MacBook Pro 13インチ(M1、2020)の実機レビュー

更新日:2020年11月28日
SoC Apple M1チップ
8コアCPU、8コアGPU
メモリ 8GB / 16GB
ストレージ 256GB ~ 2TB SSD
液晶サイズ 13.3型
液晶種類 2560x1600 IPS
質量 1.4kg
バッテリー 58.2Wh
LTE 非対応
価格 14万円台~(税込)
持ち運べるクリエイター向けノートとして優秀

MacBook Pro 13インチ(M1、2020)は、持ち運べるクリエイター向けノートPCとして、非常に優秀な製品です。

4K動画も編集できるようなスペックでありながら、省電力でバッテリー駆動時間がとても長いです。

さらにディスプレイの色域も広く、MacはOSレベルでカラーマネジメントに対応しており扱いやすいです。

MacBook Airよりもやや重くなる代わりに、CPU冷却ファンを搭載し、高い負荷をかけ続けても処理性能が落ちることなく安定して動作します。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は次の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Apple M1チップ、16GBメモリ、512GB PCIe SSD

 

目次

お忙しい方は「MacBook Pro 13インチ(M1チップ)の特徴」をお読みください。

 

MacBook Pro 13インチ(M1チップ)の特徴

Apple M1チップを搭載

新しいMacBook Proは、従来のインテルプロセッサーに変わり、Apple M1チップを搭載したことで、劇的に性能が向上しています。Apple M1チップについての詳しい説明は省きますが、高性能コアと高効率コアの2種類のコアを搭載していることにより、平たく言うと、MacBook Pro 16インチに近い性能で、従来のMacBook達よりも省エネです。

例えば、CPU性能を評価するCINEBENCH R23のスコアは、MacBook Pro 16インチに近いスコアが出ていながら、バッテリー駆動時間は旧MacBook Pro 13より70%も長いです。

CINEBENCH R23 マルチコア
MacBook Pro 16インチ 8497
MacBook Pro 13インチ M1 7802
旧MacBook Pro 13 5101
ワイヤレスインターネット時のバッテリー駆動時間(メーカー仕様値)
MacBook Pro 16インチ
(100Wh)
最大11時間
MacBook Pro 13インチ M1
(58.2Wh)
最大17時間
旧MacBook Pro 13
(58.2Wh)
最大10時間

 

まだ、Apple M1チップ搭載のMacbookでうまく動かないアプリや機能が制限されているアプリもありますが、主要なアプリは近いうちに対応していくと思います。ただし、自分が使うメインアプリは、Apple M1チップで正常に動くのかは、ネットの情報などで事前に確認しておいたほうがいいと思います。

 

製品の位置づけ

MacBook Pro 13インチ(M1)の位置づけは、下図のようになっています。

クリエイター向けノートPCとしては比較的軽量で、性能も比較的高めです。HシリーズのCoreプロセッサーに、GeForce GTX/RTXのグラフィックスを搭載したノートPCと比較するとやや性能は落ちますが、約1.4kgという質量や長いバッテリー駆動時間を考慮すると、携帯性と性能のバランスは非常に優れていると思います。

MacBook Pro 13インチ M1 の位置づけ

 

CPU冷却ファンを搭載し、MacBook Airより安定動作

新しいMacBook Pro 13インチとMacBoo Airは、同じApple M1チップを搭載していますが、MacBook Pro 13インチのみCPU冷却ファンを搭載しています。そのため、熱による処理性能の低下が少なく、安定して動きます。

下図は、CINEBENCH R23を3回連続で実行したときの各スコアです。なお、CINBENCH R23は1回の実行につき10分以上の時間がかかるため、今回、合計30分以上負荷をかけていることになります。

MacBook AirはファンレスであるためMacBook Pro 13インチよりもベンチマークスコアが低く、しかも回数を重ねるごとに徐々にスコアが下がっていっています。一方、MacBook Pro 13インチは1回目から3回目までスコアはほとんど変わりません。長時間、負荷のかかる処理を実行するなら、CPU冷却ファンを搭載したMacBook Pro 13インチ(M1)のほうがいいでしょう。

