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Core i5-8265Uのベンチマーク【暫定】
このページでは、2018年8月29日に発表された第8世代Coreプロセッサー「Whiskey Lake-U」ことCore i5-8265Uのベンチマークスコアを掲載します。
なお、今回は、1台のノートパソコンでしか計測していないため、スコアについては暫定とさせていただきます。今回使用したPCは、やや低めのクロックで推移していると感じたので、他の機種で計測した場合、ベンチマークスコアはもっと良くなる可能性があります。
【結果概要】Core i5-8250Uとほぼ変わらず
お忙しい方のために、結果の概要だけ先に紹介します。
下図は、CPU性能を評価する「CINEBENCH R15」のマルチコアのベンチマークスコアです。
パソコンによって安定時の動作クロックに差があり、今回テストで使用したPCは、やや低めのクロックで動作していました。このこともあり、ベンチマークスコアはやや伸び悩み、Core i5-8250Uとほぼ同等(わずかに低め)のスコアでした。
他のベンチマークスコアを考慮してみても、Core i5-8250Uとほぼ変わらない、もしくはやや悪い性能となっています。今回、思ったよりも低いスコアであったため、他の機種で試せる機会があれば、また計測し追記します。
Core i5-8265Uの仕様
Core i5-8265Uは、開発コードネーム「Whiskey Lake-U」と呼ばれる第8世代Coreプロセッサーとなります。
第8世代Coreプロセッサーは、「Whiskey Lake-U」の他にも、2017年に発表され多くのノートPCに搭載されている「Kaby Lake R」、2018年Q2に発表されたちょっと高性能の「Coffee Lake-U」があります。
今回、ベンチマークを計測するCore i5-8265Uは、「Kaby Lake R」の後継ともいえる製品で、ブーストクロックがやや上がっています。ただ、それ以外はそれほど変わりなく、変化は微少です。
Core i5-8265U | Core i5-8250U | |
開発コード名 | Whiskey Lake-U | Kaby Lake R |
製造プロセス | 14nm++ | 14nm++ |
コア / スレッド数 | 4 / 8 | 4 / 8 |
ベースクロック | 1.6 GHz | 1.6 GHz |
ブーストクロック | 3.9 GHz | 3.4 GHz |
キャッシュ | 6MB | 6MB |
内蔵GPU | Intel UHD 620 | Intel UHD 620 |
Core i5-8265Uのベンチマークスコア
Core i5-8265Uのベンチマークスコアを掲載します。
計測に用いたノートPCは、デルのInspiron 14 5000で、ストレージにはPCIe SSDを搭載しています。ただし、購入時にデュアルチャネルのメモリを選択できませんでした。シングルチャネルだと低めに出るベンチマークもあるため、今回メモリを4GB x2のデュアルチャネルへ換装しています。
「Whiskey Lake-U」を搭載した14型ノートパソコン。他のスペックも十分でありながら、7万円台から購入することが可能で、コストパフォーマンスは非常に高い。
以下、各種ベンチマークスコアを掲載しますが、本製品以外のPCで計測した場合、ベンチマークスコアが大きく異なる可能性もあります。
CINEBENCH R15
まずは、上で掲載したCINEBENCH R15の結果です。Core i5-8265UのCINEBENCHのマルチコアのスコアは「534」、シングルコアのスコアは「161」でした。従来のCore i5-8250U「Kaby Lake R」とほとんど変わらないスコアです。
PassMark Performance Test 9.0
続いて、Core i5-8265UのPassMark Performance Test 9.0のCPU Markのスコアは「8552」でした。こちらもCore i5-8250Uとほぼ変わらないスコアでした。
TMPGEnc Video Mastering Works 6によるエンコード時間
次は、実際のソフトウェア「TMPGEnc Video Mastering Works 6」を使ってエンコードにかかった時間を掲載します。ここでは、x265エンコーダーを用い、4KのXAVC Sの動画をH.265/HEVCへ変換する処理を実行しています。
