デル Inspiron 16 (5640) の実機レビュー

更新日:
CPU Core 5 120U
Core 7 150U
メモリ 16GB DDR5
ストレージ 1TB SSD
液晶サイズ 16インチ 16:10
液晶種類 1920x1200 非光沢
質量 約1.87kg~
バッテリー 54Wh
価格[税込] 10万円台~
大きめの16型液晶で画面が見やすい

Inspiron 16 (5640)は、自宅やオフィスなど据え置きでの使用にちょうどいい16型ノートPCです。

1920x1200ドットの16型液晶は、文字などが見やすく、長い時間の作業にも適しています。ただし、色域は狭いです。

CPUには、インテルのCore U(シリーズ1)を搭載し、一般用途に十分な性能です。

テンキー付きキーボードになったので、数字の入力がしやすくなりました。また、メモリの交換ができるようになったのも嬉しいです。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は以下の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Core 7 150U、16GBメモリ、1TB SSD

 

 

目次

お忙しい方は、「Inspiron 16 (5640)の特徴」のみお読みください。

 

Inspiron 16 (5640)の特徴

見やすい16型液晶搭載のホームノートPC

Inspiron 16 (5640)は、少し大きめの16型液晶を搭載した、一般ユーザー向けのホームノートPCです。

画面比は16:10、解像度はWUXGA(1920x1200ドット)となっています。ホームノートPCの主流だったFHD(1920x1080)液晶よりも、縦方向の解像度が高いので、ブラウザやWordなど縦スクロールするアプリでの作業のしやすさが少しアップしています。

家族でシェアして使用するホームノートPCや、経理作業などの事務作業を行うノートPCに適した機種です。

見やすい16型液晶を搭載

 

人気のある14型サイズのWUXGA液晶とサイズを比べてみると、下図のようになります。同じ解像度なので、1画面に表示することができる情報量は同じですが、16型の方が画面が大きい分、文字が見やすいです。小さな文字が見づらい方は、本機器のような16型液晶を搭載したノートPCがおすすめです。

ただし、その分ボディが大きくなります。宅内での移動は問題ありませんが、外に持ち出すのにはあまり向いていません。扱いやすい機種がいい方や、時々外に持ち出して使いたい方は、14型の方がいいでしょう。なお、当サイトでは、14型の兄弟機種であるInspiron 14 (5440)や、Inspiron 14 (5445)などもレビューしていますので、よかったらそちらもご確認ください。

16型液晶と、14型液晶のサイズ比較

 

インテル最新のCore U(シリーズ1)搭載

Inspiron 16 (5640)は、インテル最新のCore U(シリーズ1)プロセッサーを搭載しています。

Core U(シリーズ1)は、PBP(プロセッサーベース電力):15WのCPUで、第13世代Core (U)プロセッサーのリフレッシュ版です。そのため、第13世代Core (U)と比べて飛躍的に性能がアップしているわけではありません。同じくインテルの最新CPUである、Core Ultraシリーズと混同しないようにしましょう。

本機器で選択することができるのは、Core 5 120UまたはCore 7 150Uです。

今回は、Core 7 150U搭載モデルをチェックしており、実際の処理性能を測るベンチマークテストの結果は、下のグラフの通りでした。

マルチコアのスコアは、Ryzen 7 7530Uよりも低い結果でした。最近のノートPCの中では、処理性能がそれほど高い方ではありません。従来モデルのInspiron 16 (5630)では、PBP:28WのCore i7-1360Pを選択することができたので、処理性能の上限値は少し下がったような感じです。それでも、シングルコアでは高めのスコアも出ており、一般用途には十分な処理性能を備えています。ホームノートPCとして、快適に動作するでしょう。

ただし、一般ノートPCよりも少し高めの処理性能がいい方や、息抜きに軽いゲームをプレイしたい方などは、Core Ultra Hシリーズを搭載するノートPCの方がいいでしょう。

CINEBENCH R23 マルチコア
Core Ultra 7 155H 14073
Ryzen 7 8840U 12575
Ryzen 7 7730U 10158
Core i7-1360P 9720 [従来モデルで計測]
Core 7 150U 7316 [本機器で計測]
CINEBENCH R23 シングルコア
Core 7 150U 1883 [本機器で計測]
Core i7-1360P 1826 [従来モデルで計測]
Core Ultra 7 155H 1810
Ryzen 7 8840U 1763
Ryzen 7 7730U 1458

 

