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Ryzen 7 4700U / Ryzen 5 4500Uでゲームはどの程度できるか?
ここでは、ノートPC向けAMD 第3世代プロセッサー「Ryzen 7 4700U」と「Ryzen 5 4500U」の内蔵グラフィックスでどこまでゲームができるかを、実際に10タイトルほどプレイし、フレームレートを計測してみました。
目次
Ryzen 7 4700U / Ryzen 5 4500Uの仕様
まずはRyzen 7 4700UとRyzen 5 4500Uのスペックを確認していきます。Ryzen 4000 Uシリーズは、7nmプロセスのZen 2アーキテクチャを採用したモバイル用のプロセッサーです。
本来PCでゲームを動作させるには、GeForce ○○○などの外部グラフィックスの搭載が推奨されています。しかし、Ryzen 4000 Uシリーズに搭載された「AMD Radeon Graphics」は、プロセッサー内蔵のグラフィックスとしては性能が高く、軽めの3Dゲームならプレイできるケースもあります。
Ryzen 7 4700U | Ryzen 5 4500U | Ryzen 3 4300U | |
CPUコア数 | 8 | 6 | 4 |
スレッド数 | 8 | 6 | 4 |
最大ブースト クロック |
4.1 GHz | 4.0 GHz | 3.7 GHz |
基本クロック | 2.0 GHz | 2.3 GHz | 2.7 GHz |
L2キャッシュ | 4 MB | 3 MB | 2 MB |
L3キャッシュ | 8 MB | 8 MB | 4 MB |
GPUコア | 7 | 6 | 5 |
内蔵グラフィックス | AMD Radeon Graphics | ||
TDP | 15W |
なお、Ryzen 4000 Uシリーズのプロセッサー性能については、以下の記事をご覧ください。
AMD 第3世代Ryzen 4000 Uシリーズのベンチマークのまとめ。Ryzen 7 4700U、Ryzen 5 4500U、Ryzen 3 4300Uなどのベンチマークの比較。
プロセッサーによるグラフィック性能の違い
以下の表は、グラフィックス性能を確認できるベンチマークの結果ですが、今回検証したRyzen 7 4700UとRyzen 5 4500Uは、インテルのCPU「Core i7-1065G7」などに内蔵されたグラフィックスよりも高い性能になっています。また、Ryzen 7 4700Uの方がRyzen 5 4500Uよりも、ほんの少しスコアが高いです。ただし、GeForce MX250のような外部グラフィックスと比較するとスコアは低いです。
動作検証について
今回、フレームレートの計測では、以下の2機種を使用しました。他のPCではまた違った結果が出ることもあることはご了承ください。なお、テストに用いたPCのメモリはデュアルチャネルです。シングルチャネルだとフレームレートが大きく下がるためご注意下さい。
タイピングがしやすく、文書作成などを行う方におすすめ。AMD Ryzen 4000シリーズのプロセッサーを搭載し、旧世代のRyzenより性能が格段にアップ。
Ryzen Mobile 4000 Uシリーズを搭載した高い性能のモバイルノートPC。アクティブペンにも対応しタブレットへ変形もできる。
ゲームの動作検証には今回、MSIのAfterburnerというツールを使って平均フレームレートを計測しています。各ゲームの平均フレームレートは、目安として、30 fps以上で動作可能、おおよそ60 fps前後であれば、快適に動作すると思って下さい。
動作検証においての解像度は、落とせば落とすほど動作が軽くなり、キリがないので、今回はフルHD(1920×1080)解像度に絞って計測しています。
また、今回試した10タイトルの他にも動作するタイトルがたくさんあるので、試してみてください。
Fall Guys
「低」設定なら60 fpsで快適にプレイが可能
現在、ゲーム配信界隈中心に人気急上昇中である、風雲たけし城バトルロワイヤル「Fall Guys」をプレイ。最大60人の参加者が最後の一人になるまで、堕とし合い、時には協力し合い、ステージでの勝ち残りを競い合うカオスなバトルロワイヤルです。カラフルでポップな世界観も人気のひとつです。
このゲームの最大フレームレートは60fps固定で、最高設定でも意外と軽いのが特徴です。Steamでのシステム要件ではGPU必須ですが、内蔵グラフィックスであるAMD Radeon Graphicsでプレイできるかどうか動作検証をしてみました。
平均フレームレートは第1ステージ開始からゴールまでを計測。グラフィック設定ではプリセットにある「低」「中」「高」で検証しています。結果は以下の通りです。
グラフィック品質を「低」にした場合なら平均60fpsで快適にプレイできました。重くなるとすれば、60人が最もワチャワチャするであろう第1ステージの最初ですが、そこをクリアすると後は安定したプレイが可能です。「中」にした場合でも平均50fps以上出ており、割と快適です。
