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GALLERIA DL9R-IG-C4Aの実機レビュー

CPU | Ryzen AI 9 HX 370 |
---|---|
GPU | Radeon 890M |
メモリ | 32GB / 64GB |
SSD | 1TB ~ 8TB |
画面サイズ | 14型 16:10 |
画面種類 | 2880x1800 非光沢 120Hz |
質量 | 約1.5kg |
バッテリー | 80Wh |
価格 | 19万円台~ |
GALLERIA DL9R-IG-C4Aは、「Strix Point」ことRyzen AI 9 HX 370の高性能プロセッサーを搭載したクリエイター向けノートPCです。
このCPUを搭載したノートPCは、価格が高い物ばかりですが、本製品は比較的安くなっています。
大容量メモリ、大容量SSDが搭載することができるのもクリエイターPCとしてはメリットです。
独立GPUは搭載していませんが、約1.5kgとクリエイター向けノートPCとしては軽く、持ち運びに便利です。
今回は以下の構成でレビューをしています。レビュー機は、メーカーからの貸出機です。
レビュー機の構成
Radeon 890M、32GBメモリ、1TB SSD
目次
お忙しい方は、「GALLERIA DL9R-IG-C4Aの特徴」のみお読みください。
GALLERIA DL9R-IG-C4Aの特徴
CPUもGPUもNPUも高性能
GALLERIA DL9R-IG-C4Aは、プロセッサーに「Strix Point」ことRyzen AI 9 HX 370を搭載し、CPUもGPUもNPUも高い性能です。独立GPUは搭載していないものの、そこまで負荷が高くないクリエイティブワークを中心に行うのであれば、十分快適に動きます。
NPUを搭載していることで、ソフトが対応してくれば、AI処理も快適にできるようになる可能性があります。

「Strix Point」搭載の割には安い
「Strix Point」のプロセッサーを搭載したノートPCは、かなり高い製品が多いですが、本製品はその中では比較的安いです。記事執筆時点では199,980円となっています。
NPU性能が高いノートPCを探しているなら、お得に購入することができます。

2.8Kディスプレイを搭載
本製品は、2880x1800ドットの高解像度ディスプレイを搭載し、ペイン(枠)の多いクリエイターソフトも使いやすいです。sRGBカバー率は95%(メーカー仕様値)とまずまずで、非光沢なので映り込みも少なく作業がしやすいです。有機ELと違って、フリッカーもありません。

持ち運べる範囲の重さ
GALLERIA DL9R-IG-C4Aは、独立GPUは搭載していませんが、その代わり質量が約1.5kgと比較的軽くなっています。モバイル専用ノートPCのように軽くはありませんが、持ち運べる範囲の重さです。外出先でクリエイティブワークをしたい方に適しています。

大容量メモリを搭載
クリエイターソフトを使うと、メモリをたくさん消費しますし、独立GPUも無いので、余計にメモリの消費が激しいです。しかし、本製品は標準で32GB、最大で64GBの大容量メモリを搭載することができるので安心です。
また、底面カバーを開けられる方なら、自分でメモリを交換することも可能です。ただし、パーツ交換はメーカー保証対象外となるので、自己責任でお願いします。

大容量SSDを搭載可能で、増設もOK
本製品は最大8TBの大容量SSDを搭載することが可能です。
さらに、空いているM.2スロットも1つあり、ここにSSDを増設することも可能です。動画ファイルなどを扱う場合は、大容量のストレージ容量が必要な場合もあるので嬉しいです。

