デル Inspiron 14 (5435) の実機レビュー

更新日:
CPU Ryzen 5 7530U
Ryzen 7 7730U
メモリ 8GB / 16GB LPDDR4X
ストレージ 256GB / 512GB PCIe SSD
液晶サイズ 14インチ 16:10
液晶種類 FHD+ 広視野角 非光沢
質量 約1.59kg~
バッテリー 54Wh
価格[税込] 6万円台~
高コスパで人気のシリーズ

Inspiron 14 (5435)は、使い勝手がよくて、コスパも高く、人気のある14型ノートPCです。

画面比16:10の液晶と、Zen 3世代のRyzenを搭載し、キーボードも比較的打ちやすいので、一般的な用途に快適に使用することができます。

扱いやすい14型サイズなので、宅内での移動がしやすいですし、時々外に持ち出すこともできるでしょう。

人気のシリーズのPCで、ホーム、仕事、大学生用など、幅広いユーザーにおすすめの機種です。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は以下の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

Ryzen 5 7530U、16GBメモリ、512GB PCIe SSD

Ryzen 7 7730U、16GBメモリ、512GB PCIe SSD NEW!

 

 

目次

お忙しい方は、「Inspiron 14 (5435)の特徴」のみお読みください。

 

Inspiron 14 (5435)の特徴

高いコストパフォーマンス

Inspiron 14 (5435)は、使い勝手がよく、スペックも家庭用には十分でありながら、価格が安く、コストパフォーマンスが非常に高い製品です。

おすすめは、今回チェックしているのと同じ構成のRyzen 5 7530U、16GBメモリ、512GB SSDのモデルです。7万円台という安さでも、長く快適に使用できるスペックです。

高いコストパフォーマンス
※価格は、2023年9月21日現在

 

画面比16:10の液晶を搭載

最近では一般的になりつつありますが、Inspiron 14 (5435)は、画面比が16:10の1920x1200ドットの液晶を搭載しています。画面比16:9(1920x1080ドット)の液晶よりも縦に少し解像度が広く、Web閲覧や、Officeソフトでの作業などがしやすいです。

作業がしやすい画面比16:10(1920x1200)の液晶

 

使いやすい14型サイズ

Inspiron 14 (5435)の画面サイズは、14型となっており、15.6型や16型の画面を搭載したノートPCと比較すると、やや小さいです。

16型ノートPCと画面サイズを比べると、以下のようになります。据え置きで使用するなら、16型の方が文字が大きくて使いやすいです。その代わりサイズが2回りほど違うので、扱いやすさは14型サイズの方が上です。質量がそこまで重くなく、使うときだけ取り出したり、宅内で移動するといった使い方がしやすいです。短い時間であれば外へ持ち運んでもそれほど苦ではありません。

左:本機器、右:16型ノート (Inspiron 16)

 

従来モデルとCPU性能はほぼ変わらず

本製品は、大人気だったInspiron 14 (5425)の後継機種となり、CPUがRyzen 5000シリーズからRyzen 7000シリーズへと変わっています。ただ、どちらもZen 3世代のプロセッサーで、仕様上は大きな変化はなく、実際にベンチマーク結果を確認してみても、大きな違いはありません。

CINEBENCH R23 マルチコア
Ryzen 5 7530U 8478 [本機器で計測]
Ryzen 5 5625U 8107
Ryzen 7030シリーズを搭載

 

比較的打ちやすいキーボード

Inspiron 14 (5435)は、キーボードも比較的打ちやすいです。

下の画像のように、アルファベットキーのサイズが揃っていますし、「半角/全角」キーや、「enter」キーなどのサイズも大きめなので、男性でも窮屈な感じはしません。また、バックライトも付いているので、薄暗い場所などでもタイピングがしやすいです。

仕事で資料を作る方や、大学生など、タイピングすることが多い方にもおすすめです。

比較的打ちやすいキーボード

 

