Ryzen 7 3700Xのベンチマーク

更新日:2019年8月5日

このページでは、AMDより発売された話題のZen2こと、第3世代Ryzenプロセッサーの「Ryzen 7 3700X」のベンチマークスコアを掲載します。

結果概要

お忙しい方のために、結果の概要だけ先に紹介します。

下図は、CPU性能を評価する「CINEBENCH R15」のマルチコアのベンチマークスコアです。

Ryzen 7 3700Xは、インテル「Coffee Lake」シリーズと比較すると、最上位モデルであるCore i9-9900Kとほぼ同等のスコアで、同価格帯のCore i7-8700Kと比較すると、約1.5倍も速いスコアでした。非常に高いコストパフォーマンスです。

CINEBENCH R15(マルチコア)
Ryzen 7 3700X 2091
Core i9-9900K 2033
Core i7-9700K 1531
Core i7-8700K 1432
※グレーのバーは他のPCで計測した代表値

 

Ryzen 7 3700Xの仕様

同じCPUメーカーとしてインテルのライバルとも言われるAMD。業界の2番目として常にインテルの一歩後ろを進んできたイメージですが、ついに今回インテルを脅かす様な、革命とも言えるべきCPUと登場させたのです。

第3世代Ryzenプロセッサーは、新「Zen2」アーキテクチャを採用したCPUで、7nmプロセスルールによる微細化により、消費電力も抑えられています。何より価格がインテルCPUより抑えられており、性能も同等以上です。

第3世代Ryzenは「Ryzen 9 3950X」を最上位モデルとし、その下に「Ryzen 7 3800X」、今回レビューした「Ryzen 7 3700X」、「Ryzen 5 3600X」とさらに下位モデルもラインナップされています。

下の表は第3世代 AMD RyzenシリーズとインテルCPUとスペックを比較したものです。標準的なデスクトップPCに採用されるCore i7-8700KやCore i9-9700Kと比較すると、Ryzen 7 3700Xはコア数は8コアとCore i9-9700Kよりも多くなっています。ただ、Ryzenシリーズには内蔵GPUは搭載されないのでご注意ください。映像を出力するにはグラフィックカードが必要になります。

第3世代 AMD Ryzenシリーズ
  Ryzen 9 3900X Ryzen 7 3800X Ryzen 7 3700X Ryzen 5 3600X
製造プロセス 7nm
コア / スレッド数 12 / 24 8 / 16 8 / 16 6 / 12
ベースクロック 3.8GHz 3.9GHz 3.6GHz 3.8GHz
ブーストクロック 4.6GHz 4.5GHz 4.4GHz 4.4GHz
キャッシュ 64MB 32MB 32MB 32MB
内蔵GPU なし
TDP 105W 105W 65W 95W
価格(税別)※1 59,800円 46,980円 39,800円 29,800円
※1 価格はパソコン工房のものを参照
第8/第9世代 Intel Core iシリーズ
  Core i9-9900K Core i7-9700K Core i7-8700K Core i7-8700
開発コード名 Coffee Lake Refresh Coffee Lake
製造プロセス 14nm
コア / スレッド数 8 / 16 8 / 8 6 / 12 6 / 12
ベースクロック 3.6GHz 3.6GHz 3.7GHz 3.2GHz
ブーストクロック 5.0GHz 4.9GHz 4.7GHz 4.6GHz
キャッシュ 16MB 12MB 12MB 12MB
内蔵GPU UHD Graphics 630
TDP 95W 95W 95W 65W
価格(税別)※1 52,810円 43,241円 40,536円 32,980円
※1 価格はパソコン工房のものを参照

 

Ryzen 7 3700Xのベンチマークスコア

Ryzen 7 3700Xのベンチマークスコアを掲載します。

計測に用いたPCは、AMD Ryzen搭載モデル「Ryzen 7 3700X」と「GTX 1660Ti」を搭載した、ドスパラの新ゲーミングPC、GALLERIA ATでテストしています。ゲームベンチスコアなど、詳しいレビュー記事は以下をご参照ください。