 

また、下図は、CINEBENCH R23を実行中のPC全体の消費電力です(本当はCPU電力を計測したかったのですが、計測ツールが見つからなかったため断念してました)。MacBook Airの場合、時間が経つと18W前後にまで落ち込んでしまいますが、MacBook Pro 13インチは26W前後をずっと維持しています。

 

ただし、CINBENCH R23はCPU使用率がほぼ100%になる負荷がかかりますが、そこまでの負荷ではない場合(例えば70%とか)、ここまでAirとProの間に差は出ません。そこまで負荷をかけない場合は、MacBook Airでも十分かと思います。

 

高色域・高精細ディスプレイで見やすい

ここからは、従来モデルから引き継ぐ特徴となりますが、MacBook Pro 13インチ(M1チップ)は、Display P3 100%の高色域、2560 x 1600ドットの高精細ディスプレイを搭載しています。Final Cutなどの動画編集ソフト、LightroomなどのRAW現像ソフトや、Photoshopなどの画像編集ソフトを使う方でも満足できる品質ではないかと思います。

ちなみに、今回、i1 Profilerが起動しなかったので、色域は計測していませんが、旧MacBook Pro 13インチと同じディスプレイが採用されているとしたら、Adobe RGBカバー率は88%くらいです。

Display P3 100%のディスプレイ

 

美しいボディと高い圧倒的なブランド力

MacBook Pro 13インチ M1は、アルミの削り出しボディを採用し、剛性が高く美しいボディです。

またブランド力が高く、自慢げに外で使うことができます。

剛性の高いボディ

 

ポート類はThunderbolt 3とヘッドフォンのみ

MacBook Pro 13インチ(M1)のポート類は、Thunderbolt 3とヘッドフォンのみとなっています。多くのThunderbolt 3に対応した周辺機器が売られているため、困ることは少ないかもしれませんが、従来のUSB-A接続の周辺機器をつなげたい場合や、SDカードを挿入したい場合、ギガビットの有線LANを接続したい場合などは、ドングルやドックが必要になってきます。

インターフェース

 

その他の残念なところ

クリエイターPCとしてみた場合、メモリが最大16GBである点はやや少ないと感じる方もいるかもしれません。

また、Boot Campなどにも非対応です。現段階ではWindows OSを動かすことはできません。

外部モニターの接続は、1台までしかサポートされていません。

Thunderbolt 3には対応していますが、最新規格のThunderbolt 4には対応していません。

 

ディスプレイのチェック

M1 MacBook Pro 13インチの液晶ディスプレイのチェックです。

色域が広く、反射も抑えられており見やすいディスプレイです。またMacはOSレベルでカラーマネジメントに対応しているのも特徴です。最大輝度も当サイトの計測では396cd/m2とやや高めです。ディスプレイの詳細な特性については、下のタブをクリックして下さい。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 画素・
    ギラつき
  • 映り込み
  • フリッカー

今回、i1 Profilerのソフトが起動しなかったため、色域の実測結果は省略させていただきますが、メーカーの仕様表を確認すると、Display P3をカバーしています。

こちらも省略させていただきますが、見た目では素直な発色です。

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

画素形状です。ギラつきはありません。

画面拡大

光沢液晶ですが反射が抑えられています。色の鮮やかさを損なわず、周囲の物の映り込みも抑えられているため、見やすい画面です。

画面への映り込み

フォトディテクターでPWM調光によるフリッカー(ちらつき)の有無を確認してみましたが、輝度をいくつにしても、フリッカーは検出されませんでした。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