Fall Guys
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解像度 | グラフィック品質 | Ryzen 7 4700U | Ryzen 5 4500U |
1920x1080 | 低 | 60 fps(最大) | 60 fps(最大) |
中 | 56 fps | 54 fps | |
高 | 34 fps | 32 fps |
結果 | 「低設定」ならとても快適 |
PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS
30 fps固定ならなんとかプレイ可能
バトルロワイヤルの火付け役と言っても過言ではないくらい、全世界で人気を博したバトルロワイヤルシューター「PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS」こと通称「PUBG」。既に「PUBG LITE」という基本無料の軽量版がありますが、やはり前線となる本作の方が人気も質も高いので、可能ならこちらをプレイしたいところ。
動作検証にはErangelマップにて、降下から着地、走り出すまでの平均フレームレートを計測。グラフィック設定はレンダリングスケール100固定で、プリセットにある「非常に低い」と「中」設定で検証を行っています。結果は以下の通りです。
「非常に低い」なら40 fpsで意外とプレイできます。最大30 fpsに固定してしまえば、違和感なくプレイできるのではないでしょうか。ただし、急激なフレームレート低下がたまに訪れます。
PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS
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解像度 | グラフィック品質 | Ryzen 7 4700U | Ryzen 5 4500U |
1920x1080 | 非常に低い | 42 fps | 40 fps |
中 | 28 fps | 26 fps |
結果 | 「非常に低い」設定なら出来なくもない |
Apex Legends
30 fps固定ならなんとかプレイ可能
続いて「Apex Legends」をプレイ。こちらもTwitchでは常に上位の人気バトルロワイヤルシューター。基本プレイ無料ということで、国内でもプレイヤー数の多い人気のタイトルです。
動作検証には射撃訓練場にてマップを一周して平均フレームレートを計測。実際にプレイしてみると、思っていたより重かったので、グラフィック設定ではすべての項目を「なし」もしくは「無効」にした設定で行っています。結果は以下の通りです。
こちらも、「最低設定」なら30~40 fpsでなんとかプレイできてしまいます。最大30 fpsに固定すれば、違和感なくプレイできると思います。ただ、トレーニングモードではカクつきは少なかったものの、マルチプレイではさらに負荷がかかるので、あまりおすすめはしません。
Apex Legends
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解像度 | グラフィック品質 | Ryzen 7 4700U | Ryzen 5 4500U |
1920x1080 | 最低設定 | 40 fps | 34 fps |
結果 | 「最低設定」ならなんとかプレイ可能 |
フォートナイト
「中」設定でも快適にプレイが可能
続いて最もプレイヤー人口が多いとされる幅広い年齢層で人気のある「フォートナイト」をプレイ。最近ではAppleとの対立もあり、何やらきな臭い感じもありますが、それでも根強い人気は衰え知らず。
動作検証にはバトルラボマップにてリスポーン降下から建築を行い、平均フレームレートを計測。グラフィック設定にはクオリティプリセットから、「低」「中」設定で検証しました。結果は下記の通りです。
「低」設定で平均100 fps以上、「中」設定でも平均60 fps以上あり、どちらの設定でも快適にプレイが可能です。「低」設定だと画質があまり良くありませんが、「中」設定なら画質はそれほど悪くはありません。ただ、「中」設定だと、シーンによっては重くなる場合もあったので、マルチプレイをするなら「低」設定のほうが良さそうです。
フォートナイト
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解像度 | グラフィック品質 | Ryzen 7 4700U | Ryzen 5 4500U |
1920x1080 | 低 | 118 fps | 118 fps |
中 | 76 fps | 64 fps | |
高 | 25 fps | 24 fps |
結果 | 「低」「中」設定で 快適にプレイ可能 |
VALORANT
「高設定」で快適にプレイが可能
続いて、LOLで有名なライアットゲームズによる、タクティカルシューター「VALORANT」をプレイ。eスポーツを意識して開発されたFPSで、競技性が高く、カウンターストライクのような硬派なゲームというイメージが強いです。
