レノボ Yoga Slim 750i Pro の実機レビュー

更新日:2021年1月26日
CPU Core i5-1135G7
Core i7-1165G7
GPU GeForce MX450
メモリ 8GB / 16GB
ストレージ PCIe SSD
液晶サイズ 14.0インチ
液晶種類 2.2K IPS 非光沢
質量 約1.33kg
バッテリー 約15.2時間 (61Wh)
価格[税込] 17万円台~
ライトクリエイター向けの14型モバイルノートPC

Yoga Slim 750i Proは、ライトなクリエイティブ作業に適した少し高めのスペックを備えつつ、持ち運びもしやすいサイズと質量のモバイルノートPCです。

第11世代Core + GeForce MX450という構成だけでなく、アスペクト比16:10で広色域の2.2K液晶も特徴的で、クリエイティブな作業に適したポイントとなっています。

また、これらの構成で、さらに61Whの大容量バッテリーを搭載しながらも、質量は約1.33kgしかありません。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Core i7-1165G7、GeForce MX450、16GBメモリ、1TB PCIe SSD

 

目次

お忙しい方は、「Yoga Slim 750i Proの特徴」のみお読みください。

 

Yoga Slim 750i Proの特徴

ライトクリエイター向けモバイルPC

Yoga Slim 750i Proは、第11世代Core + GeForce MX450の構成に、作業がしやすい解像度の広色域液晶を搭載し、ライトなクリエイティブ作業を行う方をターゲットとした機種です。しかも、約1.33kgと軽く、気軽に持ち出すことができます。

ゲーミングPCほどの性能は必要ないけど、一般的なノートPCよりは少し高めの性能で、場所を選ばずに作業ができるノートPCが欲しいという方に適した機種です。

ライトクリエイター向けの14型ノートPC

 

16:10の2.2K液晶を搭載

Yoga Slim 750i Proの特徴の1つは、2240x1400の2.2K液晶を搭載している点です。

一般的なFHD液晶よりも解像度が少し高くなっており、画面に表示できる情報量が増えています。作業パネルが複数表示されるようなクリエイター向けのアプリも、使いやすいと思います。

最近の流れに乗って、画面のアスペクト比は16:10となっています。わずかですが縦方向の表示面積が増えることで、ウェブページや、Officeドキュメントなどのスクロールする画面が使いやすくなりますし、作業性もアップします。

また、100% sRGBと広めの色域なので、ウェブコンテンツの作成や、SNS用の写真や動画の編集といった、ライトなクリエイティブな作業にも適しています。

広色域の作業がしやすい液晶を搭載

 

高いCPU電力を維持し、高パフォーマンス

今回のレビュー機では、Core i7-1165G7を搭載していますが、他のCore i7-1165G7搭載ノートPCよりも、高いパフォーマンスが出ていました。

Core i7-1165G7のOperating Rangeは12~28Wとなっており、通常、処理実行直後はこれよりも高いCPU電力になるものの、時間が経てばこの12~28W内に収まります。しかし、本製品は、CPU使用率が100%となる高い負荷をかけたとき、約38Wと非常に高いCPU電力を維持していました。

高負荷時のCPU電力

 

この影響で、一般的なCore i7-1165G7搭載ノートパソコンよりも非常に高いベンチマークスコアが出ていました(下図)。

CINEBENCH R23
Core i7-1165G7 6014 (Yoga Slim 750i Pro)
4720 (一般的なノートパソコン)

 

GDDR6のGeForce MX450を搭載

Yoga Slim 750i Proは、GeForce MX450を搭載しており、動画編集やゲームなどが、普通のノートPCよりも快適に動きます。

特に、GDDR6のGeForce MX450を搭載しており、GDDR5のGeForce MX450を搭載したThinkPad E15 Gen 2よりも高速です。

GDDR6のグラフィックメモリを搭載

 

上記の通り、CPUが高いコア電力で推移する上に、GeForce MX450の外部グラフィックスを搭載していると、ACアダプターの容量が、通常の65Wでは不足しないか心配になりますが、本製品は95WのACアダプターを搭載しています。これにより、GeForce MX450の性能を十分引き出すことが可能です。

95WのACアダプターを搭載

 

