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ASUS ROG Flow Z13(2025)GZ302の実機レビュー/Strix Halo搭載で驚きの性能

CPU | Ryzen AI Max+ 395 Ryzen AI Max 390 |
---|---|
メモリ | 32GB / 64GB |
ストレージ | 1TB SSD |
画面サイズ | 13.4型 16:10 |
画面種類 | 2560x1600 光沢 180Hz |
質量 | タブレットのみ:約1.20kg タブ+キー:約1.59kg |
バッテリー | 70Wh |
価格[税込] | 37万円台~ |
ASUS ROG Flow Z13 GZ302は、AMDの最新の超高性能プロセッサー「Strix Halo」を搭載したタブレットPCです。
高性能ゲーミングノートPCクラスのCPU性能に、RTX 4050クラスのGPU性能を持つ最強のプロセッサーを搭載し、ゲームや動画編集といった作業も快適に行えます。
Surface Proのように、キーボードを取り外すことが可能で、タブレットとしても使用することができます。
販売サイト
レビュー機は、メーカーからの貸出機です。一部部材は量産品と違う可能性があります。今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Ryzen AI Max+ 395、64GBメモリ、1TB SSD
目次
お忙しい方は、「ROG Flow Z13 GZ302の特徴」のみお読みください。
ROG Flow Z13 GZ302の特徴
非常に高い性能のCPU
ROG Flow Z13 GZ302は、開発コード名「Strix Halo」という最新のプロセッサーを搭載したタブレットPCです。
いくつか選択肢がある中で、今回は「Ryzen AI Max+ 395」というプロセッサーを搭載していますが、非常に性能が高かったです。
CINEBENCH 2024のスコアを見ると、高性能ゲーミングノートPCに採用されるCore i7-14700HXよりも高いマルチコアスコアでした。タブレットPCに搭載されているとは思えない性能です。

内蔵グラフィックス性能も非常に高い
さらにこのプロセッサーは、Radeon8060SというGPUを内蔵しており、CPU内蔵GPUとしてはかなり性能が高いです。3DMarkのスコアを見ると、GeForce RTX 4050の独立GPU以上の性能が出ており、ゲームも軽々できます。

2.5Kの広色域ディスプレイ
本製品は、2.5Kと高い解像度で、100% DCI-P3クラスの広い色域のディスプレイを搭載しており、色鮮やかな表示が可能です。有機ELではなく、液晶ディスプレイを搭載しているため、フリッカー(ちらつき)がないのもメリットです。
また、タッチパネルおよびペンにも対応しています。なお、ペンは付属していないので自分で購入する必要があります。なお、試してみた限りだと、MPPペンなら使用することができました。

タブレットとしても使える
キーボードは取り外しができるので、Surfaceのように、タブレットとして使うこともできます。スタンドが搭載されているので、自立させることもできるので、動画を鑑賞するときなどに便利です。
また、自宅では、外付けの自分好みのキーボードを使いたいような方にも適していると思います。


ROG Zephyrus G14との比較
以上のように、持ち出すことができる軽さで、ゲームもできる性能のPCとしては、非常に優れていますが、37万円台からと価格が高いです。
30万円以上出せるなら、ASUSには、軽くてゲームもできる性能のノートPCが他にもあります。それはROG Zephyrus G14です。この製品は、ROG Flow Z13よりも軽く、バッテリー駆動時間もほぼ変わりません。CPU性能は劣りますが、グラフィックス性能はROG Zephyrus G14のほうが高いです。タブレットになる必要がなければ、ROG Zephyrus G14もいいと思います。こちらも合わせてご検討下さい。
ROG Flow Z13 | ROG Zephyrus G14 | |
画像 | ![]() |
![]() |
CPU | Ryzen AI Max+ 395 Ryzen AI Max 390 |
Ryzen 7 8845HS Ryzen 9 8945HS |
GPU | CPU内蔵 | RTX 4060 RTX 4070 |
質量 | 約1.59kg (キーボード含む) |
1.473kg |
バッテリー駆動時間 JEITA3.0 動画再生時 |
約10.6時間 | 約11.2時間 |
価格 | 37万円台~ | 32万円台~ |
レビュー | レビュー |
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 快適です。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | 映像が綺麗なので動画も観やすいです。スピーカー音もまずまずです。 |
RAW現像 画像編集 |
◎ | 画面は小さいですが、色域の広いディスプレイを搭載し、性能も高く、快適に画像編集などができます。 |
動画編集 | ◎ | 独立GPU並の内蔵GPUを搭載し、動画編集も快適です。 |
ゲーム | ◎ | グラフィック設定を調整すれば、ほとんどのゲームができます。AMD RSRやAFMFも使えます。 |
ディスプレイのチェック
ROG Flow Z13 GZ302のディスプレイは、前述の通りです。
詳細は、以下のタブをクリックしてご覧ください。
- 色域・輝度
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
色域は広いです。当サイトの計測ではDCI-P3カバー率は97%でした。最大輝度は、当サイトの計測では512cd/m2と高いです。