動作検証にはプラクティスの屋外射撃場を一周して平均フレームレートを計測。グラフィック設定はすべての項目を下げた「低」設定とすべての項目を最大にした「高」設定で検証しています。結果は以下の通りです。
元々必要スペックはかなり低く、軽いゲームなので、動作はすると思ってましたが、高設定でも100 fps前後まで出るとは思っていませんでした。「高」設定でも快適に動作し、「低」設定なら高リフレッシュレート液晶でのプレイも視野に入れることができます。
VALORANT
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解像度 | グラフィック品質 | Ryzen 7 4700U | Ryzen 5 4500U |
1920x1080 | 低 | 195 fps | 190 fps |
高 | 100 fps | 97 fps |
結果 | 「高」でも快適にプレイが可能 |
CoD: Warzone
30 fps固定でなんとかプレイ可能
続いて、FPSの大人気シリーズ「Call of Duty: Modern Warfare」のスピンオフ、「コール オブ デューティ: ウォーゾーン」をプレイ。こちらも基本プレイ無料のバトルロワイヤルで、これまでにはないキルストリークや復活システムが特徴的。
動作検証にはバトルロワイヤル演習の一定ルートをプレイして平均フレームレートを計測。こちらのタイトルも思ったより重く、グラフィック設定はすべての項目を最小限にした、超低設定で検証しました。
「超低」設定なら30~40 fpsでなんとかプレイできます。最大30 fpsに固定すれば、違和感なくプレイできるでしょう。ただ、30 fpsを切る場面が多々見られたので、あまりおすすめはできません。
CoD: Warzone
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解像度 | グラフィック品質 | Ryzen 7 4700U | Ryzen 5 4500U |
1920x1080 | 超低 | 33 fps | 30 fps |
結果 | 超低設定ならなんとかプレイができるがおすすめはしない |
PUBG LITE
中設定でも快適にプレイ可能
続いて、こちらも基本無料でプレイできるライト版「PUBG LITE」をプレイ。通常の「PUBG」とは違い、内蔵グラフィックスでも動作する軽量(ライト)版となっています。ガチ勢が少なく、エンジョイ勢が多いイメージなので、手軽(ライト)にプレイできるのも特徴です。
動作検証には通常版のPUBGと同様、Erangelマップにて、降下から着地、走り出すまでの平均フレームレートを計測。グラフィック設定はレンダリングスケール100固定で、プリセットにある「非常に低い」「中」「高」設定で検証を行っています。結果は以下の通りです。
「中」設定でも平均フレームレートは60 fpsを超えており、カクつきも見られず快適にプレイが可能です。「非常に低い」設定なら高リフレッシュレート環境でのプレイも視野に入れることができます。
PUBG LITE
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解像度 | グラフィック品質 | Ryzen 7 4700U | Ryzen 5 4500U |
1920x1080 | 非常に低い | 121 fps | 111 fps |
中 | 74 fps | 67 fps | |
高 | 48 fps | 42 fps |
結果 | 中設定でも快適にプレイが可能 |
ストリートファイターV CE
低設定ならオンライン対戦も快適
続いてジャンルは変わり、2D格闘ゲームの金字塔「ストリートファイター」シリーズの最新作です。格ゲーの中でも最も認知度が高く、プレイヤー数の多いタイトルです。Vになってから初心者も遊びやすいシステムになりました。
対戦格闘ゲームの場合はマルチ対戦でカクつきを失くすために、常に60 fpsを維持させる必要があり、60 fps以下の場合だと対戦相手にも迷惑をかける場合があります。
動作検証には既にストリートファイターVのベンチマークツールが存在しているので、そちらを使って検証します。ベンチマークはこちらからダウンロード可能です。ベンチマークでは3つのステージで対戦が行われ、ラストでは重いとされる「滝ステージ」もあり、CA演出もあるので、かなり信憑性は高いです。
ベンチマークでのグラフィック設定ではプリセットにある画面品質の「低」「中」「高」で検証しました。また、今回フレンドの方に協力してもらい、オンライン対戦テストを有線/無線どちらの環境でも行いました。結果は以下の通りです。
ベンチマークでは低設定なら「59.7fps」出ていました。低設定にすればCPU戦は快適にプレイできるでしょう。
オンライン対戦も低設定なら快適でした。コンボ中やCAでも、カクつきはほとんどありません。元々ラグありきの先行入力ゲーなので、有線/無線どちらの環境でもお互い何の問題もなく対戦可能です。余談ですが無線環境の方がよく勝てたのはここだけの話です。
