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VAIO SX14-Rの実機レビュー
CPU | Core Ultra 5 125H Core Ultra 7 155H |
---|---|
メモリ | 16GB~64GB |
ストレージ | 256GB ~ 2TB SSD |
液晶サイズ | 14インチ (16:10) |
液晶種類 | 1920x1200 非光沢 2560x1600 非光沢 タッチ 2560x1600 光沢 タッチ |
WWAN | 5G / 4G (LTE) |
質量 | 約999g~ |
バッテリー | 最大70Wh |
価格 | 25万円台~ |
VAIO SX14-Rは、1kgを切る軽さで、LTE/5Gにも対応した高級モバイルノートPCです。
カラーラインナップも多く、新機種ではさらに「ディープエメラルド」のカラーも追加されました。従来からある勝色特別仕様のカラーや、ALL BLACK EDITIONも特別感があります。
標準バッテリーの他に、大容量バッテリーを選択することができるようになったのもメリットです。
価格は高めですが、それに見合う価値のモバイルノートPCです。
レビュー機はメーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core Ultra 7 155H、64GBメモリ、512GB SSD
目次
お忙しい方は、「VAIO SX14-Rの特徴」のみお読みください。
VAIO SX14-Rの特徴
1kgを切ったVAIO SX14シリーズ
従来機種のVAIO SX14は、「約1.046kg~」と微妙に1kgを超えていましたが、新しくなったVAIO SX14-Rは「999g~」と1kgを切ってきました。
そこまで大きく軽くなったわけではありませんが、数字の見た目はいいです。
大容量バッテリーも選択可能
従来の標準バッテリーの他に、大容量バッテリー(70Wh)も選択することができるようになりました。
大容量バッテリーを選択すると、少し質量が重くなりますが、バッテリー駆動時間を重視するなら、大容量バッテリーを選択するといいでしょう。
なお、標準バッテリーの容量は、PCWatchさんの記事を見ると51Whのようです。
豊富なカラーリング
VAIO SX14-Rは、カラーリングの多さも魅力です。今回、新たに「ディープエメラルド」というグリーン系のカラーが加わりました。なかなか見ない色なので、個性的なPCを持ちたい方におすすめです。
また、従来通り、特別感のある勝色特別仕様とALL BLACK EDITIONもあります。
選べるディスプレイ
VAIO SX14-Rは、3種類のディスプレイが選べます。
解像度は1920x1200と2560x1600の2種類で、タッチパネル有りと無しおよび、グレアとアンチグレアがあります。用途によってディスプレイを選べるのはメリットです。
画面比は、従来機種は16:9でしたが、VAIO SX14-Rは16:10となりました。縦方向の比率が上がったので、縦長のWebページや文書が見やすくなりました。
ワイヤレスWAN(LTE/5G)に対応
オプションで、ワイヤレスWAN(LTE/5G)に対応するのも特徴です。しかも、4G LTEなら+15,000円と安いです。5Gでも+30,000円です。
また、VAIOでは、LTEデータ通信サービスも提供しています。以前、利用していたことがありますが、利用者が少ないのか、昼や夜でも速度がそれほど下がらず使うことが出来ていました。5Gでの通信はできませんが、LTEでも構わないという方にはおすすめです。
USB-Cは両側面に配置
一般的なノートPCは、USB-Cポートが2つあっても、どちらかの側面にのみ搭載されていることが多いですが、VAIO SX14-Rは両側面に配置されています。電源タップがどちら側にあっても、充電器が挿しやすいので便利です。
その他、HDMI、USB-A、LANポートがあり、ポート類は豊富です。
片手で持ちやすい
VAIOシリーズは、天板を開くと、下側に回り込むようになっているので、片手で持ちやすい点も、地味に嬉しいです。
やや残念な点
VAIO SX14-Rのやや残念な点は、1世代古いインテル Core Ultra シリーズ1のプロセッサーである点です。ただ、シリーズ1も比較的省電力ですし、CINEBENCHでは、シリーズ2よりもマルチコア性能は高いので、シリーズ1でも悪くはないと思います。
もう1つ気になるのは、スピーカーが正面側にあるので、タイピングをするとスピーカーを塞ぐ形になる点です。タイピング中は音がややこもります。
各用途の快適度
各用途の快適度は次のように考えます。もちろん、細かい用途や、ソフトによっても変わってきますので、参考程度にご覧下さい。
用途 | 快適度 | コメント |
Web閲覧 Office作業 |
◎ | 画面比が16:10になり、Web閲覧やOffice作業がより快適になりました。 |
---|---|---|
動画鑑賞 | ◎ | ディスプレイが比較的色鮮やかなので、動画鑑賞も快適です。スピーカー音は普通です。 |
RAW現像 画像編集 |
○ | sRGB 100%クラスのディスプレイなので、画像編集などの用途にも使用可能です。 |
動画編集 | △~○ | FHD動画の簡易的な動画編集ならできます。 |
ゲーム | △~○ | ゲーム向きのPCではありませんが、軽いゲームであればプレイ可能です(詳細)。 |
ディスプレイのチェック
VAIO SX14-Rのディスプレイは、14型とモバイルノートにしては大きめの画面で見やすいです。
