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デル Inspiron 14 5000 (5480)の実機レビュー
CPU | Core i5-8265U Core i7-8565U |
---|---|
GPU | CPU内蔵 GeForce MX150 |
メモリ | 8GB |
ストレージ | PCIe SSD PCIe SSD + HDD |
液晶サイズ | 14.0型 |
液晶種類 | FHD IPS 非光沢 |
質量 | 1.48kg |
バッテリー | 42Wh |
価格 | 7万円台~(税別) |
高いコストパフォーマンス
New Inspiron 14 5000は、2018年8月末に発表の「Whiskey Lake-U」のCPUを搭載した14型ノートパソコンです。
この最新CPUを搭載し、他のスペックも十分でありながら、7万円台から購入することが可能で、コストパフォーマンスは非常に高いです。
また、狭額ベゼルを採用しコンパクトであることに加え、質量も1.48kgと、14~15型クラスのPCとしては軽量です。外へ持ち出す用途にはやや重いかもしれませんが、宅内で移動する分には十分な軽さです。
レビュー機は、1台が当サイトの購入品、1台がメーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。
レビュー機の構成
Core i5-8265U、8GBメモリ、256GB PCIe SSD
Core i7-8565U、8GBメモリ、128GB PCIe SSD + 1TB HDD、GeForce MX150
目次
お忙しい方は、「Inspiron 14 5000の特徴」のみお読みください。
Inspiron 14 5000 (5480)の特徴
Whiskey Lake-Uの最新CPUを搭載
Inspiron 14 5000は、Kaby Lake Rのリビジョン版とも言える「Whiskey Lake-U」を搭載しています。Whiskey Lake-Uでは、PCH(Platform Controller Hub)が強化され、USB 3.1 Gen 2の内蔵、Wi-Fi/Bluetoothのコントローラーの内蔵、オーディオDSPの強化が主な改良点となっています。CPUに関しては大きな変化はないものの、ターボブーストクロックが引き上げられています。
Core i7-8565U | Core i7-8550U | Core i5-8265U | Core i5-8250U | |
開発コード名 | Whiskey Lake-U | Kaby Lake R | Whiskey Lake-U | Kaby Lake R |
コア / スレッド数 | 4 / 8 | 4 / 8 | 4 / 8 | 4 / 8 |
ベースクロック | 1.8 GHz | 1.8 GHz | 1.6 GHz | 1.6 GHz |
ブーストクロック | 4.6 GHz | 4.0 GHz | 3.9 GHz | 3.4 GHz |
キャッシュ | 8MB | 8MB | 6MB | 6MB |
内蔵GPU | UHD 620 | UHD 620 | UHD 620 | UHD 620 |
ただし、今回のテストに限って言えば、Core i5-8265Uは、Core i5-8250Uと比較して、ほぼ同等のベンチマークスコアが多かったです。
また、Core i7-8565Uに関しては、CPUクロックがかなり低めに推移しており、ベンチマークスコアなどが低めに出るケースがありました。下図は、同じCPUを搭載したInspiron 13 7000と、エンコード時のCPUクロックを比較したものです。安定したときのCPUクロックを比較すると、約6割ほどのクロック周波数しか出ていません。
このときのInspiron 14 5000のCPU温度を確認してみると、CPU温度が一瞬100℃近くまで上がっているため、サーマルスロットリングが発生しているのだと思われます。
たまたまこの個体が悪かったのか、故障なのか、Core i7だからなのか、GeForce MX150も搭載していたためなのかは不明ですが、他の個体でもこのような結果になるのなら、Core i7 + GeForce MX150のモデルはあまりおすすめしません。
性能十分でも、7万円台~と低価格
上記のように、Core i7-8565U + GeForce MX150のモデルは(たまたまかもしれませんが)、かなり低いCPUクロックでしたが、Core i5-8265Uであれば極端なクロックダウンは発生していなかったので、Core i5-8265Uをおすすめしたいです。
このCore i5-8265Uを搭載し、さらにストレージはPCIe SSD、メモリは8GB、液晶はIPSパネルと十分なスペックとなっています。その上、価格は7万円台(税別、クーポン利用)と、大変安くなっています。コストパフォーマンスは非常に高い製品だと思います。
小型で質量も軽く、宅内モバイル機に最適
Inspiron 14 5000は、14型液晶を搭載しており、一般的なノートPCに多い15.6型液晶よりも一回り小さい液晶であると共に、狭額ベゼルを採用し、ボディがコンパクトになっています。
また、質量も1.48kgとなっており、モバイルに特化したノートPCほど軽くはありませんが、自宅内で持ち運ぶ分には十分軽量です。
アルミニウムボディで上品な質感
Inspiron 14 5000は、7万円台から購入できる安さですが、ボディにはアルミニウムを採用しており、上品な質感となっています。人に見られても安っぽいと思われることはないでしょう。
デュアルストレージのモデルもあり
Inspiron 14 5000は、15.6型ノートPCよりも一回り小さいサイズでありながら、M.2 SSD + HDDのモデルもラインナップされています。容量の大きい動画ファイルやRAWデータをHDDに保存したり、HDDをバックアップ用に利用したりと、使い方の幅が広がります。
デフォルトではメモリはシングルチャネルのみ