MacBook Pro(M1、2020)のキーボードのチェックです。

実際に打ってみると、キーストロークの浅さがやや気になりますが、軽いタッチで流れるようにタイピングする方にはいいかと思います。

なお、実測で、キーピッチは横:約19mm、縦:約18mm、キーストロークは約1mmです。キートップは若干湾曲しています。

キーボード全体図
キーの拡大図

 

キーボードバックライトも搭載しています。

バックライト

 

タッチパッドは広く、感度もよく、ジェスチャー操作がしやすいです。

アップルマークで自慢できる

 

パフォーマンスのチェック

パフォーマンスのチェックです。

Apple M1チップのTDPは非公開となっています。

CPU

CPU性能については、まずはMacのベンチマーク計測でよく使用されるGeekbenchのスコアを掲載します。マルチコア、シングルコアともに非常に高いスコアでした。Rosetta 2を介して動かしても、マルチコアに関しては、旧MacBook Pro 13インチ(Intel)よりも高スコアでした。

Geekbench 5
~ CPU性能の目安 ~
Apple M1
Apple M1(Rosetta 2)
他のCPUとの比較(Multi-Core Score)
Core i7-10875H 7882
Apple M1 7528
Apple M1 7444 (MacBook Air M1)
Core i9-9980HK 6943 (MacBook Pro 16)
Core i7-10750H 6030
Ryzen 7 4700U 5696
Apple M1 (Rosetta 2) 5514
Apple M1 (Rosetta 2) 5499 (MacBook Air M1)
Core i7-1165G7 5491
Core i7-1068NG7 4821 (旧MacBook Pro 13)
Core i7-1060NG7 3266 (旧MacBook Air)
他のCPUとの比較(Single-Core Score)
Apple M1 1728
Apple M1 1716 (MacBook Air M1)
Core i7-1165G7 1573
Core i7-1068NG7 1339 (旧MacBook Pro 13)
Core i7-10875H 1255
Apple M1 (Rosetta 2) 1235
Apple M1 (Rosetta 2) 1231 (MacBook Air M1)
Core i7-1060NG7 1227 (旧MacBook Air)
Core i7-10750H 1205
Core i9-9980HK 1172 (MacBook Pro 16)
Ryzen 7 4700U 1149
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※旧MacBook Airは、Intel CPUを搭載した2020年モデル
※旧MacBook Pro 13は、Intel CPUを搭載した2020年モデル

 

続いて、CINEBENCH R23のスコアです。Geekbenchは割と負荷が軽めですが、CINEBENCH R23は、CPU使用率が100%になる高い負荷がかかります。マルチコアのスコアを確認すると、MacBook Pro 16インチよりは劣るスコアでしたが、Ryzen 7 4700Uよりも高いスコアが出ていました。また、前述しましたが、同じM1チップを搭載したMacBook Airよりも高いスコアが出ていました。

シングルコアのスコアに関しては、MacBook Pro 16インチよりも高かったです。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Apple M1
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i9-9980HK 8497 (MacBook Pro 16)
Core i7-10875H 7849
Apple M1 7802
Apple M1 6987 (MacBook Air M1)
Ryzen 7 4700U 6544
Core i7-1068NG7 5101 (旧MacBook Pro 13)
Core i7-1165G7 4638
Core i7-1060NG7 2488 (旧MacBook Air)
他のCPUとの比較(シングルコア)
Apple M1 1493
Apple M1 1491 (MacBook Air M1)
Core i7-1165G7 1354
Core i7-10875H 1240
Ryzen 7 4700U 1215
Core i9-9980HK 1198 (MacBook Pro 16)
Core i7-1068NG7 1140 (旧MacBook Pro 13)
Core i7-1060NG7 885 (旧MacBook Air)
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※旧MacBook Airは、Intel CPUを搭載した2020年モデル
※旧MacBook Pro 13は、Intel CPUを搭載した2020年モデル

 

メモリ

メモリはLPDDR4X-4266を搭載しています。AmorphousMemoryMarkでメモリの速度を確認すると、従来のMacBook Pro 16インチよりも速くなっています。