メモリの交換が可能

従来モデルのInspiron 16 (5630)では、オンボードメモリだったので、購入後にメモリの交換を行うことができませんでしたが、新モデルのInspiron 16 (5640)では、メモリがスロットメモリになり、購入後でもメモリの交換が行えます。

使っていてメモリ容量に不足を感じる場合は、メモリを換装して32GBメモリなどに容量を増やすことができます。ただし、メモリの換装などの作業は、自己責任となります。

スロットメモリ

 

従来モデルからの変化

本機器と、従来モデルのInspiron 16 (5630)の間には、CPUや、メモリ構成以外にも変化した部分があります。

新旧モデルを簡単に比較すると、下表のようになります(CPUやSSDは、現時点で選択することができるものです)。主要な相違点について、以下に紹介します。

旧モデルも販売されているのであれば、用途や、好み、予算に合わせてどちらにするか考えるといいでしょう。

Inspiron 16 インテルの新旧モデルの仕様比較
  [本機器]
Inspiron 16
(5640)
[旧モデル]
Inspiron 16
(5630)
CPU Core 5 120U
Core 7 150U
Core i5-1335U
Core i7-1360P
メモリ 16GB
スロット
8GB / 16GB
オンボード
SSD 1TB 512GB / 1TB
液晶 16型 1920x1200 広視野角 非光沢
キーボード テンキー付き テンキーなし
USB-C Thunderbolt 非対応 Thunderbolt 対応
スピーカー 2W x2 2.5W x2
価格[税込] 10万円台~ 9万円台~

 

テンキー付きキーボード

旧モデルのInspiron 16 (5630)は、テンキーなしのキーボードを搭載していました。テンキーがない分、ゆとりのあるキーサイズでした。また、ホームポジションに手を置いたとき、パソコンの中心と、体の中心が揃うので、自然な姿勢でタイピングすることができました。

本機器では、下図のようなテンキー付きキーボードを搭載しています。テンキーの分、スペースが狭くなるので、「半角/全角」キー、「backspace」キー、「enter」キーなどがややスリムになっています。そのため、これらのキーが少し押しにくく感じるかもしれません。それでも、特別タイピングがしにくい訳ではなく、普通の打ちやすさのキーボードでした。テンキーがあるので、数字の入力はしやすくなっています。家計簿をつけたり、経理に使用するのには使いやすいです。

テンキー付きキーボード

 

USB-CポートはThunderbolt非対応

従来モデルのInspiron 16 (5630)では、USB-CポートがThunderbolt 4に対応していましたが、新モデルの本機器では、USB-CポートがThunderboltに対応していません。ただ、PowerDeliveryおよびDisplayPort出力には対応しているので、一般的なユーザーであればそれほど困ることは無いでしょう。

普通はそれほど気にしなくていいと思いますが、Thunderboltドックをつなぎたい方などはご注意ください。

USB-CポートはThunderbolt非対応

 

今後の価格やラインアップの推移に注目

Inspiron 16 (5640)は、現時点では、Core 7 150U、16GBメモリ、1TB SSDが14万円台(税込)で販売されています。従来モデルだと、Core i7-1360P、16GBメモリ、1TB SSDの構成が12万円台(税込)で販売されているので、コストパフォーマンスは旧モデルの方が少し上です。

ただし、従来モデルの販売が終わると、もう少し安くなっていくのではないかと予想しています。また、ストレージに異なる容量が選べるようになるなど、ラインアップがもう少し増える可能性もあります。

今の価格やラインアップに満足できない方は、今後の推移を少し見守ってもいいかもしれません。

 

各用途の快適度

Inspiron 16 (5640) の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
十分な処理性能です。画面比16:10の16型液晶を搭載し、Web閲覧や、Officeソフトを使った作業がしやすいです。
動画鑑賞 液晶は色鮮やかさにやや欠けますが、問題なく動画を視聴することができます。
オンライン会議 カメラ、マイク、スピーカーを備えており、普通にオンライン会議を行えます。
RAW現像
画像編集
当サイト計測でsRGBカバー率61.5%と、液晶の色域が狭いので、この用途にはあまり向いていません。
動画編集 △~○ FHD動画の簡単な編集なら出来ます。ただ、本格的に動画編集を行うのであれば、外部グラフィックスを搭載した製品の方がおすすめです。
ゲーム 軽めのゲームであれば、画質を落とすことでプレイできるものもあります。ただし、ゲームが主な目的であれば、外部グラフィックスを搭載したゲーミングノートPCの方がおすすめです。

 

