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HP Pavilion 15(15-cc000、15-cc100)の実機レビュー
高級感あるデザインでお手頃価格
Pavilion 15は、キーボード面にアルミニウム素材を採用し、高級感あるデザインに生まれ変わった15.6型ノートPCです。
全体的に洗練された上質なデザインで、キーボード面がメタリックでタッチパッド周りもキラリと輝き素敵です。指紋も目立ちにくく、実用性も高いです。
フルHD液晶に、UシリーズのCoreプロセッサーを搭載し、SSDのモデルも用意されており、一般ユーザー用としてならスペックは十分だと思います。
価格もそれほど高くなくお手頃です。
カラーには、ロイヤルブルーとモダンゴールドが用意されています。
なお、第7世代CPUモデルがHP Pavilion 15-cc000シリーズ、第8世代CPUモデルがHP Pavilion 15-cc100シリーズという名称になります。
2017.8.12 追記:モダンゴールドのカラーの画像を追記
2017.8.03 追記:Core i7-7500U、GeForce 940MXのモデルを追記
2017.12.4 追記:Core i5-8250Uのモデルを追記
CPU | Core i5-7200U Core i7-7500U Core i5-8250U |
GPU | CPU内蔵 / GeForce 940MX |
メモリ | 4 ~ 16GB |
ストレージ | HDD / M.2 SATA SSD+HDD |
液晶サイズ | 15.6型ワイド |
液晶種類 | FHD 非光沢 |
質量 | 約2.17kg |
バッテリー | 約7.5~9時間 |
本体サイズ | 約379[W] x 252[D] x25.0mm[H] |
価格 | 約7万円~ |
※レビュー機は、1台が当サイトの購入品、もう2台がメーカーからの貸出機です。今回は下の3機種でレビューをしています。
- Core i5-8250U、8GBメモリ、128GB SSD + 1TB、インテル UHD グラフィックス 620 NEW!
- Core i7-7500U、8GBメモリ、128GB SSD + 1TB、GeForce 940MX
- Core i5-7200U、4GBメモリ、1TB HDD、インテル HD グラフィックス 620
目次
お忙しい方は、「1」の特徴のみお読みください。
1 HP Pavilion 15の特徴 | |
2 液晶ディスプレイのチェック | 3 キーボードおよびタッチパッドのチェック |
4 パフォーマンスのチェック | 5 ゲームベンチマーク |
7 質量のチェック | 8 静音性のチェック |
9 パーツの温度のチェック | 10 表面温度のチェック |
11 消費電力のチェック | 12 外観のチェック |
13 まとめ |
HP Pavilion 15
上質なデザイン
HPのパソコンには、「Spectre」、「ENVY」、「Pavilion」、「HP」というシリーズがあり、上位のシリーズほど高級素材を用いスペックも高い製品となっています。
今回レビューしているPavilion 15は、「Pavilion」シリーズとなり、"スタンダード"なモデルの位置づけで、決して高価なシリーズではありません。また従来機種のPavilion 15-au100など、このシリーズは、樹脂など比較的安価な素材が用いられてきました。しかし、本製品ではキーボード面にアルミニウム素材が用いられています。
これにより、スタンダードなモデルであるにも関わらず、非常に上質な高級感のあるデザインに仕上がっています。特にキーボード面は美しく、安価なPCとは一線を画する質感です。指紋なども目立ちにくく実用性も高いです。

キーボード面にはアルミニウム素材を採用

キーボードのフレームが本体と一体になっており、スッキリとしたデザイン

ダイヤモンドカットされたタッチパッドフレーム

パーツのつなぎ目が分かりにくいフォルム

ロイヤルブルーの天板

モダンゴールドの天板もあり

天板と同色のスピーカーグリル、液晶フレームにも模様があるこだわり
このデザインでも価格はお手頃
このようにデザインの良いパソコンですが、Core i5-7200U、4GBメモリ、1TB HDDの構成なら6万円台(税別)で購入することが可能です。
液晶ディスプレイのチェック
Pavilion 15の液晶ディスプレイのチェックです。
液晶は、フルHDと十分な解像度ですが、視野角が悪いです。広視野角な液晶を搭載して欲しかったところですが、この辺は、上位モデルのHP ENVY 15-as100と差別化しているのだと思います。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、寒色系の(青白い)画面であることが分かります。
色域は狭いです。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成
非光沢液晶であるため、画面への映り込みは低減されています。

画面への映り込み
キーボードおよびタッチパッドのチェック
Pavilion 15のキーボードとタッチパッドのチェックです。
メーカーのスペック表を確認すると、キーピッチは18.6x18.6mm、キーストロークは約1.8mmとなっています。十分な数値でしょう。キーはやや軽め(力を入れなくても押せる)です。キートップはほぼフラットですが、普通に打てるキーボードだと思います。