以下の3種類から選択することができます。
ディスプレイ
(1) 1920x1200 非タッチ アンチグレア
(2) 2560x1600 タッチ アンチグレア(デジタイザーペン非対応)
(3) 2560x1600 タッチ グレア(のぞき見防止フィルター非対応)
今回は、(3)のディスプレイを搭載しており、以下のような特性となっています。タブもクリックしてみて下さい。
- 色域・輝度
- RGB
発色特性 - 視野角
- 映り込み・
ギラつき - フリッカー
キーボードおよびタッチパッドのチェック
VAIO SX14-Rのキーボードは比較的打ちやすいです。
主要なキーについて、小さいキーが無い点がメリットです。Enterキーも大きく押しやすいです。キートップもやや湾曲しており、指の収まりがよく、隣のキーを誤って押してしまうことが少ないです。
タッチパッドの操作性は普通です。クリックボタンが独立しているのはいいですが、縦幅が狭いので、見ないでクリックしようとすると、探しにくかったです。ただ、慣れればそんなこともなくなると思います。
キーは、かな文字ありと、かな文字なしと、さらに隠し刻印(プレミアムエディション限定)が選べます。今回は隠し刻印となっており、刻印が目立ちにくくなっています。ただ、バックライトをオンにしていないと結構見にくいです。
キーボードバックライトも搭載しています。
パフォーマンスのチェック
VAIO SX14-Rのパフォーマンスのチェックです。
本製品は、VAIOの専用ソフトから、動作モードを変更することができます。ここではデフォルトの「標準」と、最も性能が出る「パフォーマンス優先」でテストをしています。
CPU
CPUは、インテル Core Ultraシリーズ1が搭載されています。
今回は、Core Ultra 7 155Hが搭載されており、CINEBENCHのスコアは下のようになっています。マルチコアもシングルコアも、モバイルノートPCとしては高いスコアです。
なお、高負荷時のCPU電力、CPU温度は「パーツの温度のチェック」で記載しています。
メモリ
メモリはLPDDR5X-6400で広い帯域です。なお、オンボードメモリなので換装はできません。
グラフィックス
Core Ultraシリーズ2(Core Ultra 7 258V)ほどではありませんが、グラフィック性能も高いです。
~ グラフィックス性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
※グラフィックス名の横の括弧は、メモリの仕様
ストレージ
ストレージには、PCIe Gen4 SSDを搭載しており高速です。
~ ストレージ性能の評価 ~
:レビュー機で計測したスコア(他のスコアは別のPCで計測した代表値)
その他のベンチマーク
Core Ultra 5 125HとCore Ultra 7 155Hのその他のベンチマークスコアについては、こちらのリンク先をご覧ください。他のPCで計測したスコアですが、参考になると思います。
USB Type-C / HDMIの動作テスト
USB Type-Cの動作チェック
USB Type-Cポートは2つあり、Thunderbolt4に対応しています。
PowerDeliveryおよび映像出力にも対応しています。PowerDeliveryは、18WのPD充電器も使えました。
HDMIの動作チェック
4KモニターへHDMIで接続したときの詳細です。4K/60Hz/RGBで出力できていました。
質量のチェック
VAIO SX14-Rの質量は、最も軽いモデルが999gとなっています。
ただし、大容量バッテリーを選択した場合や、ワイヤレスWAN(4G/5G)を選択した場合は、もっと重くなります。
今回の構成での質量の実測値は、次の通りで、最小質量構成よりも、やや重くなっています。
大容量バッテリー 5G ワイヤレスWAN |
|
PC本体 | 1.236kg |
ACアダプター+電源ケーブル | 195g |
なお、搭載されていた5Gモジュールは、インテルの「5G Solution 5000」でした。
バッテリー駆動時間のチェック
VAIO SX14-Rは、標準バッテリーと大容量バッテリーがあり、後者のバッテリー容量は、約70Whでした。標準バッテリーは、前述の通り51Whのようです。ただ、従来モデルと同じという情報もあるので、もしかすると53Whかもしれません。
バッテリー駆動時間は下表の通りです。液晶解像度や、搭載バッテリーによって駆動時間が異なります。
今回、当サイトでは、2560x1600液晶、大容量バッテリーの構成で、(3)のテストを行いましたが、比較的長かったです。
2560×1600液晶 | 1920×1200液晶 | |||
標準 バッテリー |
大容量 バッテリー |
標準 バッテリー |
大容量 バッテリー |
|
(1) JEITA3.0 (アイドル時) |
約19.5~20.0時間 | 約26.0~28.0時間 | 約26.0~27.0時間 | 約35.0~38.0時間 |
(2) JEITA3.0 (動画再生時) |
約8.0~9.5時間 | 約12.0~13.0時間 | 約10.0~11.0時間 | 約14.0~16.0時間 |
(3) 動画編集ソフトで プレビュー再生 |
ー | 7時間57分 | ー | ー |
(3) Premiere Proで480x320の動画をプレビュー再生させたとき。画面輝度は約120cd/m2
Webカメラ・スピーカーのチェック
Webカメラ
Webカメラは、4K(9.2MP)となっており、解像度はかなり高いです。オンライン会議でここまで高い解像度は不要ですが、場合によっては活用できるでしょう。実際の映像も綺麗です。