 

なお、計測に用いたPCはメーカーからの貸出機です。以下に各種ベンチマークスコアを掲載しますが、本製品以外のPCで計測した場合、ベンチマークスコアが大きく異なる可能性もあります。

CINEBENCH R15

まずは、上で掲載したCINEBENCH R15の結果です。インテルCoreプロセッサー最上位のCore i9-9900Kと比較した場合、シングルコアのスコアは劣るものの、マルチコアのスコアは優れています。同価格帯のインテル Core i7-8700Kと比較した場合、シングルコアのスコアはほぼ同じで、マルチコアのスコアは約1.5倍も優れています。

CINEBENCH R15
他CPUとの比較(シングルコア)
 
Ryzen 7 3700X 203
Core i9-9900K 214
Core i7-9700K 214
Core i7-8700K 204
Core i7-8700 194
他CPUとの比較(マルチコア)
 
Ryzen 7 3700X 2091
Core i9-9900K 2033
Core i7-9700K 1531
Core i7-8700K 1432
Core i7-8700 1414

 

CINEBENCH R20

次は、CINEBENCH R20の結果です。こちらも、Core i9-9900Kと比較した場合、シングルコアのスコアは劣るものの、マルチコアのスコアは約1.1倍高いです。Core i7-8700Kと比較してもマルチコアのスコアは、約1.3倍高いです。

CINEBENCH R20
他CPUとの比較(シングルコア)
Ryzen 7 3700X 502
Core i9-9900K 513 ※
Core i7-9700K 466 ※
Core i7-8700K 519 ※
Core i7-8700 467
他CPUとの比較(マルチコア)
Ryzen 7 3700X 4751
Core i9-9900K 4309 ※
Core i7-9700K 3656 ※
Core i7-8700K 3793 ※
Core i7-8700 3043

※のついているスコアは、CPU MONKEYのサイトを参照しています。他は当サイトによる計測値です。

 

PassMark Performance Test 9.0

PassMark Performance Test 9.0のCPU Markのスコアは、Core i9-9900Kとの差が大きく、約1.2倍の差があります。Core i7-8700Kとは約1.4倍の差です。

PassMark Performance Test 9.0 CPU MARK
他CPUとの比較
Ryzen 7 3700X 23509
Core i9-9900K 20165
Core i7-9700K 17726
Core i7-8700K 16268

 

Geekbench 4

続いて、Geekbench 4です。Ryzen 7 3700Xのマルチコアのスコアは「32554」でした。こちらは、Ryzen 7 3700XはCore i9-9900Kとほぼ同等のスコアでした。

Geekbench 4
他CPUとの比較(Mulit-Core)
Core i9-9900K 32636
Ryzen 7 3700X 32554
Core i7-9700K 28864
Core i7-8700K 22816

 

TMPGEnc Video Mastering Works 7によるエンコード時間

ベンチマークソフトだけは速いというCPUもあるため、次は、実際のソフトウェア「TMPGEnc Video Mastering Works 7」を使ってエンコードにかかった時間を比較します。ここでは、x265エンコーダーを用い、4KのXAVC Sの動画をH.265/HEVCへ変換する処理を実行しています。

Ryzen 7 3700Xは、Core i9-9900Kよりも遅く、約1.1倍時間がかかっていました。使うソフトによっては、Core i9-9900Kのほうが速いケースも多そうです。

TMPGEnc Video Mastering Works 6によるエンコード時間 (x265)
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間(x265のエンコーダーを使用)
他CPUとの比較
Core i9-9900K 8分37秒
Ryzen 7 3700X 9分19秒
Core i7-9700K 11分00秒
Core i7-8700 13分32秒

 

エンコード時の温度とクロック数

下図は、CPU使用率がほぼ100%になるエンコード時のCPU温度とクロック数の詳細です。CPUクーラーはAMD純正のリテールクーラーを使用しています。クロック数は問題ありませんが、CPU温度は80℃台前半を推移しておりやや高めです。問題ない範囲ではあるものの、できれば社外製のCPUクーラーを搭載したほうがいいと思います。

