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Dell 14 Plus DB14255の実機レビュー - タイピングしやすいAI PC

CPU | Ryzen AI 5 340 Ryzen AI 7 350 |
---|---|
メモリ | 16GB / 32GB |
ストレージ | 512GB / 1TB SSD |
画面サイズ | 14インチ 16:10 |
画面種類 | 1920x1200 非光沢 |
質量 | 1.52 kg |
バッテリー | 64Wh |
価格[税込] | 14万円台~ |
Dell 14 Plus DB14255は、Ryzen AI 300シリーズを搭載したCopilot+ PCです。
小さくなっているキーがなく、タイピングしやすい点も特徴です。
兄弟機種のDell 16 Plusと比べると、小型で軽いため、扱いやすいです。
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen AI 7 350、32GBメモリ、1TB SSD
目次
お忙しい方は、「Dell 14 Plus DB14255の特徴」のみお読みください。
Dell 14 Plus DB14255の特徴
製品の位置づけ
デルのノートパソコンは、以下のように、2025年1月にブランド名が代わりました。
今回レビューするDell 14 Plus DB14255は、下図の赤くなっている部分に位置づけられる機種です。主に個人ユーザー向けのメインストリームとなる機種です。

扱いやすい14型ノート
Dell 14 Plus DB14255は、14型のディスプレイを搭載し、16型の大きなディスプレイを搭載した機種よりもボディがコンパクトで軽く扱いやすいです。
また、現在はセール対象には入っていませんが、セール対象に入っているときは、安くなりそうなノートPCです。

タイピングしやすいキーボード
他社の14型ノートだと、半角/全角キーや、Enterの左隣のキーなどが小さくなっていることがよくありますが、本製品は小さいキーが無くタイピングがしやすいです。

やや残念な点
Dell 14 Plus DB14255のデメリットは、色域が狭い点です。ギラつきもやや感じます。なお、インテルのDell 14 Plus DB14250であれば、100% sRGBの2.5Kディスプレイが選択できます。
また、HDMIが1.4なので、基本的には4K/60Hzでの出力に対応していません。メモリはオンボードなので後から交換することはできません。
各用途の快適度
Dell 14 Plus DB14255の各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 快適に作業できるでしょう。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ○ | ディスプレイの色がややくすんで見えますが、スピーカー音はまずまずです。 |
RAW現像 画像編集 |
△ | ディスプレイの色域が狭いので、画像編集向きではありません。外部モニターに接続して使うなら、大丈夫です。 |
動画編集 | △~○ | FHD解像度の簡単な動画編集であれば可能です。 |
ゲーム | △~○ | 軽めのゲームであればできます。 |
ディスプレイのチェック
ディスプレイは、1920x1200ドット 45% NTSCです。仕事用になら問題ない品質ですが、趣味用で使うには色域が狭いかもしれません。また、ギラつきをやや感じます。
詳細は、以下のタブをクリックしてご覧下さい。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
当サイトで計測した色域は、sRGBカバー率:57%と狭かったです。最大輝度は仕様では300nitです。

ガンマ補正曲線を確認すると、赤色がやや強めに発色しています。

視野角は広いです。

非光沢ディスプレイなので、映り込みは低減されています。ただし、ギラつきをやや感じます。

フリッカーを計測する装置が故障してしまい、正確には計測できませんでした。ただ、カメラで撮影し簡易的に確認してみたところ、フリッカーはなさそうでした。
キーボードおよびタッチパッドのチェック
16型のモデルはテンキーがあるせいで、小さいキーがいくつかありましたが、本製品は、小さいキーがなく、むしろ半角/全角キーやEnterキーが大きくタイピングしやすいです。
タッチパッドの使いやすさは普通です。

※画像をクリックすると拡大できます

キーボードバックライトも搭載しています。

パフォーマンスのチェック
Dell 14 Plusのパフォーマンスのチェックです。
ここでは、デフォルトの「最適化」と、最もパフォーマンスが出る「ウルトラパフォーマンス」で、ベンチマークソフトを実行します。

CPU
今回は、Ryzen AI 7 350を搭載していますが、他のノートPCで計測したときよりも若干低めでした。ただ、仕事や普段使いには十分な性能です。

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
グラフィックス
最近のノートPCとしては、標準的な性能です。
~ グラフィックス性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
NPU
NPUは最大50 TOPSと高いです。
~ NPU性能の評価 ~
:レビュー機のTOPS
ストレージ
ストレージは、比較的速いです。
~ ストレージ性能の評価 ~