兄弟機種 Inspiron 14 (5430)との比較

最新のInspiron 14シリーズには、本製品の他に、インテルCoreプロセッサーを搭載したInspiron 14 (5430)もあります。

仕様を比べると、下表のようになります。

Inspiron 14 (5430)では、PBP(プロセッサー・ベース・パワー):15WクラスのUシリーズCoreだけでなく、PBP:28WクラスのCore i7-1360Pを搭載したモデルがあります。FHD動画の書き出しなど、負荷が高めの作業を行うことが多い場合は、Core i7-1360P搭載モデルの方が快適かもしれません。また、USB-CポートがThunderbolt 4に対応しているので、Thunderboltドックを使ったり、高速でのデータ転送を行うことができます。インテルCPUがいい方、Thunderbolt接続を使いたい方、できるだけ高い処理性能が必要な方などは、こちらを選ぶといいです。

一方、Inspiron 14 (5435)は、一般的な用途には十分な処理性能でありつつ、「6万円台~」と価格が安いです。おすすめの代表的な構成で比較すると、3,000円ほど安かったです。コスパ重視であれば、Inspiron 14 (5435)の方がおすすめです。

Inspiron 14 (5435)とInspiron 14 (5430)の比較
  Inspiron 14 (5435) Inspiron 14 (5430)
CPU Ryzen 5 7530U
Ryzen 7 7730U
Core i5-1335U
Core i7-1355U
Core i7-1360P
メモリ 8GB / 16GB (オンボード)
SSD 256GB / 512GB 256GB / 512GB / 1TB
液晶 14型 16:10 1920x1200 非光沢
USB-A USB3.2 Gen1
USB2.0
USB3.2 Gen1 x2
USB-C USB3.2 Gen2 Thunderbolt 4
その他
インターフェース
HDMI 1.4
SDカードリーダー
HDMI 1.4
SDカードリーダー
バッテリー 54Wh
質量 約1.59kg~ 約1.531kg~
価格[税込] 6万円台~ 7万円台~
おすすめ構成での価格比較
  Inspiron 14 (5435) Inspiron 14 (5430)
CPU Ryzen 5 7530U Core i5-1335U
メモリ 16GB
ストレージ 512GB PCIe SSD
価格[税込] 74,800円 77,799円
※2023年9月21日現在の価格

 

やや残念なポイント

Inspiron 14 (5435)は、使いやすく、コスパも高く、バランスのいい機種ですが、あえて気になる部分を挙げるとすると、当サイト計測でsRGBカバー率62.2%と、液晶の色域が広くありません。そのため、sRGBカバー率100%近くの液晶に慣れていると、やや色鮮やかさに欠けて見えます。この価格帯のノートPCとしては普通ではありますが、趣味で写真や動画の編集なども行いたいという場合は、他の機種がいいかもしれません。

また、前述しましたが、従来モデルでは交換できたメモリが、新モデルではオンボードメモリになり、メモリの増設や換装ができません。そのため、8GBメモリではなく、16GBメモリを搭載したモデルのほうがおすすめです。ただし、そもそもメモリ交換なんてしない一般的なユーザーにはデメリットにはなりません。

 

各用途の快適度

Inspiron 14 (5435) の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。

各用途の快適度
用途 快適度 コメント
Web閲覧
Office作業
画面比16:10の液晶と、十分な処理性能を備えており、Web閲覧や、Officeソフトを使った作業がしやすいです。
動画鑑賞 液晶は色鮮やかさにやや欠けるものの、スピーカー音は「普通~やや良い」です。性能も十分で、問題なく動画を視聴することができます。
オンライン会議 カメラ、マイク、スピーカーを備えており、普通にオンライン会議を行うことができます。
RAW現像
画像編集
当サイト計測でsRGBカバー率62.2%と、液晶の色域が狭いので、この用途にはあまり向いていません。ただし、色域広めの外部ディスプレイを接続すれば、ある程度使用できるとは思います。
動画編集 △~○ FHD動画の簡単な編集なら出来ます。ただ、本格的に動画編集を行うのであれば、外部グラフィックスを搭載した製品の方がおすすめです。
ゲーム 軽めのゲームであれば、ある程度プレイできるものもあります。ただし、ゲームが主な目的であれば、外部グラフィックスを搭載したゲーミングノートPCの方がおすすめです。