キーボード全体図

キーの拡大図1

キーの拡大図2

キーの拡大図3

キーの拡大図4
キーボードバックライトも搭載しています。

バックライトキーボード
タッチパッドは面積が広く、指を動かしやすいです。タッチパッドが中央より少し左よりに配置されている点も良いと思います。クリックボタンはタッチパッドと一体になっていますが、普通に押せます。

タッチパッド
パフォーマンスのチェック
Pavilion 15のパフォーマンスのチェックです。
CPU
本製品は、標準的な性能の「Uシリーズ」のCoreプロセッサーを搭載しています。動画編集や画像編集、RAW現像などクリエイティブな作業をするなら第8世代CPUのCore i5-8250Uがおすすめです。こういった作業をしないなら、第7世代CPUでも十分でしょう。

CPUの選び方(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません
グラフィックス
グラフィックスは、CPU内蔵グラフィックスまたは、専用グラフィックスのGeForce 940MXとなっています。CPU内蔵グラフィックスについては、第7世代CPUは「インテル HD グラフィックス 620」という名称で、第8世代CPUが「インテル UHD グラフィックス 620」という名称になっています。
GeForce 940MXが最も高性能ではありますが、CPU内蔵グラフィックスより、少し性能が良い程度ですので、どちらのGPUでもやれることに大差はありません。無理にGeForce 940MXを搭載する必要はないと思います。

グラフィックスの選び方(筆者の独自判断)
ストレージ
HDDのモデルと、SSD+HDDのモデルがあります。SSDとHDDとでは体感速度が大分違うため、できればSSDを搭載したモデルをおすすめします。

ストレージの選び方(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません
HP Pavilion 15で計測したベンチマーク
以下、本機でのベンチマークスコアです。今回、メモリがシングルチャンネルであるため、全体的にベンチマークスコアが低めに出ています。特にグラフィック関係のスコアが低めです。
(CPU性能の評価)

Core i5-7200U

Core i7-7500U

Core i5-8250U
(主にグラフィックス、CPU性能の評価)

Core i5-7200U、インテル HD グラフィックス 620

Core i7-7500U、GeForce 940MX

Core i5-8250U、インテル UHD グラフィックス 620
(x265がCPU性能の評価、NVENC、QSVが主にグラフィックス性能評価)
Core i5-7200U | Core i7-7500U | Core i5-8250U | |
---|---|---|---|
x265でエンコード (※1) | 43分45秒 | 42分51秒 | 28分37秒 |
NVENCでエンコード (※2) | ― | 実行できず | ― |
QSVでエンコード (※3) | 5分45秒 | 4分59秒 | 3分55秒 |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
(ストレージの評価)

1TB HDD

128GB SSD
ゲームベンチマーク
GeForce 940MXを搭載した場合のゲームベンチマークをチェックします。
ドラゴンクエスト X のようなかなり軽い部類のゲームなら、1920x1080の解像度+最高品質のグラフィック設定も、約60fps出るため、問題なくプレイできるでしょう。
ドラゴンズドグマオンライン、PSO2、モンハンのようなゲームは、割と軽い部類ですが、それでも1920x1080の解像度だと 60fpsを大きく切ります。1280x720の解像度なら、グラフィック品質設定次第で 60fpsを超えてくるでしょう。
中程度の重さの部類のFF XIVは、1280x720の解像度+標準品質のグラフィック品質で、やっと37 fpsです。ゲームできなくはないですが、場面によってはカク付きが気になるかもしれません。
重い部類のゴーストリコン ワイルドランズなどは今回試していませんが、本製品でゲームをするのは難しいでしょう。
製品名 | HP Pavilion 15-cc000 | |||
基本スペック | Core i7-7500U GeForce 940MX |
|||
解像度 | 1280x720 | 1920x1080 | ||
![]() |
FF XIV 紅蓮のリベレーター | 標準品質 ★ | 5482 (とても快適) 37 fps |
2855 (やや快適) 19 fps |
高品質 ★ | 2953 (やや快適) 20 fps |
― | ||
最高品質 | 2727 (やや快適) 18 fps |
― | ||
![]() |
ドラゴンズドグマオンライン |
最高品質 | 4587 (快適) | 3017 (普通) |
![]() |
ファンタシースターオンライン2 EP4 | 描画:3 | 10347 (快適) | 3325 (標準) |
描画:6 | 2757 (標準) | 1218 (重い) | ||
![]() |
モンハンフロンティア 第三弾(大討伐) | ― | 5373 | 2852 |
![]() |
ドラゴンクエストX | 標準品質 | 11475 (すごく快適) | 7258 (とても快適) |
最高品質 | 9641 (とても快適) | 5453 (快適) | ||
★「標準品質(ノートPC)」と「高品質(ノートPC)」の設定にしています。 ※フレームレート(fps)の掲載値は、平均値です。最小値や最大値ではありません ※ドラゴンズドグマオンラインは、約5800スコアで平均60fps(当サイト調べ) ※ファンタシースターオンライン2 EPISODE4は、約4500スコアで平均60fps(当サイト調べ) ※モンスターハンターフロンティア 第三弾(大討伐)は、約6000スコアで平均60fps(当サイト調べ) ※ドラゴンクエストXは、約5500スコアで平均60fps(当サイト調べ) ※本製品は60Hz駆動の液晶ディスプレイを搭載しているため、平均60fpsは欲しいです。 |
質量のチェック
Pavilion 15の質量のチェックです。
当サイトにて計測した質量は下図の通りです。15.6型ノートPCとしては普通の質量だと思います。

