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レノボ ThinkPad T420sの実機レビュー

更新日:2011年06月24日


ThinkPad T420s の概要

自宅でも外でも快適

ThinkPad T420sは、14.0型、解像度1600x900の液晶を搭載したやや大きめのモバイルパソコンです。7列キーボードを採用し、キー自体も打ちやすく、さらにトラックポイントも搭載しており、本機の操作性は非常に高いです。

このように液晶画面が大きく、解像度も高く、操作性も良いT420sは、自宅(社内)でも外出先でも快適に作業することができます。

SSDを搭載したモデルであれば、Lenovo RapidDrive SSD Technologyにも対応し、パソコンの起動・シャットダウン、アプリケーションの起動などが高速です。

尚、米レノボのホームページを見ると、T420sは、ThinkPadシリーズの中で、「Top rated(最上位評価)」のランキング1位となっています。

欠点としては、重量がDVD非搭載で約1.64kg、バッテリ駆動時間が実測で4時間36分と、モバイルとして使用するにはやや重く、駆動時間もやや短い点です。しかし、この重さ&バッテリで問題ない使用用途であるならば、非常におすすめのPCです。

レノボ 公式サイト

目次

ThinkPad T420s の基本スペック

本機の基本スペックを紹介します。※2011年5月10日現在の情報です。BTOパソコンという特性上、時期が経つと選択できるパーツは異なります。

CPU
第2世代インテルCPUのCore i3からCore i7までを選択可能です。最大でCore i7-2620Mを搭載可能です。本機は、Core i5-2520Mです。
グラフィックカード
CPU内蔵(インテルHDグラフィックス3000)またはNVS 4200Mを選択できます。本機は、CPU内蔵です。
液晶ディスプレイ
14.0型の非光沢液晶です。解像度は1600x900固定です。本機に搭載されていたパネルはLP140WD2-TLB1(LG製)でした。
メモリ
PC3-10600のメモリを搭載可能です。本機は4GBです。中身は、サムスン製M471B5773DH0-CH9でした。
ハードディスク
5400rpmまたは7200rpmを搭載可能です。本機は非搭載です。SSDとの両搭載はできません。
SSD
128GBまたは160GBのSSDを搭載可能です。本機は128GBのSSDです。本機に搭載されていたのはTOSHIBA THNSNC128GCSJでした。厚さは7mmです。
光学ドライブ
DVDスーパーマルチを搭載しています。着脱式となっています。ダミーカバーも同梱されています。
バッテリ駆動時間
メーカーカタログ値は6セルバッテリで4.9時間です。実測値は4時間36分でした。
※パーツの中身はロットによって変更されますのでご注意ください

特徴1 1600x900の解像度の液晶

ThinkPad T420sの1つ目の特徴は、液晶の解像度が1600x900もあるという点です。一般的に14.0~15.6型のノートパソコンは1366x768が主流ですが、それよりも高い解像度です。

本機に搭載されていたLG製のLP140WD2-TLB1の液晶パネルの見た目としては、ギラツキもあまり感じられず非光沢のノート用液晶の中では見やすい部類に入ると思いました。TNパネルであるため視野角は、普通のノートパソコン並です。


画面(正面)。ギラツキはそれほど感じられません(ほんのわずかにあることはある)。


視野角はノートパソコンとして普通です。

2011/6/24 追記:
LG製のLP140WD2-TLB1の液晶パネルの場合、液晶下のインバータのあるフレーム部分が結構熱くなります。

2011/6/24 追記:
ThinkPad T420sは別のパネルが搭載されることもあるわけですが、その中の1つとして、ThinkPad T420で搭載されていたAUO製B140RW02 V1が搭載される可能性もあります。このパネルの場合、ギラつきがあり、LG製のLP140WD2-TLB1の液晶パネルよりも見づらく感じます。ただし、液晶下のフレーム部分はそれほど熱くありません。

特徴2 - 極薄なボディ

ThinkPadT420sの2つ目の特徴は、極薄のボディです。見た目もスタイリッシュですし、カバンに入れたとき分厚くならないで済みます。また、社内で移動するときも、他の資料を重ねて持ち運びやすいです。


ThinkPad T420sの本体は薄いです。


高さは実測で約31mm

ゴム足を含めた本体の高さを実測したところ、約31mmでした。ゴム足を含めなければ、約25mmでした。

かなり薄いPCであることが分かります。

 

特徴3 - 起動・シャットダウンが速い!?

本機を確認したところ、lenovo enhanced experience 2.0(EE2.0)のシールの下に「RAPIDDRIVE」の文字が記載されていました。RapidDriveは、HDDとSSDの両方を搭載したときだけ利用できる機能かと思っていましたが、SSDのみの搭載でも利用できるようです。念のためサポートにも確認してみましたが、SSDのみでも利用可能とのことでした。

OSの起動、停止を確認してみたところ、起動時間は約26秒シャットダウン時間は約8秒でした。SSDを搭載しているだけあって速いのですが、Rapid Driveは10秒位で起動するみたいなことを読んだことがあるのでやや拍子抜けでした。あまりRapid Driveの効果は感じられない結果でした。


Rapid Drive機能搭載のOSの起動・停止の様子

特徴4 - 頑丈ボディ&防滴仕様

ThinkPadは、落下試験、加圧試験など様々なテストをクリアし、堅牢さにおいてはトップレベルのパソコンです。またキーボードが防滴仕様になっており、水をこぼしても壊れにくくなっています。