 

ディスプレイのチェック

Inspiron 14 (5435)のディスプレイのチェックです。

搭載していたパネルは、「Y3G73-NV14N42」でした。

最近のトレンドである画面比16:10、解像度1920x1200の14型液晶です。視野角が広く、フリッカーも発生していないので、見やすく、一般的な用途にちょうどいい液晶です。ただし、色域が狭いです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。なお、最大輝度は、当サイトの計測では288d/m2と普通です。

  • 色域
  • RGB
    発色特性
  • 視野角
  • 映り込み・
    ギラつき
  • フリッカー

色域は狭いです。当サイトの計測では、sRGBカバー率62.2%でした。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

ガンマ補正曲線を確認すると、各色ほぼ1:1の直線になっており、自然な発色であることが分かります。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

視野角が広く、見やすいです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

非光沢液晶なので、画面への映り込みは抑えられています。ギラつきもほとんど感じません。

画面への映り込み

輝度を変更しても、フリッカーは検出されませんでした。

PWM調光の有無の確認
※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測

 

キーボードおよびタッチパッドのチェック

Inspiron 14 (5435)のキーボードとタッチパッドのチェックです。

実測で、キーピッチは横:19mm、縦:18mm、キーストロークは約1.5mmでした。

アルファベットキーのサイズが揃っていますし、「半角/全角」キーや、「enter」キーなどのサイズも大きめです。そのため、手がやや大きめの方でも窮屈に感じることはあまりなく、比較的打ちやすいキーボードだと思います。ブラインドタッチでのタイピングもしやすい方です。

タッチパッドの使いやすさや、クリックボタンの押しやすさは普通です。

キーボード全体図
※画像をクリックすると拡大できます
キーの拡大図

 

キーボードにはバックライトを搭載しています。薄暗い場所でもタイピングがしやすいです。


バックライト付きキーボード

 

パフォーマンスのチェック

続いて、パフォーマンスのチェックを行います。

Inspiron 14 (5435)では、下図のように「MyDell」アプリの「温度管理」で、動作モードを変更することができます。ここでは、デフォルトの「最適化」と、最も高いパフォーマンスが出る「超高パフォーマンス」のモードで、ベンチマークスコアを確認します。


温度管理

 

CPU

Inspiron 14 (5435)は、Zen 3世代のAMD Ryzen 7030シリーズを搭載しており、具体的にはRyzen 5 7530Uと、Ryzen 7 7730Uがあります。

ベンチマークの結果は以下のとおりです。

Ryzen 5 7530Uは、シングルコアでは、インテルCPUと比べると低めのスコアでしたが、マルチコアは十分なスコアが出ていました。このぐらいのスコアであれば、一般的な用途であれば快適に使うことができます。特別重いアプリを使用しないユーザーには、Ryzen 5 7530U搭載モデルでも十分だと思います。

Ryzen 7 7730Uは、同じくシングルコアのスコアは低めでしたが、マルチコアは、PBP:28WのCore i7-1360Pを超えるスコアが出ていました。より快適に作業をすることができるでしょう。

