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レノボ ThinkPad X1 の実機レビュー(2)

更新日:2011年7月27日
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  目次  

静音性のチェック

ThinkPad X1は、(おなじみですが)フクロウの羽にヒントを得て開発されたFANを使っています。今回は、第5世代フクロウの羽の FANになりましたが、10種類以上サンプルを試し、静かで冷却性の高いものを開発していったそうです。また今までで最も薄いFANになっ ています。

こんなフクロウ羽形状のファンを搭載したThinkPad X1の静音性のチェック結果です。

下記の3つの状態のときに、騒音値を測定するテストを実施しました。

(1)アイドル時
(2)バイオハザード5ベンチマーク実行時(解像度:1280x720、テストA)
(3)TMPGEnc Video Mastering Works 5 でエンコード時(x264、解像度1280x720でエンコード)

テストの結果は、騒音値自体は標準的な数値でした。ただし、ファンが回ると「キーン」という高音がするため、体感では騒音値以上にうるさく感じました。

計測した騒音値は下の図の通りです。私の部屋を極力無音にしても40.4dBあり、この値を基準にするとアイドル時で+0.1dB、バイオハザード実行時で+4.1dB、エンコード時で+4.1dBでした。尚、無反響室で測定したわけではないので、騒音値は正確な値ではありません。値は参考程度にしてください。


アイドル時と高負荷の騒音値。他のPCよりも静かです。

パーツの温度のチェック

CPU及びハードディスクの温度のチェック結果です。 HWMonitorのソフトで、各パーツの温度を計測しました。

テスト方法は、「静音性のチェック」のときと同条件で行いました。

テストの結果、バイオハザード5のベンチ実行時および、TMPGEncのエンコード実行時は、マザーボードとCPUの温度が高めでした。90℃近くにまでなっています。ゲームやエンコードのような継続的に高い負荷のかかる作業はしないほうが良いと思います。


CPUの温度をHWMonitorで測定。負荷をかけたときの温度はやや高めです。

表面温度のチェック

本体表面温度の測定結果です。

テスト方法は、「静音性のチェック」のときと同条件で行いました。

テストの結果、バイオハザード5のベンチ実行時および、TMPGEncのエンコード実行時は、キーボードの左上の部分が45℃近くにまで上昇しました。またその裏面の部分も約45℃になっていました。かなり熱い温度です。本機は、本体が薄いためどうしても表面に温度が伝わりやすくなっています。膝の上に置いての作業はしないほうがいいと思います。


本体キーボード側の表面温度。裏面から見た右上側が熱くなっています。

消費電力のチェック

ThinkPad X1の消費電力です。

テストの結果は、アイドル時はやや低めです。その他は標準的だと思います。


消費電力の計測結果。消費電力は少ないです。

外観のチェック

ThinkPad X1の外観のチェックです。指紋の付きにくいボディです。

 

ボディは非常に薄く、カバンへの収納性が良く、持ったときのホールド感も良好です。

本体のサイドは斜めにカットされていて、より薄く見えるようになっています。

 

次は天板です(下図)。マットな質感で、指紋は付きにくいです。

 

液晶ディスプレイの開く角度は下図のようになっています。180度以上開ので、床にPCを置いてしゃがんで作業をするときや、向かい側に座っている人に画面を見せたいときなど便利です。

 

ThinkPad X1の側面です(下図)。左側面のフタを開けると、ヘッドホンとUSB2.0端子があります。ただし、この部分は本体が斜めにカットされている上にフタが付いているので、外部機器を接続しづらいです。

背面には、USB3.0やHDMIなどのポートが集中しています。私の想像ですが、両サイドが斜めになって機器を接続しにくいのをレノボさんも分かっているため、背面にポート類を集中させたのではないかと思います。薄く見せるためのデザイン性を優先したのではないでしょうか。左側面のポートにフタがしてあるのも、ここには挿すなという合図ではないかと想像します。

ただし、背面はそもそも機器を接続しづらい場所です。利便性の面では、やはり両サイドにUSBポートなどを多く設置して欲しかったです。

 

まとめ

以上が、レノボ ThinkPad X1のレビューでした。

非常に薄いボディと、両サイドが斜めにカットされているデザイン、そして液晶とベゼル(枠)が一体化している画面など、デザイン面は、ThinkPadの中でもカッコイイ機種だと思います。また、これだけの薄さを実現していながら、ThinkPadらしく高い堅牢性を確保しており、モバイルPCとして安心して使えます。

ただし、本体が薄いことが影響し、負荷をかけると表面温度や、パーツの温度が上昇するのが気になりました。

また、欲を言えば、ThinkPadの中でも高級モデルに位置するので、1600x900の解像度の液晶が欲しかったのと、もう少し軽くして欲しかったです。

7列キーボードではない点、バッテリ交換が自分でできないなど、ThinkPadコアユーザーは残念に感じる部分もあるかも知れません。ただし、キーボード自体は非常に打ちやすいですし、ほとんど使わないキーは排除されており個人的には好きなキーボードです。

この極薄のデザインに惚れたならば、ThinkPad X1は買いと言えるでしょう。もし、これほど薄くなくてもいい方は、軽量なThinkPad X220や、1600x900の解像度を選択できるThinkPad T420sもご検討ください。