Premiere Proの書き出し時間はMacBook Pro 16インチと同等

3DMark Time Spyのグラフィックスコアを確認してみると、Core i7-1165G7の内蔵グラフィックス「Intel Iris Xe」の約2倍のスコアで、GeForce GTX 1050よりも高いスコアでした。

また、Premiere Proによる4K動画の書き出し時間を計測してみると、Intel Iris Xeよりも40%も速く、MacBook Pro 16インチと同等の書き出し時間でした。

3DMark Night Raid - Graphics score
GeForce GTX 1650 45149
GeForce MX450 30425 (Yoga Slim 750i Pro)
GeForce GTX 1050 25325
Intel Iris Xe
(Core i7-1165G7)
15677
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間
Core i7-10750H
GeForce GTX 1650
6分34秒
Core i7-1165G7
GeForce MX450
8分08秒 (Yoga Slim 750i Pro)
Core i9-9980HK
Radeon Pro 5500M 8GB
8分15秒 (MacBook Pro 16)
Core i7-1165G7
Intel Iris Xe
14分12秒
※4K/30p動画(約10分)を編集し書き出したときの時間

 

FF14もプレイできるパフォーマンス

ゲームにおいては、1920x1080、標準(ノートPC)の設定で、85 fpsの平均フレームレートが出ていました。グラフィック設定を低めにすれば、割とゲームも楽しむことが出来ます。

ファイナルファンタジー 14 漆黒のヴィランズ
GeForce GTX 1650 115 fps
GeForce MX450 85 fps
Intel Iris Xe
(Core i7-1165G7)
49 fps
AMD Radeon
(Ryzen 7 4700U)
30 fps
1920x1080、標準(ノートPC)の設定で計測

 

その他の特徴

高い解像度の液晶に、高い性能のCPUとグラフィックスを搭載し、モバイルノートPCとしては、バッテリー駆動時間が気になるところですが、当サイトの計測では、割と長めのバッテリー駆動時間でした(詳細)。

また、IRカメラを搭載しており、Windows Helloの顔認証を使用したWindowsへのログインが可能です。ディスプレイを開くだけで、電源ONからWindowsへのログインまでを、ゼロタッチで行うこともできます。

顔認証でのログインが可能

 

搭載しているカメラを活用して、肩ごしに画面をのぞき込むショルダーハッキングを検知して、警告を表示したり、ユーザーがPCの前から離れたことを検知して素早くPCをロックするといった機能で、セキュリティを守ることもできます。

無線規格は、Wi-Fi 6に対応しており、環境次第では、高速通信も可能です。

 

各用途の快適度

各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
十分なスペックで、快適に動きます。
動画鑑賞 動画向きの画面比ではありませんが、ディスプレイの表示が綺麗で、比較的スピーカー音もいいので、動画鑑賞は快適です。
RAW現像
画像編集
Adobe RGB 100%の色域は必要なく、sRGB 100%の色域で構わなければ、快適に作業できると思います。
動画編集 GeForce MX450を搭載することで、FHD動画なら、編集作業が快適で、書き出し時間も速かったです。ただし、凝ったエフェクトをかけて動画を作る場合や、4K動画などを作る場合は、GeForce GTX/RTXシリーズ搭載のPCがいいかなと思います。
ゲーム △~○ GeForce MX450を搭載することで、グラフィック設定を低めにすれば、割と高いフレームレートが出ていました。軽めのゲームならできると思います。ただし、サイバーパンク 2077のような重いゲームやレイトレーシングを使った映像を楽しみたい場合は、GeForce RTXシリーズを搭載したゲーミングノートがいいと思います。

 

ディスプレイのチェック

Yoga Slim 750i Proのディスプレイのチェックです。パネルは、「LEN140WU」でした。

2.2Kの高解像度で、アスペクト比も16:10で、色域も比較的広いです。最大輝度は、当サイトの計測では360cd/m2とやや高めです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 画素・
    ギラつき
  • 映り込み
  • フリッカー

色域は比較的広いです。当サイトの計測ではsRGBカバー率は98.9%でした。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、わずかに赤と青が強く発色していることが分かりますが、わずかですのでそれほど気にはなりません。比較的自然な発色です。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