AmorphousMemoryMark
~ メモリ性能の目安 ~
メモリ速度

 

次に、重めのアプリをいくつか起動していったときのメモリ使用量の増え方を確認していきます。下図のように、順々にアプリを起動し、使用済みメモリを確認していきましたが、途中で圧縮されてはいるものの、スワップされることはありませんでした。もちろん、アプリや使い方によってメモリ使用量が変わるため、参考程度にご覧ください。

使用済みメモリなどの増え方

 

グラフィックス

グラフィックスの性能について、Radeon Pro 5500M 8GBやGeForce GTX 1650といった外部グラフィックスと比較すると、Apple M1は流石に劣るスコアです。しかし、Core i7-1165G7などのプロセッサー内蔵のグラフィックスと比較すると、最も高いスコアでした。

Geekbench 5 - Compute
~ グラフィックス性能の目安 ~
Apple M1(Open CLで実行)
他のグラフィックスとの比較(OpenCL)
GeForce GTX 1650 41076
GeForce GTX 1650 Max-Q 36754
Radeon Pro 5500M 8GB
27509 (MacBook Pro 16)
Apple M1 19142
Apple M1 18449 (MacBook Air M1)
Intel Iris Xe
(Core i7-1165G7内蔵)
17208
GeForce MX250 11550
AMD Radeon
(Ryzen 7 4700U内蔵)
10515
Iris Plus
(Core i7-1065G7内蔵)
10214 (旧MacBook Pro 13)
Iris Plus
(Core i7-1060NG7内蔵)
8646 (旧MacBook Air)
Intel UHD
(Core i7-10710U内蔵)
5977
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※旧MacBook Airは、Intel CPUを搭載した2020年モデル
※旧MacBook Pro 13は、Intel CPUを搭載した2020年モデル
GFXBench 5.0 1440p Aztec Ruins (Higt Tier) Offscreen
~ グラフィックス性能の目安 ~
Apple M1
他のグラフィックスとの比較(OpenCL)
Radeon Pro 5500M 8GB
92 fps (MacBook Pro 16)
Apple M1 77 fps
Apple M1 77 fps (MacBook Air M1)
Intel Iris Xe
(Core i7-1165G7内蔵)
54 fps
Iris Plus
(Core i7-1065G7内蔵)
27 fps (旧MacBook Pro 13)
Iris Plus
(Core i7-1060NG7内蔵)
17 fps (旧MacBook Air)
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※旧MacBook Airは、Intel CPUを搭載した2020年モデル
※旧MacBook Pro 13は、Intel CPUを搭載した2020年モデル

 

ストレージ

ストレージも従来よりも高速になっています。

ストレージ性能の目安
~ AmorphousDiskMark ~
512GB SSD
他のストレージとの比較(Seq QD32 Read [MB/s] )
PCIe-NVMe SSD 3408
SATA SSD 550
HDD 140
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※緑色のバーが、本製品で選べるストレージです

 

クリエイターソフトの処理時間

ここでは、クリエイター向けのソフトウェアで計測した各種処理時間を掲載します。なお、素材や編集内容によって、処理時間が変わるため、参考程度にご覧ください。

Final Cut Pro Xによる書き出し時間

まず、ユニバーサルアプリのFinal Cut Pro Xの書き出し時間を下に掲載します。M1チップのMacBook Pro 13は、従来のIntel CPUのMacBook Proよりも大分高速で、MacBook Pro 16インチに近い書き出し時間です。

また、MacBook Air M1と同じ書き出し時間でした。  

Core i9-9980HK
Radeon Pro 5500M 8G
5分38秒 (MacBook Pro 16)
Apple M1 6分30秒
Apple M1 6分30秒 (MacBook Air M1)
Core i7-1068NG7 9分16秒 (旧MacBook Pro 13)
Core i7-1060NG7 13分52秒 (旧MacBook Air)
※ 4K/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露出」+「サーキュレーション」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、Apple デバイス 4K、H.264(処理速度優先)で書き出したときの時間
※ 旧MacBook Airは、Intel CPUを搭載した2020年モデル
※ 旧MacBook Pro 13は、Intel CPUを搭載した2020年モデル
DaVinci Resolve Studio 17 Betaによる書き出し時間