Webカメラシャッターも搭載し、Windows Hello 顔認証にも対応しています。
スピーカー
スピーカーは、正面側に配置されています。最大音量は大きいですが、音質は普通です。ノートPC基準で10点満点で5点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
また、タイピングをしていると、ちょうど腕の下にスピーカーがくるので、音がややこもります。そこはやや気になります。
マイク
マイクは、ディスプレイの上部に2つありますが、その他に、ボディの側面にビームフォーミング用のマイクも配置されています。これにより、ディスプレイの背面にいる人やノイズなどを検出しやすくしているそうです。
パーツの温度のチェック
Prime95実行時のCPU温度
Prime95で全CPUコアの使用率が100%になる高い負荷をかけたときのCPU電力およびCPU温度の推移を確認します。※グラフに間違いがあったので再掲載しました。
「標準」モードのときは、CPU電力は段階的に下がっており、約1分は高めのCPU電力ですが、その後は約20Wと低めのCPU電力です。このときのCPU温度は問題ありません。
「パフォーマンス優先」モードのときは、PBPの28Wを超える高いCPU電力で推移していますが、CPU温度は90℃を超える区間が長く高めの温度です。
- 標準
- パフォーマンス優先
静音性のチェック
VAIO SX14-Rの動作音(静音性)のチェック結果です。
アイドル時や低めの負荷のときはとても静かです。高い負荷をかけるとそれなりの騒音値になりますが、静かなほうです。
アイドル時 | 低負荷時 [YouTube再生] |
中負荷時 [動画編集] |
高負荷時 [エンコード] |
約22dB | 約23dB | 約25dB | 約36dB |
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
アイドル時:アイドル時
低負荷時:1080pのYouTube動画再生時
中負荷時:Premiere Proで、編集中の1080pの動画をプレビュー再生した時
高負荷時:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコード(x265)した時
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。特に、手のひらを置くパームレストの温度変化は重要です。
高めの負荷をかけると、左手側がやや熱く感じてきます。タイピングしているとやや気になります。ただし、低めの負荷のときは、それほど気になりません。
底面については、通気口がないので、膝の上に置いても通気口を塞ぎません。他の機種と比べると膝置きしやすいです。ただ、負荷をかけると熱くなってくるので、低温火傷に気を付けましょう。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、約10分経過後から確認できた最も高い数値を掲載しています。
全体的に低めの消費電力です。
アイドル時 | 低負荷時 [YouTube再生] |
中負荷時 [動画編集] |
高負荷時 [エンコード] |
7W | 13W | 18W | 30W |
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています
外観のチェック
VAIO SX14-Rの外観のチェックです。
今回、勝色特別仕様となっており、キーボードも隠し刻印となっているので、シックでかっこいいです。
天板はカーボン素材で出来ており、ロゴや下の側面がゴールドに輝いており素敵です。
ボディの高さは、13.9~18.9mmとなっており薄いです。
電源には、指紋認証装置が統合されています。
側面のポート類です。Thunderbolt4、HDMI、LANなど、多くのポートがあります。
ディスプレイは、約180度開きます。
底面は、従来機種はガラス繊維強化樹脂を採用していましたが、今回の新機種では、カーボンを採用しています。
ACアダプターは65Wで、サイズが比較的小さいので持ち歩きに便利です。
まとめ
以上が、VAIO SX14-Rのレビューでした。
軽くて、デザインも良く、ワイヤレスWAN(LTE/5G)にも対応した高級モバイルノートPCです。
また、70Whの大容量バッテリーを選択することができ、バッテリー駆動時間を重視する方にも適しています。
カラーラインナップも多く、「ディープエメラルド」というグリーン系のカラーも、新色として加わりました。
日本のメーカーらしく、タイピングしやすいキーボードを搭載し、ディスプレイも16:10になったことで、仕事がしやすいです。
インテル Core Ultraシリーズ2ではなくシリーズ1のプロセッサーだった点がやや残念ですが、シリーズ1でも、比較的省電力で、性能も高めなので、一般的なユーザーにはこのプロセッサーでも十分でしょう。
999gでLTE/5Gにも対応
VAIO SX14-R
特徴
- 1kgを切る軽さ
- LTE/5Gに対応
- 大容量バッテリーも選択可能
- デザインが素敵
こんなあなたに
- 高級感のあるPCを持ち歩きたい方
- どこでもすぐにインターネットを使いたい方
- 価格25万円台[税込]~
動画レビュー
製品の概要をまとめた動画も作成しました。
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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