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デル Inspiron 14 5000(5405) の実機レビュー
CPU | Ryzen 7 4700U Ryzen 5 4500U |
---|---|
メモリ | 8GB |
ストレージ | PCIe SSD |
液晶サイズ | 14インチ |
液晶種類 | FHD 広視野角 非光沢 |
質量 | 約1.36kg~ |
バッテリー | 40Wh |
価格[税込] | 6万円台~ |
Inspiron 14 5000(5405)は、Ryzenプロセッサーを搭載し高い性能でありながら、価格も安く、コストパフォーマンスの高い製品です。
液晶の視野角が広く、安いPCにしては液晶が見やすい点も特徴でしょう。
ホワイトとシルバーのカラーで清潔感のあるデザインです。
質量も約1.36kg~となっており、体力に自信のある方や車移動が多い方なら、全然持ち運びできる質量です。
ただし、Wi-Fi 6およびThunderbolt 3には対応していません。
レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen 5 4500U、8GBメモリ、256GB PCIe SSD
目次
お忙しい方は、「Inspiron 14 5000(5405)の特徴」のみお読みください。
Inspiron 14 5000(5405)の特徴
Ryzen 4000シリーズ搭載PCの中ではかなり安い
インテルのプロセッサーを大きく上回る性能でありながら、価格は安いRyzen 4000シリーズプロセッサー。このプロセッサーを搭載した14型ノートPCの中でも、本製品は非常に安い製品です。最も安いRyzen 5モデルを確認すると、最安とまではいきませんが、5万円台という安い価格で購入することができます(下表参照)。
[本製品] Inspiron 14 5000 (5405) |
レノボ IdeaPad Slim 350(14) |
レノボ IdeaPad Slim 550(14) |
レノボ ThinkPad E14 |
||
CPU | Ryzen 5 4500U | ||||
メモリ | 8GB | ||||
PCIe SSD | 256GB | ||||
価格[税別] | 55,984円 | 53,360円 | 52,440円 | 68,580円 |
・・・でしたが、上の表を作った次の日にページを見たら、Ryzen 5モデルが無くなって、Ryzen 7モデルのみになっていました。そこで、Ryzen 7モデルで価格を比較したのが次の表になります。メモリ容量を合わせて比較することはできませんでしたが、それでもかなり安いです。なお、しばらくすればRyzen 5モデルも復活することでしょう(多分)。
[本製品] Inspiron 14 5000 (5405) |
レノボ IdeaPad Slim 350(14) |
レノボ IdeaPad Slim 550(14) |
レノボ ThinkPad E14 |
||
CPU | Ryzen 7 4700U | ||||
メモリ | 8GB | 8GB | 16GB | 16GB | |
PCIe SSD | 512GB | ||||
価格[税別] | 74,683円 | 72,606円 | 81,840円 | 95,040円 |
安い製品でも、広視野角液晶を搭載
上の表において、IdeaPad Slim 350(14)が最も安いですが、この製品は液晶の視野角が狭いです。一方、本製品は視野角の広い液晶を搭載しており、画面が見やすいです。視野角の狭い液晶は、画面の端の色合いが変わったり、角度が少しでも悪いと画面が白っぽくみえたりするため、個人的には視野角の広いInspiron 14 5000のほうがおすすめです。
約1.36kgと持ち運びも可能
Inspiron 14 5000(5405)の質量は約1.36kg~となっています。持ち運び用のモバイルノートPCと比較すると、重い部類に入ります。ただし、持ち運べないこともない質量です。体力と肉体に自信のある男性であれば、この位の質量なら苦も無く持ち運べるでしょう。14インチクラスのノートPCで軽い製品は高いものが多いので、5~7万円台で購入できる価格で、持ち運びも出来るとなると魅力的な製品ではないかと思います。
なお、13.3インチの液晶で構わなければ、Inspiron 13 5000 (5300)が安くて、もっと軽いです。
メモリは8GBのみだが、換装可能
Inspiron 14 5000(5405)の欠点として、メモリが8GBしかない点が挙げられます。しかもシングルチャネルです。一般的なユーザーであれば、十分な容量・速度かと思いますが、物足りないと感じるユーザーもいるでしょう。
そのような場合、本製品はメモリを換装することが可能です。試しにDDR4-3200の16GBx2(合計32GB)に換装してみましたが問題なく認識されました。最近はオンボードメモリが増えてきたので、メモリスロットが2つ用意されているのは、後々の増設を考えると、メリットになるのではないかと思います。
