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デル Inspiron 15 5000(5505) の実機レビュー
CPU | Ryzen 7 4700U Ryzen 5 4500U |
---|---|
メモリ | 8GB |
ストレージ | PCIe SSD |
液晶サイズ | 15.6インチ |
液晶種類 | FHD 広視野角 非光沢 |
質量 | 約1.714kg~ |
バッテリー | 40Wh |
価格[税込] | 5万円台~ |
Inspiron 15 5000(5505)は、Ryzen 5 4500Uを搭載しながら、5万円台で購入できるコストパフォーマンスの高さが特徴のノートPCです。
さらに、液晶の視野角が広く、安いPCにしては液晶が見やすい点も特徴でしょう。
質量も割と軽く、ちょっとした移動や収納に便利です。
ただし、Wi-Fi 6に対応していません。
レビュー機は、当サイトの購入品です。今回は以下の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen 7 4700U、8GBメモリ、512GB PCIe SSD
目次
お忙しい方は、「Inspiron 15 5000(5505)の特徴」のみお読みください。
Inspiron 15 5000(5505)の特徴
Ryzen 4000シリーズ搭載PCの中ではかなり安い
最近、高い処理性能で話題の第3世代Ryzen 4000シリーズ プロセッサーですが、Inspiron 15 5000(5505)は、このプロセッサーを搭載したPCとしてはかなり価格が安いです。(下表参照)。
ただ、レノボのIdeaPad Slim 550 (15)の直販サイトからの発売がまだで、このPCのほうがもっと安く発売されるとは思います。
Inspiron 15 5000 (5505) |
ThinkPad E15 Gen 2 |
HP ENVY x360 15 (AMD) |
||
画像 | ||||
CPU | Ryzen 5 4500U | |||
メモリ | 8GB | 8GB | 16GB | |
PCIe SSD | 256GB | 256GB | 512GB | |
価格[税別] | 58,083円 | 66,040円 | 86,000円 | |
レビュー | ― | レビュー | レビュー |
安くても広視野角液晶を搭載
安い製品は視野角の悪い液晶を搭載しているケースがありますが、本製品は、視野角の広い液晶を搭載しています。液晶の見やすさは大分上がり、眼も疲れにくくなると思います。
約1.714kgからと使いやすい質量
Inspiron 15 5000(5505)は、15.6型と大きめの液晶を備えていながら、質量が約1.714kgからとなっており比較的軽量です。さらに当サイトの計測では、1.598kgともっと軽量でした。
このくらいの質量であれば、部屋を移動するようなケースや、PCを使った後は引き出しなどへ収納するようなケースに便利です。頑張れば持ち出しも可能な質量です。
(自己責任で)デュアルストレージにすることが可能
Inspiron 15 5000(5505)のストレージは、購入時は1台のみ搭載されています。ただし、Type 2280のM.2スロットが1つ空いているため、スキルがあれば底面カバーを外してもう1つ増設することが可能です。ただし、増設は自己責任でお願いします。
メモリは8GBのみだが、換装可能
Inspiron 15 5000(5505)のメモリは、データ転送速度が速いDDR4-3200に対応しているものの、8GBでしかもシングルチャネルのメモリしか選択できません。一般ユーザーはそこまで困らないと思いますが、場合によっては、容量が足りない、もしくはスピードが足りないというケースもあるでしょう。
本製品は、メモリスロットが2つあり、メモリを換装することができます。試しにDDR4-3200の16GB x2に換装してみましたが問題なく認識されました。自己責任となりますが、チャレンジしてみるのもいいでしょう。
Wi-Fi 6には非対応
Inspiron 15 5000(5505)は、最近の新機種が対応していることが多いWi-Fi 6には対応していません。価格とのトレードオフなのかもしれませんが、長く使うことを考えると、Wi-Fi 6に非対応なのは残念です。
指紋認証はオプションなので注意
Inspiron 15 5000(5505)は、指紋認証のための指紋センサーがオプションになっています。選択すると、キーボードの右上にある電源ボタンに指紋センサーが統合されます。指紋認証機能が必要な方はカスタマイズ画面で選択するようにしましょう。
なお、筆者の指のせいかもしれませんが、同じように電源ボタンに指紋センサーが統合されているデルの他機種では、指紋認証の精度はそれほど高くなく、頻繁にPIN入力でログインしています。
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても快適具合は変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 快適です。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ○ | ディスプレイの色鮮やかさはイマイチですが、スピーカー音は悪くありません。 |
RAW現像 画像編集 |
△ | ディスプレイの色域があまり広くないため、画像編集やRAW現像向きではありません。 |
動画編集 | △ | ディスプレイの色域があまり広くない点、外部グラフィックスを搭載していない点から、動画編用途にはあまりおすすめしません。ただ、FHD動画を、カット編集&テロップ挿入するくらいなら使えると思います。 |
ゲーム | △ | CPU内蔵グラフィックスとしては性能が高く、軽いゲームなら60fps前後のフレームレートが出るものもありますが、GeForce MX250の性能にも及ばないことから、ゲームをするなら、外部グラフィックスを搭載したモデルがおすすめです。 |