ガンマ補正曲線を確認すると、どの色も揃っており、自然な発色であることが分かります。

視野角は広いです。

光沢液晶であるため、画面への映り込みがあります。ギラつきもそれほど感じません。

PWM調光によるフリッカーはありません。

※フォトディテクターにオシロスコープを繋げて計測
キーボードおよびタッチパッドのチェック
ROG Flow Z13 GZ302のキーボードは、普通の打ちやすさです。
キーピッチは十分あり、キーストロークは実測で約1.5mmです。キートップはやや湾曲しており、指がフィットしやすいです。ただ、「半角/全角」、「\」、「Backspace」のキーはやや小さいです。また、Enterもそこまで大きくありません。

※画像をクリックすると拡大できます

キーボードバックライトも搭載しており、カラーも変えることができます。

パフォーマンスのチェック
ROG Flow Z13 GZ302のパフォーマンスをチェックします。
今回は、デフォルトの「パフォーマンス」モードと、高い性能が出る「Turbo」モードでベンチマークを計測します。

CPU
今回、Ryzen AI Max+ 395を搭載しており、マルチコア性能が非常に高いです。薄型のタブレットPCに搭載されているCPUとは思えない驚愕のパフォーマンスです。
シングルコア性能もまずまずです。

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
~ CPU性能の評価 ~

なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
メモリ
本製品は、LPDDR5X-8000を8枚搭載し、256GB/sのメモリ帯域幅を実現したユニファイドメモリを採用しています。PassmarkのMEMORY MARKのスコアを見ると、Memory Read Uncachedや、Memory Wirteのスコアが高いです。
~ メモリ性能の評価 ~

グラフィックス
グラフィックスは、Radeon 8060Sを内蔵しており、CPU内蔵GPUとは思えないベンチマークスコアが出ています。最大グラフィックスパワーが140Wと高いGeForce RTX 4050 Laptop GPUよりも高いスコアが出ていました。

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
W(ワット):最大グラフィックスパワー
NPU
NPU性能は最大 50 TOPSと高めです。
~ NPU性能の評価 ~
:レビュー機のTOPS
ストレージ
ストレージも高速です。
~ ストレージ性能の評価 ~

:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
その他のベンチマーク
下のリンク先に、このPCで計測した他のベンチマークスコアを掲載しています。GeekbenchやPassmark、Adobe Lightroom Classic、Premiere Proなどの処理時間も掲載しています。
ゲームベンチマーク&フレームレート
続いて、ゲーム性能をチェックします。
ファイナルファンタジー 14 黄金のレガシー
「ファイナルファンタジー 14 黄金のレガシー」ベンチマークソフトを、1920x1200、最高品質の設定で実行したところ、スコアが「10863」、平均フレームレートが「80 fps」と高い数値でした。

モンハンワイルズ
モンハンワイルズのベンチマークについては、1920x1200、ウルトラ設定で実行したところ、スコアが「14016」、平均フレームレートが「82.36 fps」と、こちらも高い数値でした。

その他のゲーム
その他、ARK: Survival Ascended、パルワールド、サイバーパンク2077、フォートナイト、Apex、原神などのテスト結果は、下のリンク先に掲載しています。
質量のチェック
ROG Flow Z13 GZ302の質量のチェックです。
当サイトで計測した質量は下の通りで、高性能CPUを搭載している点を考慮すると軽いです。
質量 | |
タブレットPC本体 | 1.230kg |
タブレットPC本体+キーボード | 1.624kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 546g |
バッテリー駆動時間のチェック
ROG Flow Z13 GZ302のバッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は70Whと大きい容量です。
(1)のアイドル時や、(2)の動画再生時のような低い負荷の場合は、そこそこバッテリーはもちますが、当サイトで計測した(3)のやや負荷をかけたときのバッテリー駆動時間は短めです。
なお、バッテリー駆動状態にすると、「サイレント」モードに移行するので、パフォーマンスが下がる代わりに消費電力は抑えられていると思われます。そのため、(1)や(2)が思ったよりも長めのバッテリー駆動時間になっています。
バッテリー駆動時間 | |
(1) JEITA3.0(アイドル時) | 約16.8時間 |
(2) JEITA3.0(動画再生時) | 約10.6時間 |
(3) 動画編集ソフトでプレビュー再生 | 2時間57分 |
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生させたとき。画面輝度は約120cd/m2
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU温度およびCPU電力の推移を確認します。なお、今回テストしたCPUのデフォルトTDPは55Wです。
CPU電力は、「パフォーマンス」モードの場合、50Wを下回っており低めです。「Turbo」モードの場合は60~70Wで推移しており高めでした。
CPU温度は、「Turbo」モードの場合はやや高めですが、問題ない範囲です。