次に、ユニバーサルアプリのDaVinci Resolve 17 Betaによる書き出し時間を確認します。こちらも従来のIntel版の旧MacBook Pro 13インチよりも大分速く、Core i7-1165G7搭載のWindowsノートの約半分の時間で終わっています。

GeForce GTX 1650Tiのような外部グラフィックスを搭載したノートPCと比べると流石に遅いですが、それでも大きく差をつけられているわけではありません。

MacBook Airと比較した場合、ほとんど同じ書き出し時間でした。 

Core i7-10875H
GeForce GTX 1650Ti
6分53秒
Core i9-9980HK
Radeon Pro 5500M 8G
7分11秒 (MacBook Pro 16)
Apple M1 8分27秒
Apple M1 8分29秒 (MacBook Air M1)
Core i7-1068NG7 14分54秒 (旧MacBook Pro 13)
Core i7-1165G7 17分35秒
Core i7-1060NG7 23分19秒 (旧MacBook Air)
Ryzen 7 4700U 33分05秒
※ 4K/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「明るさ(カーブ)の変更」+「彩度の変更」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、MP4、H.264、2160p 4K Ultra HD、29.97 fpsで書き出したときの時間
※ 旧MacBook Airは、Intel CPUを搭載した2020年モデル
※ 旧MacBook Pro 13は、Intel CPUを搭載した2020年モデル
※ MacBookシリーズはバージョンが17.1Betaで、その他は17.0Betaを使用
※ MacBook以外(Windowsノート)は、エンコーダーに、QSV、NVIDIA、AMD等を選択
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間

次は、ユニバーサルアプリではないPremiere Proの書き出し時間を確認します。こちらはRosetta 2を介して動かしたときの処理時間となります。

こちらはRosetta 2を介していることもあり、Intel CPU搭載の旧MacBook Pro 13インチよりは速いものの、MacBook Pro 16インチとは差が開きます。

Premiere Proが、ユニバーサルアプリとして登場したときに、どのくらいの速さになるのか楽しみです。

Core i7-10750H
GeForce RTX 2060
4分51秒
Core i7-10875H
GeForce GTX 1650Ti
5分36秒
Core i7-10750H
GeForce GTX 1650
6分34秒
Core i9-9980HK
Radeon Pro 5500M(8GB)
8分15秒 (MacBook Pro 16)
Apple M1 (Rosetta 2) 11分3秒
Apple M1 (Rosetta 2) 11分32秒 (MacBook Air M1)
Core i7-1165G7
Intel Iris Xe
15分36秒
Core i7-1068NG7
Intel Iris Plus
19分35秒 (旧MacBook Pro 13)
Core i7-1060NG7
Intel Iris Plus
26分57秒 (旧MacBook Air)
※ 4K/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 2160p 4K Ultra HDのプリセットで書き出したときの時間
※旧MacBook Airは、Intel CPUを搭載した2020年モデル
※旧MacBook Pro 13は、Intel CPUを搭載した2020年モデル
Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間

Adobe Lightroomの書き出し時間は次の通りです。Lightroomもまだユニバーサルアプリではないため、Rosetta 2で動かしたときの結果となります。なお、Lightroomの書き出しは、GPUはほとんど使われず、主にCPUで行います。