ディスプレイのチェック
ディスプレイのチェックです。
色域は狭いものの視野角は広いです。クリエイターが使うには色域不足ですが、一般ユーザーが使うには十分な品質だと思います。最大輝度は、当サイトの計測では264cd/m2で普通です。その他の特性については以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域
- RGB
発色特性 - 視野角
- 画素・
ギラつき - 映り込み
- フリッカー
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードのチェックです。
実測でキーピッチは、横:19mm、縦:18mmで、キーストロークは約1.4mmです。キートップはほぼフラットで、押しやすさは普通です。
ただし、デルのPCでよくある、一つの枠に複数のキーが配置される部分(バックスペース、エンター、スペースキーの部分など)があります。特にバックスペースが小さいので、慣れないと押し間違えることがあります。
タッチパッドは操作しやすいと思います。
キーボードバックライトも搭載しています。
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
CPU
CPUには、第3世代Ryzen Mobile 4000 Uシリーズを搭載しており、一般向けユーザー向けプロセッサーとしては、高い性能です。
~ CPU性能の評価 ~
※[レビュー機で計測]と書かれていないCPUは、他のPCで計測した代表値です
グラフィックス
グラフィックスは、CPU内蔵グラフィックスとしては高い性能です。ただし、今回メモリがシングルチャネルであるため、デュアルチャネルのPCで計測したときよりも、スコアが低いです。
~ グラフィックス性能の評価 ~
※[レビュー機で計測]と書かれていないグラフィックスは、他のPCで計測した代表値です
メモリ
メモリはDDR4-3200と高速ですが、シングルチャネルです。前述しましたが、メモリスロットは2つあるので、自分で換装すれば、デュアルチャネルにすることも可能です。
ストレージ
ストレージには、PCIe-NVMe SSDを搭載しており高速です。
~ ストレージ性能の評価 ~
※[レビュー機で計測]と書かれていないストレージは、他のPCで計測した代表値です
SDカードスロット
micro SDカードスロットを搭載していますが、速度は遅いです。
その他のベンチマーク
その他のベンチマーク、LightroomやPremiere Proの書き出し時間などについては、下のリンク先をご覧ください。他の機種で計測したスコアではありますが、ほぼ変わらないので参考になると思います。
フォートナイトやPUBG、VALORANT、Apex、ストV、鉄拳7などのゲームのフレームレートについては下のページにまとめましたので、こちらもご覧ください。
クリエイターソフトの処理時間
以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間です。
エンコード時間 | |
x265でエンコード (※1) | 16分18秒 |
QSVでエンコード (※2) | 1分35秒 |
NVENCでエンコード (※3) | ― |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
※3 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cポートを利用して、純正以外の充電器やドックが使えるかを試しました。
Thunderbolt 3 には対応していませんが、映像出力には対応しています。Power Deliveryにも対応しており、30W以下の充電器では充電できませんでしたが、45W以上の充電器では充電できました。
充電 | モニター 出力 |
有線LAN | ||
ドック | ThinkPad USB Type-C ドック | 〇 | 〇 | 〇 |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | ○ | × | × | |
PD充電器 ※1 |
65W ZHOULX充電器 | 〇 | ― | ― |
45W Lenovoウルトラポータブル | 〇 | ― | ― | |
30W RAVPower充電器 | × | ― | ― | |
18W cheero充電器 | × | ― | ― | |
5V充電器 ※2 | 5V/2.4A ANKER充電器 | × | ― | ― |
5V/2.4A AUKEY充電器 | × | ― | ― | |
モニター ※3 |
EIZO ColorEdge CS2740 | 〇 | 〇 | ― |
Philips 258B6QUEB/11 | 〇 | 〇 | 〇 |
※2 スマホやタブレット向けの5Vの充電器
※3Type-Cケーブルで接続し、PCへの給電も出来るモニター
HDMIの動作チェック
4KテレビへHDMIで接続したときの詳細です。4K、YCbCr444で表示は出来ていますが、リフレッシュレートは最大で30Hzでした。
質量のチェック
質量のチェックです。
メーカーサイトには「最小重量:1.714kg」とありますが、当サイトの計測値はそれよりもかなり軽い1.598kgでした。
質量 | |
PC本体 | 1.598kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 262g |
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量をフリーソフトで確認すると、40Whでした。普通の容量です。
バッテリー駆動時間は下の通りで、普通の駆動時間です。