画素形状です。ギラつきはそれほど感じません。

画面拡大

非光沢液晶であるため、画面への映り込みが低減され、見やすいです。

画面への映り込み

PWM調光によるフリッカー(ちらつき)の有無の確認結果です。輝度をいくつにしても、フリッカーは検出されませんでした。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

Yoga Slim 750i Proのキーボードの打ちやすさは普通です。

実測で、キーピッチは横:19mm、縦:18mmです。キーストロークは約1.3mmです。押し心地は普通ですが、1つの枠に複数のキーが入っている箇所があり、見た目が残念なのと、それらはキーとキーの間が狭いので、タイプミスしやすくなります。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

キーボードバックライトを搭載している点はいいです。

キーボードバックライト

 

パフォーマンスのチェック

Yoga Slim 750i Proのパフォーマンスのチェックです。

本製品は、Lenovo Vantageの電源スマート設定により、デフォルトの「インテリジェント・クーリング」の他、高いパフォーマンスが出る「エクストリーム・パフォーマンス」などに設定を変更できます。

電源スマート設定

 

Core i7-1165G7のデフォルト時と、エクストリーム・パフォーマンス時のPL1は、次のようになっていました。

デフォルト
エクストリーム・パフォーマンス

 

CPU

Yoga Slim 750i Proは、UP3と呼ばれる第11世代Coreプロセッサーを搭載しており、ノートパソコンとしては標準的な性能です。

今回、Core i7-1165G7を搭載していますが、ベンチマークスコアを確認すると、同じCPUを搭載した他のCPUよりも高いパフォーマンスが出ています。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Core i7-1165G7
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i7-10875H 10369
Core i7-10750H 6839
Ryzen 7 4700U 6499
Core i7-1185G7 6229
Core i7-1165G7 6014
5259
4424
Ryzen 5 4500U 4764
Core i7-1165G7 4720
Core i5-1135G7 4424
Core i7-1065G7 3965
Core i3-1115G4 3149
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i7-1185G7 1517
Core i7-1165G7 1489
1468
1447
Core i7-10875H 1306
Core i5-1135G7 1294
Core i7-10750H 1277
Core i3-1115G4 1217
Ryzen 7 4700U 1214
Ryzen 5 4500U 1142
Core i7-1065G7 1126
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPUの電力およびクロックの推移は下のグラフの通りです。デフォルト時のPL1の設定は20W、エクストリーム・パフォーマンスにしたときのPL1の設定は38Wになっていましたが、この設定通り、CPU電力は推移しています。

通常は、38Wのように高い電力に設定されている場合、途中で下がるケースがほとんどですが、本製品は38Wを維持して推移しており、高いパフォーマンスが出ています。ただし、このときはCPU温度も高めになります。

デフォルトの状態でも高めのパフォーマンスが出ているので、普段はデフォルト状態で使っていいと思います。

  • CPU電力
  • CPUクロック
  • CPU温度
Prime95で負荷をかけたときのCPU電力
デフォルト
エクストリーム・パフォーマンス
※Small FFTs (tests L1/L2/L3 caches, maximum power/heat/CPU strss)を実行
Prime95で負荷をかけたときのCPUクロック
デフォルト
エクストリーム・パフォーマンス
※Small FFTs (tests L1/L2/L3 caches, maximum power/heat/CPU strss)を実行
Prime95で負荷をかけたときのCPU温度
デフォルト
エクストリーム・パフォーマンス
※Small FFTs (tests L1/L2/L3 caches, maximum power/heat/CPU strss)を実行

 

メモリ

LPDDR4Xのメモリを搭載しており、速度はご覧の通りで比較的速いです。なお、オンボードメモリなので換装はできません。

Passmark Performance Test 10.0 - MEMORY MARK
~ メモリ性能の評価 ~
16GBメモリ

 