ディスプレイのチェック

Inspiron 16 (5640)のディスプレイのチェックです。

搭載していたパネルは、「JFDKM-NV16WUM」で、従来モデルのInspiron 16 (5630)と同じでした。

画面比16:10、WUXGA(1920x1200ドット)の16型液晶です。ホームノートPCとして一般的なFHD(1920x1080ドット)の液晶よりも、少し縦に長いので、ネット閲覧やOfficeソフトでの作業が少ししやすくなっています。16型と大きめのサイズなので、文字が見やすいですし、広視野角、非光沢で、フリッカーも発生していないので、長めの作業にも使いやすい品質の液晶だと思います。ただし、色域が狭いので、画像や映像を表示すると、少しくすんだ感じの色に見えます。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。なお、最大輝度は、当サイトの計測では274d/m2と普通です。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

色域は狭いです。当サイトの計測では、sRGBカバー率61.5%でした。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、各色ほぼ1:1の直線になっており、自然な発色であることが分かります。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角が広く、見やすいです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

非光沢液晶なので、画面への映り込みは抑えられています。ギラつきもほとんど感じません。

画面への映り込み

どの輝度にしても、フリッカーは検出されませんでした。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

Inspiron 16 (5640)のキーボードとタッチパッドのチェックです。

実測で、キーピッチは横:19mm、縦:18mm、キーストロークは約1.5mmでした。

旧モデルでは、テンキーなしで、ゆとりのあるキーサイズのキーボードを搭載していましたが、新モデルでは、テンキー付きキーボードに変化しています。テンキーがあるので、数字入力はしやすいです。家計簿をつけたり、経理作業を行うのには使いやすくなったと思います。

一方、テンキー付きになった分、スペースが狭くなったため、「半角/全角」キー、「backspace」キーなど一部のキーのサイズが少し小さくなったので、これらのキーはやや押し間違えやすいです。また、「enter」キーもスリムになっています。それでも、その他の主要なキーのサイズはほぼ揃っているので、総合的には普通の打ちやすさのキーボードだと思います。チャット型のAIアプリを呼び出す「Copilot」キーもあります。

タッチパッドの使いやすさは普通でした。ただ、個体差があるのかもしれませんが、クリックボタンはやや硬く、少し力を入れて押す必要がありました。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

キーボードにはバックライトが付いています。


バックライト付きキーボード

 

パフォーマンスのチェック

続いて、パフォーマンスのチェックを行います。

Inspiron 16 (5640)では、下図のように「MyDel」アプリの「温度管理」の項目で、動作モードを変更することができます。ここでは、デフォルトの「最適化」と、最も高いパフォーマンスが出る「超高パフォーマンス」で計測したベンチマークスコアを掲載します。


温度管理

 

CPU

Inspiron 16 (5640)は、インテル最新のCore Uプロセッサー(シリーズ1)を搭載しています。これは、PBP(プロセッサーベース電力):15Wで、第13世代Core (U)シリーズのリフレッシュ版となるプロセッサーです。Core Ultraシリーズと混同しないようにしてください。一般ユーザー向けの製品となります。なお、本機器では、Core 5 120UまたはCore 7 150Uを選択することができます。

今回は、Core 7 150U搭載モデルをチェックしており、ベンチマークの結果は以下の通りです。

マルチコアでは、兄弟機種のInspiron 14 (5440)のCore 5 120U搭載モデルで計測したスコアよりも少し低い数値でした。最近のノートPCとしては、そこまで高い処理性能ではありません。それでも、シングルコアでは、比較的高めのスコアが出ていますし、一般的な作業には必要十分な性能を備えており、快適に動作するでしょう。