Wi-Fi 6には非対応
Inspiron 14 5000(5405)のワイヤレスLANは、Wi-Fi 6には対応していません。
指紋認証はオプションなので注意
Inspiron 14 5000(5405)の指紋認証はオプションになっています。必要な方は忘れずに搭載しておきましょう。なお、選択すると、キーボードの右上にある電源ボタンに指紋センサーが統合されます。
15.6インチの兄弟機種との比較
Inspiron 14 5000(5405)は、15.6インチのディスプレイを搭載したInspiron 15 5000という兄弟機種も発売されています。同じような見た目で、CPUなどのパーツや、インターフェースも変わりませんが、下表ような部分が異なります。
Inspiron 14 5000(5405)は質量が軽く、サイズも小さいため、持ち運びに便利です。また、画面が小さい分、同じパーツ構成ならバッテリー駆動時間もやや長くなると思われます。
一方、Inspiron 15 5000 (5505)は、テンキーを搭載しており数字入力が楽になります。また、M.2スロットが2つあり、ハードルは上がりますが、自分でM.2 SSDを増設することが可能です。
Inspiron 14 5000 (5405) |
Inspiron 15 5000 (5505) |
|
画像 | ||
質量 | 約1.36kg~ (実測1.354kg) |
約1.714kg~ (実測:1.598kg) |
サイズ | [幅]321.30 mm [奥行]216.20 mm |
[幅]356.1 mm [奥行]234.5 mm |
テンキー | 無し | 有り |
M.2スロット | 1つ | 2つ |
価格[税別] | ほぼ同じだが、クーポン次第で変わる |
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 快適です。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ○ | 普通に鑑賞できます。 |
RAW現像 画像編集 |
△ | ディスプレイの色域が狭いため、画像編集やRAW現像向きではありません。 |
動画編集 | △ | ディスプレイの色域があまり広くなく、外部グラフィックスも搭載していないことから動画編集向きではありません。ただ、家庭用のかんたんな編集ならできると思います。 |
ゲーム | △ | CPU内蔵グラフィックスとしては性能が高いことから、軽いゲームならある程度のフレームレートで動作します。ただし、GeForce MX250の性能にも及ばないことから、ゲームをするなら、外部グラフィックスを搭載したモデルがおすすめです。 |
ディスプレイのチェック
Inspiron 14 5000(5405)のディスプレイのチェックです。
色域は狭いものの視野角は広いです。Officeなどを使って仕事をする分には問題ない品質です。ただし、画像編集や動画編集などをするには物足りない色域です。最大輝度は、当サイトの計測では228cd/m2やや低めです。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 画素・
ギラつき - 映り込み
- フリッカー
キーボードおよびタッチパッドのチェック
Inspiron 14 5000(5405)のキーボードのチェックです。
実測でキーピッチは、横:19mm、縦:18mmで、キーストロークは約1.4mmです。キートップはほぼフラットで、押しやすさは普通です。
キー配列は普通ですが、「\」や「Backspace」キーが小さくブラインドタッチしにくいです。
タッチパッドは操作しやすいと思います。
キーボードバックライトも搭載しています。
パフォーマンスのチェック
Inspiron 14 5000(5405)のパフォーマンスのチェックです。
CPU
CPUには、第3世代Ryzen Mobile 4000 Uシリーズを搭載しており、一般向けユーザー向けプロセッサーとしては、高い性能です。
~ CPU性能の評価 ~
※[レビュー機で計測]と書かれていないCPUは、他のPCで計測した代表値です
グラフィックス
グラフィックスは、CPU内蔵グラフィックスとしては高い性能です。ただし、今回、8GBのシングルチャネルであるため、ややスコアが低めです。プロセッサー内蔵のグラフィックスはメインメモリを利用するため、昔書いた記事の通り、デュアルチャネルにするとグラフィック性能が上がります。16GB x2のメモリに換装した時のスコアも合わせて掲載しておきます。
~ グラフィックス性能の評価 ~
※[レビュー機で計測]と書かれていないグラフィックスは、他のPCで計測した代表値です
メモリ
メモリはDDR4-3200と高速ですが、シングルチャネルです。前述しましたが、メモリスロットは2つあるので、自分で換装すれば、デュアルチャンネルにすることも可能です。
ストレージ