グラフィックス

グラフィックスについては、GeForce MX450を搭載しています。ThinkPad E15 Gen 2で計測したときは、Intel Iris Xeよりもややよい程度のスコアだったので、本製品もあまり期待していませんでしたが、今回はGDDR6のグラフィックスメモリを搭載していることもあり、思ったよりも高めのスコアでした。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Core i7-1165G7
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce GTX 1650 45149
GeForce MX450 30425
29242
20509 (ThinkPad E15 Gen 2)
GeForce GTX 1050 25325
GeForce MX330 16714
Radeon Graphics
(Ryzen 9 4900HS)
16322
Intel Iris Xe
(Core i7-1165G7)
15677
GeForce MX250 15406
Intel Iris Xe
(Core i5-1135G7)
14551
Radeon Graphics
(Ryzen 7 Pro 4750U)
14302
Radeon Graphics
(Ryzen 7 4700U)
13861
Radeon Graphics
(Ryzen 5 4500U)
12126
Intel UHD
(Core i3-1115G4)
11487
Intel Iris Plus
(Core i7-1065G7)
11084
Radeon Graphics
(Ryzen 3 4300U)
9800
Intel UHD
(Core i5-10210U)
5800
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ストレージ

ストレージには、PCIe-NVMe SSDを搭載しており高速です。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
1TB PCIe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7000
 PCIe Gen3 SSD 3500
3473
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ゲームベンチマーク&フレームレート

ゲームをしたときのフレームレートは次の通りです。なお、シーンや状況によってフレームレートは変わるので、参考程度にご覧ください。今回、軽めのゲームのみでフレームレートを計測しましたが、このようなゲームであれば、グラフィック品質を低めに設定することで、60fps以上のフレームレートが出ており、快適にゲームができました。

以下のゲームのフレームレートについて
表示しているのは平均フレームレートです
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Apex Legends
1920x1080 低設定 99 fps
高設定 52 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、低設定)
GeForce GTX 1650 118 fps
GeForce MX450 99 fps
57 fps (ThinkPad E15)
Intel Iris Xe
(Core i7-1165G7)
53 fps
Intel Iris Xe
(Core i5-1135G7)
50 fps
GeForce MX330 42 fps
AMD Radeon
(Ryzen 7 4700U)
40 fps
AMD Radeon
(Ryzen 5 4500U)
34 fps
Intel Iris Plus
(Core i7-1065G7)
28 fps
Intel Iris Plus
(Core i5-1035G4)
25 fps
※トレーニングモードで計測
VALORANT
1920x1080 低設定 225 fps
高設定 92 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、高設定
GeForce GTX 1650 143 fps
GeForce MX330 95 fps
GeForce MX450 92 fps
85 fps (ThinkPad E15)
AMD Radeon
(Ryzen 7 4700U)
76 fps
Intel Iris Xe
(Core i7-1165G7)
72 fps
AMD Radeon
(Ryzen 5 4500U)
68 fps
Intel Iris Xe
(Core i5-1135G7)
58 fps
Intel Iris Plus
(Core i7-1065G7)
45 fps
Intel Iris Plus
(Core i5-1035G4)
41 fps
※バトルラボ 最大300fpsで計測
フォートナイト
1920x1080 低設定 163 fps
中設定 143 fps
高設定 71 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、設定)
GeForce GTX 1650 163 fps
GeForce MX450 143 fps
83 fps (ThinkPad E15)
GeForce MX330 85 fps
AMD Radeon
(Ryzen 7 4700U)
74 fps
AMD Radeon
(Ryzen 5 4500U)
64 fps
Intel Iris Xe
(Core i5-1135G7)
50 fps
Intel Iris Xe
(Core i7-1165G7)
49 fps
Intel Iris Plus
(Core i7-1065G7)
39 fps
Intel Iris Plus
(Core i5-1035G4)
36 fps
※バトルラボで計測
PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS
1920x1080 非常に低い 99 fps
中型 61 fps
ウルトラ 50 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、非常に低い)
GeForce GTX 1650 137 fps
GeForce MX450 99 fps
62 fps (ThinkPad E15)
GeForce MX330 57 fps
AMD Radeon
(Ryzen 7 4700U)
40 fps
AMD Radeon
(Ryzen 5 4500U)
38 fps
Intel Iris Xe
(Core i5-1135G7)
31 fps
Intel Iris Xe
(Core i7-1165G7)
28 fps
Intel Iris Plus
(Core i7-1065G7)
23 fps
Intel Iris Plus
(Core i5-1035G4)
22 fps
※トレーニングモードで計測
ファイナルファンタジー 14 漆黒のヴィランズ
1920x1080 標準(ノート) 12044 / 85 fps
他のグラフィックスとの比較(1920×1080、標準(ノート))
GeForce GTX 1650 115 fps
GeForce MX450 85 fps
61 fps (ThinkPad E15)
GeForce MX330 61 fps
GeForce MX250 60 fps
Intel Iris Xe
(Core i5-1135G7)
49 fps
Intel Iris Xe
(Core i7-1165G7)
49 fps
AMD Radeon
(Ryzen 7 4700U)
30 fps
AMD Radeon
(Ryzen 5 4500U)
29 fps
Intel Iris Plus
(Core i7-1065G7)
25 fps
Intel Iris Plus
(Core i5-1035G4)
25 fps
ドラゴンクエストX
1920x1080 最高品質 18714
他のグラフィックスとの比較(解像度:1920×1080、最高品質)
GeForce GTX 1650 19246
GeForce MX450 18714
12140 (ThinkPad E15)
GeForce MX330 12947
GeForce MX250 11900
Intel Iris Xe
(Core i7-1165G7)
11714
Intel Iris Xe
(Core i5-1135G7)
11102
AMD Radeon
(Ryzen 7 4700U)
9462
Intel Iris Plus
(Core i7-1065G7)
7968
AMD Radeon
(Ryzen 5 4500U)
7695
AMD Radeon
(Ryzen 3 4300U)
6777
Intel UHD
(Core i7-10710U)
5984
Intel UHD
(Core i5-1035G4)
5820
※約5500で60fps

