価格も安いのがメリットです。

CINEBENCH R23(マルチコア)
Core i5-1340P (28W) 9688
Ryzen 5 7530U (Zen 3) 8403
Ryzen 5 5625U (Zen 3) 8107
Core i5-1235U (15W) 7589
Ryzen 3 5425U (Zen 3) 5496
Ryzen 5 7520U (Zen 2) 4949
Ryzen 3 7320U (Zen 2) 4887
CINEBENCH R23(シングルコア)
Core i5-1340P (28W) 1722
Core i5-1235U (15W) 1675
Ryzen 5 7530U (Zen 3) 1439
Ryzen 5 5625U (Zen 3) 1383
Ryzen 3 5425U (Zen 3) 1308
Ryzen 5 7520U (Zen 2) 1169
Ryzen 3 7320U (Zen 2) 1115
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

USB-Cポートは映像出力・本機への給電にも対応

価格を抑えた機種は、USB-Cポートがデータ転送のみという場合が多い中、Lenovo V15 Gen 4 AMDは、Power Deliveryと、DisplayPortに対応したUSB-Cポートを備えています。

Power Deliveryや、DisplayPortに対応していると、USB-Cアダプターでの給電や、USB-Cポート経由での映像出力が可能となります。USB-Cドックを使って、外部ディスプレイ、電源、外付けのキーボードとマウスなどを、ケーブル1本で脱着することもでき、便利です。

DisplayPort、Power Deliveryに対応したUSB-Cポート

 

コストダウンのために抑えられている部分

Lenovo V15 Gen 4 AMDは、「5万円台~」という価格のため、抑えられている部分もあります。

そのため、以下のような部分が気にならないか、チェックしておくといいでしょう。

 

メモリは8GBのみ

Lenovo V15 Gen 4 AMDには8GBメモリのモデルしかありません。オンボードメモリなので、メモリの増設・換装もできません。

複数のアプリを同時に立ち上げて作業したり、タブブラウザでたくさんのページを開いていたりすると、メモリ不足になる可能性があります。

 

樹脂製のボディ

Lenovo V15 Gen 4 AMDは、天板、底面も含めて、樹脂製のボディとなっています。

金属製のボディに比べると、持った時の質感が劣りますし、耐久性や堅牢性も高くはありません。ただし、宅内で使うことが多いLenovo V15 Gen 4 AMDのような機種であれば、デメリットと感じない方も多いでしょう。

樹脂製のボディ

 

なお、天板やパームレスト部の表面には、下の画像のような小さな凸凹処理が施されています。指紋や手の油脂などが、やや目立ちにくくなっています。

天板やパームレスト部の拡大画像

 

バックライトなしのキーボード

Lenovo V15 Gen 4 AMDは、バックライトなしのキーボードを搭載しています。薄暗い場所では、キーが見えにくいです。

 

顔認証・指紋認証に非対応

Lenovo V15 Gen 4 AMDでは、指紋センサーや、IRカメラを搭載しておらず、簡単、かつセキュアにWindowsにログインできるWindows Helloの指紋認証や、顔認証は使用できません。

 

HDMI出力だと4K/30Hzになる可能性が高い

仕様を見ると、HDMIポートは「最大 3840x2160 ドット、1677 万色(HDMI 接続時)、30Hz」となっていました。

今回のチェックでは、なぜか「4K、8ビット、60Hz、RGB」で表示できていましたが、仕様表が間違っていなければ、HDMI出力で4Kディスプレイに接続すると、リフレッシュレートが30Hzになる可能性が高いと思います。

 

各用途の快適度

各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
処理性能はそこそこです。比較的見やすいIPS液晶を搭載しており、この用途には快適に使用できます。
オンライン会議 ウェブカメラ、マイク、スピーカーを備えており、オンライン会議は問題なくできます。
動画鑑賞 液晶の色域が狭いので、色鮮やかさにはやや欠けるものの、普通に動画鑑賞ができます。
RAW現像
画像編集
「Zen 2」世代のRyzenなので、処理性能が高くありません。また、液晶の色域も狭いです。そのため、画像編集には向いていません。
動画編集 スペック、液晶ともに、動画編集には適していません。
ゲーム 外部グラフィックスを搭載しておらず、内蔵グラフィックスの性能も高くないので、ゲーム向きではありません。

