レノボ Yoga Slim 950iの実機レビュー
CPU | Core i7-1165G7 |
---|---|
メモリ | 16GB |
ストレージ | 1TB PCIe SSD |
液晶サイズ | 14型 4K-UHD |
液晶種類 | 光沢 100%sRGB タッチ |
質量 | 約1.31kg |
バッテリー | 約18.7時間 |
LTE | 非対応 |
価格[税込] | 25万円台~ |
Yoga Slim 950iは、本革の天板に、ガラス製のパームレストを採用した豪華ボディのモバイルノートPCです。
所有満足度が高く、また人目を奪う製品で、「パソコンは処理性能だけじゃないデザインも大事」と考える方に適しているでしょう。
4K-UHD、100% sRGBのディスプレイを搭載し、写真などを綺麗に表示することも出来ます。
また、バッテリー駆動時間も長く、外出先で長く使用する方にも合っていると思います。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i7-1165G7、16GBメモリ、1TB PCIe SSD
目次
お忙しい方は、「Yoga Slim 950iの特徴」のみお読みください。
Yoga Slim 950i 2020の特徴
手になじむ本革のカバー
Yoga Slim 950iの他の製品にはない特徴は、天板が本革で覆われていることでしょう。誰も持っていないデザインで、高級感があり、カフェ、ラウンジ、コワーキングスペースなど人目に付くところで作業をするノマドワーカーなどにおすすめです。
ガラス製のパームレスト&センサータッチパッド
Yoga Slim 950iは、ガラス製のパームレストで、タッチパッドと段差が無く、見た目がいいです。
また、タッチパッドは、センサータッチパッドとなっており、クリックしても物理的に下へ動くわけではなく、振動することで本物のようなクリック感をフィードバックします。
ただ、やや強めの力で押さなくてはならないので、普通のタッチパッドよりも、ダブルクリックがしにくいと感じました。
曲面エッジのディスプレイ
Yoga Slim 950iのディスプレイは、一部のスマートフォンに採用されている曲面エッジとなっており、ノートパソコンとしては非常に珍しいです。タッチパネルにも対応しており、左端や右端からスワイプするときに、曲面エッジであるため操作しやすいです。
薄いボディ
機種名に「Slim」と入っている通り、最薄部13.9mmの非常に薄いボディです。見た目が良く、カバンへも収納しやすいです。
その代わり、インターフェースは限られており、USB-Cとオーディオ端子しかありません。ただ、USB-Cは3ポートもあり、ドングルやドックをうまく使えば、それほど困ることはないでしょう。
4Kディスプレイを採用
Yoga Slim 950iのディスプレイは、4K-UHDと非常に高い解像度です。色域もsRGBカバー率 約100%と高めです。高解像度のデジタル写真などを編集・表示することが多い方におすすめです。
長いバッテリー駆動時間
Yoga Slim 950iは4Kディスプレイを搭載しており、消費電力面では不利ですが、バッテリー容量が63.5Whもあり、比較的長いバッテリー駆動時間です。外でバッテリー駆動状態で使うことが多い方におすすめです。
そこまで軽くはない
Yoga Slim 950iの質量は、約1.31kg(実測で1.296kg)と、最近のモバイルノートとしてはそれほど軽いわけではありません。同じYoga Slimシリーズでナンバリングが「750」と低いYoga Slim 750i Carbonのほうが966gとよほど軽いです。
本製品は革の天板、ガラス製パームレスト、CNC加工のアルミシャシーといったボディの質感を楽しむ製品です。軽さ重視の製品ではありません。
ディスプレイのチェック
Yoga Slim 950iのディスプレイのチェックです。パネルは、「B140ZAN01.7」でした。タッチパネルにも対応しています。最大輝度は、当サイトの計測では461cd/m2と高めです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 画素・
ギラつき - 映り込み
- フリッカー
キーボードおよびタッチパッドのチェック
Yoga Slim 950iのキーボードですが、キーピッチは十分ありますが、キーストロークが実測で約1.0mと浅いです。しっかりとした打鍵感が欲しい方には合わないでしょう。軽い力で流れるように打つ方にはいいと思います。
タッチパッドは前述したとおりです。
キーボードバックライトも搭載しています。
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
Yoga Slim 950iは、Lenovo Vantage 電源スマート設定からパフォーマンスを切り替えられます。ここではデフォルトの「インテリジェント・クーリング」と高いパフォーマンスが出る「エクストリーム・パフォーマンス」についてベンチマークを計測します。
なお、各モードのPL1などは、次のようになっていました。なお、状況によって変化します。
CPU
Yoga Slim 950iはCore i7-1165G7を搭載しています。デフォルトの状態だと低めのベンチマークスコアですが、「エクストリーム・パフォーマンス」にすると、Core i7-1165G7の平均的なスコアよりも高くなりました。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
メモリ
メモリはLPDDR4Xのデュアルチャネルで、速度はご覧の通りです。速い速度です。
グラフィックス
グラフィックスについては、他のCore i7-1165G7搭載ノートで計測したときよりも、高めのスコアが出ています。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ストレージ
ストレージには、PCIe-NVMe SSDを搭載しており、しかも最大約3400MB/sと速かったです。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
その他のベンチマーク
他の機種で計測した数値ではありますが、Adobeソフトの処理時間、フォートナイトやApexなどのゲームのフレームレートなどについては、下のリンク先をご覧ください。機種によってスコアにバラつきはありますが、傾向は分かると思います。
クリエイターソフトの処理時間
以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間です。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
「Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください
比較的重い機能を実行したときの処理時間を下に掲載します。新機能のニューラルフィルターはやや時間がかかっていましたが、それ以外はそこまで遅くは感じません。十分快適に使えると思います。
処理時間 | |
ニューラルフィルター | 約9秒 |
コンテンツに応じた塗りつぶし | 約5秒 |
被写体を選択 | 約3秒 |
スマートシャープ | 約1秒 |
FHD動画の書き出しは非常に速かったです。エフェクトをかけてもそれほどストレスは感じず、FHD動画の編集であれば割と快適にできると思います。4K動画については、外部グラフィックスを搭載したノートPCのほうがいいと思います。
※ グラフィックスは全てノートPC用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
Yoga Slim 950iのUSB-Cは3ポートあり、Thunderbolt 4、Power Delivery、DisplayPort出力のいずれにも対応しています。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | ○ | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ | ○ | ○ | |
PD充電器 ※1 |
61W RAVPower GaN充電器 | ○ | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | ○ | ― | ― | |
30W RAVPower GaN充電器 | △ ※3 | ― | ― | |
18W cheero充電器 | △ ※3 | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 | ○ | ○ | ― |
Philips 258B6QUEB/11 | ○ | ○ | ○ |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3低速充電ケーブルであるとの警告が出るものの充電は可能
HDMIの動作チェック
HDMIポートはありません。
質量のチェック
Yoga Slim 950iの質量の実測値は下表の通りです。
質量 | |
PC本体 | 1.296kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 313g |
バッテリー駆動時間のチェック
Yoga Slim 950iのバッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は約63.5Whと、大きめの容量です。バッテリー駆動時間は下表の通りで、比較的長いです。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0 | 約18.7時間 |
(2) PCMark 10 Modern Office | 11時間30分 |
(3) 動画再生時 | 9時間50分 |
(4) PCMark 8 Work | ― |
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業
当サイトで計測した1時間あたりの充電容量は次の通りです。普通の速度です。
パーツの温度のチェック
CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時のCPU温度を掲載します。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
デフォルト状態だと非常に低い温度です。エクストリーム・パフォーマンスのモードにすると、80℃前後とやや高めになりますが、後半は70台になっていますし、常時エクストリーム・パフォーマンスで使っても問題ないかなと思います。
静音性のチェック
Yoga Slim 950iの動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時はほぼ無音です。エクストリーム・パフォーマンスにしても、それほどうるさくはありません。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。
エクストリーム・パフォーマンスでもパームレスト部分の温度はそれほど上がらないため、特に不快感はありません。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
モバイル向けのプロセッサーを搭載しているため、低めの消費電力です。
外観のチェック
Yoga Slim 950iの外観のチェックです。
CNC加工のアルミボディです。
天板は革で覆われており、使えば使うほど味が出ます。
スピーカーは底面側にあります。音質は良く、ノートPC基準で勝手に評価すると、10点満点で6~7点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。
Webカメラは720pで、IRカメラも搭載しています。
ボディーは薄型です。
インターフェースはご覧の通りです。USB-Cとヘッドホン・マイクコンボジャックしかありません。また、電源ボタンも側面にあり、やや押しにくいです。
液晶は、ほぼ180度開きます。
底面はフラットでシンプルです。
ACアダプターは65Wです。電源ケーブルは太いです。
まとめ
以上が、Yoga Slim 950iのレビューです。
革の天板、ガラス製パームレスト、CNC加工のアルミシャシーで構成された豪華ボディを見て楽しむこともできるノートパソコンです。カフェやコワーキングスペースで使用していても、一目置かれるPCであることは間違いありません。
デザインがユニークであるだけでなく、4K-UHDディスプレイに、インテル第11世代Coreプロセッサーを搭載することで、画像編集やRAW現像などの用途にも適していると思います。
バッテリー駆動時間も長いので、ノマドワーカーなど、外出先でよく使う方に適しています。
ただし、最新モバイルノートPCとしてはそこまで軽くありません。また、ポートの種類も少ないです。
なお、こちらの製品は量販店モデルです。ヨドバシカメラやビックカメラなどで販売しています。詳細はこちら。
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