なお、動作モードを「超高パフォーマンス」にすることで、パフォーマンスが少しアップしています。

CINEBENCH R23
~ CPU性能の評価 ~
Ryzen 5 7530U
Ryzen 7 7730U
他のCPUとの比較(マルチコア)
Ryzen 9 7945HX 33229
Core i9-13980HX 28398
Core i9-13950HX 27983
Core i9-13900H 19299
Ryzen 7 7840HS 17922
Core i7-13700H 17622
Ryzen 7 7735HS 14068
Ryzen 7 6800H 13999
Core i5-12500H 13213
Ryzen 7 6800U 10830
Ryzen 5 6600H 10470
Ryzen 5 7535HS 10356
Ryzen 7 7730U 10156 [超高パフォーマンス]
8951 [最適化]
Ryzen 7 7735U 10122
Core i7-1360P 9720
Core i5-1340P 9688
Ryzen 5 7535U 8757
Ryzen 5 7530U 8478 [超高パフォーマンス]
7434 [最適化]
Core i7-1255U 8300
Core i5-1335U 8249
Core i5-1235U 7589
Core i7-1250U 7435
Core i5-1230U 6273
Core i3-1215U 4969
Core i7-1165G7 4720
他のCPUとの比較(シングルコア)
Core i9-13950HX 2097
Core i9-13980HX 2061
Core i9-13900H 2016
Ryzen 9 7945HX 1951
Core i7-13700H 1898
Core i7-1360P 1826
Core i7-1255U 1776
Ryzen 7 7840HS 1764
Core i5-12500H 1727
Core i5-1335U 1723
Core i5-1340P 1722
Core i5-1235U 1675
Core i3-1215U 1592
Ryzen 7 7735HS 1538
Core i5-1230U 1532
Ryzen 7 6800H 1522
Ryzen 7 6800U 1504
Core i7-1250U 1495
Ryzen 7 7735U 1476
Ryzen 5 6600H 1476
Ryzen 5 7535U 1471
Ryzen 5 7535HS 1463
Ryzen 5 7530U 1461 [超高パフォーマンス]
1432 [最適化]
Ryzen 7 7730U 1458 [最適化]
1433 [超高パフォーマンス]
Core i7-1165G7 1447
 :本製品で選択できるプロセッサー
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

メモリ

メモリには、LPDDR4X-4266を搭載しています。この規格の割には、メモリ帯域の実測値はそこまで広くありませんでした。DDR4-3200と同じくらいです。なお、オンボードメモリなので、メモリの増設・換装はできません。

もう1台のPCでも計測してみましたが、ほぼ同じスコアでした。

SiSoftware Sandra 2020
~メモリ性能の評価 ~
16GBメモリ
他のメモリとの比較(帯域のベンチマーク)
LPDDR5-6000
デュアルチャネル
64.52GB/s
DDR5-5200
デュアルチャネル
62.38GB/s
LPDDR5-5200
デュアルチャネル
55.46GB/s
DDR5-4800
デュアルチャネル
52.25GB/s
LPDDR5-4800
デュアルチャネル
51.68GB/s
LPDDR4X-4266
デュアルチャネル
51.65GB/s
29.77GB/s
DDR4-3200
デュアルチャネル
30.66GB/s
 :本製品で選択できるメモリ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※実際のノートPCで計測した実測値で、理論的な最大値ではありません

 

グラフィックス

グラフィックスは、CPU内蔵グラフィックスです。ベンチマークの結果は以下のとおりです。

CPU内蔵グラフィックスとしては普通のスコアです。このぐらいのグラフィックス性能があれば、軽めのゲームを画質を落としてプレイしたり、FHD動画の簡単な編集をするといったこともある程度できそうです。