質量の計測結果
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。なお、今回は、Core i5-7200U、4GBメモリ、1TB HDD、CPU内蔵GPU(インテル HD グラフィックス 620)の構成で計測しています。
また、第8世代CPUモデルでも計測してみましたが、動画編集中のCPU使用率が半分くらいに下がった程度で、静音性、温度、消費電力はほぼ同じでした。
静音性のチェック
Pavilion 15の動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時でもやや動作音が聞こえます。高負荷時の動作音は、他のノートパソコンと比較して普通です。

騒音値の計測結果
計測機器:リオン NL-42K、部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB

パーツの温度のチェック
Pavilion 15の温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
CPU温度は普通です。


表面温度のチェック
表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
特に問題ない温度です。


消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。
やや低めの消費電力です。


外観のチェック
Pavilion 15の外観のチェックです。
Pavilion 15は、ロイヤルブルーとモダンゴールドのカラーバリエーションがあり、それぞれの外観画像を掲載していきます。
ロイヤルブルーの外観
まずは、ロイヤルブルーのカラーの外観です。
前述の通り、キーボード面にはアルミニウムを採用し、高級感がある製品です。
ロイヤルブルーの天板です。派手過ぎず、落ち着いた色です。
液晶を開くと、本体の下側にロールバックするようになっており、PC本体が少し浮き上がります。これにより、キーボードがやや傾き、タイピングしやすくなり、また、底面から吸気しやすくなるため、冷却効率も上がります。
つなぎ目が分かりにくいデザインも素敵です。
ヒンジ部分です。
スピーカーグリルも天板と同じ色になっています。
BANG & OLUFSENスピーカーを搭載し、イコライザーで音質を調節することも可能です。音質はノートPCとしては普通だと思います。
キーボードと液晶の間から排気されるため、PC本体の後ろ側に物を置いても大丈夫です。
側面のポートです。光学ドライブ、LAN、HDMI、USB、メモリカードスロットなど多種のポートが揃っています。USB Type-Cポートも搭載されています。
なお、光学ドライブは「DVDライター」となっています。DVDスーパーマルチドライブとの違いは、メーカーサイトの仕様を確認したところ、DVDライターは「DVD-RAMメディアに全く対応していない」ところがDVDスーパーマルチドライブとは違うようです。DVDスーパーマルチドライブは一部のDVD-RAMには対応しているようです。
液晶が開く最大の角度です。
底面です。ネジが少なく、キーボード面と同色で素敵です。
モダンゴールドの外観
続いて、モダンゴールドの外観を掲載します。
正面側から見たときは、ロイヤルブルーの外観とそれほど変わりありませんが、液晶の外側から少し見える天板のカラーがゴールドで、落ち着きのある印象になります。
モダンゴールドの天板は、薄いゴールドであるためそれほど自己主張するわけでもなく、シルバーのキーボード面や底面と良く合っていると思います。
天板の下のほうの画像です。
液晶を閉じたときの画像です。
ヒンジ部分です。
スピーカーグリルも天板と同じモダンゴールドのカラーで統一されています。
真横から見たときの画像です。
ACアダプター
ACアダプターは普通です。電源ケーブルはもう少し細いほうが良かったです。
Core i5-7200UのACアダプターは45Wの容量です。
他のCPU搭載時のACアダプターは65Wとなるようです。
まとめ
以上が、HP Pavilion 15のレビューです。
キーボード面にアルミニウム素材を採用し、つなぎ目が少なく、高級感のあるデザインです。スタンダードな位置づけの「Pavilion」シリーズであるにも関わらず、上質で素敵なデザインだと思います。
フルHD液晶、第7世代 or 第8世代Coreプロセッサー(Uシリーズ)を搭載し、SSDを搭載可能で、スペックも悪くありません。
価格もそれほど高くありません。部屋のデザインを損なわないPCが欲しい方、または人にPCを見られるような方で、価格もできるだけ抑えたい方に適していると思います。
ただし、液晶の視野角が悪く、色域も狭いです。上位モデルのPCと差別化しているのかもしれませんが、もう少し質の良い液晶だと良かったと思います。
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メーカーサイト:HP ダイレクト |
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※メーカーサイトには、Pavilion 15ではなく、Pavilion 15-cc000や、Pavilion 15-cc100と書かれている場合もありますが、同じ製品です。なお、第7世代CPUを搭載したモデルがPavilion 15-cc000、第8世代CPUを搭載したもでるがPavilion 15-cc100となります。

1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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