 

クリエイターソフトの処理時間

以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間です。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間

速い書き出し時間です。現像処理自体も快適です。

Core i9-10980HK
32GBメモリ
68秒
Core i7-10875H
16GBメモリ
70秒
Core i7-1165G7
16GBメモリ
74秒
89秒
Core i9-9980HK
16GBメモリ
77秒 (MacBook Pro 16)
Core i7-10750H
16GBメモリ
80秒
Apple M1 (Rosetta 2)
16GBメモリ
80秒 (MacBook Pro 13 M1)
Ryzen 9 4900HS
16GBメモリ
87秒
Ryzen 7 4700U
16GBメモリ
91秒
Ryzen 5 4500U
32GBメモリ
91秒
Ryzen 7 4800H
16GBメモリ
94秒
Core i7-10710U
16GBメモリ
96秒
Core i7-10510U
16GBメモリ
109秒
※プロファイル補正を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Lightroomにおすすめノートパソコン」の記事も興味があればご覧ください
Adobe Photoshop CCによる各種処理時間

比較的重い機能を実行したときの処理時間を下に掲載します。いずれも数秒で終わっており、快適に編集できました。

  処理時間
ニューラルフィルター 約3秒
コンテンツに応じた塗りつぶし 約5秒
被写体を選択 約3秒
スマートシャープ 約1.5秒
※ 6000x4000のRAWデータを編集
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間

FHD動画の場合において、本製品は、Core i7-1165G7のみで処理した場合に比べ、約半分の時間で書き出しが終わっており非常に速いです。編集自体も快適です。

4K動画の場合も、書き出しに関しては、MacBook Pro 16インチと同等の時間でした。ただ、本製品のCPU性能は、Core i7-10750HやCore i9-9980HKと比べると劣るので、CPUのみに負荷のかかるエフェクトは、ややもたつくこともあります。4K動画を編集するなら、GeForce RTX 2060などを搭載したPCのほうがおすすめです。