 

ディスプレイのチェック

Lenovo V15 Gen 4 AMDのディスプレイのチェックです。

パネルの型番は、「LEN156FHD」でした。

画面比16:9の標準的なFHD液晶です。従来モデルまではTNパネル液晶だったので、視野角が狭く、やや見づらかったのですが、新モデルでは視野角の広いIPS液晶を搭載し、見やすさがアップしています。色域は狭いですが、フリッカーも発生しておらず、比較的見やすいです。Web閲覧やOfficeソフトでの作業など、一般的な用途には十分だと思います。最大輝度は、当サイトの計測では269cd/m2と普通です。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

色域は狭いです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は66.4%でした。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、各色ほぼ揃って1:1に近い直線になっており、概ね自然な発色です。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

IPS液晶なので、視野角は広いです。少し斜めの角度からでも画面が見やすいです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

非光沢液晶なので、映り込みは抑えられています。ギラつきはほとんど感じません。

画面への映り込み

輝度を下げても、PWM調光によるフリッカー(ちらつき)は検出されませんでした。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

Lenovo V15 Gen 4 AMDのキーボードのチェックです。

実測値で、キーピッチは縦:約18.5mm、横:約18.5mm、キーストロークは約1.5mmです。

「半角/全角」キーや、「Enter」キーはややスリムですが、アルファベットキーのサイズはほぼ揃っており、タイピングのしやすさは普通です。テンキー付きなので、数字の入力もしやすいです。

ただし、バックライトは非搭載です。

タッチパッドの使いやすさも普通です。タッチパッドが左寄りに配置されているので、タイピングとタッチパッドの操作の切り替えもしやすいです。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

パフォーマンスのチェック

Lenovo V15 Gen 4 AMDのパフォーマンスのチェックです。

Lenovo V15 Gen 4 AMDでは、Lenovo Vantageの「電源およびパフォーマンス」で、動作モードを変更することができます。ここでは、デフォルトの「インテリジェント・クーリング」と、高いパフォーマンスが出る「エクストリーム・パフォーマンス」で計測したベンチマークスコアを確認しています。

電源およびパフォーマンス

 

CPU

Lenovo V15 Gen 4 AMDは、AMD Ryzen 7020シリーズのプロセッサーを搭載しています。具体的には、Ryzen 3 7320Uと、Ryzen 5 7520Uを搭載したモデルがあります。最新のRyzen 7000シリーズではありますが、どちらも「Zen 2」世代のプロセッサーで、Ryzen 5000Uシリーズの先発プロセッサーに近い性能です。

今回は、Ryzen 3 7320Uを搭載したモデルをチェックしており、ベンチマークの結果は以下のとおりです。

「Zen 2」世代なので、最近のCPUとしてはシングルコアのスコアが低いです。マルチコアスコアも高くはありませんが、Core i7-1165G7と同程度の値が出ているので、Web閲覧やWord・Excelでの作業など一般的な用途であれば、それほど問題なく使えるとは思います。