Rosetta 2経由で動いているにも関わらず、かなり高速です。

ちなみにMacBook Air M1の書き出し時間が遅いのは、メモリを8GBしか搭載していないためです。

Core i7-10875H
16GBメモリ
70秒
Core i9-9980HK
16GBメモリ
77秒 (MacBook Pro 16)
Apple M1 (Rosetta 2)
16GBメモリ
80秒
Core i7-10750H
16GBメモリ
80秒
Core i7-1165G7
16GBメモリ
87秒
Apple M1 (Rosetta 2)
8GBメモリ
90秒 (MacBook Air M1)
Core i7-1068NG7
32GBメモリ
92秒 (旧MacBook Pro 13)
Core i7-1060NG7
16GBメモリ
93秒 (旧MacBook Air)
※ プロファイル補正を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測。
※ 旧MacBook Airは、Intel CPUを搭載した2020年モデル
※ 旧MacBook Pro 13は、Intel CPUを搭載した2020年モデル

 

USB Type-C 充電器 / ドックの動作テスト

USB Type-Cポートを利用して、純正以外の充電器やドックが使えるかを試しました結果を掲載します。下図のように試したものはすべて使用できました。

充電器/ドックとの互換性
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック
PD充電器
※1
65W ZHOULX充電器
45W Lenovoウルトラポータブル
30W RAVPower充電器
18W cheero充電器
5V充電器 ※2 5V/2.4A ANKER充電器
5V/2.4A AUKEY充電器
モニター
※3
Dell U2419HCモニター
Philips 258B6QUEB/11
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 スマホやタブレット向けの5Vの充電器
※3Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター

 

質量のチェック

MacBook Pro 13 M1の質量のチェックです。

当サイトで計測した質量は下図の通りです。クリエイター向けノートPCとしてみた場合、軽いと思います。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.370kg
ACアダプター(+電源ケーブル) 270g

 

バッテリー駆動時間のチェック

MacBook Pro 13インチ(M1、2020)のバッテリー容量は、58.2Whとなっており大きい容量です。

メーカーの仕様表では、バッテリー駆動時間について「最大17時間のワイヤレスインターネット」、「最大20時間のApple TVアプリのムービー再生」と書かれています。かなり長い駆動時間です。

当サイトによるバッテリー駆動時間については以下の通りで、こちらも長いです。

バッテリー駆動時間の計測結果(当サイトによる実測値)
  バッテリー駆動時間
動画再生時 ※1 19時間13分
Davinciプレビュー時 ※2 4時間18分
※画面輝度は約120cd/m2
※1 ローカルディスクに保存した動画(720x480)を連続再生した時のバッテリー駆動時間
※2 Davinci Resolveで編集中の動画(4K)をプレビュー再生(ループ)した時のバッテリー駆動時間

 

付属のACアダプターを使ったアイドル時の1時間あたりの充電容量についてはご覧の通りです。MacBook Air M1よりも付属のACアダプターの容量が大きいので、充電も速いです。

1時間あたりの充電容量
アイドル時 62%(約36Wh)
※PCの電源を入れ、アイドル状態で充電
※PCの充電残量が10%から充電を開始し、1時間でどのくらい充電残量が増えたかを計測

 

 


 

 

以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。

アイドル時はほぼ無音です。やや高めの負荷をかけてもほぼ無音です。CPUやGPUの使用率が100%になるような高い負荷をかけるとファン音が聞こえますが、それでも他のノートPCと比較すると静かです。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
※約10分経過後に計測しています
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Final Cut Pro Xで、4K動画にエフェクトをいくつかかけてプレビューした時
左から3番目:Final Cut Pro Xで、4K動画を書き出しした時
左から4番目:Davinci Resolveで、4K動画を書き出しした時

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

パーツの温度のチェック

各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

まず、CPU使用率が100%になるCINEBENCH R23を実行し、処理を開始してから約10分後の温度を計測しました。下図には、各コアセンサーの温度の一部を抜粋して掲載しています。高性能コアは90℃台で推移しており高めの温度ではありますが、冷却ファンを搭載しているためMacBook Air M1よりは低めの温度でした(Airは96℃くらいまで上昇)。