なお、「超高パフォーマンス」モードに切り替えても、それほど大きな変化はありませんでした。基本的に、「最適化」モードで使っておくといいと思います。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Core 7 150U
他のCPUとの比較(マルチコア)
Ryzen 9 7945HX 33229
Core i9-14900HX 29314
Core i9-13980HX 28398
Core i9-13900HX 24314
Core i9-13900H 19299
Core i7-13700HX 18283
Ryzen 7 7840HS 17922
Core i7-13700H 17622
Core i5-13500H 15302
Core Ultra 7 155H 14073
Ryzen 7 7735HS 14068
Ryzen 7 8840U 12575
Core Ultra 5 125H 12239
Ryzen 5 7535HS 10356
Ryzen 7 7735U 10122
Ryzen 7 7730U 10051
Core i7-1360P 9720
Core i5-1340P 9688
Ryzen 5 8540U 9378
Ryzen 5 7535U 8757
Ryzen 5 7530U 8403
Core i5-1335U 8249
Core 5 120U 7888
Core 7 150U 7316 [超高パフォーマンス]
7255 [最適化]
Core i5-1334U 5897
Ryzen 3 7330U 5141
Core i7-1165G7 4720
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-14900HX 2196
Core i9-13980HX 2061
Core i9-13900H 2016
Core i9-13900HX 1968
Ryzen 9 7945HX 1951
Core i7-13700H 1898
Core 7 150U 1883 [最適化]
1878 [超高パフォーマンス]
Core i7-1360P 1826
Core Ultra 7 155H 1810
Core i5-13500H 1785
Core 5 120U 1774
Ryzen 7 7840HS 1764
Ryzen 7 8840U 1763
Core i5-1335U 1723
Core i5-1340P 1722
Core Ultra 5 125H 1712
Ryzen 5 8540U 1701
Core i5-1334U 1655
Ryzen 7 7735HS 1538
Ryzen 7 7735U 1476
Ryzen 5 7535U 1471
Ryzen 5 7535HS 1463
Core i7-1165G7 1447
Ryzen 7 7730U 1440
Ryzen 5 7530U 1439
Ryzen 3 7330U 1358
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

CINEBENCH 2024
Core 7 150U
他のCPUとの比較(マルチコア)
Core i9-14900HX 1748
Core i9-13900HX 1512
Ryzen 9 8945HS 919
Core i7-13700H 855
Core Ultra 7 155H 825
Core i5-13500H 778
Core Ultra 5 125H 669
Core i7-1370P 621
Ryzen 7 8840U 618
Ryzen 7 7730U 575
Core i7-1360P 568
Ryzen 5 8540U 500
Core 5 120U 491
Ryzen 5 7530U 477
Core i5-1335U 435
Core 7 150U 403 [超高パフォーマンス]
373 [最適化]
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-14900HX 128
Core i9-13900HX 119
Core i7-13700H 114
Core i5-1335U 109
Core 5 120U 107
Core 7 150U 107 [超高パフォーマンス]
104 [最適化]
Ryzen 9 8945HS 106
Core i5-13500H 105
Ryzen 7 8840U 104
Core Ultra 7 155H 103
Core Ultra 5 125H 101
Core i7-1370P 101
Ryzen 5 8540U 100
Ryzen 7 7730U 99
Core i7-1360P 85
Ryzen 5 7530U 84
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。

 

メモリ

メモリには、DDR5-5200を搭載しており、広めの帯域幅でした。なお、スロットメモリなのでメモリの交換が可能です。

SiSoftware Sandra 2020
~メモリ性能の評価 ~
16GB(8GBx2)メモリ
他のメモリとの比較(帯域のベンチマーク)
DDR5-5600
デュアルチャネル
66.34GB/s
LPDDR5-6000
デュアルチャネル
64.52GB/s
DDR5-5200
デュアルチャネル
62.38GB/s
52GB/s
LPDDR5-5200
デュアルチャネル
58.49GB/s
LPDDR5-4800
デュアルチャネル
54GB/s
DDR5-4800
デュアルチャネル
52.25GB/s
LPDDR4X-4266
デュアルチャネル
51.65GB/s
DDR4-3200
デュアルチャネル
30.66GB/s
 :本製品で選択できるメモリ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値です。理論的な最大値ではありません

 

グラフィックス

グラフィックスは、Core U(シリーズ1)の内蔵グラフィックスである「Intel Graphics」です。ベンチマークの結果は以下の通りです。

一般向けのノートPCとしては標準的なスコアでした。ゲームをしたりするのでなければ、ホームノートPCとしては十分なグラフィックス性能です。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Core 7 150U
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce RTX 3050 52196
GeForce RTX 2050 48410
GeForce GTX 1650 45149
Core Ultra 7 155H
Intel Arc GPU
35888
GeForce MX550 35717
Core Ultra 5 125H
Intel Arc GPU
35271
GeForce MX450 30425
Ryzen 7 8840U
Radeon 780M
メモリDDR5-5600
29410
Ryzen 7 7735U
メモリLPDDR5-6400
28714
Core i7-1360P
メモリLPDDR5-4800
21897
Core i7-1260P
メモリDDR5-4800
20478
Ryzen 5 8540U
Radeon 740M
メモリDDR5-5600
20053
Core i7-1355U
メモリDDR4-3200
18235
Core 5 120U
メモリDDR5-5200
18235
Core i5-1340P
メモリLPDDR5-4800
17774
Ryzen 7 7730U
メモリLPDDR4X-4266
17524
Core 7 150U
メモリDDR5-5200
17318 [超高パフォーマンス]
16553 [最適化]
Ryzen 5 7530U
メモリLPDDR4X-4266
16389
Core i7-1255U
メモリDDR4-3200
16093
Ryzen 7 5825U
メモリDDR4-3200
15728
Core i7-1165G7
メモリDDR4-3200
14247
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ストレージ