Inspiron 14 5000は、いくつかモデルが用意されていますが、どのモデルもメモリはシングルチャネルとなっています。シングルチャネルよりデュアルチャネルのほうが、結構速くなる処理もあるのでやや残念です。
ただし、メモリスロットは2つあるので、後から換装してもいいでしょう。
カラーラインナップは2種類
カラーラインナップは、バーガンディと、プラチナシルバーとの2種類となっています。バーガンディは、好みが分かれる色かなと思います。シルバーのほうが無難な色です。
ライバル機種との比較
14型でコストパフォーマンスの高いライバル機種としては、レノボ ideapad 530Sが思いつきます。ideapad 530Sは、同等構成にした場合、価格はやや安いですが、Inspiron 14 5000のほうがCPUが最新で、バッテリー容量も多いです。
[本製品] Inspiron 14 5000 |
レノボ ideapad 530S (インテル) |
|
CPU | Core i5-8265U Core i7-8565U |
Core i3-8130U Core i5-8250U Core i7-8550U |
液晶サイズ | 14.0型 | 14.0型 |
液晶種類 | FHD IPS 非光沢 | FHD IPS 非光沢 |
質量 | 1.48kg | 1.49kg |
バッテリー | 42Wh | 34Wh |
サイズ[mm] | 幅:324.3 奥行:232 高さ:18.77 |
幅:323.4 奥行:226 高さ:16.4 |
[本製品] Inspiron 14 5000 |
レノボ ideapad 530S (インテル) |
|
CPU | Core i5-8265U | Core i5-8250U |
メモリ / SSD | 8GB / 256GB | 8GB / 256GB |
価格【税別】 | 76,483円 | 68,579円 |
液晶ディスプレイのチェック
Inspiron 14 5000の液晶ディスプレイのチェックです。
最大輝度は、222cd/m2とやや低めです。
視野角は広いです。
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線です。どの色も比較的揃っております。ただ、色域がそれほど広くないことが影響し、やや黄ばんでいると感じる方もいると思います。
色域はそれほど広くありません。
画素形状です。ギラつきはほとんど感じません。
非光沢液晶ですので、映り込みは低減されています。
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
実測で、キーピッチは横:約19mm、縦:約18mmです。キーストロークについては、フレームから出ているキーは1mmも無いのですが、押し込むとフレームよりも結構下がるので、ストロークは約1.3mm前後あるのかなと思います。打ちやすさは普通です。
ただ、USキーボードと共通化するため、キーを囲む1つの枠に、2つのキーがあるところはやや格好悪いです。
タッチパッドの使いやすさ、クリックボタンの押しやすさは普通かなと思います。
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
CPU
CPUは、第8世代インテルCoreプロセッサーの中でも最新のWhiskey Lake-Uを搭載しています。一般的な用途なら困ることのない性能です。今回のテストに限って言えば、Core i5-8265Uのほうがスコア高かったので、こちらのCPUをおすすめします。
~ CINEBENCH R15 マルチコア ~
※[レビュー機で計測]と書かれたCPU以外は、他のPCで計測した代表値です
グラフィックス
GeForce MX150を搭載すれば、GPUアクセラレーションが使えるアプリにて、処理が高速化されます。ただ、他のPCで計測したときよりもスコアはやや低めでした。
~ 3D Mark Time Spy - Graphics score ~
※[レビュー機で計測]と書かれたグラフィックス以外は、他のPCで計測した代表値です
グラフィックカードの仕様は次の通りです。標準的なスペックです。
ストレージ
ストレージは、PCIe SSDまたは、PCIe SSD + HDDとなっています。どちらにしろ、PCIe SSDを搭載しているので、PCやアプリの起動は速いです。
~ CrystalDiskMark Seq Q32T1 Read [MB/s] ~
※レビュー機で計測]と書かれたストレージ以外は、他のPCで計測した代表値です
レビュー機で計測したベンチマーク
以下、レビュー機で計測したベンチマーク結果を掲載します。前述しましたが、Core i5-8265Uを搭載している割には、やや低めのスコアかなと思います。また、Core i7-8565Uに関してはさらに低めのスコアでした。
Adobe Premiere Pro CCによる書き出しは、CPUとGPUの両方を使って処理しますが、GeForce MX150を搭載することで、やや処理が速くなります。ただし、同じMX150を搭載した他のPCよりも大分遅くなっています。
前述の通り、Core i7-8565UのモデルのCPUクロックが低めに推移し、エンコード時間はかなり遅かったです。
Core i5-8265U Intel UHD 620 |
Core i7-8565U GeForce MX150 |
|
x265でエンコード (※1) | 32分16秒 | 53分01秒 |
NVENCでエンコード (※2) | ― | ― |
QSVでエンコード (※3) | 4分06秒 | ― |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
メモリをデュアルチャネルにした場合のベンチマーク
今回のInspiron 14 5000の実機は、メモリが8GB x1のシングルチャネル構成でした。
シングルチャネルだとベンチマークスコア(特にグラックス関係)がやや低めに出るため、デュアルチャネルにしたときのベンチマークスコアも計測しました。詳細は以下のリンク先をご覧ください。
デュアルチャンネルメモリにしたときのベンチマークはこちら
