※当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
インテルのノートPC向け最新SoC 「Core Ultra シリーズ2」を正式発表
2024年9月3日、インテルよりノートPC向けの最新プロセッサーである、「Core Ultra 200V」シリーズが発表されました。これは、インテルの「Core Ultra シリーズ2」という位置づけで、開発コードネームは「Lunar Lake」となります。
ここでは、「Core Ultra シリーズ2」の概要と特徴を簡単に紹介します。なお、「Core Ultra シリーズ2」を搭載するノートPCは、9月24日から販売が開始される予定です。
2024/9/5 追記:全体的に加筆を行いました
Core Ultra シリーズ2の特徴
今回、Core Ultra シリーズ2(Core Ultra 200Vシリーズ)の9種類のプロセッサーが発表されました。
それぞれのプロセッサーの簡単な仕様をまとめると下表のようになります。
Core Ultra 9 288V | Core Ultra 7 268V | Core Ultra 7 266V | Core Ultra 7 258V | Core Ultra 7 256V | |
P / LP Eコア | 4 / 4 | ||||
Pコア最大クロック | 5.1GHz | 5.0GHz | 4.8GHz | ||
LP Eコア最大クロック | 3.7GHz | ||||
キャッシュ | 12MB Intel Smart Cache | ||||
PBP ※1 | 30W | 17W | |||
MTP ※2 | 37W | 37W | |||
GPU名 | Intel Arc 140V GPU | ||||
GPU Xe コア | 8 | ||||
GPU最大クロック | 2.05GHz | 2.0GHz | 1.95GHz | ||
GPU ピークTOPS | 67 TOPS | 66 TOPS | 64 TOPS | ||
NPU名 | Intel AI Boost | ||||
NPU ピークTOPS | 48 TOPS | 47 TOPS | |||
メモリ | LPDDR5X-8533 | ||||
メモリ容量 | 32GB | 16GB | 32GB | 16GB |
Core Ultra 5 238V |
Core Ultra 5 236V |
Core Ultra 5 228V |
Core Ultra 5 226V |
|
P / LP Eコア | 4 / 4 | |||
Pコア最大クロック | 4.7GHz | 4.5GHz | ||
LP Eコア最大クロック | 3.5GHz | |||
キャッシュ | 8MB Intel Smart Cache | |||
PBP ※1 | 17W | |||
MTP ※2 | 37W | |||
GPU名 | Intel Arc 130V GPU | |||
GPU Xe コア | 7 | |||
GPU最大クロック | 1.85GHz | |||
GPU ピークTOPS | 53 TOPS | |||
NPU名 | Intel AI Boost | |||
NPU ピークTOPS | 40 TOPS | |||
メモリ | LPDDR5X-8533 | |||
メモリ容量 | 32GB | 16GB | 32GB | 16GB |
※1 PBP:Processor Base Power
※2 MTP:Maximum Turbo Power
Core Ultra シリーズ1と比べると、まず、製品名の末尾が「H」や「U」ではなく、「V」で統一されており、Core Ultra シリーズ1と見分けやすくなっています。
性能面では、Core Ultra シリーズ1のCore Ultra 7 155H、またはCore Ultra 7 165Hと比較して、CPUコア性能、内蔵GPU性能、ワットパフォーマンス、AI性能などの点で向上しているようです(下図参照)。
以下に、主要な点について簡単に紹介します。
CPU性能
ハイパースレッディングには非対応となり、全てのCPUでコア数がPコア:4、LP Eコア:4となりました。従来のEコアは無くなっています。Core Ultra シリーズ1でのLP Eコアは2つしかなく、頻繁にPコアが動いていましたが、LP Eコアを4つにし、さらに高クロック化することで、Pコアへのアクセスを減らすことで、消費電力を下げています。ソフトによっては最大50%も消費電力が下がるようです。電源効率はかなり良くなっています。
次にCore Ultra U シリーズ2の性能を見ていきます。
トータルパッケージ電力が9Wの場合、Core Ultra U シリーズ1よりも22%高速です。
17Wの場合、Core Ultra H シリーズ1よりも10%高速です。
ただし、23Wの場合、Core Ultra H シリーズ1のほうが6%高速になります。
また、20Wの場合、Apple M3と同等のパフォーマンスです。
このことから、高いパフォーマンスが必要なノートPC向けのプロセッサーというよりも、薄型・軽量・ロングバッテリーで、さらにゲームやクリエイティブワークもできるノートPC向けのプロセッサーということが分かります。「ゲームもできるMacBook」のようなWindows PCが出てくるかもしれません。
内蔵グラフィックの性能
Core Ultra シリーズ2では、内蔵グラフィックスが全てIntel Arc GPUになりました。Xe2アーキテクチャになり、Intel Arc GPU自体の性能も向上していますし、「VVC」のハードウェアデコードにも対応しています。
また、多くのゲームにおいて、ライバルであるSnapdragon Xシリーズや、Ryzen AI 300シリーズよりも高いフレームレートが出ているようです。
NPU性能
Core Ultra シリーズ2は、NPUの性能が40~48TOPSとなり、Copilot+ PCの要件をクリアしています。GPUと合わせるとさらに高いAI処理性能となり、今後アプリ側の対応が進むならば、生成AI機能を使った作業を快適にこなすことができるでしょう。
メモリ
Core Ultra シリーズ2では、メモリがチップに統合されました。そのため、後から交換することはできません。ただし、消費電力についてはかなり下がり、ノートPCのボディも薄くすることができます。
Core Ultra シリーズ2搭載のノートPC
今後、下図のように、かなり多くのメーカーから、Core Ultra シリーズ2を搭載したノートPCが発表予定です。
マウスコンピューターからは、早くもMousePro G4シリーズが投入され、製品紹介ページが上がっています。
当サイトでは、Core Ultra シリーズ2搭載のノートPCが発売されたら、購入レビュー予定ですので、よろしければブックマーク等よろしくお願いします。
パソコンやガジェット好きが高じて、パソコンメーカーや家電量販店などのパソコン訪問サポートを行うようになる。最近では、飼っているハムスターやカナヘビに癒されたり、ベランダで作っているトマトやヘチマの成長を見て喜んだりしている。子どもとマイクラをすると、画面酔いするようになり、年を感じる今日この頃。
2018年頃から、the比較の記事執筆に参加。
1975年生まれ。電子・情報系の大学院を修了。
2000年にシステムインテグレーターの企業へ就職し、主にサーバーの設計・構築を担当。2006年に「the比較」のサイトを立ち上げて運営を開始し、2010年に独立。
毎年、50台前後のパソコンを購入して検証。メーカーさんからお借りしているパソコンを合わせると、毎年合計約150台のパソコンの実機をテストしレビュー記事を執筆。
関連ページ