他のクリエイター向けノートPCとの違い
本製品と、独立GPUを搭載したクリエイター向けノートPCとの違いはなんでしょう?
本製品のメリットは、軽くてバッテリー駆動時間が長めという点です。独立GPUを搭載しているとどうしても重く、消費電力も高くなってしまいますが、本製品は1.5kgと割と軽く、バッテリー駆動時間もそこそこあります。そこまで負荷の高い処理はしないけど、外へ持ち運ぶことがある方に適しています。
また、多くのクリエイター向けノートPCは、NPUが無いプロセッサーを搭載していることが多いですが、本製品はNPUを搭載しています。今はまだNPUを有効に使うクリエイターソフトは少ないですが、今後増えてきた場合に対応することができます。
ただし、GPU性能に関しては、独立GPUを搭載していたほうが、以下のように、圧倒的にハイパフォーマンスです。3D CGを行うとか、4K動画の凝った編集を行うといった場合は、独立GPUを搭載したノートPCにしましょう。
~ グラフィックス性能の評価 ~
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 快適に使えます。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | ディスプレイが綺麗で、スピーカー音もまずまずで、快適に動画視聴できます。 |
RAW現像 画像編集 |
○ | 色域広めのディスプレイで、画像編集なども快適です。 |
動画編集 | △~○ | FHD動画の簡易的な動画編集ならできると思います。ただし、本格的に動画編集をするなら、GeForce RTXシリーズなどの外部グラフィックスを搭載したノートPCがおすすめです。 |
ゲーム | △~○ | 原神クラスの軽いゲームはできます。フォートナイトやApexなども、多少のカクつきは気にしないエンジョイプレーヤーならできるでしょう。重いゲームは無理です。 |
ディスプレイのチェック
GALLERIA DL9R-IG-C4Aのディスプレイは比較的見やすいです。詳細は以下のタブをクリックして下さい。
- 色域・輝度
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
当サイトの計測で、sRGBカバー率は98%でした(メーカー公表値は95%)。最大輝度は、当サイトの計測では317cd/m2とやや高めです。

ガンマ補正曲線を確認すると、ほぼ補正されておらず、自然な発色であることが分かります。

視野角は広いです。

非光沢液晶であるため、画面への映り込みは低減されています。ギラつきは、ほとんど感じません。

PWM調光によるフリッカー(ちらつき)はありません。

※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測
キーボードおよびタッチパッドのチェック
GALLERIA DL9R-IG-C4Aのキーボードの打ちやすさは普通です。
主要なキーは大体同じ大きさですが、「Backspace」キーなどの一部のキーはやや小さいです。また、キートップがほぼフラットなので、指の収まりがやや悪いです。
タッチパッドの使いやすさは普通です。

※画像をクリックすると拡大できます

キーボードバックライトは搭載しています。

パフォーマンスのチェック
GALLERIA DL9R-IG-C4Aのパフォーマンスのチェックです。
CPU
Ryzen AI 9 HX 370を搭載し、マルチコア性能も、シングルコア性能も高めです。

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
~ CPU性能の評価 ~

なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
グラフィックス
グラフィックス性能についても、CPU内蔵のものとしては高めです。
~ グラフィックス性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
NPU
NPU性能は最大 50 TOPSと高いです。ただし、GeForce RTX 4050 Laptopのような独立GPUと比較すると、低い性能です。
~ NPU性能の評価 ~
ストレージ
ストレージは、高速です。
~ ストレージ性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
micro SDカードスロットを搭載しており、アクセス速度は普通です。
~ SDカードスロット性能 ~

その他のベンチマーク
Ryzen AI 9 HX 370のその他のベンチマークスコアについては、以下のリンク先をご覧下さい。別の機種で計測したものとなりますが、ほぼ同じくらいの数値になると思われます。
クリエイターソフトの処理時間
次に、クリエイターソフトを使って、重い処理を実行したときにかかった時間を掲載します。

今回、SSDの速度が速かったこともあり、短い書き出し時間でした。現像処理自体も、特にストレスなく行うことができます。
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

ニューラルフィルター処理も速かったです。それ以外の一般的な作業も、問題なく行えました。

FHD動画の書き出し速度も、比較的速いです。FHD動画なら、編集作業自体も、特にストレスなく行えました。
※ グラフィックスは全てノートPC用
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
質量のチェック
GALLERIA DL9R-IG-C4Aの質量のチェックです。
メーカーサイトには「約1.5kg」とあります。当サイトの計測値は下表の通りです。ゲーミングノートPCとしては比較的軽いですが、モバイル専用ノートPCよりは重いです。
質量 | |
PC本体 | 1.594kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 433g |
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー容量は80Whでした。

