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デル Inspiron 16 (5645) の実機レビュー
CPU | Ryzen 5 8540U Ryzen 7 8840U |
---|---|
メモリ | 16GB DDR5 |
ストレージ | 512GB / 1TB SSD |
液晶サイズ | 16インチ 16:10 |
液晶種類 | 1920x1200 非光沢 |
質量 | 約1.98kg~ |
バッテリー | 54Wh |
価格[税込] | 9万円台~ |
Inspiron 16 (5645)は、16型の大きな画面を搭載しつつ、コスパも高いノートPCです。
画面が大きいので、文字が見やすく、長時間の作業でも目が疲れにくいです。小さい文字を見るのが苦手な方におすすめです。
最新のRyzen 8040シリーズプロセッサーを搭載し、性能も高めです。
メモリの交換ができるので、容量不足になったら(自分で)交換することも可能です。
レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen 7 8840U、16GBメモリ、1TB SSD
目次
お忙しい方は、「Inspiron 16 (5645)の特徴」のみお読みください。
Inspiron 16 (5645)の特徴
見やすい16型液晶搭載のホームノートPC
Inspiron 16 (5645)は、家族でシェアするホームノートPCや、事務作業などを行う仕事用としてちょうどいい、宅内向けの16型ノートPCです。
少し前まで、宅内用のノートPCとしては、15.6型のFHD(1920x1080)液晶を搭載したモデルが多かったですが、最近は、本機器のように画面比16:10、WUXGA(1920x1200)の16型液晶を搭載した機種が主流になっています。100%スケールで表示したとき、15.6型FHD液晶と16型WUXGA液晶では文字の大きさはほぼ同じですが、縦方向に120ドット広がり、表示面積が少し広くなっているので、作業性も少しアップしています。
サイズが大きめで、文字が見やすいので、画面から適度な距離を保って作業を行うことができます。非光沢でフリッカーも発生していなかったので、目が疲れにくく長時間の作業にも適しています。
高めの性能のRyzen 8040シリーズを搭載
Inspiron 16 (5645)は、最新のAMD Ryzen 8040シリーズを搭載しています。
デフォルトTDP:28W、「Zen 4」世代のプロセッサーで、本機器では、Ryzen 5 8540U、もしくはRyzen 7 8840Uを選択することができます。
今回は、Ryzen 7 8840Uを搭載した上位モデルをチェックしましたが、CPUの処理性能を測るベンチマークでは、下のグラフのような結果になりました。マルチコアでは、インテルのCore Ultra 7 155Hに迫るスコアが出ていました。兄弟機種である、Inspiron 16 (5640)のCore 7 150U搭載モデルで計測したスコアよりもかなり高い数字です。
また、Ryzenプロセッサーは、シングルコアの性能がインテルCPUに水をあけられている感がありましたが、「Zen 4」世代になり、シングルコアのスコアもかなりアップしています。インテルCPUと比べてもそれほど遜色のない性能です。
また、グラフィックス性能を測るベンチマークの結果は、下のグラフのようになりました。
Ryzen 7 8840U搭載モデルでは、GeForce MX450と同程度のスコアが出ており、CPU内蔵グラフィックスとしては高めの性能を備えています。
画質を落とすことで、原神のような軽いゲームであれば、プレイすることが可能です。また、FHD動画の簡単な編集などにも対応することができます。
さらに、Ryzen 7 8840Uは、Ryzen AIに対応し、NPUを搭載しています。
生成AIを使った処理に興味がある方、重めの処理や、複数のアプリを使った作業をしたい方、軽くゲームもしたい方などは、Ryzen 7 8840U搭載モデルを選ぶといいです。
一方、上記のような使い方はせず、ウェブ閲覧や、Officeソフトでの作業などであれば、Ryzen 5 8540U搭載モデルでも十分だと思います。
これらのプロセッサーの詳細については、別ページでまとめているので、こちらもよければご確認ください。
メモリの交換ができる
メモリのタイプが、従来モデルのInspiron 16 (5635)ではオンボードメモリでしたが、最新モデルのInspiron 16 (5645)ではスロットメモリになりました。自己責任ではありますが、購入後でもメモリの交換を行うことができます。
現時点では、16GBあればメモリ容量の不足を感じることはないかもしれませんが、数年後には32GBメモリが主流になっている可能性もあります。そのような場合でも、メモリ換装で対応することができるので、長く快適に使うことができるのは、メリットです。
テンキー付きキーボード
従来モデルのInspiron 16 (5635)では、キーボードがテンキーなしでしたが、最新モデルのInspiron 16 (5645)ではテンキー付きキーボードになりました。数字の入力がしやすくなったので、Excelや経理ソフトで数字を入力することが多い方にとっては、使いやすくなりました。一方、テンキーにスペースを取られて、「半角/全角」キーや、「backspace」キーのサイズが少し小さくなりました。