次に、Davinci Resolveで書き出したときの温度を計測しましたが、高性能コアおよびGPUコアは70℃台で推移しており、問題ないと思います。

CINEBENCH R23実行中のCPU/GPU温度
測定環境:室内温度 約26℃、 測定ソフト:iStatistica Pro
※一部のコアのみ抜粋
Davinci Resolveで書き出し中のCPU/GPU温度
測定環境:室内温度 約26℃、 測定ソフト:iStatistica Pro
※一部のコアのみ抜粋

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。

アイドル時や、やや高めの負荷をかけたくらいであれば、問題ない温度です。

ただし、Davinci Resolveによる書き出しのような高めの負荷をかけると、スポット的に温度が高くなっている部分はないものの、全体的に温度がやや高めになり、手の平は熱く感じます。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Final Cut Pro Xで、4K動画にエフェクトをいくつかかけてプレビューした時
左から3番目:Final Cut Pro Xで、4K動画を書き出しした時
左から4番目:Davinci Resolveで、4K動画を書き出しした時

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。

全体的に非常に低い消費電力です。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST7
※PCの状態は「表面温度のチェック」のときと同じです
※画面輝度は120cd/m2にして計測しています
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

MacBook Pro 13インチ(M1、2020)の外観写真を掲載します。

リサイクルできる低炭素アルミニウムを筐体に使用し、見た目が美しいだけでなく、環境にも優しくなっています。今回は、スペースグレイのカラーを掲載します。

 

天板にはアップルマークが付いています。このマークは、昔のように光りはしませんが、鏡のように輝いています。

 

ボディは非常に薄いです。

 

スピーカーはいい音質だと思います。ノートPC基準で勝手に点数をつけると、10点満点で6~7点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

 

電源ボタンと統合された指紋認証装置も搭載しています。

 

Webカメラは720pで普通の画質です。顔認証には対応していません。

 

液晶は、下図の角度まで開きます。

 

前述の通り、ポート類はかなり少ないです。なお、無線LANはWi-Fi 6に対応しています。

 

底面には通気口がなく美しい外観です。

 

底面カバーを外したときの画像です。なお、カバーを外すには、五角1.2mmネジ用のドライバーが必要です。内部は非常に美しくこだわりを感じます。MacBook Air(M1)と違いCPU冷却ファンが搭載されています。ただし、メモリやストレージのパーツ交換はほぼ無理です。

 

ACアダプターは、MacBook Airよりもやや大きくなります。

 

まとめ

以上が、M1チップ搭載のMacBook Pro 13インチのレビューです。

Apple M1チップの性能が高く、しかも省電力でバッテリー駆動時間も長いです。持ち運べるクリエイター向けノートPCとしてはかなり優秀な製品だと思います。流石に、HシリーズCoreプロセッサーにGeForce GTX/RTXを搭載したようなクリエイター向けPCには及びませんが、それでもかなり処理性能は高く、動画編集、RAW現像など快適に作業できると思います。

MacBook Airとは異なり、本製品はCPU冷却ファンを搭載しているので、高い負荷をかけても処理性能の低下がみられません。また、ファンを搭載していても、かなり高い負荷をかけなければ、ほぼ無音です。

ディスプレイの色域も広く、MacはOSレベルでカラーマネージメントに対応しているので扱いやすいです。

持ち運べるクリエイター向けノートPCとして大きな不満はありませんが、メモリは32GBまで選べても良かったかなと思います。また、SDカードスロットだけでもあれば良かったかなと思います。ただ、SDカードスロットのようなものが無い点がMacらしくもあります。

 

持ち運べるクリエイター向けノートとして優秀

MacBook Pro 13インチ(M1、2020)

特徴

  • 高いパフォーマンス&省電力
  • 見やすい液晶画面
  • ファン搭載で高負荷をかけても安定動作

こんなあなたに

  • 外出先へ持ち運んで、動画編集などをしたい方
  • デザインのいいPCが欲しい方
  • 価格14万円台[税込]~
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