3DMark Night Raid
~ グラフィックス性能の評価 ~
Ryzen 5 7530U
Ryzen 7 7730U
他のグラフィックスとの比較(Graphics score)
GeForce RTX 3050 52196
GeForce RTX 2050 48410
GeForce GTX 1650 45149
GeForce MX550 35717
GeForce MX450 30425
Ryzen 7 6800U
Radeon 680M
30319
Ryzen 7 7735U
メモリLPDDR5-6400
28714
Core i7-1260P
メモリLPDDR5-5200
23149
Core i7-1360P
メモリLPDDR5-4800
21897
Core i7-1260P
メモリDDR5-4800
20478
Core i7-1165G7
メモリLPDDR4X-4266
20052
Core i7-1355U
メモリDDR4-3200
18235
Core i5-1340P
メモリLPDDR5-4800
17774
Ryzen 7 7730U
メモリLPDDR4X-4266
17524
Ryzen 7 7730U
メモリLPDDR4X-4266
16943 [超高パフォーマンス]
15668 [最適化]
Ryzen 5 7530U
メモリLPDDR4X-4266
16808 [超高パフォーマンス]
16226 [最適化]
Core i7-1255U
メモリDDR4-3200
16093
Ryzen 7 5825U
メモリDDR4-3200
15728
Core i7-1165G7
メモリDDR4-3200
14247
Core i5-1235U
メモリDDR4-3200
13877
Core i5-1135G7
メモリDDR4-3200
13316
Ryzen 3 5300U
メモリDDR4-3200
11321
 :本製品で選択できるグラフィックス
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

ストレージ

ストレージには、PCIe Gen4 SSDを搭載していました。ただし、SSDの仕様を確認すると、最大シーケンシャルリード:3500 MB/sとなっていましたし、そもそもRyzen 7030シリーズでは、PCIe 3.0までしか対応していないので、実質PCIe Gen3 SSD並みの速度でした。ただし、この速度でも、実用においては十分です。

CrystalDiskMark
~ ストレージ性能の評価 ~
512GB PCIe Gen4 SSD
他のストレージとの比較(シーケンシャルリード [MB/s] )
PCIe Gen4 SSD 7000
3296
PCIe Gen3 SSD 3500
SATA SSD 550
2.5インチHDD 150
 :本製品で選択できるストレージ
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

SDカードスロット

フルサイズのSDカードスロットを搭載しています。アクセス速度は遅いです。

CrystalDiskMark
~ SDカードスロット性能 ~
最大300MB/sのUHS-Ⅱのカードで測定

 

クリエイターソフトの処理時間

以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間です。

Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間

それほど速くはないものの、Core i7-1255Uの場合と近い時間で処理できています。Lightroomも十分使える性能です。ただし、この用途で使うならメモリは16GBにして下さい。

Core i9-12900HX
RTX 3080 Ti (175W)
32秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i9-12900HX 47秒
Core i7-12800HX
RTX 3070 Ti (150W)
52秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-12700H
RTX 3060 (130W)
53秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i5-12500H
RTX 3060 (140W)
58秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-12700H
RTX 3050 (65W)
59秒 [書き出しにGPUを使用をON]
Core i7-12700H 60秒
Core i7-1280P 64秒
Core i5-12500H 69秒
Core i7-1260P 81秒
Ryzen 7 6800U 89秒
Core i7-1360P 92秒
Core i7-1255U 112秒
Ryzen 5 7530U 115秒
Ryzen 7 5825U 117秒
Ryzen 7 7730U 119秒
Ryzen 5 5625U 120秒
※2022年6月より、GPUを使用した書き出しも出来るようになったので、この機能が使えるPCは、機能をONにしたときの書き出し時間も掲載しています。
※プロファイル補正、露光量+1、シャドウ+10、自然な彩度+10、ノイズ軽減+10を適用した100枚のRAWファイル(1枚あたり約45MB)を同じ書き出し設定でjpegに書き出し、所要時間を計測
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
Adobe Photoshop CCによる各種処理時間

処理に時間のかかるニューラルフィルターを実行しました。「JPEGのノイズを削除」のように長めの時間がかかることもありますが、「スーパーズーム(x2)」ではCore i7-1360Pよりも処理速度が速かったです。

  Ryzen 5 7530U Ryzen 7 7730U 参考
Core i7-1360P
ニューラルフィルター(肌をスムーズに) 約3秒 約3秒 約3秒
ニューラルフィルター(スーパーズーム(x2)) 約2分2秒 約2分9秒 約4分16秒
ニューラルフィルター(JPEGのノイズを削除) 約4分30秒 約3分15秒 約2分41秒
※ 6000x4000のRAWデータを編集
Adobe Premiere Pro CCによる書き出し時間