外に持ち出したいならInspiron 14シリーズがおすすめ
Inspiron 16 (5645)は、16型と大きめで、質量が約1.98kgあるため、宅内での移動はいいのですが、外への持ち出しはあまり向いていません。
時々持ち出して使いたい方は、14型サイズの兄弟機種である、Inspiron 14 (5445)や、Inspiron 14 (5440)を検討してみるといいです。
16型のInspiron 16と、14型のInspiron 14を比較すると、下の画像のようになります。
画面の大きさは2インチしか変わらないのですが、見比べてみると結構大きな差があります。画面の見やすさでは、Inspiron 16の方が上ですが、扱いやすさではInspiron 14が優っています。
また、今のところ持ち出す予定はなくても、小さめの文字でも気にならない若い世代の方は、扱いやすい14型を選んでおいてもいいと思います。特に、大学生を含め、学生さんにはInspiron 14の方がおすすめです。
なお、Inspiron 16シリーズと、Inspiron 14シリーズでは、サイズだけでなく、ボディの素材など異なる部分もあります。当サイトでは、14型の兄弟機種であるInspiron 14 (5440)や、Inspiron 14 (5445)などもレビューしていますので、よかったらそちらもご確認ください。
インテルモデルとの比較
Inspiron 16シリーズには、AMD Ryzenを搭載した本機器と、インテルのCore U(シリーズ1)搭載のInspiron 16 (5640)があります。
Inspiron 16の購入を検討するときに、どちらを購入したらいいのか迷うかもしれませんので、下表ではこの2機種の簡単な比較を行います。
基本的に搭載するCPUが異なるだけで、他の部分はほとんど同じだと思ってよさそうです。
なお、CPUの性能に関しては、上の部分でも比較していますが、処理性能、グラフィックス性能ともに、Ryzenプロセッサーの方が高いです。また、Ryzen 7 8840Uであれば、Core U(シリーズ1)では搭載していないNPUも搭載しています。
それでいて、本機器は、Ryzen 5 8540Uモデルが9万円台~、Ryzen 7 8840Uモデルが12万円台~と、インテルモデルよりも価格が安いです。どうしてもインテルCPUがいいということでなければ、コストパフォーマンスが高い、AMDモデルのInspiron 16 (5645)の方を選ぶといいと思います。
[本機器] Inspiron 16 (5645) |
[兄弟機種] Inspiron 16 (5640) |
|
CPU | Ryzen 5 8540U Ryzen 7 8840U |
Core 5 120U Core 7 150U |
メモリ | 16GB スロット |
|
SSD | 512GB / 1TB | 1TB |
液晶 | 16型 1920x1200 広視野角 非光沢 | |
価格[税込] | 9万円台~ | 10万円台~ |
やや残念な部分
Inspiron 16 (5645)では、見やすく、長時間の事務作業などにも使いやすい液晶を搭載していますが、色域が狭いので、写真や動画を表示すると、ややくすんだ色に見えてしまいます。写真や、ネット動画をオリジナルに近い色鮮やかな表示で見たい方には、ここが少し残念です。オプションでいいので、100% sRGBクラスの液晶を選ぶことができたらよかったです。
なお、この液晶の色域が狭い点は、インテルモデルのInspiron 16 (5640)や、Inspiron 14シリーズも同じです。
各用途の快適度
Inspiron 16 (5645) の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 一般的なノートPCとしては高めの処理性能を備えています。画面比16:10の16型液晶は小さめの文字も見やすく、Web閲覧や、Officeソフトを使った作業に適しています。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ○ | 液晶は色鮮やかさにやや欠けるものの、普通に動画を視聴することができます。 |
オンライン会議 | ○ | カメラ、マイク、スピーカーを備えており、問題なくオンライン会議を行うことができます。 |
RAW現像 画像編集 |
△ | 当サイト計測でsRGBカバー率61.1%と、液晶の色域が狭いので、この用途にはあまり向いていません。 色域が広めの外部ディスプレイに繋げば、処理自体はまずまずの速さで行えるので、この用途にも使えると思います。 |
動画編集 | △~○ | FHD動画の簡単な編集なら出来ます。ただ、本格的に動画編集を行うのであれば、外部グラフィックスを搭載した製品の方がおすすめです。 |
ゲーム | △ | 軽めのゲームであれば、画質を落とすことでプレイできるものもあります。ただし、ゲームが主な目的であれば、外部グラフィックスを搭載したゲーミングノートPCの方がおすすめです。 |
ディスプレイのチェック
Inspiron 16 (5645)のディスプレイのチェックです。
搭載されていたパネルは、「JFDKM-NV16WUM」で、インテルモデルのInspiron 16 (5640)と同じでした。