特徴5 - 打ちやすいキーボード

7列キーボードを採用したThinkPad T420sは、非常に打ちやすいキーボードです。

よく使用する「Enter」はもちろん、「Esc」や、「Delete」、「Ctrl」などのキーが大きくなっており、打刻ミスを軽減できます。また、「Home」、「End」、「PgUp」、「PgDn」、「PrtSc」なども独立したキーになっており、「Fn」キーを押しながら押す必要がありません。ボリュームボタンも独立しており、とっさに消音にしたいときにも対応できます。

また、多くのアイソレーションキーボードと違い、キートップが凹んでおり押しやすくなっています。もちろん、トラックポイントも搭載しています。


キーボード全体図。7列キーボード採用。


「Ecs」、「Delete」、「PrtSc」や、ボリュームキーが独立。


左図:キートップ(キーの指が触れる部分)。凹んでいて指が触れる面積が大きくなっています。
右図:トラックポイント。これが搭載されているためにThinkPadを購入するユーザーも多いです。

 

タッチパッドは、表面にポツポツした凹凸があり、指が湿っていても比較的動かしやすいです。クリックボタンは、本体の端のギリギリのやや角(カド)になっている位置にあります。押しづらそうに思ったのですが、角にあるのが意外に押しやすかったです。


タッチパッドとクリックボタン。操作しやすいです。

特徴6 - キーボードを照らすライト

ThinPad T420sは、キーボードを照らすライト(ThinkLight)が搭載されています。

暗闇で作業しなければならないときに、キーボードを照らしてくれるので非常に便利です。このようなライトは、他のパソコンにほとんど無いです。


ThinkLightを使用したときの図。Fn+PgUpキーを押すことでライトをON/OFFできます。

特徴7 - ピークシフト


ピークシフト設定画面。

他のThinkPadのレビュー記事でも書きましたが、ThinkPadT420sにもピークシフトという機能があります。

ピークシフトとは、電力が不足しがちになる日中や夕方などに、バッテリ起動して電力を使わないようにし、深夜などの電力が余る時間にバッテリを充電する機能です。一日の電力消費を平滑化してやることで、福島原発事故による電力不足に少しでも貢献できます。

ピークシフトの設定方法は、別途ページを作成しましたので、「ピークシフトの設定方法」をご覧ください。

総合ベンチマーク - 高いCPUスコア

本機でのベンチマークスコアを紹介します。

本機はCore i5-2520Mを搭載していますが、このCPUはCore i7に近い性能があるため、CPUのスコアは比較的良いです。グラフィックス関連はインテルHDグラフィックスということもあり普通です。

Windows エクスペリエンス インデックス

CrystalMark 2004R3 ベンチ & PassMark Performance Test ベンチ

SSDのベンチマーク(CrystalDiskMark)

ThinkPad T420sに搭載されていたSSDのベンチマーク結果です。尚、中身は、TOSHIBA THNSNC128GCSJでした。ハードディスクと比べると全ての項目において速度が速いです。他のSATA3.0のSSDと比べた場合は、平均的なスコアです。ただし、NCQに対応していないのか、「4K QD32」の速度が遅いです。

動画のエンコード時間のチェック - GPGPUで速い


ペガシス TMPGEnc Video Mastering Works 5

Core i5-2520M、インテルHDグラフィックスでのThinkPad T420sについて、動画のエンコード時間をチェックしました。

テストでは、下記の2つ方法でのエンコード時間を計測しました。

(1)CPUで処理するx264によるエンコード
(2)GPGPU(クイック・シンクビデオ)によるエンコード

エンコードに用いたソフトは、定番のペガシス TMPGEnc Video Mastering Works 5 です。

テストの結果は、(1)が32分56秒、(2)が12分29秒でした。ノートパソコンにしては速いエンコード速度です。ノートに安いGPUを搭載するよりも、インテルHDグラフィックスのほうが速いです。


TMPGEnc Video Mastering Works 5 によるエンコード時間
エンコード方法 エンコード時間
x264でエンコード 32分56秒
GPGPU(クイック・シンク・ビデオ)でエンコード 12分29秒
AVCHDの動画(ファイルサイズ:1.54GB、再生時間:約13分、解像度:1920x1080)を、
iPhone 4で視聴可能なMPEG-4 AVC(解像度:1280x720)へ変換

重量のチェック - 14.0型にしては軽いほうだが・・・

ThinkPad T420sは、14.0型の液晶パソコンにしては軽いボディですが、モバイルPCとしてはやや重いです。

SSDモデルの本機を実測した結果、DVDドライブ装着時で1759gでした。DVDドライブを取り外してダミーカーバーを取り付けた状態で1643gでした。外出するときは、あまり活躍の場が少ないDVDドライブを取り外しても良いでしょう。

一回り小さい13.3型のモバイルノートには、1200g台や1300g台のPCも存在するため、それらと比べると重く感じてしまいます。画面解像度やキーボード重視ならT420sが良いと思いますが、軽さ重視なら他のパソコンも検討しましょう。


DVDドライブ装着時と、非装着時の重量。

バッテリ駆動時間のチェック - ギリギリ合格点


実測で4時間36分のバッテリ駆動

ThinkPad T420sのバッテリ駆動時間を実測しました。

計測方法は、バッテリ駆動状態でDVD相当画質の動画を再生させ、休止状態に入るまでの時間を計測しました。

計測した結果、駆動時間は4時間36分でした。

ThinkPad T420sのバッテリ駆動時間の公表値を、メーカーHPで調べると約4.9時間と書かれています。今回のような測定方法だと、メーカー公表値の6割程度しかバッテリ駆動しない場合が多いのですが、今回は、かなり公表値に近い値となりました。

モバイルパソコンとしては長い駆動時間ではありませんが、4時間以上の駆動であれば、用途によっては十分使えると思います。ギリギリ合格といったところです。

尚、6セルバッテリ以外は選択することができません。

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