Kaby Lake RのCore i5-8250Uは28分15秒であったのに対し、Core i5-8265Uは31分19秒と10%くらい時間が多くかかってしまっています。
CPUクロックの推移をみると、瞬間的にターボブーストがかかり3.9GHzまで上がっていますが、その後すぐに2.4GHzくらいまで下がり、2分半くらい経過後には、2.2GHz前後まで下がっています。やや低めのクロックで推移しており、エンコードも時間がかかっています。
最初にも断っていますが、別のノートPCで計測した場合は、もっと高いクロックで推移するケースもあり、その場合、エンコード時間はもっと短い可能性があります。
Geekbench 4
Geekbench 4に関しては、Core i5-8265Uのほうが高いスコアでした。
以上、今までの結果を総合すると、x265のエンコード時間はやや差があるかなと感じましたが、それ以外は、Core i5-8265Uは、Core i5-8250Uとほとんど変わらないスコアでした。
グラフィックス関連の性能
今までは、CPU関連の性能を示すベンチマークを実行してきましたが、次は、インテル UHD グラフィックス 620のグラフィック関連のスコアを掲載します。下表にまとめていますが、こちらもCore i5-8265Uは、Core i5-8250Uとほぼ変わらないスコアでした。
Core i5-8265U | Core i5-8250U | |
3DMark Cloud Gate (Graphics score) |
9824 | 9377 |
CINEBENCH R15 (OpenGL) |
52.63 fps | 51.16 fps |
ドラゴンクエスト X (1280x720、標準) |
7977 (とても快適) |
8003 (とても快適) |
エンコード時間 (QSV) |
3分46秒 | 3分38秒 |
Core i5-8265U 搭載パソコンの紹介
2018年10月23日時点で、Core i5-8265Uを含む「Whiskey Lake-U」を搭載したノートパソコンを紹介します。今のところ、これしか発売されていませんが、あとしばらく経てば、各社から続々発売されると思います。
デル Inspiron 13 7000 (7380)
13.3型 FHD IPS
第8世代Core (U)
PCIe SSD
約1.33kg
バッテリー 38WHr
9万円台~
クラムシェル型で、外出先へも持ち出せるような軽量なノートパソコン。
デル Inspiron 13 7000 2-in-1 (7386)
13.3 型 FHD /UHD IPS タッチ
第8世代Core (U)
PCIe SSD
約1.45kg
バッテリー38WHr
10万円台~
UHD(4K)液晶も選択可能で、アクティブペンにも対応した2 in 1 パソコン。宅内モバイル向き。
デル Inspiron 14 5000 (5480)
14型 FHD IPS 非光沢
第8世代Core (U)
PCIe SSD / PCIe SSD+HDD
約1.48kg
バッテリー 42WHr
7万円台~
Whiskey Lake-U、SSD、FHD IPS液晶を搭載しながら安いクラムシェル型ノートパソコン。
レビューおすすめ
デル Inspiron 14 5000 2-in-1 (5482)
14型 FHD IPS タッチ
第8世代Core (U)
PCIe SSD
約1.75kg
バッテリー 42WHr
7万円台~
一台あると便利なアクティブペンに対応した2 in 1 PC。価格も比較的安い。ただし、モバイル用途には重い。
まとめ
「Whiskey Lake-U」のCore i5-8265Uは、「Kaby Lake R」のCore i5-8250Uに比べてターボブースト時のクロックは上昇していますが、ターボブーストが効くのは数秒程度であり、ある程度時間のかかる処理を実行した場合、クロックがやや低めで推移していました。
その結果、ほとんどベンチマークスコアは変わらない、もしくは悪い結果となりました。ただ、他のCore i5-8265U搭載ノートパソコンなら、もう少しよいスコアが出るのではないかと思います。後日、入手したら試してみたいと思います。
Whiskey Lake-UかKaby Lake Rで選ぶよりも、処理がある程度経ったときに、どのくらいのクロックで推移しているかで製品を選ぶといいと思います。どのくらいでクロックが推移するかは、当サイトの各製品のレビュー記事をご覧ください。
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