画面比16:10、WUXGA(1920x1200ドット)の16型液晶です。色域は広くありませんが、非光沢で、フリッカーも発生していません。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域・輝度
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
キーボードおよびタッチパッドのチェック
Inspiron 16 (5645)のキーボードとタッチパッドのチェックです。
実測で、キーピッチは横:19mm、縦:18mm、キーストロークは約1.5mmでした。インテルモデルのInspiron 16 (5640)と同じキーボードです。
従来モデルではテンキーなしキーボードでしたが、新モデルはテンキー付きキーボードになり、数字入力がしやすくなりました。
ただ、テンキー付きの分、通常キーボードのスペースが狭くなり、「半角/全角」キー、「backspace」キーなど一部のキーのサイズが少し小さくなったので、これらのキーは押し間違えないよう注意が必要です。また、「enter」キーもややスリムになっています。それでも、アルファベットキーなどのサイズは揃っており、全体としてはキーボードの打ちやすさは普通だと思います。チャット型のAIアプリを呼び出す「Copilot」キーもあります。
タッチパッドの使いやすさは普通でした。ただ、クリックボタンはやや硬めでした。
キーボードにはバックライトが付いています。
パフォーマンスのチェック
続いて、パフォーマンスのチェックを行います。
Inspiron 16 (5645)では、下図のように「MyDell」アプリの「温度管理」の項目で、動作モードを変更することができます。ここでは、デフォルトの「最適化」と、最も高いパフォーマンスが出る「超高パフォーマンス」で計測したベンチマークスコアを掲載します。
CPU
Inspiron 16 (5645)のプロセッサーには、AMD Ryzen 8040シリーズが搭載されています。デフォルトTDP:28W、「Zen 4」世代のプロセッサーです。具体的にはRyzen 5 8540U、またはRyzen 7 8840Uを選択することができます。
今回は、Ryzen 7 8840U搭載モデルをチェックしており、ベンチマークの結果は以下の通りです。
マルチコアでは、Core Ultra 5 125Hの代表的なスコアを超える数値が出ており、一般的なノートPCとしてはかなり高めの処理性能を備えていることが分かります。
シングルコアでは、「Zen 3+」世代のRyzen 7 7735Uの代表的なスコアを軽く超えています。「Zen 3+」世代のプロセッサーと比べるとシングルコア性能が大きくアップし、インテル Coreプロセッサーと比べてもそれほど遜色を感じない性能になったようです。
なお、「最適化」モードと「超高パフォーマンス」モードで、実際のパフォーマンスに大きな差はありませんでした。基本的に、「最適化」モードで使っておくといいと思います。
~ CPU性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
メモリ
メモリには、DDR5-5600を搭載しています。この規格にしては帯域幅は狭いですが、従来のノートPCでよく採用されていたDDR4-3200よりはかなり広い帯域です。なお、スロットメモリなのでメモリの交換が可能です。
~メモリ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値です。理論的な最大値ではありません
グラフィックス
グラフィックスは、CPU内蔵グラフィックスです。
Ryzen 5 8540Uの内蔵グラフィックスは、GPUコア数が4個のRadeon 740Mです。一方、Ryzen 7 8840Uの内蔵グラフィックスは、GPUコア数が12個のRadeon 780Mです。
今回は、Ryzen 7 8840U搭載モデルをチェックしており、ベンチマークの結果は以下の通りです。
GeForce MX450とほぼ同程度のスコアが出ていました。Core Ultra HシリーズのIntel Arc GPUには及びませんが、CPU内蔵グラフィックスとしては高い性能を備えています。このぐらいの性能であれば、軽いゲームや、FHD動画の簡単な編集作業などにもある程度対応することができると思います。
Ryzen 5 8540Uの場合は、GPUコア数が少なくなるので、グラフィックス性能はもう少し低くなります。一般的なユーザーには、こちらでも十分な性能です。
なお、動作モードを変更しても、スコアにはほとんど差がありませんでした。基本的に、「最適化」モードで使用していいと思います。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
ストレージ
ストレージには、PCIe Gen4 SSDを搭載しています。今回は、SOLIDIGM P41 PlusシリーズのType 2230 M.2 SSDを搭載しており、十分な速度でした。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
SDカードスロット
フルサイズのSDカードスロットを搭載しています。アクセス速度は遅いです。
その他のベンチマーク