なお、動作モードを「エクストリーム・パフォーマンス」にすると、スコアが少し上がります。後で掲載しますが、温度面も問題ないので、ちょっとでもパフォーマンスを上げたいときは、「エクストリーム・パフォーマンス」のモードにするといいと思います。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Ryzen 3 7320U
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i9-13980HX 28398
Core i9-13950HX 27983
Core i9-12950HX 21617
Core i9-12900HX 21233
Core i9-12900H 19223
Core i7-12800HX 17492
Core i7-12700H 14546
Ryzen 7 6800H 13999
Core i5-12500H 13213
Core i7-12650H 12674
Core i7-1280P 11801
Ryzen 7 6800U 10830
Ryzen 5 6600H 10470
Ryzen 7 5825U 10040
Core i7-1360P 9720
Core i5-1340P 9688
Core i7-1260P 9032
Core i5-1240P 8409
Ryzen 5 7530U 8403
Core i7-1255U 8300
Ryzen 5 5625U 8107
Core i5-1235U 7589
Core i7-1250U 7435
Core i5-1230U 6273
Core i3-1215U 4969
Ryzen 5 7520U 4949
Ryzen 3 7320U 4887 [エクストリーム・パフォーマンス]
4314 [インテリジェント・クーリング]
Core i7-1165G7 4720
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-13950HX 2097
Core i9-13980HX 2061
Core i9-12950HX 1981
Core i9-12900H 1920
Core i9-12900HX 1916
Core i7-1360P 1826
Core i7-12700H 1823
Core i7-12650H 1808
Core i7-1260P 1802
Core i7-1255U 1776
Core i7-12800HX 1760
Core i7-1280P 1751
Core i5-12500H 1727
Core i5-1340P 1722
Core i5-1235U 1675
Core i5-1240P 1666
Core i3-1215U 1592
Core i5-1230U 1532
Ryzen 7 6800H 1522
Ryzen 7 6800U 1504
Core i7-1250U 1495
Ryzen 5 6600H 1476
Ryzen 7 5825U 1460
Core i7-1165G7 1447
Ryzen 5 7530U 1439
Ryzen 5 5625U 1383
Ryzen 5 7520U 1169
Ryzen 3 7320U 1115 [エクストリーム・パフォーマンス]
1098 [インテリジェント・クーリング]
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

なお、高負荷時のCPU電力、CPUクロック、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。

 

メモリ

メモリはLPDDR5-5500のデュアルチャネルですが、帯域はそこまで広くありません。普通です。

なお、オンボードメモリなので、メモリの増設・換装はできません。

SiSoftware Sandra 2020
~メモリ性能の評価 ~
8GBメモリ
他のメモリとの比較(帯域)
LPDDR5-6000
デュアルチャネル
64.52GB/s
DDR5-5200
デュアルチャネル
62.38GB/s
LPDDR5-5200
デュアルチャネル
58.49GB/s
DDR5-4800
デュアルチャネル
52.25GB/s
LPDDR5-4800
デュアルチャネル
51.68GB/s
LPDDR4X-4266
デュアルチャネル
51.65GB/s
DDR4-3200
デュアルチャネル
30.66GB/s
LPDDR5-5500
デュアルチャネル
27.13GB/s
 :本製品で選択できるメモリ
 :レビュー機で計測したスコア

 

グラフィックス

グラフィックスは、CPU内蔵のものです。ベンチマークスコアは、以下の通りです。

スコアは高くありませんが、一般的な用途であれば問題なく使用できると思います。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Ryzen 3 7320U
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce GTX 1650 45149
GeForce MX550 35717
GeForce MX450 30425
Ryzen 7 6800U
Radeon 680M
30319
Core i7-1280P
メモリLPDDR5-5600
23333
Core i7-1260P
メモリLPDDR5-5200
23149
Core i7-1360P
メモリLPDDR5-4800
21897
Core i7-1165G7
メモリLPDDR4X-4266
20052
Core i5-1135G7
メモリLPDDR4X-4266
18718
Core i5-1340P
メモリLPDDR5-4800
17774
Ryzen 7 5800U
メモリLPDDR4X-4266
17020
Core i5-1240P
メモリLPDDR5-4800
16524
Core i7-1255U
メモリDDR4-3200
16093
Ryzen 5 5625U
メモリDDR4-3200
15826
Ryzen 7 5825U
メモリDDR4-3200
15728
Ryzen 7 5800U
メモリDDR4-3200
15531
Core i5-1155G7
メモリDDR4-3200
14917
Ryzen 7 5700U
メモリDDR4-3200
14368
Core i7-1165G7
メモリDDR4-3200
14247
Core i5-1235U
メモリDDR4-3200
13877
Core i5-1135G7
メモリDDR4-3200
13316
Ryzen 5 5500U
メモリDDR4-3200
12154
Core i3-1115G4
メモリDDR4-3200
11487
Ryzen 3 5300U
メモリDDR4-3200
11321
Ryzen 5 7520U
メモリLPDDR5-5500
7957
Ryzen 3 7320U
メモリLPDDR5-5500
7867 [エクストリーム・パフォーマンス]
7822 [インテリジェント・クーリング]
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ストレージ