ストレージには、PCIe-NVMe SSDを搭載しており高速です。
~ ストレージ性能の評価 ~
※[レビュー機で計測]と書かれていないストレージは、他のPCで計測した代表値です
SDカードスロット
micro SDカードスロットを搭載していますが、速度は遅いです。
その他のベンチマーク
その他のベンチマーク、LightroomやPremiere Proの書き出し時間などについては、下のリンク先をご覧ください。他の機種で計測したスコアではありますが、ほぼ変わらないので参考になると思います。
フォートナイトやPUBG、VALORANT、Apex、ストV、鉄拳7などのゲームのフレームレートについては下のページにまとめましたので、こちらもご覧ください。
クリエイターソフトの処理時間
以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間です。Adobeソフトの処理時間については、上のリンク先をご覧ください。
エンコード時間 | |
x265でエンコード (※1) | 20分42秒 |
QSVでエンコード (※2) | 1分40秒 |
NVENCでエンコード (※3) | ― |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
※3 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
USB Type-C / HDMIの動作テスト
Inspiron 14 5000(5405)のUSB Type-Cポートは、Thunderbolt 3 には対応していませんが、映像出力およびPower Deliveryには対応しています。PD充電器は、30W以下のものは充電できませんでしたが、45W以上の充電器では充電できました。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | 〇 | 〇 | 〇 |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ | × | × | |
PD充電器 ※1 |
65W ZHOULX充電器 | 〇 | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | 〇 | ― | ― | |
30W RAVPower充電器 | × | ― | ― | |
18W cheero充電器 | × | ― | ― | |
5V充電器 ※2 | 5V/2.4A ANKER充電器 | × | ― | ― |
5V/2.4A AUKEY充電器 | × | ― | ― | |
モニター ※3 |
EIZO ColorEdge CS2740 | 〇 | 〇 | ― |
Philips 258B6QUEB/11 | 〇 | 〇 | 〇 |
※2 スマホやタブレット向けの5Vの充電器
※3Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
HDMIの動作チェック
Inspiron 14 5000(5405)を4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4K、YCbCr444で表示は出来ていますが、リフレッシュレートは最大で30Hzでした。
質量のチェック
Inspiron 14 5000(5405)の質量は、メーカーサイトには「最小重量:1.36kg、最大重量:1.40 kg」と書かれてあります。当サイトの計測値は以下の通りです。モバイルノートとしては重いですが、据え置き用ノートPCとしては軽いです。持ち運べないこともない重さです。
質量 | |
PC本体 | 1.354kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 265g |
バッテリー駆動時間のチェック
Inspiron 14 5000(5405)のバッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は40Whです。
バッテリー駆動時間は下の通りで、普通の駆動時間です。
なお、バッテリー時に画面がかなり暗くなりますが、「AMD Radeon Settings Lite」を起動し、「Vari-Bright」をオフにすれば、通常の輝度に戻ります。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0 | 非掲載 |
(2) PCMark 10 Modern Office | 8時間52分 |
(3) 動画再生時 | 7時間36分 |
(4) PCMark 8 Work | 6時間52分 |
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業
1時間あたりの充電量は次の通りで、充電速度は普通です。
カメラ・マイク・スピーカーのチェック
Webカメラ