ストレージには、PCIe Gen4 SSDを搭載しています。今回は、Micron 2400シリーズのType 2230 M.2 SSDを搭載しており、高速でした。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
1TB PCIe SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7300
4889
 PCIe Gen3 SSD 3500
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

フルサイズのSDカードスロットを搭載しています。アクセス速度は遅いです。

CrystalDiskMark
~ SDカードスロット性能 ~
最大300MB/sのUHS-Ⅱのカードで測定

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

USB Type-Cポートの動作チェックです。

USB3.2 Gen2 Type-Cポート(Power Delivery、DisplayPortに対応)を1ポート備えており、動作チェックの結果は下表のようになりました。

Thunderboltには非対応ですが、その他は今回試した機器はどれも使用することができました。

なお、PD充電器での充電では、出力が45Wのものだと充電ができるものの、ワット数不足の警告が表示されます。付属のACアダプターの出力が65Wなので、PD充電器を使用する場合も出力が65Wぐらいのものを選ぶといいと思います。

USB Type-C充電器/ドックの動作テスト
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック
PD充電器
※1
140W アドテック PD3.1充電器
65W Lenovo GaN充電器
45W Lenovoウルトラポータブル ○ ※3
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
(4Kモニター)
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 通常のオペレーションに必要なワット数が不足しているとの警告が表示

 

HDMIの動作チェック

4KモニターへHDMIで接続したときの詳細です。FHD、60Hz、RGBでしか表示することができませんでした。仕様を確認すると、HDMI1.4で、「HDMIでサポートされる最大解像度は1,920 x 1,080 @60Hzです。4K2K出力はありません。」と記されていたので、仕様通りの動作です。

なお、USB-CポートがDisplayPort 1.4に対応しているので、高解像度ディスプレイに接続する場合はこちらを使うといいでしょう。

4Kモニター(BenQ EX3210U)へ接続したときの詳細

 

質量のチェック

質量のチェックです。

メーカーが公表している仕様詳細を確認すると、「最小重量:1.87kg」と記載されています。

当サイトで計測した質量は次の通りで、最小重量とほぼ同じでした。16型ノートPCとしては普通の質量なので、宅内での移動や、収納には問題ないと思いますが、外に持ち出すには重いです。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.856kg
ACアダプター 322g

 

バッテリー駆動時間のチェック

Inspiron 16 (5640)のバッテリー駆動時間のチェックです。

バッテリー容量は54Whでした。最近のホームノートPCとしては、普通の容量です。

バッテリー容量

 

当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は次のようになります。通常の使用に近い少し負荷のかかる作業を連続して行うと、(3)ぐらいのバッテリー駆動時間になります。常時ACアダプターにつながなくてもよさそうです。部屋を移動して作業をする場合などは、バッテリー駆動でもある程度の時間使用することができます。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA2.0
(2) 動画再生時 12時間28分
(3) CPU12%、GPU5%の負荷 5時間00分
※画面輝度は約120cd/m2
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生(リピート)させたとき

 

Webカメラ・スピーカーのチェック

Webカメラ

Webカメラのチェックです。1080pのFHDカメラを搭載しています。画像は、比較的精細で、自然な映りでした。オンラインミーティングにも普通に使いやすいです。

カメラシャッターを内蔵しており、物理的にカメラを映らなくすることができます。なお、IRカメラは非搭載なので、Windows Helloの顔認証には対応していません。

Webカメラ
本製品のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影

 

スピーカー

スピーカーは、2W x2のスピーカーを底面の左右サイドに搭載しています。音質は普通~ややよく、ノートPC基準で点数を付けると、10点満点で5~6点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

スピーカー

 

パーツの温度のチェック

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。

「最適化」モードでは、ターボブースト終了後、CPU電力は約14~24Wぐらいの間を上下しながら動作しています。CPU温度は、ターボブースト時以外は約70~85℃ぐらいの間に収まっており、問題のない温度です。