静音性のチェック
ROG Flow Z13 GZ302の動作音(静音性)のチェック結果です。なお、静音性、表面温度、消費電力は「パフォーマンス」モードで計測しています。
動作音は、静かでも煩くもなく普通です。
アイドル時 | 低負荷時 [YouTube再生] |
中負荷時 [動画編集] |
高負荷時 [FF15ベンチ] |
約27dB | 約29dB | 約40dB | 約42dB |
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
アイドル時:アイドル時
低負荷時:1080pのYouTube動画再生時
中負荷時:Premiere Proで、編集中の1080pの動画をプレビュー再生した時
高負荷時:FF15ベンチ実行時
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

表面温度のチェック
今回、キーボードが外付けなので、表面温度は計測していません。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
普通のノートPCよりは高めですが、ゲーミングノートPCよりは低い消費電力です。
ゲームをしても100Wくらいに収まっていたので、100W程度のUSB PD充電器につないでも、大きくフレームレートが下がることなく、ゲームができると思います。
アイドル時 | 低負荷時 [YouTube再生] |
中負荷時 [動画編集] |
高負荷時 [FF15ベンチ] |
22W | 32W | 79W | 98W |
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています
外観のチェック
ROG Flow Z13 GZ302の外観のチェックです。
タブレットとしても使えますし、スタンドを広げると、下図のように自立させることもできます。

背面から見た画像です。

ヒンジは無段階に調節できます。

キーボードはマグネットで装着することができます。

キーボードを接続したときの外観です。キーボードは後方が持ちあがります。

キーボードを含めたボディの高さはご覧のようになっており、薄いです。


0.8x4Wのスピーカーを搭載し、音質はやや良いと思います。ノートPC基準で、10点満点で採点すると6点くらいです(普通が5点。あくまで筆者独自の判断です)。

インカメラは503万画素と高解像度です。IRカメラも搭載し、顔認証によるログインが可能です。
アウトカメラも搭載しており、こちらは1,312万画素を非常に高い解像度です。


USBポート類は、USB4(Type-C)が2つ、USB3.2(Type-A)が1つあります。USB4は、PowerDeliveryおよび映像出力に対応しています。
その他、HDMI、microSDカードスロットがあります。


スタンドは、下図の角度まで開きます。

背面は、電源を入れると、シルバーの部分から中の基板が見えるようになっていて、かっこいいです。冷却ファンは2つです。


ACアダプターは200Wで、大きめのサイズです。ただ、ゲームをしても100Wくらいの消費電力だったので、USB PD充電器でもある程度作業ができると思います。



まとめ
以上が、ROG Flow Z13 GZ302のレビューでした。
今回、初めてRyzen AI Max+ 395を使いましたが、CPU性能もGPU性能もかなり高かったです。
CPU性能は、高性能ゲーミングノートPC並に高く、GPU性能は、GeForce RTX 4050 Laptop GPU以上の性能です。小さなボディのタブレットPCで、この高いパフォーマンスを出せていることに驚きです。
普段使いはもちろん、動画編集やゲームも快適に行えるでしょう。
それでいて質量も軽く、ボディもコンパクトなので、持ち運びに便利です。
消費電力も、普通のノートPCよりは高いですが、ゲーミングノートPCでゲームをするよりは低いです。ただ、動画編集など、やや高めの負荷をかけるとバッテリー駆動時間はそこまで長くありません。外出先へ持ち運ぶときは、ACアダプターもしくはUSB PD充電器を持ち歩くことを推奨します。
価格は高いです。
Strix Halo搭載で驚愕の性能
ROG Flow Z13 GZ302

特徴
- Strix Haloの高性能プロセッサー搭載
- 広色域液晶ディスプレイ
- タブレットとしても使える
こんなあなたに
- 外出先でもクリエイティブワークをしたい方
- 外出先でもゲームをしたい方
- 価格37万円台~
販売サイト

1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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