型番を確認すると、ストレージにはPCIe Gen4 SSDを搭載しているようですが、チップセット側のスロットがPCIe 3.0 x2なので、速度が制限されています。PCIe Gen3 SSDと比べても読み込み速度はそこまで速くありませんが、実際の使用においては十分な速度だと思います。体感で遅く感じることもほとんどないでしょう。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
256GB PCIe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7000
1764
 PCIe Gen3 SSD 3500
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

SDカードスロットは非搭載です。

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

USB Type-Cポートの動作チェック結果は、下表の通りです。

Lenovo V15 Gen 4 AMDのUSB-Cポートは、Power Deliveryや、DisplayPortにも対応しています。

なお、本機器への給電に関しては、18W出力のUSB-Cアダプターでは給電できず、30W出力のUSB-Cアダプターの場合は、給電はできても警告が表示されました。実際に使用する場合は、45W以上の出力があるUSB-Cアダプターがおすすめです。

USB Type-C充電器/ドックの動作テスト
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック × ×
PD充電器
※1
61W RAVPower GaN充電器
45W Lenovoウルトラポータブル
30W RAVPower GaN充電器 ○ ※3  
18W cheero充電器 ×
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 低速のケーブルであるとの警告が表示

 

HDMIの動作チェック

4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。今回は、なぜか4K、8ビット、60Hz、RGBでの表示が出来ていました。ただし、仕様では「最大 3840x2160 ドット、1677 万色(HDMI 接続時)、30Hz」となっていたので、4K解像度だとリフレッシュレートが30Hzになる可能性が高いです。

4Kモニター(BenQ EX3210U)へ接続したときの詳細

 

質量のチェック

質量のチェックです。

メーカーサイトでは、質量が「約1.65kg」と紹介されています。当サイトによる計測値は次の通りで、仕様値よりも少し軽かったです。扱いやすい質量だと思います。ACアダプターも普通の重さです。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.593kg
ACアダプター+電源ケーブル 336g

 

バッテリー駆動時間のチェック

バッテリー駆動時間のチェックです。

仕様上のバッテリー容量は38Whとなっており、やや小さめです。

バッテリー容量

 

当サイトでチェックしたバッテリー駆動時間は下の通りです。動画再生のような負荷の軽い作業であれば、バッテリー駆動でもそこそこの時間使用することができます。Webブラウザや、Officeソフトなどを同時に立ち上げて作業をすると、(3)に近い駆動時間になると思います。それでも、宅内で使う分には、毎回ACアダプターをつながず、バッテリー駆動でもある程度使用することができます。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA2.0
(2) 動画再生時 11時間12分
(3) CPU23%、GPU12%の負荷 3時間56分
※画面輝度は約120cd/m2
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生(リピート)させたとき

 

当サイトで計測した1時間あたりの充電容量は次の通りです。充電速度は普通です。

1時間あたりの充電容量
純正ACアダプター
アイドル時
62%(約23Wh)
※PCの充電残量が10%から充電を開始し、1時間でどのくらい充電残量が増えたかを計測

 

Webカメラ・スピーカーのチェック

Webカメラ

Webカメラにはプライバシーシャッターが付いています。IRカメラは非搭載なので、Windows Helloの顔認証は使用できません。

Webカメラは、720pのHDカメラです。細部には粗さがありましたが、ノートPCのWebカメラとしては一般的な性能だと思います。

Webカメラ
本製品のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影

 

スピーカー

スピーカーは、底面の左右に1.5W x2のステレオスピーカーを搭載しています。音質は普通で、ノートPC基準で10点満点で5点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

スピーカー

 