Inspiron 14 5000(5405)のWebカメラの解像度は1280x720と普通です。画質もノートパソコンとしては標準的です。ただし、1万円台の少しいいWebカメラと比較すると、画質は落ちます。
マイク性能
Inspiron 14 5000(5405)のマイク性能も普通です。
スピーカー
Inspiron 14 5000(5405)のスピーカーは底面に配置されています。音質はやや良く、ノートPC基準で10点満点で5~6点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は大きく変わります。
静音性のチェック
Inspiron 14 5000(5405)の動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時はほぼ無音です。高い負荷がかかっても、やや低めの騒音値です。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
パーツの温度のチェック
ここでは、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時の温度のみを掲載します。
エンコード開始直後は高いクロック周波数になるため、CPU温度は高めです。そこからクロック周波数が下がると共にCPU温度も下がり、75℃前後で落ち着きます。この温度であれば問題ないと思います。
表面温度のチェック
Inspiron 14 5000(5405)の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
やや低めの温度です。快適に使えるでしょう。
消費電力のチェック
Inspiron 14 5000(5405)の消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
TDP 15Wのプロセッサーですので、消費電力も低めです。
外観のチェック
Inspiron 14 5000(5405)のボディはアルミ製です。ホワイトとシルバーのカラーで、タッチパッド周りはダイヤモンドカットも施されており、清潔感のある素敵なデザインです。
天板の画像です。
液晶を開くと、キーボードの後部が持ち上がる構造ですが、ゴム製ヒンジキャップが接地するため、安定感に優れています。また、閉じた状態でもゴム製のヒンジが手になじみ、持ちやすくなっています。
排気口は、キーボード上部にあり、排気熱が液晶に当たってしまいます。
インターフェースはご覧の通りです。LANポートはありません。
液晶が開く最大の角度です。
底面の画像です。
底面カバーはネジを外すと背面側が少し浮くので、そこに指を入れて優しく引っ張り上げれば外れます。オープナーなどを持っていればさらに簡単に開けることができるでしょう。兄弟機種のInspiron 15 5505はM.2スロットが2つありましたが、Inspiron 14 5000(5405)は1つとなっています。
メモリスロットは2つあり、換装・増設可能です。試しに16GBx2にしてみましたが、問題なく動作していました。
搭載されていたSSDは、Type 2230です。
ネジ止めされている金具は取り外すことができ、向きを変えて装着したり、別の場所に装着したりすることで、Type 2242、2280のM.2 SSDも搭載することが可能です。
ACアダプターは、45Wです。
まとめ
Inspiron 14 5000(5405)は、Ryzen 5 4500Uのモデルであれば5万円台、Ryzen 7 4700Uのモデルであれば7万円台から購入できるPCです。コストパフォーマンスは非常に高いです。
約1.36kg~と、持ち運び用PCとしては軽くはありませんが、持ち運べる許容範囲の質量です。5万円台でスペックも十分なPCが持ち運べると考えるとお得ではないかと思います。
最近はオンボードメモリが増えましたが、本製品はメモリが2スロットあり、増設・換装が可能です。ただし、購入時は8GBのシングルチャネル固定である点は、ややデメリットかなと思います。
また、一般ユーザーであれば、そこまで重要な要素ではありませんが、Wi-Fi 6およびThunderbolt 3にも対応していません。
高いコスパの14型ノートPC
Inspiron 14 5000(5405)
特徴
- Ryzen 4000 Uシリーズ搭載
- 約1.36kg~と持ち運べなくもない
- メモリスロットが2つある
こんなあなたに
- コスパの高いノートPCが欲しい
- 価格6万円台[税込]~
- 一言高コスパ
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
関連ページ
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モバイルノートパソコンの比較ページ。ThinkPadやレッツノートなどの人気の製品や、液晶サイズ別に製品を掲載しています。
約15年間にわたり、年間100機種以上、パソコンを細かくチェックしている筆者がおすすめするノートパソコン。