CPU温度
x265でエンコード中のCPU温度とクロック数
AMD純正のリテールクーラー

 

外部グラフィックス搭載時のベンチマーク

続いて、外部グラフィックス「GeForce GTX 1660Ti」を搭載したときの各ゲームのベンチマークスコアです。インテルCPUを搭載したときと比べて、フレームレートが落ちないかを確認します。

今回、比較したインテルCPU搭載モデルの1台は、同じGALLERIAシリーズのCore i7-8700搭載GALLRIA XTです。グラフィックカードは両機種ともPalit製の同名製品です。もう1台は、Core i7-9700搭載のレノボのLegion C530です。グラフィックカードのメーカーは異なりますが、GPUクロックなどの使用は同じです。ただし、いずれの製品も他のパーツは異なるため、正確な比較にはなりません。参考程度にご覧ください。

旧世代でのRyzen CPUはゲームベンチマークになると、インテルCPUよりスコアが低く、あまりゲーム用途向きではなかったのですが、Ryzen 7 3700Xは、ゲームベンチマークのスコアは下がらず、順当なフレームレートが出ています。特に2560 x 1440の解像度で実行したときは、Core i7-9700搭載PCよりもフレームレートが高いケースが多かったです。GeForce GTX 1660Tiのクラスのグラフィックスでは、快適にゲームができそうです。

ただし、TECHPOWERUPの記事では、GeForce RTX 2080Tiを搭載したPCで、Ryzen 7 3000シリーズとインテルCPUとのゲームフレームレートが掲載されていますが、Core i7-8700KなどのインテルCPUのほうがフレームレートが高くなっているケースが多いです。GeForce RTX 2080Tiクラスのグラフィックスを搭載するなら、インテルCPUのほうが無難かもしれません。

重い部類のゲーム
ファイナルファンタジー 15
解像度 | 品質 GALLERIA AT GALLERIA XT Legion C530
Ryzen 7 3700X
GTX 1660Ti
Core i7-8700
GTX 1660Ti
Core i7-9700
GTX 1660Ti
1920
x
1080
軽量品質 117 fps 114 fps 114 fps
標準品質 90 fps 89 fps 86 fps
高品質 67 fps 67 fps 65 fps
2560
x
1440
軽量品質 82 fps 80 fps 78 fps
標準品質 61 fps 60 fps 59 fps
高品質 50 fps 47 fps 47 fps
重い部類のゲーム
シャドウオブザトゥームレイダー
解像度 | 品質 GALLERIA AT GALLERIA XT Legion C530
Ryzen 7 3700X
GTX 1660Ti
Core i7-8700
GTX 1660Ti
Core i7-9700
GTX 1660Ti
1920
x
1080
最低 124 fps 126 fps 134 fps
91 fps 91 fps 89 fps
最高 75 fps 75 fps 74 fps
2560
x
1440
最低 98 fps 99 fps 96 fps
62 fps 62 fps 61 fps
最高 51 fps 51 fps 50 fps
重い部類のゲーム
ゴーストリコン ワイルドランズ
解像度 | 品質 GALLERIA AT GALLERIA XT Legion C530
Ryzen 7 3700X
GTX 1660Ti
Core i7-8700
GTX 1660Ti
Core i7-9700
GTX 1660Ti
1920
x
1080
128 fps 131 fps 126 fps
86 fps 88 fps 83 fps
ウルトラ 50 fps 51 fps 47 fps
2560
x
1440
97 fps 99 fps 93 fps
64 fps 65 fps 61 fps
ウルトラ 39 fps 39 fps 37 fps
中程度の重さのゲーム
ファイナルファンタジー 14 紅蓮のリベレーター
解像度 | 品質 GALLERIA AT GALLERIA XT Legion C530
Ryzen 7 3700X
GTX 1660Ti
Core i7-8700
GTX 1660Ti
Core i7-9700
GTX 1660Ti
1920
x
1080
標準(デスク) 140 fps 137 fps 146 fps
高(デスク)
107 fps 105 fps 109 fps
最高品質 100 fps 99 fps 101 fps
2560
x
1440
標準(デスク) 121 fps 118 fps 123 fps
高(デスク)
79 fps 77 fps 76 fps
最高品質 68 fps 67 fps 66 fps
中程度の重さのゲーム
ファークライ ニュードーン
解像度 | 品質 GALLERIA AT GALLERIA XT Legion C530
Ryzen 7 3700X
GTX 1660Ti
Core i7-8700
GTX 1660Ti
Core i7-9700
GTX 1660Ti
1920
x
1080
低品質 108 fps 114 fps 111 fps
高品質 92 fps 89 fps 93 fps
最高品質 81 fps 76 fps 85 fps
2560
x
1440
低品質 82 fps 80 fps 80 fps
高品質 70 fps 61 fps 69 fps
最高品質 65 fps 57 fps 64 fps