USB Type-C 充電器 / ドックの動作テスト
USB Type-Cポートを利用して、他の充電器やドックが使えるかを試しました。
結果は次の通りです。Thunderbolt 3には対応していないため、Thunderbolt 3 ドックは充電以外できませんでしたが、後は問題なく動作しました。
充電できるか? | 外部モニター / LANの拡張 | |
ThinkPad USB Type-C ドック | 〇 | 〇 |
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック | 〇 | × |
ZHOULX 充電器(65W) | 〇 | ― |
外部ディスプレイへの映像出力 | ― | 〇 |
質量のチェック
Inspiron 14 5000の質量のチェックです。
実際に計測した数値は下の通りです。モバイルに特化したノートPCと比べるとやや重いですが、宅内で使うノートPCとしては軽いです。ちょっとした移動に便利でしょう。
ACアダプターは小型で軽いのですが、電源ケーブルが太くてやや重いので、全体の質量としては普通の重さです。また、SSD + HDDのモデルはもう少し重くなります。
SSDモデル | |
PC本体 | 1.476kg |
ACアダプター(電源ケーブル含む) | 277g |
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は42Whとなっており、普通の容量です。バッテリー駆動時間は下の通りです。文書作成やWeb閲覧をする程度なら、半日は持つと思います。
Core i5-8265U | |
PCMark 8 Home テスト ※1 | 3時間22分 |
PCMark 8 Work テスト ※2 | 4時間49分 |
動画再生時 ※3 | 6時間57分 |
※1 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、画像編集、ビデオチャット、軽いゲームなどを実行
※2 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
※3 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。今回は、Core i5-8265Uのモデルで計測しています。
静音性のチェック
動作音(静音性)のチェック結果です。
普通の動作音だと思います。
参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。
パーツの温度のチェック
各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。
普通の温度です。
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。
キーボード周りがやや暖かいですが、パームレスト部分は熱くならないので、問題なく使えると思います。
消費電力のチェック
消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。
やや低めの消費電力です。
外観のチェック
外観のチェックです。
プラチナシルバー
ボディはアルミ製で上質な質感ですが、液晶周りやヒンジが樹脂製となっており、この辺りは高級モデルには及ばない点かなと思います。
天板です。
スピーカーは、XPSシリーズなどの上位機種と比べるとやや劣ります。勝手に点数をつけると、10点満点で4~5点といったところです(5点が普通です。音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。
液晶が開く最大の角度は、下図の通りです。普通の角度だと思います。
天板を閉じたときの画像です。薄型で見た目はいいです。
主なインターフェースは、下図の通りです。フルサイズのSDカードスロットに、USB Type-C、LANポートなど、主要なものは揃っています。USB Type-Cは、映像出力および電源供給にも対応しています。ただし、Thunderboltには非対応です。
また、LANは最大100Mbpsです。ギガビットには対応していないためご注意下さい。
底面はシンプルです。
バーガンディ
続いて、バーガンディのカラーのPCを掲載します。
天板です。
底面です。
内部基板とACアダプター
底面カバーを外したときの画像です。
メモリスロットは2つで、換装も可能でした。
今回、HDDは搭載しませんでしたが、ケーブルがちゃんと付属していたので、後から増設することもできると思います。
ACアダプターは小型ですが、電源ケーブルは太めです。
まとめ
以上が、Inspiron 14 5000 (5480)のレビューです。
Whiskey Lake-UのCPU、PCIe SSD、フルHD IPS液晶と、一般ユーザーならほとんどの処理が快適に行えるスペックでありながら、7万円台(税別)から購入でき、コストパフォーマンスは非常に高いです。
今回、「Whiskey Lake-U」のCPUを使ってみましたが、Core i5の処理性能に関しては「Kaby Lake R」と大差ないかなという印象を受けました。さらに、Core i7 + GeForce MX150のモデルは、CPUクロックがかなり低めに推移しており、「Kaby Lake R」のときより低いベンチマークスコアになっていました。もともとの性能は高いので、一般ユーザーが行うような作業であれば快適に動作するでしょう。ただし、高めの負荷のかかる処理を行う場合は、別のPCのほうがいいと思います。
さらに、モバイルに特化したPCと比べると重いですが、宅内ノートPCとしては軽く、パソコンを別の部屋へ持ち出すときなどに便利です。宅内で使うノートPCとしては、おすすめの製品です。
詳細・購入はこちら
公式サイトこちら
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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