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Core i7-12700Hのベンチマーク
ここでは、ノートPC向けのインテル第12世代Coreプロセッサー(Alder Lake)の1つであるCore i7-12700Hの各種ベンチマークスコアを掲載します。
Core i7-12700Hの仕様
Core i7-12700Hは、ノート向け第12世代Coreの中でも、ハイクラスに位置づけられる「Hシリーズ」のプロセッサーです。Proccessor Base Powerが45Wと高く、主にゲーミングノートPCやクリエイター向けノートPCに搭載されるCPUです。
下表に、第12世代のCore i7-12700Hの仕様を掲載します。また、比較のために旧世代の第11世代Core i7-11800Hも掲載しています。
大きな特徴としては、第11世代Coreには無かったEコア(高効率コア)を搭載している点です。Pコア(高性能コア)とEコア(高効率コア)の2種類が搭載さたハイブリッド・アーキテクチャを採用していることで、高いパフォーマンスと省電力性の両方を実現しています。
また、DDR5およびLPDDR5のメモリや、Wi-Fi 6Eにも対応していることも目玉として挙げられます。
Core i7-12700H | Core i7-11800H | |
Pコア | 6 | 8 |
Eコア | 8 | ― |
Pコア定格クロック | 2.3GHz | 1.9 - 2.3GHz |
Pコア最大クロック | 4.7GHz | 4.6GHz |
Eコア定格クロック | 1.7GHz | ― |
Eコア最大クロック | 3.5GHz | ― |
L3キャッシュ | 24MB | 24MB |
GPU最大クロック | 1.4GHz | 1.45GHz |
GPU実行ユニット | 96 | 32 |
PL1相当 | 45W | 35 - 45W |
PL2相当 | 115W | ― |
ベンチマークの計測に利用したノートPC
今回、ベンチマークに使用したノートPCは、MSIのKatana GF76 12Uです。最新のCore i7-12700Hを搭載しているだけなく、新登場のGeForce RTX 3070 Tiを搭載した最新モデルです。良かったらこちらのレビュー記事もご覧ください。
Core i7-12700Hのベンチマークスコア
以下、各種ベンチマークソフトのスコアを掲載します。
CINEBENCH R23
まずはCPUレンダリングを行ってCPU性能を評価する定番のベンチマークソフト、CINEBENCH R23のスコアはご覧の通りです。
Core i7-12700Hのマルチコアのスコアを見てみると、従来世代のCore i9-11900Hよりも20%以上も高いスコアです。下の表には掲載していませんが、デスクトップ用のCore i9-11900Kよりも高いスコアが出ています。
また、驚くべきはシングルコアのスコアで、Core i9-11900Hの15%もスコアが高くなっています。こまごました処理はシングルコアで動いていることもあるので、全体的な体感速度の向上が見込まれます。
10コアのApple M1 Maxと比較しても、マルチコア、シングルコアともに高いスコアでした。
~ CPU性能の評価 ~
Geekbench 5
続いて、拡張現実や機械学習などの最先端の処理を取り入れているクロスプラットフォームのベンチマークソフト、Geekbench 5のスコアを掲載します。
Core i7-12700Hのマルチコアのスコアは、Core i9-11900Hよりも40%も高い数値でした。Apple M1 Maxと比べると、ややスコアが落ちるものの、それでもかなり近い数値になっています。
シングルコアについても、非常に高いスコアが出ており、Apple M1 Maxとほぼ同等の数値でした。
PassMark Performance Test 10.0
続いて、圧縮、暗号化、物理シミュレーションなどを含む数学的計算を行うPassMark Performance Test 10.0のスコアを掲載します。こちらも、Ryzen 9 5900HXやCore i9-11900Hを超える非常に高いスコアが出ています。
グラフィックス関連のベンチマークスコア
次はグラフィックス関連のベンチマークスコアを掲載します。
Core i7-12700Hは、GeForce RTX ○○といった外部グラフィックスを搭載したゲーミングノートPCやクリエイターPCで使用されることが多いです。そのため、CPU内蔵のグラフィックスでゲームをしたりすることは少ないですが、参考までにCPU内蔵のグラフィックスのベンチマークスコアを計測しました。
なお、テストで使用しているノートPCは、GeForce RTX 3070 Tiの外部グラフィックスを搭載していますが、これを無効化し、CPU内蔵グラフィックスのみ動くようにして、ベンチマークを計測しています。
また、グラフィックス関連のスコアは、メインメモリの速度に大きく左右されます。今回は、DDR4-3200のデュアルチャネルで計測したスコアを掲載しますが、DDR5などのメモリが搭載されていた場合、パフォーマンスはもっと上がる可能性があります。
3DMark Night Raid
3DMark Night Raidのスコアは以下の通りです。LPDDR4X-4266のメモリを搭載したCore i7-1165G7よりも高いスコアが出ていたので、CPU内蔵のグラフィックスとしては、まずまずの数値ではないかと思います。ただ、外部グラフィックスの中では、エントリークラスの性能となるGeForce GTX 1650と比較すると、半分くらいのスコアになってしまいます。
ファイナルファンタジー 14 暁月の終焉
次に、ファイナルファンタジー 14 暁月の終焉のベンチマークのスコアです。1920x1080、標準品質(ノートPC)で計測して、スコアで6991、平均フレームレートで48fps出ていたので、なんとかプレイできる性能だと思います。
クリエイターソフトの処理時間
以下、実際のソフトウェアで計測した各種処理時間です。
Adobe Lightroom Classic CCによるRAW現像時間
Adobe Lightroom Classicで、100枚のRAW画像を、サイズを変更して書き出した時の時間は下表の通りです。Core i9-11900Hとほぼ同等で、Apple M1 Maxよりも速く、非常に短い書き出し時間です。
TMPGEnc によるエンコード時間
TMPGEnc Video Mastering Works 7によるソフトウェアエンコードに関しては、Core i7-12700Hよりも速かったです。
まとめ
今回、Core i7-12700Hのベンチマークスコアを計測しました。
従来の第11世代CoreプロセッサーやRyzen 5000プロセッサーと比較して、マルチコア性能とシングルコア性能の両方において大きく進歩しています。
Core i9-11900Hだけでなく、デスクトップ用のCore i9-11900Kを超えるベンチマークスコアで、ベンチマークによってはApple M1 Maxを超えています。
普段の作業に加え、ゲーム、動画編集など、あらゆる用途で使いやすいCPUと言えるでしょう。
今回、45WクラスのHシリーズの第12世代Coreプロセッサーでしたが、28WクラスのPシリーズの第12世代Coreプロセッサーも非常に楽しみです。
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
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