Zen4のRyzen 5 8540UおよびRyzen 7 8840Uのその他のベンチマークスコアについては、こちらのリンク先をご覧ください。別機種で計測した結果ですが参考になると思います。FF14、原神などのゲーム時のフレームレートも掲載しています。
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
USB Type-Cポートの動作チェックです。
本機器では、USB3.2 Gen2 Type-Cポート(Power Delivery、DisplayPortに対応)を1ポート備えています。動作チェックの結果は下表のようになりました。
Thunderboltには非対応なので、Thunderboltドックは充電以外使えませんでした。その他は今回試した機器はどれも使用することができました。
なお、PD充電器での充電に関しては、出力が45Wのものでも充電はできますが、ワット数不足の警告が表示されます。付属のACアダプターの出力が65Wなので、PD充電器を使用する場合も出力が65Wぐらいのものを選ぶといいと思います。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | ○ | ○ | ○ |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ | ✕ | ✕ | |
PD充電器 ※1 |
140W アドテック PD3.1充電器 | ○ | ― | ― |
65W Lenovo GaN充電器 | ○ | ― | ― | |
45W Lenovoウルトラポータブル | ○ ※3 | ― | ― | |
モニター ※2 |
EIZO ColorEdge CS2740 (4Kモニター) |
○ | ○ | ― |
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 通常のオペレーションに必要なワット数が不足しているとの警告が表示
HDMIの動作チェック
4KモニターへHDMIで接続したときの詳細です。仕様を確認すると、HDMI1.4で、「HDMIでサポートされる最大解像度は1,920 x 1,080 @60Hzです。4K2K出力はありません。」と記されています。
ただ、今回、当サイトでテストした限りでは、4K、60Hz、10ビット、YCbCr444で表示することができていました。差分のみ映像を送っているのか何なのかわかりませんが、たまにこういう現象が起きます。今回たまたま出力できましたが、4Kでの出力はできないと思っていた方が無難です。
なお、USB-CポートがDisplayPort 1.4に対応しているので、高解像度ディスプレイに接続する場合はこちらを使うといいです。
質量のチェック
質量のチェックです。
メーカーが公表している仕様詳細を確認すると、「重量(最小):1.98kg」と記載されています。
当サイトで計測した質量は次の通りで、最小重量よりも軽かったです。16型ノートPCとしては普通の質量です。宅内での移動や、収納には問題ないと思いますが、外に持ち出すのにはあまり向いていません。
質量 | |
PC本体 | 1.864kg |
ACアダプター | 308g |
バッテリー駆動時間のチェック
Inspiron 16 (5645)のバッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は54Whでした。最近のホームノートPCとしては、普通の容量です。
当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は次のようになります。動画再生程度の負荷がかかるときは(2)くらい、少し負荷のかかる作業を連続して行うと(3)ぐらいのバッテリー駆動時間となりました。ホームノートPCとしては、長めの駆動時間です。部屋を移動して作業をする場合などは、ACアダプターなしで、バッテリー駆動でもある程度作業することができるでしょう。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA3.0 | ― |
(2) 動画再生時 | 13時間52分 |
(3) CPU6%、GPU5%の負荷 | 5時間33分 |
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生(リピート)させたとき
Webカメラ・スピーカーのチェック
Webカメラ
Webカメラのチェックです。1080pのFHDカメラを搭載しています。ノートPCのWebカメラとしては比較的精細な画像で、色味も自然な感じでした。オンラインミーティングにも普通に使いやすいです。
物理的なカメラシャッターも付いています。なお、IRカメラは非搭載なので、Windows Helloの顔認証には対応していません。
スピーカー
スピーカーは、2W x2のスピーカーを底面の左右に搭載しています。音質は普通~やや良く、ノートPC基準で点数を付けると、10点満点で5~6点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。
「最適化」モードでは、CPU電力はしばらく25W前後で推移し、その後、徐々に下がり22W前後となっています。CPU温度は、ピーク時に85℃ぐらいで、その後80℃ぐらいにまでさがっており、問題のない温度です。