パーツの温度のチェック

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。

「インテリジェント・クーリング」モードでは、CPU電力は約14Wで推移し、CPU温度は50℃台と低く抑えられています。

「エクストリーム・パフォーマンス」モードでは、CPU電力は約20Wで推移し、CPU温度は概ね60℃台に収まっています。

どちらのモードでも、CPU温度を心配することなく使用できるでしょう。

 

静音性のチェック

Lenovo V15 Gen 4 AMDの動作音(静音性)のチェック結果です。

アイドル時はほぼ無音です。負荷がかかると騒音値が少し上がりますが、同じような構成の他機種と比べても騒音値は低いです。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
※約10分経過後に計測しています
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Filmoraの動画編集ソフトでプレビュー再生

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。

負荷のかかる作業を行っても、パームレスト部の温度はほとんど変化しておらず、不快感はありません。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。

モバイル向けのプロセッサーをなので、低めの消費電力です。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST8
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています
※TAP-TST8は、従来使っていたTAP-TST7よりも、消費電力が低めに計測される傾向があります。他のPCと消費電力を比較するときは、ご注意ください。

 

外観のチェック

Lenovo V15 Gen 4 AMD の外観のチェックです。

価格を抑えたビジネス向けノートPCのようなデザインです。樹脂製のボディなので、高級感はありませんが、これで十分だと感じるユーザーも多いと思います。

 

天板には、Lenovoのロゴが小さく入っているだけで、シンプルです。表面には細かい凹凸パターンが設けられており、指紋などの汚れが目立ちにくくなっています。

 

液晶面は約180度開き、ほぼフラットになります。

 

液晶を閉じた状態の画像です。厚さは約19.9mmです。

 

側面には、 USB3.2 Gen1 Type-A x2、USB3.2 Gen1 Type-C(DisplayPort、Power Deliveryに対応)、HDMI、LANポートを備えています。一般的な用途には十分だと思います。

 

底面です。

 

底面カバーを外すとご覧のようになっています。メモリはオンボードです。

 

M.2 SSDは、Type 2242で、Type 2280のSSDへ交換することはできません。

 

標準で付属しているACアダプターは65Wです。

 

まとめ

以上が、Lenovo V15 Gen 4 AMDのレビューです。

Ryzen 7020シリーズのプロセッサー、IPS液晶、8GBメモリ、256GB SSDを搭載し、5万円台から購入できます。ただ安いだけでなく、ある程度の使いやすさが確保されており、コスパが高い機種です。

5万円台からという価格にもかかわらず、液晶に視野角の広いIPS液晶を搭載しているのが特徴です。フリッカーも発生しておらず、比較的見やすく、長めの時間の使用にも使いやすい液晶でした。

Wi-Fi 6に対応している点や、USB-CポートがPower Delivery、DisplayPortに対応しているのも嬉しいです。

プロセッサーは、「Zen 2」世代のRyzen 7020シリーズです。最新のCPUとしては処理性能が高いわけではないので、過度な期待はできません。それでも、Web閲覧や、Officeソフトでの作業など、一般的な用途にはある程度快適に使用できる性能を備えています。ただし、メモリが8GBのみなので、多くのアプリを同時に起動すると、メモリ不足になる可能性があります。メモリはオンボードで、後から増設・換装はできないので、注意が必要です。

その他、樹脂製のボディ、バックライトなしのキーボードなど、抑えられている部分もあります。

このようなやや抑えられている部分が気にならなければ、日常的な用途や、軽めの仕事などにある程度快適に使用でき、安く購入できる機種として重宝すると思います。オフィスの事務機や、子ども用のノートPCなどにおすすめです。

 

5万円台でも意外と使えるノートPC

Lenovo V15 Gen 4 AMD

特徴

  • 見やすいIPS液晶搭載で、5万円台からと非常に安い
  • 「Zen 2」世代のRyzenで、そこそこ快適に動作
  • メモリが8GBのみで、増設・換装ができない

こんなあなたに

  • 安くても悪くない品質のノートPCが欲しい方
  • オフィスの事務機として
  • 子供用
公式サイトはこちら

 

 

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