 

Ryzen 7 3700X搭載のおすすめPC

2019年8月5日の執筆時点で、「Ryzen 7 3700X」を含む、第3世代Ryzenプロセッサーを搭載可能なゲーミングPCを紹介します。現在Ryzen 7とRyzen 9搭載モデルは、出荷台数が少なく、人気の高さもあり在庫切れになっているモデルが多いです。

ドスパラ GALLERIA
CPU Ryzen 5 3600 ~ Ryzen 9 3900X
GPU ~GeForce RTX 2080Ti
価格 8万円台(税別)~

高性能グラフィックスが搭載可能で、拡張性が高く、細かなカスタマイズも可能なミドルタワーのゲーミングPC。

レビュー記事はこちら
マウス NEXTGEAR-MICRO
CPU Ryzen 5 3600 ~ Ryzen 7 3800X
GPU ~GeForce GTX 1660Ti
価格 8万円台(税込)~

ゲーマーの意見と取り入れて設計されたゲーミングPC。サポートも安心。

レビュー記事はこちら
サイコム G-Master Spear X570A
CPU Ryzen 5 3600 ~ Ryzen 9 3900X
GPU ~GeForce TITAN RTX
価格 14万円台(税込)~

パーツの型番まで細かく指定できる玄人向けBTOパソコン。信頼性の高いパーツで組み上げたい方におすすめ。

レビュー記事はこちら
パソコン工房 Level∞ R-Class
CPU Ryzen 5 3600 ~ Ryzen 7 3700X
GPU ~Radeon RX 5700 XT
価格 11万円台(税別)~

比較的安く、デザインも良く、PCケースの拡張性、メンテナンス性も割と高いバランスのとれたミドルタワーのゲーミングPC。

レビュー記事はこちら

 

まとめ

インテルCPU一強時代は終わり?

新しく登場したAMD第3世代Ryzenプロセッサーは、性能面でも価格でも申し分なく、ゲーム用途でも、クリエイティブワーク用途でも十分に活躍できるCPUです。特に今回レビューした「Ryzen 7 3700X」は、同等価格帯のインテルCPUのCore i7-8700Kよりもベンチマークスコアが高いケースが多く、Core i9-9900Kとほぼ同等の性能で、価格も抑えられており、コストパフォーマンスに優れたCPUだと思います。

ただし、今回は試せませんでしたが、GeForce RTX 2080Tiクラスの高性能グラフィックスを搭載したPCの場合、Ryzen 7 3000シリーズよりインテルCPUのほうがフレームレートが高くなっているケースが多いです。GeForce GTX 2080Tiクラスのグラフィックスを搭載するなら、Core i7-9700KなどのインテルCPUのほうが無難かもしれません。GeForce GTX 1660Tiといったミドルクラスのグラフィックスを搭載した場合は、今回試したケースではフレームレートに大きな違いはありませんでした。

 

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