「超高パフォーマンス」モードは、CPU電力は約25Wを維持して動作しています。CPU温度は85℃を超えないぐらいに保たれています。やや高めの温度ですが、問題ない範囲の温度です。
- 最適化時
- 超高パフォーマンス時
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。ここでは、「最適化」モードで計測しています。
アイドル時は、ファンの音はほとんど気になりません。負荷がかかるとファンの回転音が上がりますが、高負荷時でもそこまでうるさくはありません。一般的な他のノートPCと比べても、やや低めの騒音値だと思います。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。
負荷がかかると、キーボード部の中央付近の温度が上がりますが、気になるほどではありません。パームレスト部の温度も低く保たれており、不快感なくタイピングすることができます。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。確認できた最も高い数値を掲載していますが、数値は変動するため参考程度にご確認下さい。
消費電力は低めです。
外観のチェック
Inspiron 16 (5645)の外観のチェックです。
狭額縁ベゼルの液晶を搭載しており、最新のノートPCらしい見た目となっています。今回は、ミッドナイトブルーのボディカラーです。落ち着いた色ですが、濃い色なので、指紋や皮脂の汚れが少し見えやすくなってしまいます。なお、ライトなイメージのアイスブルーを選ぶこともできます。
アルミニウム製外部シェルなので、プラスチック製のボディよりも質感がよく、耐久性も高そうです(底面カバーはプラスチック製)。
天板には、「DELL」のロゴマークが配置されています。
閉じた時の画像です。厚さは19.05mm(最高部)と比較的スリムです。
側面のポート類はご覧の通りです。USB3.2 Gen1 x2、USB3.2 Gen2 Type-C(Power Delivery、DisplayPortに対応)、HDMI1.4、SDカードリーダーを備えています。
電源ボタンは、指紋認証リーダー付きです。Windows Helloの指紋認証を使用することができます。
液晶の開く角度です。フラットにはなりませんが、テーブルの上に置いて作業をするのには十分な角度です。
底面です。
内部の画像はご覧の通りです。冷却ファン1つと、1本のヒートパイプでCPUの熱を冷却しています。28WクラスのCPUを搭載している割には、やや控えめの冷却機構です。
メモリはスロットメモリです。旧モデルのオンボードメモリから変化し、スロットメモリになったので、メモリの換装が可能です。
ストレージには、Type 2230 M.2 SSDを搭載していました。取り付け金具を外せば、Type 2280 M.2 SSDに交換することもできそうです。なお、別途空きのM.2スロットはありませんでした。
ACアダプターは65Wです。
まとめ
以上が、Inspiron 16 (5645)のレビューです。
16型の大きな画面を搭載し、小さめの字も比較的見やすく、長時間の作業でも目が疲れにくいノートPCです。
Ryzen 8040シリーズのプロセッサーは、一般ノートPCとしては高めの性能でした。オンライン会議や、Officeソフトでの作業ぐらいであれば、Ryzen 5 8540U搭載モデルでも十分快適に動作するでしょう。「9万円台~」と価格も安いです。
一方、NPUを搭載したプロセッサーが欲しい方、負荷が高めの作業を行う方、軽くゲームもしたい方などは、Ryzen 7 8840U搭載モデルを選ぶといいです。こちらの上位モデルでも、「12万円台~」なので、コストパフォーマンスは高いです。
従来モデルからの変化としては、スロットメモリになり、メモリの換装ができるようになったことがあります(メモリの換装は自己責任です)。また、テンキー付きキーボードになり、数字が入力しやすくなりました。Excelでの作業や経理作業などにも使いやすいです。
この価格帯のノートPCの液晶としては、普通なのですが、液晶の色域が狭く、写真や動画を表示すると、ややくすんだ色に見えてしまうのはやや残念でした。ここが気にならなければ、快適に作業ができ、コスパも高いため、宅内で使う多くのユーザーにちょうどいいスタンダードノートPCだと思います。
なお、同じInspiron 16シリーズには、インテルモデルもありますが、CPU以外目立った違いはほとんどありませんでした。Ryzenモデルの方が、性能が高めで、価格も安いため、コストパフォーマンスが高いです。インテルCPUにこだわる必要がなければ、こちらを選んでおくといいと思います。
大きな画面で、コスパも高い!
Inspiron 16 (5645)
特徴
- 16型の大きめの液晶を搭載し、長時間の作業もしやすい
- 性能高めのRyzen 8040シリーズ搭載
- メモリの換装ができる
こんなあなたに
- 大きめの画面のホームノートPCが欲しい方
- 事務・経理など仕事用のコスパが高いPCが欲しい方
- 価格9万円台[税込]~
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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