バッテリー駆動時間は普通です。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA3.0(アイドル時) | 12.9 時間 |
(2) JEITA3.0(動画再生時) | 8.9時間 |
(3) 動画編集ソフトでプレビュー再生 | 5時間56分 |
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生させたとき。画面輝度は約120cd/m2
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。
デフォルトTDPが28WのCPUを搭載していますが、35~45Wのやや高めのCPU電力が出ています。CPU温度は80℃前後と問題ありません。
- パフォーマンス時
- Turbo時


静音性のチェック
GALLERIA DL9R-IG-C4Aの動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時はほぼ無音です。負荷をかけると、他のノートPCと同等程度の騒音値です。
アイドル時 | 低負荷時 [YouTube再生] |
中負荷時 [動画編集] |
約20dB | 約20~32dB | 約32dB |
高負荷時1 [エンコード] |
高負荷時2 [ゲーム] |
|
約42dB | 約37dB |
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
アイドル時:アイドル時
低負荷時:1080pのYouTube動画再生時
中負荷時:Premiere Proで、編集中の1080pの動画をプレビュー再生した時
高負荷時1:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコード(x265)した時
高負荷時2:FF14のゲームのベンチマーク実行時(高品質、1920x1080、ウィンドウ)
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手のひらを置くパームレストの温度変化は重要です。
負荷が低い時は、ほぼ温度は上がらず快適に使えます。ゲーム時はキーボード部分の温度がやや高くなりますが、そこまで気になりません。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
独立GPUを搭載していないので、比較的低めの消費電力です。
アイドル時 | 低負荷時 [YouTube再生] |
中負荷時 [動画編集] |
約6W | 約13W | 約31W |
高負荷時1 [エンコード] |
高負荷時2 [ゲーム] |
|
約60W | 約57W |
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています
外観のチェック
GALLERIA DL9R-IG-C4Aの外観のチェックです。
キーボード面はシルバー、ディスプレイ周りはブラックの、オーソドックスなカラーです。

天板には、GALLERIAのロゴがあります。

ボディの高さは普通です。


スピーカー音は、ノートPC基準で、10点満点で採点すると5点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。

5MPの高解像度カメラを搭載しています。顔認証にも対応しています。


※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影
側面のポート類です。USB-Cポートは2つあり、そのうちの1つはUSB4で、DP2.1、45-100WのPowerDeliveryに対応しています。もう1つはUSB3.2 Gen2で、PowerDeliveryのみ対応です。HDMIは2.0対応で、4K/60Hzでの出力に対応しています。LANポートも背面にあります。



ヒンジは以下の角度まで開きます。180度は開きません。

底面は、吸気口が広めにとられています。

内部はご覧の通りです。

メモリはスロット式です。

M.2 SSDはType 2280で、サーマルパッドも取り付けられています。


空いているM.2スロットもあります。

ACアダプターは、90Wと大きめの容量で、サイズも大きいです。

まとめ
以上が、GALLERIA DL9R-IG-C4Aのレビューでした。
「Strix Point」ことRyzen AI 9 HX 370の高性能プロセッサーを搭載し、CPU性能も、GPU性能も、NPU性能も高いクリエイター向けノートPCです。
「Strix Point」を搭載している割には、記事執筆時点で、199,980円と比較的安いです。
また、大容量メモリを搭載できる点や、スロット式なので後からメモリを交換することができるのもメリットです。
自己責任となりますが、M.2 SSDを1つ増設できるのも嬉しいです。
独立GPUを搭載したノートPCほどのグラフィックス性能はありませんが、その代わり比較的軽いので、そこまで負荷が高くないクリエイティブワークを、外出先でも行いたいという方に適しているでしょう。
「Strix Point」を搭載し約20万円
GALLERIA DL9R-IG-C4A

特徴
- Strix Pointを搭載し、CPU、GPU、NPU性能が高い
- 大容量メモリ搭載可能・SSD増設可能
- 約1.5kg
こんなあなたに
- 外出先で、軽いクリエイティブ作業をしたい方
- 価格19万円台~

1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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