「超高パフォーマンス」モードも、動作安定時の平均的なCPU電力はあまり変わりません。CPU温度も70℃台に収まっており問題ありません。

  • 最適化時
  • 超高パフォーマンス時
CPU電力&CPUクロック
CPU温度
CPU電力&CPUクロック
CPU温度

 

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。ここでは、「最適化」モードで計測しています。

アイドル時は、ほぼ無音です。少し負荷がかかるとファンの回転音が聞こえます。それでも、低負荷時、高負荷時のどちらとも、一般的な他のノートPCと同程度の騒音値で、特にうるさく感じることはありませんでした。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Premiere Proでプレビュー再生(320pの低画質動画)
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。

負荷がかかると、キーボード部の温度が少し上がりますが、気になるほどではありません。また、パームレスト部の温度は低いままなので、不快感なくタイピングすることができます。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。確認できた最も高い数値を掲載していますが、数値は変動するため参考程度にご確認下さい。

消費電力は低めです。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST8
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

Inspiron 16 (5640)の外観のチェックです。

16型液晶は、ベゼルの幅が狭く、スッキリした見た目です。今回は、アイスブルーのボディカラーで、ライトなイメージです。キーボードのカラーも統一されています。なお、ミッドナイトブルー x カーボンブラックのキーボードのカラーを選ぶこともできます。

仕様を見ると、プラスチック製シャーシもあるようですが、今回はアルミニウム製のシャーシで、質感も比較的よかったです。

 

天板には、「DELL」のロゴマークが配置されています。

 

閉じた時の画像です。厚さは19.05mmと比較的スリムです。

 

側面のポート類はご覧の通りです。USB3.2 Gen1 x2、USB3.2 Gen2 Type-C(Power Delivery、DisplayPortに対応)、HDMI1.4、SDカードリーダーを備えています。

 

電源ボタンは、指紋認証センサー付きです。Windows Helloの指紋認証を使用することができます。

 

液晶の開く角度です。テーブルの上に置いて作業をするのには十分な角度で、画面角度の調整がしやすいです。ただし、フラットにはなりません。

 

排気口は、下図のように目立たない位置にあります。ただし、排気熱がディスプレイに当たります。

 

底面です。

 

内部の画像はご覧の通りです。冷却ファン1つと、1本のヒートパイプでCPUの熱を冷却しています。

 

メモリはスロットメモリです。旧モデルではオンボードメモリでしたが、新モデルではスロットメモリになり、メモリの換装ができるようになりました。

 

ストレージには、Type 2230 M.2 SSDを搭載していました。取り付け金具を外せば、Type 2280 M.2 SSDに交換することもできそうです。なお、ストレージの増設ができそうな空きのM.2スロットはありませんでした。

 

ACアダプターは65Wです。

 

まとめ

以上が、Inspiron 16 (5640)のレビューです。

少し大きめの16型液晶を搭載した、一般のホームノートPCや、事務作業用ノートPCとして使いやすい機種です。

16型液晶は、画面比16:10、WUXGA(1920x1200ドット)となっています。15.6型のFHD液晶よりも少し縦方向の表示領域が広く、Web閲覧や、Officeソフトでの作業などがしやすいです。大きめの液晶なので文字が見やすく、長時間の作業にも使いやすいです。

CPUには、インテル最新のCore U(シリーズ1)を搭載しています。処理性能が特に高い訳ではありませんが、ネット閲覧や、Officeソフトでの作業など、一般的な用途には十分な性能を備えており、快適に作業を行うことができるでしょう。

従来モデルではオンボードメモリでしたが、新モデルではスロットメモリになりました。メモリの交換を自分でも行うことができるのはメリットです(ただし、自己責任です)。

また、キーボードが、テンキー付きキーボードになりました。数字を入力する機会が多い方には、使いやすくなったと思います。

少し残念な部分は、液晶の色域が狭いことです。16型の大きめの画面なので、写真や動画を見るのにも適していますが、色域が狭いため、ややくすんだ色に見えてしまいます。

上記の点が気にならなければ、性能、機能、コストパフォーマンスのバランスが良く、自宅や事務所で使うのにちょうどいいノートPCだと思います。

 

自宅や事務所での使用に適した16型ノートPC

Inspiron 16 (5640)

特徴

  • 16型の大画面液晶を搭載し、文字が見やすい
  • Core U(シリーズ1)を搭載
  • メモリの交換が可能

こんなあなたに

  • 家族でシェアするホームノートPCが欲しい方
  • 経理や事務などの作業用ノートPCが欲しい方
  • 価格10万円台[税込]~
公式サイトはこちら

 

 

関連ページ