SDカードスロット
SDカードスロットはありません。
質量のチェック
質量は、16型の Dell 16 Plusよりは軽いです。ただ、持ち運ぶにはやや重く感じます。
ACアダプターもやや重いです。
質量 | |
PC本体 | 1.521kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 306g |
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は64Whとなっており、大きめの容量です。

当サイトで計測したバッテリー駆動時間は、まずまずです。16型のDell 16 Plusよりも若干長いバッテリー駆動時間です。
バッテリー駆動時間 | |
(1) YouTube動画再生時 | 18時間10分 |
(2) 動画編集ソフトでプレビュー再生 | 6時間9分 |
(2) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生させたとき。画面輝度は約120cd/m2
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU電力およびCPU温度の推移を確認します。なお、Ryzen AI 7 350のデフォルトTDPは28Wです。
動作安定時のCPU電力は、「最適化」モードで17W前後、「ウルトラパフォーマンス」モードで21W前後で、デフォルトTDPよりも低い数値です。このことから、そこまで高いパフォーマンスは出ていないことが分かります。
CPU温度は、どちらのモードも60℃台で推移しており問題ありません。
- 最適化時
- ウルトラパフォーマンス時


静音性のチェック
アイドル時は無音です。少しの負荷でもファンが回転し、動作音が上がりやすい傾向があります。
騒音値 | |
アイドル時 | 約20dB |
---|---|
低負荷時 [YouTube再生] | 約29dB |
中負荷時 [動画編集] | 約31dB |
高負荷時 [ゲーム] | 約46dB |
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
アイドル時:アイドル時
低負荷時:1080pのYouTube動画再生時
中負荷時:Premiere Proで、編集中の1080pの動画をプレビュー再生した時
高負荷時:FF14のゲームのベンチマーク実行時(標準品質(ノートPC)、1920x1080、ウィンドウ)
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手のひらを置くパームレストの温度変化は重要です。
負荷が低い時は、表面温度は高くありません。日常的な作業であれば熱く感じることなく使用することができるでしょう。ゲームのような高い負荷をかけると、キーボードの左側が熱くなってきて、指が熱く感じてきます。

※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※約10分経過後に計測しています
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
低めの消費電力です。
消費電力 | |
アイドル時 | 6W |
---|---|
低負荷時 [YouTube再生] | 12W |
中負荷時 [動画編集] | 22W |
高負荷時 [ゲーム] | 36W |
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています
外観のチェック
外観のチェックです。
天板および底面はアルミニウム素材で、パームレストおよびベゼルはプラスチック素材です。カラーはアイスブルーで清潔感があり、指紋なども目立ちにくいです。

天板には、DELLのロゴが薄く入っています。

ボディの高さは低いです。


スピーカーは底面の左右に配置されています。音質はまずまず、ノートPC基準で、10点満点で採点すると6点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。

WebカメラはFHD画質で、映りはまずまず。IRカメラは搭載していません。

指紋認証装置は搭載しています。

側面のポート類です。10GbpsのUSB-Cが2つ搭載されており、PowerDeliveryおよび映像出力に対応しています。HDMIポートはHDMI1.4です。


ヒンジはほぼ180度開きます。

底面はシンプルです。

冷却ファンは1つ、ヒートパイプは1つで、そこまで冷却性は高くありません。メモリはオンボードです。

SSDは換装できそうです。空いているSSDのスロットはありません。

ACアダプターは65Wで、サイズがやや大きいです。

まとめ
以上が、Dell 14 Plus DB14255のレビューです。
扱いやすい14型クラスのノートPCです。
Ryzen AI 300シリーズを搭載していることで、Copilot+ PCに対応しています。
小さいキーがなく、キーボードも比較的打ちやすいです。
ただし、ディスプレイは、45% NTSCと色域が狭いのと、ややギラつきを感じます。なお、インテルのDell 14 Plus DB14250であれば、100% sRGBの2.5Kディスプレイが選択できるので、個人的にはこちらのほうがおすすめです。
また、HDMIが1.4なので基本的に4K/60Hzでの出力には対応していません。オンボードメモリなので後からメモリを交換することもできません。
タイピングしやすいAI PC
Dell 14 Plus DB14255

1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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