FHD動画であれば実用的な速度で書き出すことができました。FHD動画のカットやテロップ入れなど、ライトな編集であれば、ある程度快適に行えると思います。

FHD動画の書き出し
Core i7-1185G7
GTX 1650 Max-Q
2分10秒
Core i7-1185G7
MX450
2分28秒
Core i7-1360P
Intel Iris Xe
2分50秒
Core i7-1280P
Intel Iris Xe
3分00秒
Ryzen 7 6800U
Radeon 680M
3分05秒
Core i7-1185G7
Intel Iris Xe
3分33秒
Core i7-1260P
Intel Iris Xe
3分38秒
Core i5-1240P
Intel Iris Xe
4分01秒
Ryzen 7 7730U
Radeon Graphics
4分06秒
Ryzen 5 7530U
Radeon Graphics
4分28秒
Core i5-1135G7
Intel Iris Xe
4分41秒
Ryzen 7 5825U
Radeon Graphics
4分42秒
Ryzen 5 5625U
Radeon Graphics
4分48秒
Ryzen 7 4700U
Radeon Graphics
5分05秒
※ FHD/30p動画(約10分)に、「テキスト」+「露光量」+「自然な彩度」+「トランジション」のエフェクトおよびBGMとなるオーディオを加え、H.264形式、YouTube 2160p 4K Ultra HDのプリセットで書き出したときの時間
※ グラフィックスは全てノートPC用
 :レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)

 

USB Type-C / HDMIの動作テスト

USB Type-Cの動作チェック

USB Type-Cポートの動作チェックです。

Inspiron 14 (5435)は、DisplayPortと電源供給に対応したUSB-Cポートを1ポート備えています。チェックした結果は、下表のとおりです。

USB-Cアダプターによる給電においては、出力が61W以下のものの場合、充電はできていましたが、警告が表示されます。付属のACアダプターの出力が65Wなので、USB-Cアダプターを使用する場合も、できれば65W以上の出力があるものを使用した方がいいと思います。

USB Type-C充電器/ドックの動作テスト
  充電 モニター
出力
有線LAN
ドック ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック × ×
PD充電器
※1
65W Lenovo GaN充電器
61W RAVPower GaN充電器 ○ ※3
45W Lenovoウルトラポータブル ○ ※3
30W RAVPower GaN充電器 ○ ※3
18W cheero充電器 ○ ※3
モニター
※2
EIZO ColorEdge CS2740
(4Kモニター)
※1 Power Delivery対応の充電器
※2 Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
※3 通常のオペレーションに必要なワット数が足りませんという警告が表示

 

HDMIの動作チェック

4KモニターへHDMIで接続したときの詳細です。

仕様では、「HDMIでサポートされる最大解像度は1920 x 1080 (60Hz)です。4K2K出力なし」となっていました。今回テストした環境では、4K、8ビット、YCbCr444で表示できていますが、リフレッシュレートが30Hzになりました。4Kモニターに接続しようと思っている方はご注意下さい。

4Kモニター(BenQ EX3210U)へ接続したときの詳細

 

質量のチェック

質量のチェックです。

メーカーサイトには「最小重量:1.59kg」と記載されています。当サイトで計測した質量は次の通りで、最小重量とほぼ同じでした。「モバイルノートPC」と呼ばれる持ち運び用に設計されたノートPCほど軽くはありませんが、それでも一般的なノートPCよりは軽いです。ちょっとした移動が楽に行えるでしょう。

質量の計測結果(当サイトによる実測値)
  質量
PC本体 1.5613kg
ACアダプター 323g

 

バッテリー駆動時間のチェック

Inspiron 14 (5435)のバッテリー駆動時間のチェックです。

バッテリー容量は54Whです。一般ユーザー向けノートPCとしては、やや大きめの容量です。

バッテリー容量

 