なお、バッテリー時に画面がかなり暗くなりますが、「AMD Radeon Settings Lite」を起動し、「Vari-Bright」をオフにすれば、通常の輝度に戻ります。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA2.0 | 非掲載 |
(2) PCMark 10 Modern Office | ― |
(3) 動画再生時 | 6時間17分 |
(4) PCMark 8 Work | 6時間16分 |
(1) メーカー公表値
(2) 文書作成、ブラウジング、ビデオ会議といった事務作業。アイドル時も多く軽めの処理
(3) ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
(4) ブラウザでのショッピング/画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャット等。やや重めの作業
1時間あたりの充電量は次の通りで、充電速度は普通です。
カメラ・マイク・スピーカーのチェック
Webカメラ
Webカメラの解像度は1280x720です。画質はノートパソコンとしては標準的です。ただし、1万円台の少しいいWebカメラと比較すると、画質は落ちます。
マイク性能
マイク性能も普通です。Zoomのアプリでビデオ通話をしたときの音声を確認しましたが、ややエコーがかかったような状態になります。ただし、1万円台の少しいいマイクと比べると、音質はやや落ちます。
スピーカー
スピーカーは底面に配置されています。音質はやや良く、ノートPC基準で10点満点で5~6点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は大きく変わります。
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時はほぼ無音です。高い負荷がかかっても、やや低めの騒音値です。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
パーツの温度のチェック
ここでは、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時の温度のみを掲載します。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
エンコード開始から3~4分間は高いCPUクロックで推移するため、CPU温度も高いですが、CPUクロックが落ち着くと、70℃台の温度で推移しているので、問題ないと思います。多少CPUクロックが落ちても十分速いです。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
やや低めの温度です。パームレスト部分の温度には、ほとんど変化がないので、作業中でも不快に感じることはあまりないでしょう。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
TDP 15Wのプロセッサーですので、消費電力も低めです。
外観のチェック
Inspiron 15 5000(5505)のボディは、アルミ外装シェルとなっています。タッチパッド周辺にはダイヤモンドカットも施されており、質感の高い外見です。
天板の画像です。
液晶を開くと、キーボードの後部が持ち上がる構造ですが、ゴム製ヒンジキャップが接地するため、安定感に優れています。また、閉じた状態でもゴム製のヒンジが手になじみ、取り扱いもしやすくなっています。
排気口は、キーボード上部にあり、排気熱が液晶に当たってしまいます。
インターフェースにUSB 3.2 Type-C、HDMIがあるのは良かったですが、SDカードスロットがmicroSDにしか対応していない点、Thunderbolt 3に対応していない点は残念です。
液晶が開く最大の角度です。
底面です。
底面カバーネジを外して、引っ張り上げれば外れます。
メモリスロットは2つです。
搭載されていたSSDは、Type 2230です。なお、ネジが止まっている銀色の金具は外すことができ、向きを変えるとType 2242、左側に取り付けるとType 2280のM.2 SSDも取り付けることが可能です。
Type 2280の空きのM.2スロットが1つあります。
ACアダプターは、45Wです。
まとめ
Inspiron 15 5000(5505)は、Ryzen 5 4500U、8GBメモリ、256GB SSDというミドルスペック構成で、5万円台(税別)から購入できるコストパフォーマンスの高い製品です。
Ryzen 4000シリーズを搭載した15.6型ノートパソコンとしては、最安クラスの価格ですが、視野角の良い液晶を搭載しており、十分な品質です。
当サイトの計測値では、質量が1.598kgと、15型クラスのノートパソコンとしては比較的軽い点もメリットです。
メモリが8GB固定である点はデメリットです。不足する方もいると思います。ただし、自己責任になりますがメモリは増設することが可能です。
また、空きのM.2スロットもあるので、こちらも自己責任となりますがM.2 SSDを増設することで、SSD + SSDの構成にすることも出来ます。
Wi-Fi 6およびThunderbolt 3に対応していない点は残念ですが、一般ユーザーは妥協できる点ではないかと思います。
Ryzen 5 4500U搭載で5万円台!
Inspiron 15 5000(5505)
特徴
- Ryzen 4000 Uシリーズ搭載
- 15型クラスのノートにしては軽量
- やや詳しい方なら、メモリやM.2 SSDの増設が可能
こんなあなたに
- コスパの高いノートPCが欲しい
- 価格5万円台[税込]~
- 一言高コスパ
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製品の概要をまとめた動画も作成しました。
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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