4K動画の書き出し
Core i9-10980HK
RTX 2080 Super Max-Q
4分18秒
Core i7-10750H
GeForce RTX 2060
4分51秒
Core i5-10300H
GeForce GTX 1650Ti
5分18秒
Core i7-10750H
GeForce GTX 1650
6分34秒
Core i7-1165G7
GeForce MX450
8分08秒
Core i9-9980HK
Radeon Pro 5500M 8GB
8分15秒 (MacBook Pro 16)
Core i5-10300H
GeForce GTX 1650
8分21秒
Apple M1 (Rosetta 2) 11分3秒 (MacBook Pro 13 M1)
Core i7-1165G7
Intel Iris Xe
14分12秒
Core i5-1135G7
Intel Iris Xe
20分00秒
Core i7-1160G7
Intel Iris Xe
21分19秒
Core i7-1065G7
Intel Iris Plus
27分23秒
※ 4K/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 2160p 4K Ultra HDのプリセットで書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
FHD動画の書き出し
Core i7-1165G7/16GB
GeForce MX450
2分05秒
Core i7-1165G7/16GB
Intel Iris Xe
4分6秒
Core i5-1135G7/8GB
Intel Iris Xe
4分41秒
Ryzen 7 4700U/16GB
Radeon Graphics
5分5秒
Ryzen 5 4500U/8GB
Radeon Graphics
5分57秒
Core i7-1160G7/16GB
Intel Iris Xe
6分14秒
Ryzen 3 4300U/8GB
Radeon Graphics
6分44秒
Core i7-1065G7/16GB
Intel Iris Plus
7分41秒
Core i5-1035G4/16GB
Intel Iris Plus
7分43秒
Core i7-10510U/8GB
Intel UHD
16分54秒
※FHD/30p動画(約10分)に対して、上と同様にして書き出したときの時間
TMPGEnc Video Mastering Works 7 によるx265エンコード時間

CPUのみで実行するx265エンコードですが、Core i7-1165G7にしては非常に速かったです。

Core i7-10875H 10分44秒
Ryzen 9 4900HS 10分55秒
Ryzen 5 4600H 13分10秒
Core i7-10750H 13分29秒
Ryzen 7 4700U 15分44秒
Core i7-1165G7 17分16秒
Core i7-10710U 19分05秒
Ryzen 5 4500U 19分49秒
Core i7-1165G7 24分17秒
Ryzen 3 4300U 25分22秒
Core i5-1135G7 26分03秒
Core i7-10510U 28分32秒
Core i3-10110U 42分20秒
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

本製品のUSB-Cポートは、Thunderbolt 4、Power Delivery、DisplayPort出力に対応しており、下表の通りすべての機器が使用できました。

USB Type-C充電器/ドックの動作テスト
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック
PD充電器
※1
90W RAVPower GaN充電器
61W RAVPower GaN充電器
45W Lenovoウルトラポータブル
30W RAVPower GaN充電器 △ ※3
18W cheero充電器 △ ※3
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
Philips 258B6QUEB/11
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 警告は出るが充電は可能

 

ちなみに、本製品のACアダプターは95Wと容量が大きいこともあって、サイズも大きく持ち運びに不便です。そのため、外出時は、下図のような90Wクラスの小型充電を携帯すると便利です。なお、下の90Wの充電器を接続し、3DMarkのベンチマークを計測してみましたが、付属のACアダプターとほとんど変わらないスコアが出ていました。

携帯するときは小型の90Wクラスの充電器が便利

 

HDMIの動作チェック

HDMIポートは搭載していません。

 

質量のチェック

Yoga Slim 750i Proの質量のチェックです。

メーカーサイトには「約 1.33kg」とあり普通です。当サイトの計測値は下表の通りです。外部グラフィックスを搭載したノートとしては比較的軽いのではないかと思います。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.335kg
ACアダプター+電源ケーブル 410g

 

バッテリー駆動時間のチェック

Yoga Slim 750i Proのバッテリー駆動時間のチェックです。

バッテリー容量を確認すると、約61Whでした。

バッテリー容量

 

バッテリー駆動時間は下の通りで、比較的長いです。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA2.0 約15.2時間
(2) PCMark 10 Modern Office 11時間31分
(3) 動画再生時
(4) PCMark 8 Work 6時間23分
※画面輝度は約120cd/m2、電源モードは高パフォーマンス
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業

 

バッテリー駆動時のCINEBENCH R23のスコアです。スコアは下がりますが、これでもOfficeの使用やWeb閲覧程度なら十分使えるスコアです。

バッテリー駆動時のCINEBENCH R23(マルチコア)
Core i7-1165G7 6014
4903
 :電源接続時のスコア
 :バッテリー駆動時のスコア

 