ストリートファイターV CE
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解像度 | グラフィック品質 | Ryzen 7 4700U | Ryzen 5 4500U |
1920x1080 | 低 | 59.7 fps | 59.7 fps |
中 | 58.2 fps | 58.05 fps | |
高 | 37.4 fps | 36.6 fps |
結果 | 低設定なら快適な対戦が可能 |
鉄拳7
ステージによってはカクつきあり
続いて、今最も盛り上がっているであろう3D格闘ゲーム「鉄拳7」です。3D格ゲーというだけで負荷がかなりありそうですが、鉄拳7の場合、エフェクトやステージギミックも激しいものが多いです。
3D格闘ゲームでも同様、マルチ対戦でカクつきを失くすために、常に60 fpsを維持させる必要があり、60 fps以下の場合だと対戦相手にも迷惑をかける場合があります。
動作検証には3種のステージでコンボルート練習をし、平均フレームレートを計測。さらにその平均を出した数値を記載しています。グラフィック設定は描画品質プリセットの「低」「中」「高」で行っています。
ちなみに鉄拳7でもフレンドの方に協力してもらい、オンライン対戦テストを有線環境のみで行いました。結果は以下の通りです。
「低」設定なら平均60fpsで快適にプレイできました。ステージによってはレイジアーツ中などフレームレートがやや低下する場面がありますが、コンボ中は特になく問題ないです。
オンライン対戦時は、60 fpsを割ることがあったのであまりおすすめはしません。もしやるなら、なるべく負荷の軽いステージを選んだ方がいいです。
鉄拳7
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解像度 | グラフィック品質 | Ryzen 7 4700U | Ryzen 5 4500U |
1920x1080 | 低 | 60 fps(最大) | 60 fps(最大) |
中 | 46 fps | 45 fps | |
高 | 30 fps | 28 fps |
結果 | 低設定なら快適に動作するがステージによってはカクつきあり |
ウルトラストリートファイターIV
オンライン対戦も快適
最近なぜかストVからの回帰現象が起き始め、人気が再熱しつつあるウル4。快適なオンライン対戦の実装により、第二次格ゲーブームを引き起こし、eスポーツとして認識され始めた原点でもあります。筆者も本作に狂わされた一人です。
動作検証にはゲーム内ベンチマークを使ってフレームレートを計測。動作検証時のグラフィック設定ではすべての項目を「高」に設定しています。
本作はかなり古いゲームなので、内蔵グラフィックスでも快適に動作しますが、問題は快適にオンライン対戦ができるかどうか。なので、こちらでもフレンドの方に協力してもらい、オンライン対戦テストを有線環境のみで行いました。結果は以下の通りです。
平均フレームレートは高く、常時60 fpsで快適にプレイが可能です。
オンライン対戦も有線環境なら問題なく対戦できます。難しいコンボも練習次第では可能です。ただし、一般ノートPCだとモニタの遅延や残像が気になるかもしれません。
ウルトラストリートファイターIV
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解像度 | グラフィック品質 | Ryzen 7 4700U | Ryzen 5 4500U |
1920x1080 | 高設定 | 144 fps | 141 fps |
結果 | とても快適にプレイ可能 |
まとめ
軽めの3Dゲームであれば、グラフィック品質設定を下げることで、Ryzen 7 4700UやRyzen 5 4500Uでもある程度快適にゲームをすることができました。人気のeスポーツタイトルや格闘ゲームまで60fps前後でプレイ出来てしまいます。
ただし、ほとんどの場合は、グラフィック品質を「低」設定にする必要があります。画質は多少妥協する必要があるでしょう。
なお、2020年9月2日には、インテル第11世代Coreプロセッサー「Tiger Lake」の発表がありました。このプロセッサーに内蔵されたグラフィックスは、Ryzen 7 4700UはもとよりGeForce MX330よりも高い性能であるという情報が出ています。国内で、Tiger Lakeが搭載されたノートPCがいつ発売されるかは未定ですが、数か月待てるような方であれば、待ってみてもいいと思います。ただし、Ryzen 7 4700Uが搭載されたノートPCよりは価格が高くなると思うので、あまり予算をかけられなければ、Ryzen 7 4700UやRyzen 5 4500Uを搭載したノートPCを購入してしまってもいいと思います。
Ryzen 4000シリーズ搭載ノートPC
Ryzen 4000シリーズのプロセッサーを搭載したノートパソコンの一覧は、こちらをご覧ください。安いモデルであれば、5万円台で購入可能です。各製品の詳細なレビューもあります。