当サイトにて計測したバッテリー駆動時間は次のようになります。バッテリーの容量が大きめなので、動画再生のような軽い負荷の作業であれば、(2)のように比較的長めのバッテリー駆動が可能でした。やや負荷のかかる作業であれば、(3)に近いバッテリー駆動時間になると思います。

バッテリー駆動時間
  バッテリー駆動時間
(1) JEITA2.0
(2) 動画再生時 15時間50分
(3) CPU14%、GPU8%の負荷 5時間35分
※画面輝度は約120cd/m2
(1) メーカー公表値
(2) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生(リピート)させたとき

 

充電速度は、普通でした。

1時間あたりの充電容量
純正ACアダプター
アイドル時
50%(約27Wh)
※PCの充電残量が10%から充電を開始し、1時間でどのくらい充電残量が増えたかを計測

 

Webカメラ・スピーカーのチェック

Webカメラ

Webカメラには、プライバシーシャッターが付いているので、カメラを使用しないときはシャッターを物理的に閉めておくことができ、安心です。IRカメラは非搭載なので、Windows Helloの顔認証は使用できません。

Webカメラは、約2.07MピクセルのFHDカメラです。ノートPCのWebカメラとしては高めの解像度なので、細かいところも比較的綺麗に映っています。画像の色味も概ね自然な感じでした。オンラインミーティングなどにも普通に使用できます。

Webカメラ
本製品のカメラで撮影
※クリックすると拡大できます。
※Webカメラの前にマネキンを置いて、約40cm離し、Windows標準のカメラアプリで撮影

 

スピーカー

スピーカーは、2.5W x2のスピーカーをキーボードの両脇に搭載しています。音質は普通~ややよく、ノートPC基準で点数を付けると、10点満点で6点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

スピーカー

 

パーツの温度のチェック

Prime95実行時のCPU温度

Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度など推移を確認します。

Ryzen 5 7530U搭載モデル

「最適化」モードでは、CPU電力は28W前後から徐々に下がり、18W前後で落ち着いています。CPU温度は、ピーク値では90℃前後まで上がりますが、CPU電力が落ち着くと、60℃前後と低めの温度で推移しています。

「超高パフォーマンス」では、CPU電力は約30W→約28Wと変動し、その後は約28Wを維持しています。CPU温度は、ピーク値では88℃前後まで上がりますが、その後、74℃前後をキープしています。

どちらのモードでもCPU温度が低めに保たれているので、心配なく使用できます。

  • 最適化時
  • 超高パフォーマンス時
CPU電力&CPUクロック
CPU温度
CPU電力&CPUクロック
CPU温度

 

Ryzen 7 7730U搭載モデル

Ryzen 7 7730Uも、CPU電力については、Ryzen 5 7530Uとほぼ同じ動きです。CPU温度はRyzen 5 7530Uよりも上がりますが、問題ない範囲の温度です。

  • 最適化時
  • 超高パフォーマンス時
CPU電力&CPUクロック
CPU温度
CPU電力&CPUクロック
CPU温度

 

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。今回は、Ryzen 5 7530U搭載モデルでチェックした結果を掲載します。

「最適化」モードのアイドル時はほぼ無音です。負荷がかかると騒音値が上がります。エンコードのような高い負荷がかかると、騒音値が高くなりますが、それでも同等構成の他機種と同じぐらいの騒音値です。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Filmora 9 の動画編集ソフトでプレビュー再生
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手の平を置くパームレストの温度変化は重要です。

負荷がかかると、キーボード面の温度が少し上がります。それでも、パームレスト部の温度はほとんど変化していないので、不快感なくタイピングできます。

底面の温度もチェックしてみました。高い負荷がかかると、やや熱くなる部分があります。膝の上に置いて長い時間作業をすると、低温火傷になる可能性があるので注意しましょう。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。確認できた最も高い数値を掲載していますが、数値は変動するため参考程度にご確認下さい。