ACアダプターが95Wと、モバイルノートとしては大容量であるため、充電時間も速いです。

1時間あたりの充電容量
純正ACアダプター
アイドル時
79%(約48Wh)
※PCの充電残量が10%から充電を開始し、1時間でどのくらい充電残量が増えたかを計測

 

パーツの温度のチェック

高い負荷をかけたときのパーツの温度を掲載します。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

エンコード時の温度

デフォルト時は問題ない温度です。エクストリーム・パフォーマンス時はCPU温度が高くなるので、通常はデフォルトのままで使うといいと思います。

  • デフォルト時
  • エクストリーム・パフォーマンス時
CPU温度
CPU温度

 

FF14ベンチ実行時の温度

ゲームの場合も、エクストリーム・パフォーマンスだと、GPU温度は問題ないものの、CPU温度が高めになります。

  • デフォルト時
  • エクストリーム・パフォーマンス時
CPU温度
GPU温度
CPU温度
GPU温度

 

静音性のチェック

Yoga Slim 750i Proの動作音(静音性)のチェック結果です。

アイドル時はほぼ無音です。デフォルト時は高い負荷がかかっても静かです。エクストリーム・パフォーマンス時はやや高めの騒音値になります。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
※約10分経過後に計測しています
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)
左から4番目:FF14紅蓮ベンチマーク実行時

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。

デフォルト時は熱くないです。エクストリーム・パフォーマンスにして、エンコードやゲームなどの高めの負荷をかけると、全体的に表面温度が上がり、手の平が熱くなってきます。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。

アイドル時は低めの温度ですが、エクストリーム・パフォーマンスにして、ゲームなどをすると高めの消費電力になります。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST7
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

Yoga Slim 750i Proの外観のチェックです。

ボディ素材には、プレミアムアルミニウムを採用し、高い質感です。ボディカラーは、明るいライトシルバーです。シンプルなデザインなので、場所や用途を選ばずに使用することができそうです。

 

天板もシルバーで統一されています。

 

スピーカーは左右の底面側にあります。音質は比較的良く。ノートPC基準で、10点満点で採点すると6点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。

 

Webカメラは1280x720の解像度で、画質は普通です。

IRカメラを搭載しており、Windows Helloの顔認証を使用したWindowsへのログインが可能です。ディスプレイを開くだけで、電源ONからWindowsへのログインまでを、ゼロタッチで行うこともできます。

 

ボディの高さは最薄部が14.6mmとなっており、薄いです。

 

Yoga Slim 750i Proは、インターフェイスとして、USB3.0、USB-C x2を備えています。

前述の通りUSB-Cポートは、Thunderbolt 4、Power Delivery、DisplayPortに対応しています。本体への給電にも、このUSB-Cポートを使用します。

ただ、SDカードリーダーは備えていません。せっかく、クリエイター向けノートPCというのであれば、写真や動画の取り込みがしやすいように、SDカードリーダーがあれば使い勝手がよかったと思います。

 

液晶が開く最大の角度です。

 

底面です。

 

ACアダプターは95Wと、モバイルノートPCとしては大容量です。

 

まとめ

Yoga Slim 750i Proは、ライトなクリエイティブ作業に適した、14型モバイルノートPCです。

アスペクト比16:10で、広色域の2.2K液晶は、クリエイティブな用途はもちろん、Web閲覧や仕事にも使いやすいです。

14型のコンパクトボディに、外部グラフィックスを搭載し、しかも約1.33kgと軽いというのも大きな特徴です。競合する機種が少ないジャンルだと思います。

Core i7-1165G7+GeForce MX450の構成にしては、ベンチマークスコアが思いのほか高く、動画編集なども比較的快適にできます。

メインターゲットは、ライトなクリエイティブ作業を行う方だと思いますが、すでに本格的なクリエイター向けデスクトップPCを所持している方のサブ的なモバイルノートPCとしてもいいかもしれません。

ライトなクリエイティブ作業に適したモバイルノートPC

Yoga Slim 750i Pro

特徴

  • 第11世代Core + GeForce MX450を搭載
  • 16:10の広色域2.2K液晶搭載
  • 大容量バッテリーを搭載しながら約1.33kgと軽い

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