ノートPC向けのプロセッサーを搭載しているので、消費電力は低めです。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST8
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後から確認できた中で最も高い消費電力を掲載しています
※TAP-TST8は、従来使っていたTAP-TST7よりも、消費電力が低めに計測される傾向があります。他のPCと消費電力を比較するときは、ご注意ください。

 

外観のチェック

Inspiron 14 (5435)の外観のチェックです。

オーソドックスなデザインですが、液晶のベゼル幅が狭く、スッキリした見た目で、今どきの新しいノートPCという感じがします。

 

2つのボディカラーがあります。ダークリバーブルーは深みのある濃い色で、落ち着きがあります。プラチナシルバーは、明るくライトなイメージです。

なお、現時点では、即納モデルは全てプラチナシルバーのボディカラーとなっていました。

 

天板には、「DELL」のロゴマークが配置されています。

 

背面には、液晶を開いたときに机と接するゴム製の小さな足が配置されています。

 

液晶を開くと、背面のゴム足は、このようになります。このゴム足が机に接地し、本体の背面側が持ち上げられます。机との間にスペースができるので、放熱しやすくなりますし、キーボードに少し傾斜がつくので、タイピングもしやすくなります。

 

側面のポート類はご覧の通りです。USB Type-Aポートの1つは、USB2.0となっているのでご注意下さい。もう1つはUSB3.2 Gen1 Type-Aです。他には、USB3.2 Gen2 Type-C(DisplayPort、電源供給に対応)、HDMI1.4、SDカードリーダーを備えています。

 

液晶の開く角度です。フラットにはなりませんが、普通にテーブルの上に置いて作業をする分には、問題ないと思います。

 

指紋認証リーダー付きの場合は、電源ボタンに指紋センサーが統合されています。

 

底面です。

 

内部の画像はご覧の通りです。冷却ファン1つと、1本のヒートパイプでCPUの熱を冷却しています。

メモリはオンボードなので、増設・換装はできません。また、ストレージの増設ができる空きのM.2スロットなどもありませんでした。

 

ストレージには、Type 2230のM.2 SSDを搭載していました。スペーサを外せば、Type 2280 M.2 SSDへの換装もできると思います。

 

ACアダプターは65Wです。コンセント側のケーブルが太いので、持ち運びにはあまり適していません。外に持ち出す場合は、PowerDelivery対応のUSB-Cアダプターを用意するといいでしょう。

 

まとめ

以上が、Inspiron 14 (5435)のレビューです。

一般的な用途に使いやすく、コスパも高い14型ノートPCです。

画面比16:10の液晶を搭載し、フリッカーも発生しておらず、比較的見やすいディスプレイです。キーボードも比較的打ちやすく、仕事や、大学生など、タイピングすることが多い方にもおすすめです。

CPUには、Zen 3世代のRyzenを搭載し、一般のノートPCとしては十分の処理性能を備えていました。日常的な用途に快適に使用することができます。

質量が「約1.59kg~」と、15~16型のノートPCよりは軽く、宅内での移動がしやすく、たまに外に持ち出すこともできなくはありません。1台をマルチに使うことができます。

このように、全体的に使い勝手のいい機種に仕上がっていて、6万円台から購入できるので、コスパが高いです。

ただし、メモリがオンボードで換装できないので、最初から16GBメモリを搭載しているモデルがおすすめです。また、液晶の色域が狭いため、色鮮やかな表示にこだわる方は、他の機種がいいかもしれません。

 

高コスパで人気のノートPC

Inspiron 14 (5435)

特徴

  • 画面比16:10の液晶で作業しやすい
  • 比較的打ちやすいキーボード
  • 重くはないので移動が楽
  • コスパが高い

こんなあなたに

  • 一般ユーザー全般
  • 価格6万円台[税込]~
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